「夫としては完璧。だけど男としては・・・」と思ってしまうのですが(1)



最近増えてきたこの手のご相談。
カウンセリングでは「パートナーは鏡」として、旦那の問題とするのではなく、自分自身の問題として主体的に捉えていきます。

同じ夫の立場として一瞬ドキッとしてしまうご相談、最近よく頂きます。
「他に彼氏を作ってしまって・・・」という場合もありますし、まだそこまでは至らず、でも、これからどうしていけば・・・という方もいらっしゃいます。

さて、結婚して夫婦関係が落ち着いて来て安定飛行に移って来る頃から、ふとこんな疑念が頭を過ぎるんです。

「うちの旦那。優しいし、穏やかだし、家事もちゃんとしてくれるし、仕事もできるし、稼ぎも悪くない。夫としては完璧。でも、なんか最近、男として感じられなくなってしまった・・・」と。セックスも一応するけれど前ほど燃え上がるような気持ちに離れないし、でも、離婚なんて絶対考えられないし、という葛藤です。


もちろん、これは「夫側」にもある現象ですけどね。

さて、そんな心理を今日は掘り下げて行こうと思うんです。
少し急角度ですので覚悟してくださいませ(笑)

「パートナーは鏡」
心理学はこの前提に立ちます。もう少し詳しく言うと
「パートナーは自分の潜在意識を映し出す鏡」
です。

専門用語では「投影」という現象です。
自分の心にあるものを外側に映し出す現象。

しかも、潜在意識内に抑圧されてる思いを映し出すので、自分ではそう思ってることに気付けません。
だから、自分にその思いがあるとは思えないので相手のせいにしたくなる(相手の問題と思いたくなる)んです。

「鏡?じゃあ、私が妻としては完璧だけど、女としては物足りない(つまらない)って言うの?」

どうでしょうか。
「完璧」というところでは引っかかるかもしれませんね。あれもできてない、これもできてない、と思っていませんか?。
どこかで「ちゃんとした妻であること」を自分に求めてませんか?
完璧であることをどこか自分に課していませんか?

「女として」はどうでしょうか?
自分は女として価値がない、とか、物足りない/つまらないと自己評価していますか?それともイケてると思っていますか?

では、こうはどうでしょう?
「女である意識は捨ててはならない」とか「いつまでもきれいな女でいたい」という意識については。

この「女としてちゃんとしなきゃ」と思っている背景には「気を抜いたらダメになる」「頑張ってないと女としてダメになる」という怖れが隠れています。
その怖れを鏡に映し出すと「気を抜いた姿」が目に映ります。自分がああなってしまうのでは?と怖れを抱いているから、それが目に映るんですね。
休日に一日ジャージを着て過ごす旦那を見て「はぁ」とため息が出てしまうんです。
しゃんとしなさいよ!と自分に常日頃言ってるように、旦那に言いたくなるんです。

もし、あなたの中に「自分は素敵な女だ!」と承認が降りていれば、ジャージ姿でお腹をかいてる旦那にも「私の夫は何をしても画になるなあ」と見えるのです。

少し分かってきました???
潜在意識の仕組み。

その前提で最初の命題に戻ってみましょう。

「夫としては完璧。だけど男としては・・・」

ここから見えてくるのは次のような自分自身の心理なのです。

→私が、人生に退屈している。
→私が、つまらない女になっている

ということを表しているのです。自分が退屈し、つまらない女になっているから、それを投影する旦那が退屈でつまらない男に見えてくるのです。
痛いところですね(^^;

さて、さらにディープな世界に入って行きましょう。そうした心理の裏側には、

→今の私は主体性がない。何かに幸せにしてもらおうと思っている
→今の私は守りに入っている。安心、安全、安定は手放したくない

そんな思いが隠れているのかも。

「男」(夫)に期待していませんか?
私をワクワクさせてよ!ドキドキさせてよ!もっともっと楽しませてよ!って。

もし、もうそんな気持ちは失せたわ、と思っているのなら、それこそ潜在意識の中にその思いを押し込めてしまったのかもしれません!!

では、自分で自分を楽しませる、笑顔にしてあげる、ワクワクさせてあげる、のはいかがでしょう?
主体性とはそのことです。誰かに期待するのではなく、自らが主体となって自分を笑顔にしてあげるのです。

「安定、安全、安心」って「守る者」にとってはすごく大切な要素です。
毎月の収入、住環境、口に入れるもの、身に着けるもの、人との出会い。
この3つを求めていくとリスクを犯すことができなくなります。
すなわち、「刺激物」を避けるようになるんです。
だから、守りに入れば入るほど、自分から刺激を遠ざけるようになり、ドキドキワクワクから遠ざかります。
だから、旦那に対しても自然と「刺激を求めない」ようになっていくわけですから・・・ね。
退屈でつまらない、というのは、安心で安全、を言い換えた言葉になり得ます。
旦那さんが刺激的で素敵だったら困るのです。
そういう思いが、目の前の退屈でつまらない夫を創り出しているのです。

じゃあ、どうしたらいいのでしょうか???
次回(2日後です)、私なりの提案はさせて頂くのですが、同じ思いの皆さん、ぜひそれを考えてみてください。

※もちろん、このテーマは夫婦関係に限ったことではありません。
 仕事でも、習い事でも、どんな場でも起こり得ることです。
 仕事ならさしずめ「安定企業」で感じることかもしれませんね。

男と女の心理学

 Twitter > http://twitter.jp/nemotohiroyuki
 Facebookページ > https://www.facebook.com/nemotohiroyuki
こじれたココロのほぐし方 頑張らなくても愛されて幸せになる方法
 ★好評発売中!根本裕幸の近著。


あわせて読みたい