友達にも言えない失恋の痛み。



ある失恋のご相談でわざわざ東京から来てくださったAさん。
2か月前に別れた彼のことでご相談。
まだまだ引きずっていて、もう一度チャレンジしたい気持ちもあるし、でも、次に行った方がいいと思っていたり、日々葛藤が続いています。
好きな仕事をしているものの、失恋のダメージが思った以上に大きくて最近はパフォーマンスも少し落ちてきているらしいのです。

Aさん、とてもハキハキしていて明らかに自立系。
時に笑顔も交えながら彼の話をしてくれるのですが、見た目と違ってだいぶしんどそうなんですね。

「友達に相談とかしてますか?」

そう聞くと彼女は「いいえ。友達にも会社の人にも言えないんです。親友の一人には『実は別れちゃったんだ』とは言ったけど『全然大丈夫。最初っから合わないって思ってたから』と強がっちゃって」と。


「じゃあ、ふだんは全然大丈夫なフリしてるんですか?それってめちゃくちゃしんどくない?」

そう聞くと「ええ、けっこう辛いときもあります」と苦笑い。

なかなか自分のシャキッとした自立系女子のイメージが崩せない、プライドが邪魔して弱みを見せられない、人にどう思われるのかが気になって話せない、そもそもこの程度のことで傷ついてる自分が情けない、等々の思いが頭の中を巡ります。

だから、彼とどうするか?という話よりも、彼女のその自立的な部分を掘り下げていくことにしたんです。

子ども時代のこと、親子関係のこと、かつての恋愛、色々と話をして頂きました。
人の前に立つ職業だけあって、とても分かりやすく、うまく、そして、面白く聞かせて下さるので時間が経つのも忘れてしまいます。

とはいえ、中身はけっこうハードなんですよね。
それだけの経験をしつつ、1人で踏ん張って頑張って今の地位を築き、かつ、女性が憧れる女性として生きてきたのです。

 弱みを出したら負け。
 自分はいつも元気で前向きでなきゃ。
 今日も頑張ろう!

そんな意識で生きて来られての「挫折」です。
敢えてその言葉を使うと、Aさん「ざ、挫折ですか・・・これが・・・」と目を点にされていました。

「Aさんにとって仕事や社会性というのはたとえ失敗してもうまく行かなくても挫折でもなければ落ち込まないんです。それだけ前向きに頑張る姿勢が付いていますし、全力で向き合えます。でも、Aさんにとって恋というのはちょっとウィークポイントみたいですね。自立した分だけ感情が苦手になりますから。だから、仕事などでは挫折は起こり得ないんです。ちゃんと準備できてるから。だから、恋愛、しかも、屈辱的な失恋という形でしか挫折しようがないんですよ。」

 頑張ろうとしても気力が湧かない。
 もう大丈夫と思っても涙が出てしまう。
 仕事に集中しようと思ってもふとした瞬間に彼が過ぎって気分が落ち込んでしまう。

こんな経験、恋愛(失恋)でしか起こせないんです。彼女の場合。
だから、「Aさん強化月間」を推し進め、さらに魅力的に、さらに素敵な女性への成長するには「失恋」というカードを切るしかないんですね。

誰がそんなことするの?

神様?
そう、内なる神様。内なる自分。より成長を望む自分が起こすんです。

「え?自分が望んでるんですか?」と目を丸くされるので、「もし、これが仕事のトラブルだったらそう思えるでしょう?」って聞くと「あ、そうか。確かに。でも、仕事だったらこんなネガティブにならないですものね。だから失恋がこんなに辛いんだ。私、成長したいんですね、すごく」と納得されてました。

だから、彼女には思い切り「弱さ」を認めてもらう“トレーニング”をしていきました。
Aさんにとっては「今も彼のことが好き」であることは屈辱的です。
それを認めることに強い抵抗が出てきます。
「今もすごく辛い。忘れられない。まだまだ追いかけたい。」
そんな気持ちを認めることにもすごく抵抗します。
「もう一度会いたい。顔が見たい。」
「私の何がいけなかったの?」
「寂しい」
そんな当たり前の思いを受け入れることにも惨めさを感じてしまいます。

でも、すごくすっきりしていきます。
重たい荷物を降ろしたかのように。
表情もすごく明るくなっていきました。

そして、

「また辛くなったら吐き出しに来ますね~!!せっかくなんで大阪観光して帰ります~!!ちゃんと美味しいところ調べて来たんですよ~!」

颯爽とカウンセリングルームを後にされました。
そうそう、Aさんにとても大事な宿題一つ渡したんです。

「親友に、全部話すこと。大阪までカウンセリングを受けに行くくらい辛いってことを包み隠さず言うこと」

嫌がってましたけど彼女の心の深いところにある孤独感も、これでだいぶ癒されるはず。

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