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無力感、無価値感があり、つながりが感じられない時に「権力」を誇示するために使われるのが、このセリフです。
もっと価値を認めてあげるとその痛みも癒されていくでしょう。
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先日のセミナーの中で質問を頂いて、ああ、なるほどな、と思ったテーマ。
「誰が稼いでると思ってるんだ」という“伝統的な”セリフは男性からのみ発せられると言ってもいい言葉。
お父ちゃんが家族に権威を示すために、夫が妻をコントロールするためによく使われます。
ちなみに私は口に出しては言わないのですが、ひそかに心の内で思うこともあります。
そんな男性心理の背景にあるのは・・・、
「お金を稼ぐことでしか、家族に貢献ができない」
という無力感であり、
「お金を稼ぐことにしか、自分の価値はない」
という無価値感です。
少なくても、自信、はありません。
そして、もう一つ大切なことは、家族(妻)とのつながりが切れている時に発せられる言葉である、ということです。
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そこには拝金主義という側面もあります。
お金がすべて、お金が無ければ生きていけない、とお金の奴隷になってしまっていて、お金こそが一番の価値であると思っている部分もあります。
それはお金がなくて辛い思いをした経験(あるいはそういう家庭で育った過去)が作り上げた価値観です。
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お金はパワー、権力のシンボルの一つです。特に現代社会においては。
だから、「誰が稼いでると思ってるんだ」というセリフを使うことで、自分が一番偉いんだぞ、だから、そんな俺を尊敬しなさい、もっと大事に扱いなさい、と訴えているのです。
しかし、そういう形でしか訴えられないということは、家族の中で全然自分の存在意義が感じられない、尊敬されてるように感じない、尊敬されるべき点がほかにない、ということを示しています。
だから、このセリフは少々切ない、寂しいセリフなのです。
お父さんとしては、自分vs妻+子ども、という家族の雰囲気を感じ、分離感を感じているのかもしれませんね。
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こんなお父さん、旦那さんに対しては、「あなたの価値はお金を稼ぐことだけじゃないのよ」というサポートをコツコツしていくことが有効です。
居てくれるとみんな安心するし、
お仕事頑張ってくれてることに感謝してるし、
かっこいいし、
博識で色々な世界を教えてくれるし、
大掃除の時には力仕事で助けてくれるし、とってもありがたい、と。
もちろん、1,2回言っても意味はありません。
何度も何度も、それこそ、捲いた種に水をあげるがごとく、コツコツ続けましょう。
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ただし、お父さん、旦那さんがこのセリフを吐くときは、往々にして家族の雰囲気、繋がりは良くないものです。
だから、意地を張ってしまい、そんなお父さんのことなんて大嫌い、とますますお父さんを孤立させてしまうと、ますますお父さんも意固地になって「誰のお陰でご飯が食べられるんだ」的発言が増えて行きます。
そうすうとますます家族はお父さんのことが嫌いになって・・・の悪循環。
そこは流れを変えるために、受け取ってもらえないけれど価値を伝える、少々天狗になるかもしれないけれど感謝を伝える、ということを続けて行くのが大切かな、と思うのです。
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逆にそんなセリフを口走ってしまうお父さん、旦那さんはどうしたらいいのか、というと・・・。
もっと自信を持ちましょう、自分の価値を認めましょう。
家族に対してあなたが貢献しているのはお金だけではないはず。
安心感や楽しみなどもふんだんに提供していると思うのです。
それを認めてもらえない、と寂しくなるのであれば、勇気を出して自分から繋がってみましょう。
「誰が稼いでるんだ」というセリフを「俺はお金を稼ぐことでしか家族に貢献できないのかな」と正直に訴えてみると、奥さん、お子さんたちの態度は変わると思います。
もちろん、初めてそのセリフを聞くと家族はドン引きすると思います。
でも、そこでくじけずにいてください。
きっと家族は変わり始めます。
あなたを愛しているのですから。
そして、家族とのつながりを取り戻していきましょう。
あなたが家族のために良かれと思ってやっていること、また、やりたいことを奥さんと協力してやってみるといいでしょう。
その孤独が癒されて、家庭の中に居場所を見つけることができるでしょう。