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しっかり者の彼女は往々にしてダメンズメーカーになりやすいもの。
その背景には自己評価の低さと優しさとポリシーがはっきりしていないところに原因があるのかも。
「彼があなたにコンプレックスを抱いてるって知ってます?」
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私のクライアントさんの一大ジャンルに「ダメンズ・メーカー」な人たちがいらっしゃいます。
最初は「コレクター」だったのが、いつしか、自ら生産する側に回って「メーカー」となられた方々です。
決まって彼女たちはとてもしっかりしていて、気の回る人たちで、もちろん、仕事だってソツなくこなしています。
面倒見が良すぎる、というのはダメンズ・メーカーにとって必須の要素なのですが、そんな彼女たちの行動により、男性はどんどん自信を失っていくことに気付いているでしょうか?
「彼があなたがそうしてテキパキ物事をこなすことにコンプレックスを持っていることに気付いていますか?」
そんな問いをよく投げかけます。
家事もきちんとします。洗い物をシンクの放っておくことはありません。
お金の管理もちゃんとします。貯金も計画的にでき、無駄遣いをしないだけの自制心を持っています。
人間関係を大切にします。友達からのメールには忙しくても時間を作って返事をします。
仕事はできる方です。上司や同僚からの信頼も得ています。
そこまで完璧じゃないですよ・・・と多くのメーカーさんはおっしゃるのですが、少なくても「彼と比べて」は出来ていないですか?
自分としてはそんなつもりのない、ごくごく当たり前の行動が、男性の競争心を刺激し、自信を失わせてる・・・そういうこともあるのです。
「どうして、出しっぱなしにするの?」
「どうして、そんなにお金にだらしないの?」
「なんで時間を守れないの?」
「なんですぐにバレる嘘を付くわけ?」
「この間約束したことがどうしてできないの?」
自分としてはごくごく普通のことです。
特別なことだとは思いません。
だから、それができない彼に不満を持ったり、叱ったりするのは正当だと思います。
そして、そんな風に怒ったり、叱ったり、ということを繰り返すと、彼もそれが「できて普通なこと」と思う分だけ、やる気を失います。
どうして俺はできないんだろう?と自信を失い、コンプレックスになってしまうんですね。
例えば、シンクに溜まってる食器を見て、「これを洗えってことなんだろうけど、洗ったら洗ったで、雑だのなんだの文句言われるしな」と思ったら洗う気にならないですよね。
今度のデートこそは遅刻しないように頑張るんだけど、つい二度寝をして時間ぎりぎりになったとしたら、駅まで走ろうって気力は湧かないですよね。
彼女の「ほんとにもう。なんでいつもそうなの?」と眉間にしわを寄せた顔が思い付けば、「もう、いいか」と思います。
そして、メーカーさんたちに共通なのは「しょうがないわねえ」とそんな彼らを受け入れるところ。
優しさとも言えますし、甘やかしとも言えます。
結局許してしまうので、彼としてはそこから学ぶことなくなるんです。
ポイントは二つ。
1つ、自分がふつうにできることは誰にでもふつうにできることではない。一般常識や自分を基準にするのではなく、ちゃんと彼の“能力”を見極めることが大切。
特に自分の能力の高さをきちんと評価しないと、彼をついつい見下してしまいます。
2つ、自分のポリシーをはっきり持つこと。ダメなものはダメ、できちんと彼に責任を取らせるのか、それとも徹底的に自分が面倒を見てあげるのか。
もちろん、そうなってしまう理由もあるのですが、それはまたの機会に。