「別れた彼のことがなかなか忘れられないんです」というお話をよく伺います。
夢の中から登場し、朝起きた瞬間から思い出し、一日中彼のことばかり考えてしまう、という方にもお会いします。
別れてすぐならば仕方がないと思えるけれど、もう1年も経つのに彼のことが忘れられない場合もありますね。
「彼のことを思い出さないようにしよう、忘れるようにしよう」と思えば思うほど、彼のことを思い出すし、忘れられないのが私たちなんです。
「~しないようにしよう」と思い浮かべるものって何だと思います?
ちょっとした実験です。
『マロンケーキのことは考えないようにしてください!』
もし、モンブランやマロングラッセが思い浮かんだら、それを打ち消そうとしてみてください。
「思い出さない、思い出さない。」とやってもいいし「紅茶、紅茶、コーヒー、コーヒー」と別のものを思い浮かべてもいいです。
・・・見事なケーキセットが出来上がりませんか?(笑)
マロングラッセを消そうとすればするほど、マロングラッセが強くなると思うんです。
私たちの心はそういう仕組みになっています。
それは失恋でも同じなんです。
元彼のことを忘れようとすればするほど、あなたの心には「元彼像」が余計にインプットされてしまいます。
元彼のことを思い出さないように、打ち消そうとすればするほど「元彼像」がクリアになっていくんです。
すなわち、逆効果なんです。
じゃあ、どうすればいいのか。
まずは、それを受け入れて、流す・・・ということをお勧めしています。
合言葉は「しゃあないよなあ」「仕方ないよな」「しょうがないね」です。
ある種、諦めにも似たこの言葉。意外と効果があります。
「元彼のこと、思い出しちゃうのもしゃあないよなあ・・・」
という風に思い出してしまう自分を受け入れてあげるんです。
そして、流す・・・。これが難しいと感じる方も多いでしょう。
「ただそのままにしておく」ということなんです。
悲しくなったり、むかついたり、虚しくなったり、辛くなったりするかもしれませんが、その気持ちのまま放っておく、という感じ。
そこで「忘れなきゃいけない」「考えちゃいけない」「早く抜け出さなきゃいけない」と思わないことなんです。
よくお話ししてるかと思いますが、「感情は天気と同じ」なんですね。
晴れの日が嬉しいけれど、雨だって降るし、梅雨もあるし、これからの季節は雪だって降ります。
寒ければ厚着をするし、雨が降れば傘を差すように、その天気に合わせて私たちは行動しますよね。
感情も同じなんですね。
「まだ彼のことを思い出して辛いなんて情けない。ダメなのに!」と思うのは、雨の日に「また雨降ってる。ありえない!」って傘を差さずに家を出るのと同じなんです。
風邪ひきますね。
だから、そのまま、なすがままにしておく。
もし、イメージが得意な方は辛くなったら意識的に「傘を差す」イメージをしてみてもいいです。
感情が溢れてきた方は遠慮せずに泣きましょう。その涙が心を浄化してくれます。
泣く場所がなければぜひ、優先的に作ってあげてください。トイレの個室もOKです。
「こうしなければいけない」というルールを外すことこそ、やはり大切なんですね。
このルールが本当に自分の首を絞めてしまいます。
もう1年も経つのに、というルールを手放すことです。
1年経っても忘れられないくらい強い恋をした証拠ですから。
そのまま、そのまま。
「ずっとこのままだったらどうするんですか?」って疑問が浮かんだら、こう答えてあげてください。
「その思いが流れたら、自然と次に向かい始めるから。今は、そのまま、そのままで。」
「信じられない!」って答えが返ってきたら、その不安を抱きしめてあげましょう。
「大丈夫、大丈夫」って自分に言い続けてください。
大抵手放しが進むと、こんな感じになります。
根本:「そう言えば元彼のこと、どうなりました?」
手放し女子:「ああ、時々思い出しますけど、以前みたいに辛くはないですね」
思い出さないようにする、忘れる、のではなく、思い出しても平気で、大丈夫になるんです。
大切な恋だから、忘れるのも切ないですからね。
参考になりましたら幸いです。