そう切り出したある女性は今の彼にはもう気持ちがないこと、でも、別れられないことをとつとつと話されるのです。
「もちろん、その理由も大きいかもしれませんが、それだけじゃないと思いますよ」
例えば・・・
もし、あなたが彼の心の面倒を見てあげる“母”や“姉”的な存在だとしたら、彼を一人にすることに抵抗を覚えても不思議ではありません。
もし、彼との間に精神的な“癒着”があるとしたら、逆に強い憎しみすら持っていても離れることなど想像できないでしょう。
もし、自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先する、すなわち、「彼を失ったら、他に私を愛してくれる人なんていないんじゃないか?」という怖れから離れられない場合もあります。
もし、悪者になることが怖くければ、自分から別れを切り出すことができなくなり、相手が言ってくれるのを待つようになるでしょう。
また、長年付き合っている場合など「一緒にいることが当たり前」となってしまい、変化を怖れるが故に別れられないこともあります。
そして、「好きじゃない」というのは嘘で、「本当は大好きなんじゃないかな?」というケースにもよく出会います。
それに「好きじゃないなら別れなければいけない」というわけでもないと思うんですよね。
問題は「幸せ?」というところ。
好きじゃない人と一緒にいても、たいていは幸せではないと思います。
だから人は別れを考えるし、切り出すし、次の人を探しに旅に出ます。
だから、「幸せになってはいけない」という観念を持つ人もまた、好きじゃない人と付き合っている可能性は高いです。
カウンセリングでも「彼と別れるかどうかよりも、自分が幸せな方向を選びましょう」という提案をすることが多いんですね。
あなたにとって何が幸せなのか?がポイントなのです。
自分の幸せに対し、コミットメントができるかどうか。
「好き」って言う気持ちは感情ですから、変化し続けます。
昨日は大好きでも、今日は大嫌いってこともあり得ますし、逆にずーっと好きというのはちょっと疑わしいな、と思ってしまうほど。
だから、彼のことを好きじゃなくなっても、また好きになる可能性はあるんです。
それで「好きじゃないからって別れる必要はないと思いますよ」と言う返答になります。
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そうすると「自分にとって何が幸せか分からない」という方にもよく出会います。
これを読まれてる方にも少なくないのでは?
意識的にも、無意識的にも幸せの要因を「外」に求めてると分からなくなってしまいます。
「誰かが」「何かが」自分を幸せにしてくれる、という感覚があったり、逆に「誰かのせいで」「何かのせいで」自分は幸せになれないと思っていたりね。
私が何が幸せか、何が嬉しいか、それはあなたの心にしか決められません。
頭で考えるものでもありませんし。
注意深く、心を見つめていきましょう。
その心がウキッ!と嬉しくなる点、わくわくする、テンション上がる、気持ちいい、そんなポイントをチェックしましょう。
好きな彼と一緒にいれば、そういう体験をする機会が多いですよね。
手を繋いで歩くだけでも心がウキウキしっぱなしでしょう?
そんな心が喜ぶ瞬間を一日の中で何度も探してみましょう。
何となく、ではなく、嬉しい方を選択する癖を付けてみましょう。
そうすると自然と「幸せな方を選択する」という癖が付きます。
そうじゃなきゃ面白くないでしょ?という風に人生を見られるようになります。
そしたら、「好き」じゃなくても付き合っていくのか、別れるのかを選択できるようになるでしょう。