恋愛や失恋のカウンセリングに限らず、あらゆるケースに顔を覗かせるのが「寂しさ」という感情です。
寂しさを感じないようにするために私たちは恋をすることだってあります。
「ほんとうに彼のことが好きかどうか分からないんです。」
「彼からプロポーズされたとき、嬉しいはずなのに、ちょっと引いてる自分がいて」
「一人になるのが寂しいから、別れられないんです。」
そんな声をたくさん耳にしてきました。
失恋した後に、その寂しさをごまかすために次の恋を探して駆けずり回ったり、好きでもない人と時間を過ごしたり、仕事や趣味などに没頭したりすることもあります。
「何か虚しいんです」
「楽しめない私がいます」
「本当にしたいことじゃないような気がします」
そういう言葉を伺ってきました。
寂しいって感情は私たちが思う以上に強力で、時に犯罪すら起こしうるものなのです。
だから、私たちは小さい頃から感じないように遠ざけようとするのかもしれませんね。
そうして、寂しさを隠してくると、ほんとうに寂しいときに寂しいって言えなくなってしまいます。
そこで拒絶されたら本当に辛いし、どうしていいか分からないから。
寂しさってふと忍び寄りますよね。
何の前触れもなくやってくることもあります。
彼が隣にいるのに、無性に寂しくなって泣きたくなることもあるでしょう。
愛がないって感じたときに、寂しさはやってきます。
彼からの愛がない、と感じたとき、
自分からの愛がない、と感じたとき。
そこで、「寂しいから一緒にいて」という言葉が言えなくて、グッと我慢してしまったこと、ありませんか?
「今」じゃなきゃダメな瞬間に、でも、それは無理だって思って、飲み込んでしまったこと、ありませんか。
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以前にも書いたことがあるかと思いますが、面談カウンセリングでもグループでのカウンセリング/セラピーでも、こんなセッションをすることがあります。
私の隣に立ってもらって、そして、こんな風にお願いするんです。
「一人ぼっちで部屋で待っていた幼いころの自分を思い出してくださいね。
そんな自分がお母さんの前まで歩いていくと思ってくださいね。
そして、声に出して、お母さんに「寂しい」って言ってみてください。」
「今、目の前に彼がいると思ってください。
伏し目がちで、そわそわして、あなたのことをちゃんと見てくれません。
そんな彼に声に出して伝えてもらえませんか?「ずっと寂しかった」って。」
「「仕事、仕事」って家庭を顧みないご主人を思い浮かべてください。
新聞やパソコンばかり見て、全然あなたのことを見てくれません。
気を使って、今までずっと我慢してきたけれど、今日は勇気を出して伝えてみてください。
「私、すごく寂しいんだよ」」
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「なんかスーッとしました」
「すっきりしました」
そんな声を聞かせていただくことが多いかな。
もちろん、すぐには言えません。
言い淀んだり、棒読みになったりすることもあれば、涙が溢れてどうしようもなくなるときもあります。
でも、意外とこんな答えも多いんです。
「あ、私、ほんとうに寂しかったんだ」
気付かないことも多いんです。
どれくらい寂しい中を生きてこられたんだろう?と思い、胸が詰まることも少なくありません。
今日、少し自分の心を覗いてみてください。
あなたの心には、寂しさがどれくらいありますか?
そして、その気持ちを誰に伝えたいでしょう?
もしよければ、上のシンプルなセラピーを試してみてください。
お役にたてれば幸いです。