好きにならないように努力する。



ラブ・カウンセリング

「好きになるのが怖いのかなあ」
なかなかうまく行かない恋についてお話を伺っているとき、そんな感想を持つことがあります。

あるいは、なかなか執着が手放せないという方のお話を伺っているときも「もしかして、好きにならないように努力してました?」と思えることもあります。

好きになることを抑圧してた、ブレーキかけてたので、失恋の痛みも引きずり易くなるんですね。

「好きにならないように努力する」というのは、変な言葉なのかもしれませんが、意外と皆さん、経験されてるものかもしれません。


例えば
「好きになったら負けな気がする」
「相手にすごく依存してしまう」
「自分がなくなってしまい、相手に振り回される」
「いつも相手のことばかり考えてしまう」
みたいな理由があれば、「好きになったらヤバイから、好きにならないようにしよう」なんて行動を生み出したりするんです。

もちろんそれはクライアントさん自身が抱える問題のときもありますが、「うーん・・・、どうも彼はあなたのことを好きにならないように努力してる感じですね・・・」という場合もあります。

彼がそういうタイプの人の場合、二人の関係がうまく行きそうになると、拒絶されたり、否定されたり、距離を置かれたりします。

「昨日はラブラブですごく楽しい一日だったんですよ。それが朝起きたら彼からすごくひどいメールが来ていて、ものすごく凹みました。私、何かいけないことしたんでしょうか?」

そういうお話もたくさん伺ってきました。
だから、「そんなに背負わなくていいですよ。それは彼自身の問題もあり、と思っておきましょう。だから、本当に嫌われたわけじゃないと思います。『好きなくせに、恥ずかしいのか?怖いのか?』なんて心で思ってあげてくださいね。」なんて伝えることが多いでしょうか。

好きになったら、何がまずいんでしょうか?どうして困るんでしょう?

先ほどの理由をさらに掘り下げてみましょう。

好きになると相手の気持ちが気になります。
相手も好きでいて欲しいし、嫌われたくないという気持ちが生まれますよね。
だから、常々相手のことを気にするような状態、すなわち、「依存」になってしまうんです。

でも、その一方で、好きな人がいる喜びもあり、キラキラと、イキイキとした自分を作り出してくれることも確かです。
それはとてもいいことのはずなのですが・・・。

「好きになる」=「依存状態」=「苦しい」という図式が出来上がってしまっているのです。

それは過去の人間関係がもたらした負の遺産とも言えることで、例えば、過去に振り回されて辛い恋をしていたり、信じていた彼に裏切られた経験があったりして、まだなお、その傷が生々しく残っている分だけ、きっと「好きにならないように頑張る」必要が出てきてしまうのです。

さらに遡れば、幼少期の皆さんとご両親(特にお母さん)との関係にも行き着きます。
子ども時代は「依存時代」ですから、そこで我慢をしていたり、周りの人の感情に振り回されたり、素直に自分を表現できなかったりした分だけ、辛く、しんどい思いをしていきます。

そうすると、誰かに心を開くこと、許すこと、そのものに抵抗が出てきてしまうのです。

だから、好きにならないように努力するわけですね。

でも、この部分、大人になれば少なからず誰もが持っているものだと思うのです。

大人同士の恋愛というのは、どこかで「もっと好きになりたいのに、もっと愛したいのに、ブレーキがかかる」「何か歯車が合わない瞬間があってもどかしい」「親しくなればなるほど相手のことが分からなくなる」と言った事情を抱えるようになります。

知らないうちに「好き」になることに躊躇してしまうようです。

その結果が、失恋に結びつくことも少なくありません。
せっかく好き合っている二人が別れるのは勿体無いんですが、でも、実際は意外とあるのかもしれません。

二人の距離が近づくとある線に到達します。

「ここから一歩進んだら、もう後戻りできない一線」

と言われます。
ここを越えることは、ものすごく怖いことです。

1人で生きる、と決めた方はもちろんなのですが、大人になり、ある程度、安定した生活を手に入れた方にとっては、大冒険とも言えます。

だから、その線を越えないように「好きにならないための努力」が必要になってくるのです。

ここから先はコミットメントです。
自分を信頼し、相手を信頼し、そして、何よりも二人で築いてきた関係性を信頼します。
また、傷つくことへの怖れ、自分を見失ってしまう怖れ、好きで好きでたまらなくなることへの怖れなどを手放していきます。

そして、ふーっと息を付いて一歩前へ。

もちろん、あなたがその状態にあるということは、きっと相手もそんな状態です。
あなたが一歩前に進むコミットメントをしても、相手はまだその準備ができていないかもしれません。

そういう時は「待つ」ということもコミットの一つです。
「彼を信頼して待ちましょう」と言う風に伝えます。

もし、彼がコミットしてくれなくて不満に感じるとしたら、そこで気付いてください。
「ああ、私は彼を信頼していないんだな。彼はこのまま逃げてしまうとどこかで思っているんだな」と。
そして、再選択です。待つ、ということを。

これだけ聞くと「修業」みたいな感じがしてしまうかもしれませんが、実態は必ずしもそうではありません!

コミットするわけですから、ヴィジョンがあります。

この線を越えて手に入る甘く、深いロマンスや、絶対的な安心感、そして、固く結ばれた絆、そうした感覚に意識をおいておきましょう。

「ここを越えたら、どんな喜びがやってくるのか、ヨダレを垂らしながら待っててくださいね」なんて言うこともあります。

いわば、その抵抗も恐れも不安も、産みの苦しみと言えるのです。

好きにならないような努力を手放そうとしたとき、コミットメントが始まります。
それがヴィジョンに向けての大きな一歩です。

参考にありましたら、幸いです。

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