「これだけは彼に言っておきたい」という執着。

ラブ・カウンセリング

先週の「むかつく男は手放し難い。 」の続編と言ってもいいでしょう。

別れ際はよほど気のあった自然消滅(!?)でもない限り、どちらか、あるいは両方が不満や不公平感、理不尽さを抱えるものです。

そこでは誤解やら、思い違いやら、すれ違いやらが頻発し、“後から考えればめっちゃむかつく”という別れも多いと思うのです。

そんな中でも、こんなケースに思い当たるところはないでしょうか?

「別れ際、『お前は一人でもちゃんとやっていけるだろ』と言われたんです。え?何それ?あたし、そんなに強くないって。何最後まで勘違いしてんの?と思ったんですけど、言いそびれてしまったというか。それで別れた後、無性に腹が立ってきて、『あんた、結局私のこと、一つも理解してなかったんやね』と嫌味の一つでも言ってやりたくて・・・」

みたいな感じ。


この彼の発言は“別れるための方便”であり、むしろ、“自分を納得させるためのセリフ”だったりするわけですが、言われた方は、自分のことをわかってもらえてないような気がしてむかつくし、すごく後を引くんです。

特に「せっかくお互いの人生の一部分を共有しあった仲なんだから、ある程度はきれいに別れて、あとで振り返ったときに『あれはいい恋だったね』と思えるようにしておきたいの」というポリシーを少しでもお持ちの方は要注意ですね。

きれいに別れたい分だけ、言いたい事を我慢してしまい、後から後悔したり、むかむかしてしまうこともありますから。

そうでなくても、誤解・勘違いがよく起こる別れ際ですから、そこでの発言は、どんなセリフであったとしても、後に引き易いのも事実なんです。

特に執着したいときには、彼の去り際の言葉はとても意味深に耳に残るもの。

すなわち、「元彼の最後の言葉が引っかかる」という形で彼に執着してしまうこともあるわけです。

つまり、「これだけは言っておかないと、私の気が治まらないわ」と思うことによって、彼はあなたの心の中に居続けることができます。

それは決して、気持ちのよい状態ではないのですが、でも、そうすることで、彼とのつながりを心の中で保っていられるのです。

“「好き」で繋がれなければ、「嫌い」で繋がろうとする。だから、「好き」と「嫌い」は同じ意味と言っても良く、だから「好き」の反対は「無関心」”と言います。
その応用編のようなものですね。

具体的にはこんな風に考えてみてはいかがでしょう?

彼のことを手放せず、まだまだ執着しておきたい自分がいる、としましょう。
でも、実際にそこまで彼のことが好きだとは思えず、また、好きだと認めることはプライドが許さなかったとします。
そうすると、表向きは彼への執着は示せなくなりますよね?
でも、そのとき「あの元彼のさ、あの態度、あの言葉が引っかかってるのよね。最後にガツンと彼に言ってやりたいわけ。そうじゃないと腹の虫が収まんないのよね!」と言うと、ものすごく大義名分が立っちゃいませんか?

友だちだって「うんうん。そりゃあ、あんたの気持ちもよく分かるわ。そりゃ、むかつくわな、あの彼。あたしも応援するよ。チャンスがあったら、ガツンと言ってやんなよ」って乗りやすくなります。

でも、そういう話をカウンセリングでお聞きするたびに、私としては何とナシに釈然としないものを感じるんですよね。

「そんな最低な彼だったら、今更関わらなくてもいいんじゃない?そういう勘違い野郎にガツンと言ったって、分かって貰える確率低いし、余計モヤモヤしてしまうんじゃ?余計に自分を惨めにしちゃわないかなあ」と。

そういう風に伝えると、「そりゃ、そうなんですけどね。私だって、あの人が分かってくれるとは思わないんですけどね。でもね、このままじゃ、なんか癪に障るというか。のうのうと別の女と幸せになっていくのが許せないって言うか・・・」

あれ?それって、嫉妬?執着?なのでは???

「彼に言い残したことがある」とか「これだけは言っておかないと納得できない」と言う気持ち、決して悪いことではないのですが、そういう形での“執着”もあるということは、心に留めておかれるといいかもしれません。

もしそれが執着心が引き起こすものであったとしたら、彼を呼び出して、言いたいことを伝えられたとしても、すっきりしないんです。
後から、「あ、これも伝えてない。それも伝えてない」と言う言葉が次々出てきたりします。

そういう時は、素直に、ああ、まだ彼のこと、好きなんだな。悔しいけれど、まだ忘れられていないんだな、ということを受け入れてあげて欲しいんですね。

それは惨めで、悔しいことかもしれないけれど、でも、次に進むためには大切なことと思うのです。

別れた後に言いたい言葉があっても、それはあまり栄養にはならないもの、と思ってしまってもいいくらい。いや、栄養どころか、毒になっちゃう可能性のあるものです。
だから、私としてはあまり直接彼に会って伝えることをお勧めしないものです。

むしろ、その言葉は、彼に直接言うよりも、鏡に向かって、あるいは、目の前に彼がいると思って吐き出してしまったほうが効果的だったりするんです。(これは既にちょっとしたセラピーですね)

そうして、心の澱を吐き出していくんです。
どこかで彼のことをまだ好きなんだな、と認めつつ。

心にとって健康なことは、ありのままの感情をただ受け入れること。それが例え、苦しいもの、辛いもの、惨めなものであったとしても。
受け入れて、認めてしまうと、心のパワーはものすごいので、瞬間的にその感情を処理してくれます。
皆さんも「認めた瞬間、楽になった」という経験したことありません?
それが、心の偉大なパワーなんです。

だから、その感情を良いとか悪いとかの基準で扱わないこと。難しいけどね。でも、あなたが感じる感情はすべて肯定され、受け入れられるものなんですね。

だから、今回のケースでも、自分のホンネ、を怖れずに見つめて欲しいんです。
「あの彼のことが未だに好き?忘れられない?そんなのありえないわ!」と思ったとしても、「そうは言いつつも、やっぱり好きなのか、まだ・・・」と受け入れてみると、意外と心はすっきりするものなのです。

ありのままの自分を受け入れるとは、今感じている感情を、そのまま浮け入れることに他ならないわけですから。

参考になりましたら幸いです。


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