[29]上手なコミュニケーションの取り方は?



さて、引き続いて「男女関係のなぜ?」の29回目をお送りしようと思います。
今回のテーマは「上手なコミュニケーションの取り方は?」です。

とても広いテーマで、これだけでシリーズ化できそうな気がするんですけど、コミュニケーションに関してはカウンセリングでもとてもとても扱うジャンルですから、気持ちを込めてお送りしたいと思います。

コミュニケーション上手になることは、対人関係をより良くしていくためにはとても大切なものですし、完璧なものはないですから、常に磨きをかけていきたいところでもありますね。


* * *

心理学講座でも、コミュニケーションに関するテーマはとても良く扱っています。
また、ワークショップではグループでの実習などを通じてコミュニケーションを常に体験的に学んで頂いていると言えるかもしれません。

60.コミュニケーションの基本(その1)
62.コミュニケーションの基本(その2)
64.コミュニケーションの基本(最終回)
79.男と女のケンカの心理学2~ほんとうは仲良くしたいんだけどなぁ~
88.二人の“やり方”を創る2~男と女の違い~
89.男と女のケンカの心理学3~異文化コミュニケーション~
90.二人の“やり方”を創る3~セックスの問題~
98.話が回りくどくなってしまう心理~言いたいことを伝えられるようになるために~
135.心の距離感~寂しさ、親密感を感じる仕組み~
136.コミュニケーション上手になる方法~ニーズのコミュニケーション編~
139.コミュニケーション上手になる方法2~お願い事は理由をつけよう~
141.コミュニケーション上手になる方法3~相手に興味を持とう~
150.本当に伝えたいことは何?~自分の本音を伝えるコミュニケーション術~
155.コミュニケーション上手になる方法4~表現のバランス~

とまあ・・・心理学講座で「コミュニケーション」というキーワードの講座を抜き出してみても、これだけたくさんありますから、気になったものから読んでみてくださいね。

で、カウンセリングもカウンセラーとお客さまのコミュニケーションですよね。
言葉によるものもあれば、声のトーンや口調もコミュニケーションですし、面談ならば、それに表情やボディランゲージ、目線などもそれぞれコミュニケーションです。
僕もまだまだ不勉強ながら、実践を通じて学んでいる最中ですので、お伝えしたいこと、お伝えできることもたくさんあります。

コミュニケーションというのは意志や気持ちを伝える手段ですから、ありとあらゆる方法がありますね。

で、上手にコミュニケーションが取れるようにはどうしたらいいのでしょうか?

僕がそういうご質問を頂いたときには、真っ先にこうお伝えすることが多いです。
「うまくやろうとしないことが一番大切だと思います」
と。

「上手に」伝えたいと思うと、それだけで心は緊張し、言葉選びも慎重になり、また、考えすぎてしまったり、心がいっぱいいっぱいになってしまったりして、かえってうまく行きません。
そして、その後は強い自己嫌悪に襲われて、また自分自身に強いプレッシャーをかけてしまいます。

だから、「上手に」伝えようと思うのではなく、とにかく「伝えたい」という意欲を持つことがコミュニケーション上手になる一番の秘訣だと思うんです。

皆さんが海外に行かれたとき、その現地の言葉が分からないとき、どうするでしょうか?
どうしても意思疎通を図らなければいけなければ、ボディランゲージだったり、文字や絵に描いたりして、とにかく伝えようとすると思うんです。

それがコミュニケーションの一番の基本だと思うんです。

そうした意欲を持った上で、相手と向き合おうとすることが次のステップだと思います。

そのためには何を伝えたいのかが明確になってないと難しいですね。
何を伝えたいのか?というのは、その場その場にもよりますが、実際はそれほど多くはないと思います。

何を伝えたいのか?を明確にするためには、自分が何を感じているのか?何を思っているのか?など、心を見つめてあげることが大切だと思うんです。
コミュニケーションを通じて一番伝えたいのは、何よりも「気持ち」だと思いますから。

だから、うまくやろうとして緊張してるとしたら、最初にそれをコミュニケーションしてみるといいですよ。
「なんか俺、うまく言おうとして、今緊張しちゃってるんだよ」って。

それだけでフッと心が楽になって、言いたいことが分かってくることも多いと思います。

カウンセリングでも、言いたいことがうまく纏まらなかったり、うまく伝わらないな、と思ったら、
「ちょっと言いたいことがうまく纏まらないので、ちょっと待ってもらってもいいですか?」
って僕が切り出すこともあります。

で、図に描いたほうが分かりやすいな、と思ったら、「ちょっと紙取って来ます」って部屋を出ることもしばし。
(だから、最近はカウンセリングの時に予め真っ白いコピー用紙を何枚か持ち込むこともあります)

そうした、できるだけ素直な気持ちをまずは表現してみると、お互いの間の緊張が緩和されたり、より話がスムーズに行きやすくなると思います。

ただ、コミュニケーションは相手がいますよね。
独り言じゃないので、自分の意志や気持ちを伝える「相手」がいるわけです。

そうすると、自分の心理状態だけでなく、相手の気持ちにも目を向ける必要が出てきます。
例えば、皆さんが道に迷って誰かに聞こうとしたとき、急いで早足になってる人に聞こうとは思わないでしょう?
余裕がない相手には、伝えたいことが伝えにくいことを私たちは良く知ってるんです。

でも、自分に余裕がなくなると、相手のことも分からなくなりますから、迷子になって、時間も迫り、あせりや不安が高まると、つい、急ぎ足で駆け抜けようとする人にも声をかけてしまうものです。

だから、自分にある程度の余裕を作ってあげることも、コミュニケーションをうまくやる秘訣だと思います。
その上で、相手の状態に目を向けて上げられると、よりスムーズに行くのではないでしょうか?

そして、その相手の状態に目を向けるということですが、これはとても難しいことです。
10年、15年連れ添った夫婦でも、伝わらないことって多いはず。
皆さんも、ご存命ならば自分の親とは何十年も付き合ってるはずですが、言いたいことがきちんと伝わる関係をどれくらい築いていらっしゃるでしょうか?

相手に伝わるコミュニケーションというのは、相手の状態だけでなく、相手の性格、そして、自分と相手との現在の関係性もきちんと受け入れておく必要があると思います。

例えば、ツーカーの仲だったとしても、ちょっとした諍いがあったら、昨日は伝わることが今日は誤解の種になることがあります。
いつもは「お、元気してる?」「よー!元気やでー」って会話を交わせる相手に、今日は「うるさい!」って拒絶されることだってありますよね。

天気と同じで人の状態も常に変わり続けますから、そこまで配慮するのはすごく難しいと思います。
だから、そうした思い違いがある場合は「ごめん」って素直に謝ることが大事ではないでしょうか?

もちろん、謝罪するには自分に余裕がないと逆切れしてしまうものですから、やっぱり自分に余裕を持っておくことが大事ですね。

また、その相手の状態を考えすぎてしまうのも、またうまく行かなくなる原因になります。
考えすぎたら疲れますし、かえってツボを外します。

ただ、相手の状態というのは、相手の目や表情、かもし出している雰囲気など、結構サインが出てるものなんですよね。
「ああ、うちの奥さん、今、ご機嫌斜めだよなあ」って分かるご主人、多いでしょう?
街を歩いてて「おお、なんか向こうから歩いてくるおっちゃん、ご機嫌やなあ」って分かることもあると思います。

だから、それほど深く考え込まなくても、きちんと相手を見ていれば、ある程度は分かってくるものです。
後は練習というか、そうした人を見る経験を増やすことが大事ですね。
むしろ、考えるんじゃなくて、感じること、が良いのではないでしょうか?

最近、宿題として「ヒューマン・ウォッチング」をお勧めすることもあります。
道路が見渡せるカフェなどに入って、道行く人をぼーっと眺めるだけです。
別に分析するのが目的じゃないんですけど、あの人はこんな感じ、この人はあんな感じって目で見るだけでいいんです。
追跡調査して、真偽を確かめる必要もありません(笑)

ただ自分がどう感じるか?だけです。

そして、もし余裕があるなら、あの人に話しかけるとすればどういう風に切り出したらいいかなあ?ってぼーっと考えてみるのもいいでしょう。

・・・なんか、ナンパのレクチャーみたいですけど・・・。
でも、実際ナンパ師ってその辺をちゃんと意識してやってるみたいですよ。

僕のカウンセリングを受けてくださってる方、部屋に入って話を始める前に、
「なんか雰囲気変わりましたよね?」とか「最近、忙しいんですか?ちょっと疲れてません?」とか、声をかけさせて頂くことがあるでしょう?

玄関を入ってこられたときから、今、どんな状態なのかな?って目で見てるんです。
ああ、でも、じろじろ見るんじゃなくて、ただ、眺めるって感じです。
だから、確信があって言うわけじゃなくて、僕がただそう感じたからお伝えするだけなんです。

それに当てモノじゃないんで、「え?そう見えます?特に疲れてるつもりはないんですけど」っておっしゃられたとしても、あまり気にしません(笑)
「あ、そうでしたかー。すいません・・・。」で終わります。

それで気分を害された方もいらっしゃったかもしれませんが、そうした切り出し方で、話がスムーズに始められる場合も多いのでは?思っています。

そうした時って、無意識に言葉を選べるものなんですよね。
「ここはビシッと行った方がいいだろう」
「くだけた、フレンドリーな雰囲気で行こう」
「ちょっと気遣ってあげた方がいいかな」
なんて風に分かったら、後は自然と言葉を選べるようになっていくはず。

もちろん、なれない雰囲気ならば、いきなりは難しいですけど、それは何でも同じことですよね。
逆上がりもすぐに出来るわけじゃなくて、何度も失敗しながらコツを覚えていきます。
コミュニケーションもやはり失敗してナンボ。
そこで学びなおして、次に生かすことがとても大切だと思うんです。

失敗した!というのは怖いし、嫌悪感も出てきますけれど、避けられないものと思っていれば、かえって勇気が沸くかもしれません。
(だから、うまくやろうとしないことが、やっぱり大事だと思うんですよ)

そうして、何度もチャレンジしていくと、要領を得ていきますから、きっと上手なコミュニケーションを取れるようになっていくはずです。
僕もこのお仕事をさせていただくようになってから、自分でも分かるくらいに上達したと思いますから、やはり実際に人と話してみることが一番だと思うんですよ。

もちろん、僕だってまだまだ上手くなりたいと思ってますし、後から「うーん・・・」って一人反省会を開くことだってあります。

ただ、伝えるときにも、伝えたいことを「分からせる」って態度は相手にとっては嬉しくないですね。
説得、力説になっちゃいますから、相手を圧倒したり、引かせてしまったりする要因になります。

どうしたら相手の人が受け取りやすい言葉や雰囲気が作れるか?ってのが大事だと思うんです。
あえて「雰囲気」と書いたのがポイントです。
カウンセリングで僕がもっとも気を配るのがこの雰囲気作りなんですよね。

僕はもともと無愛想な方で、あんまり人付き合いが上手じゃないんですよ。
だから、そのままだったら話しにくいだろうし、緊張させてしまうことだってあろうかと思うので、できるだけ、その辺を和めるような配慮をしています。
(そうは見えないかもしれませんけど!)

だから、できるだけ服装はカジュアルに、言葉遣いは丁寧に、なんて思ってもいます。

カウンセリングも初めてのときって凄く緊張されてると思うんですよね。
だから、初めてお会いするときは出来るだけたくさんお話をして頂くようにしています。
たくさん話すことで緊張は緩和されていきますから。

で、できれば、笑いのひとつでも取れると一気に場が和むんですけどね。
僕もまだ笑いは全然不勉強で、たいがいすべります・・・(苦笑)。

まあ、それで苦笑いでもしてもらえたら、多少は緊張が緩んでいいかなあ・・・なんて思うんですけど。

長くなりましたので、ポイントを整理しましょう。
1.伝えたいって意欲を大切にする
2.自分の心の状態を知る(余裕を持つ)
3.相手の状態を感じる
4.お互いの今の関係を感じる
5.相手の性格や状態に合わせた雰囲気を選ぶ

ここまで書いてみて気付いたんですけど、家を出る前に服を選ぶのと同じかもしれませんね。
行き先や会う相手によって服や靴を選ぶでしょう?

今日は浜辺でバーベキューするぞー!!って日に、ヒールや革靴は履かないでしょう?
また、初めての意中の人とのデートにジーンズ+Tシャツって格好もし難いと思うんです。

だから、服選びの感覚で相手の人と付き合えたら、コミュニケーションもうまく行くんじゃないかなあ?って思います。

ここまで書いてきて、宣伝のような感じになってしまうんですけど、5月からの2時間ワークショップ。
テーマはこのコミュニケーションを扱っていこうと思っています。
『表現力を身につけよう!~伝える/伝わるコミュニケーション~』
というお題で、名古屋(5/21)からスタートです。

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