*
お金の使い方ってのはその人の価値観を表すものですから、それはきっとお支払いの問題ではなく、お互いの価値観が違っているのだろうと思うのです。
でも、この価値観ってのはややこしいものでして、自分にとっては当たり前の常識ですし、きっと周りの人たちにとっても常識ですから気づきにくい上に、意図せず相手に押し付けてしまうものなのです。
どう、その違いを埋めていくか?について考えてみましょう。
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ちょっと高い外食、遠出の旅行、ブライダルの費用など大きなお金を使うときに必ずと言っていいほど旦那がお金を払うのを渋りたがります。
例えばせっかくの遠出の旅行だからホテルのいい部屋に泊まりたいって言ったら『そこまで旅行にお金かけたくない。泊まるところなんてどうでもいいからもう少し安く抑えたい』と言ってきたりします。(怒)
そのくせ鉄道好きでグリーン車とかグランクラスには乗りたがるので、意味不明です。(苦笑)
ブライダルフォトをやった時も、最初から旦那があまり乗り気でなく、かけるところはかけて抑える所は抑えてやったのですが、それでも『なんでこんな高いの!?』 『ぼったくりすぎ!!』と終わったあとにブツブツ文句を言ってて、ムードも台無しでした。(怒)
一応上記の不満は本人に伝えていて、『僕にも至らぬところはありました』と言っていたので、自覚している部分はあるみたいです。
誕生日はプレゼントがちゃんとくれたり、すべてにおいてケチというワケではないんですけど、なぜかここぞ!って時に気持ちよく払ってくれなくて、文句・不満・嫌味を言ってきて腹が立ちます。
他人は変えれないと分かっていてもどうしても変わってほしい、気持ちよくお金を払ってくれたらいいし、二人で楽しみたいだけなのにって思います。
どうしたらそうなれるかアドバイスいただけたら嬉しいです。
(Kさん)
たぶん、これ、「お金の問題」ではないと思うんですよね。
いわゆる「価値観の違い」なんだろうと思うのですね。
自分の価値観に従ってお金を使うわけですから。
で、ここが大事なんですけど、たぶん、お互い似たもの同士みたいです。
「自分の価値観が正しい!!!相手が間違ってる!おかしい!」と主張し合っているようで。
もちろん、価値観の違いなど当たり前にあるわけで、そこで「どっちが正しいか?」という“正しさの争い”が始まるとずーーーーっと平行線になりますから、そこは「二人で楽しみたいだけなのに!!」という気持ちを大事にすることがカギなんだろうと思います。
ちなみにKさんは「二人で楽しむ」ために、自分の価値観を一旦横に置くことができるでしょうか?
それとも「あたしの価値観に合わせてくれたら楽しいよ!」という思いが強い方でしょうか?
そして、この価値観の違いで揉めるのはそのほとんどが「コミュニケーション不足」であることが大きいものです。
こうした価値観というのは自分でも気づかないうちに「常識」となり、そのつもりはなくとも「押し付け合い」になりやすいものです。
「え?せっかくふたりで旅行するんだからグランクラスに乗るのは当たり前でしょ?」と彼に言われたらカチンと来ませんか?
同様に「え?せっかくふたりで旅行するんだからコーナースイートくらいの部屋に泊まるのは当たり前でしょ?」って言ったら、彼がカチンと来るわけです。
それは「乗り物に価値を置く彼」vs「ホテルの部屋に価値を置く彼女」という図式になっているわけです。
それで周りの友達に話すと、類友の法則により
「そりゃグランクラスがいいよね?ホテルなんて寝るだけだよね?」
vs
「え?新幹線なんて単なる移動手段じゃん。ホテルの方が絶対大事じゃん」
という形になり、争いが拡大していくことになるものです。
そうした争いが国同士で起きれば「戦争じゃ!」ということになるわけですね。
まあ、そこで彼女の友達に乗り鉄がいて「確かにグランクラスは特別な空間だから、そのサービスも含めてすべて味わい尽くしたい!」とか言い出したり、彼の友達にホテルジャンキーがいて「あのホテルに泊まるならコーナースイートは絶対だよな。窓からの景色も含めて完璧だ!」とか言い出したらどうでしょう?
さらにその友達の中にグルメ好きがいて「えー、あたしだったら移動手段も宿泊場所もできるだけ安く済ます!浮いたお金で現地の美食を食い倒す!」とか言い、元バックパッカーが「あたしなら18切符で移動して、カプセルホテルに泊まって、できるだけたくさんの街を歩きたいと思っちゃうなー」とか言い出すとカオスですね。
「旅行」というワードだけでこれだけの価値観があり、それぞれが衝突し合うわけです。
*
そこで改めてKさんの話を整理してみましょう。
Kさんの言う「ここぞ!って時」ってどんな時なのかを改めて考えてみてください。
「自分にとって重要だと感じる時!」じゃないでしょうか?
ポイントは「自分にとって」という部分です。
・ホテルのいい部屋に泊まりたい
・ブライダルフォト撮影
というのはKさんにとってとても大切なものなんですよね。
そして、これをお読みの女子たちは大いに賛同されるでしょう。
「いい部屋でゆっくり過ごしたいよね?気分が全然違うもん。そんな安い部屋に泊まったってテンション上がらないし、全然うれしくないよねー」
「ブライダルフォトなんて一生モノじゃん!そこでケチるなんて信じられない!そこはめちゃくちゃ気合入れたいところだよね?」
これがライブ配信だったらチャット欄が大いに盛り上がることでしょう。
じゃあ、「自分にとっては当たり前の価値観を彼はちゃんと理解しているのか?」という点についてはどうでしょう?
「そんなの常識じゃん!」で済ましちゃダメですよねー。
でも、これが私たちが無意識に、そして大量に持っている「価値観」の恐ろしさなのです。
「旅先のホテルは良い部屋に泊まりたい」という“価値観”に気づいていないと、その価値観を相手に押し付けることになり、かつ、不機嫌になり、かつ、「愛されてない!」とか思っちゃうところに至るものです。
「投影の法則」ですね。
「あたしが良い部屋がいいと思っているから相手もきっとそう思っているだろう」というやつ。
あぶない。あぶない。
じゃあ、「彼にとって」も振り返ってみましょう。
・外食やホテルにお金をかけるのはもったいない
・鉄道好きだからグランクラスやグリーン車には乗ってみたい
・ブライダルフォトってどんな意味があるのか分からない。
・ブライダルフォトなんて恥ずかしい。
・誕プレは大事だ。
おそらく私のライブ配信だと視聴者がキレて炎上する可能性がありますが、男子が主力を占めるライブ配信であれば「わかるわかるー」「そうだそうだー」という声もかなり上がるかと思います。
こういう部分が彼にとっての「大事なもの」であり、価値観なんですよね。
お互いが持つそれぞれの価値観をどれくらい理解していたでしょうか?
また、そのお互いの価値観をどれくらい理解しようとしているでしょうか?
さらに、自分の価値観を理解してもらうためにどれくらいプレゼンをしたでしょうか?
当然、そのプレゼンは相手が理解できるように構成する必要がありますよね?
そこを怠ってはいけませぬ。
そのプレゼンをサボって価値観を押し付けてしまうと「応用」が利きませんから似たようなトラブルがまた起こることになります。
「え?確かにホテルはいい部屋を取ってくれたけど駅からホテルまで路線バスで行くって何?1時間に1本しかないのに?しかもバス停から10分も歩くのに?そこはタクシーでいいじゃん!なんでそうなるの?」
じゃあ、どうやってプレゼンすればよいかはぜひchatGPTに相談してシナリオを作ってもらってください。笑
*
同時に相手の価値観についても理解を深めることが大切ですよね。
「おかしい」とか「イヤ!」とか「無理!」と思ってしまってもいいけれど、そこで「なぜ?」って疑問を持つことがポイントです。
なぜ、グランクラスには乗りたがるのに、良いお部屋は嫌なのか?
なぜ、ブライダルフォトを撮ることがそんなに嫌なのか?恥ずかしいのか?
なぜ、高い外食をそんなに嫌がるのか?
なぜ、お金を払うことを渋るのか?
このコミュニケーションはとても難しいです。(特に男子諸君にはもう少し頑張っていただきたい)
例えば、私なんかも周りの人によく言われるんです。
「そんなグルメに高いお金をかけるなんて信じられない。おいしい料理なのは間違いないけどその場限りでしょう?そのお金があったら化粧品やアクセサリや服を買いたいもん。」
まあ、分かる人にだけ分かってもらえたらいい、という思いもあるのですけれど、
「自分にとってはめちゃくちゃ手をかけ、愛情をかけた料理を、素敵な空間で頂くとすごく安らぎと喜びと感動を覚えるんだよね。ああ、すごく特別な時間だ!と感じるし、深い幸福感を味わえるんだよ。そして、その時間はとてもゆったり流れていてすごく癒される瞬間なんだよね。大きく息を付けるというか。リラックスできるというか。そして、そこで出会う人たちも素敵な人が多いんだよ。料理人もスタッフもお客様もみんな尊敬できる人たちで、この人たちみたいな生き方をしたい!と思わせてくれるような場でもあるんだ。その体験にお金を払っていると思えば全然高いと思えないんだ。」
これだけ語ると「お、おぅ」て感じでみなさん「こいつにゃ何を言ってもダメだ」と受け入れていただけるようです。笑
たぶん、彼なりに何か理由(価値観)があると思うのです。
表面上の態度だけ見るのではなく、その心にも目を向けましょう。
Kさんが価値を感じるものに彼は価値を感じないのもあるでしょうし、自分に稼ぐ自信がないのもあるでしょう。
そもそもお金に対する価値観がお互い違うのでしょうしね。
そうした「違い」を知り、受け入れ、理解しようとするところが大事です。
「夫の価値観が理解できない!」という話もよく伺いますが、そんなとき私は「理解したいですか?」と意向を問います。
そんな違う環境で育ってきた性別も違う二人の価値観がそんな簡単に理解できるものばかりとは限りません。
それこそ何年もかけて理解していく必要があることも多いのです。
だから「理解できないのはいいんだけど、理解できるようになりたい?」ってお聞きするんです。
*
どっちの価値観が正しいか?どっちの価値観を優先するか?というのは「パワーストラグル(主導権争い)」になりますからおすすめできません。
「自分の価値観を知る」→「自分の価値観をプレゼンする」→「相手の価値観を理解する」
その上で「じゃあ、今回はどうしようか?」というコミュニケーションをとっていきます。
いわゆる「win-win」にしていくためのコミュニケーションです。
それは「二人で楽しみたい」という思いが作り出すものです。
この思いがなかったらそんなめんどくさいコミュニケーションはできないんです。
もっと仲良くしたい!
楽しく二人の時間を過ごしたい!
思い出をいっぱい共有したい!
より二人の絆を深めたい!
もっと特別な関係になりたい!
もっとつながりを感じたい!
そんな「愛」であり「欲」がそのモチベーションを作るんですね。
そうしてwin-winな回答を作成していくんです。
「じゃあ、行きは普通車で行って帰りにグランクラス乗ろうよ。でも、ホテルはこのちょっと良いお部屋がいいな。ランチは適当に済ませて夜はいいご飯食べようよ。」みたいな感じで、お互いが納得できる答えを見つけていくのです。
*
まあ、こうしたコミュニケーションは一般的に男子の方が苦手でして、勝手に貝になって引きこもってしまうことが多いものです。
それはやはり子どもの頃からのコミュニケーション量が圧倒的に違うものですし、自分の気持ちを言語化するのは女子の方が圧倒的に優れているものですから男子は劣勢です。
なので結果的に妻の方が主導権を握ることが多いと思うのですけれど、そこも自分の価値観を意識し、彼の価値観を理解していれば「掌の上で転がす」ということが可能になっていくわけです。
「ほらほら、ブライダルフォト撮るのは嫌かもしんないけどさ、きれいでかわいいあたしの姿が見れるんだよ?それに付き合うのは悪くないべ?それに行き帰りはあんたの好きなクラスJの窓側を確保するしさ。宿も2泊のうち1泊はラブホにすればだいぶ浮くじゃん?それで手を打たない?」
「あたしもうれしいし、彼もうれしい」
そんなプランをできれば二人で、無理なら自分で作ればいいと思うのです。
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多くのカップルが揉めるのはこの価値観の違いです。
だから、自分の価値観を理解してもらうことと、相手の価値観を理解することをサボってはいけません。
めんどくさいところだけど頑張りどころですし、それができればできるほどお互いの関係は「楽」になっていくものです。
そしたら、相手がキレてても動揺しなくもなりますし、不満も感じなくなりますし、さらに上級になれば、そういう機会すら回避することができます。
だから、こうして価値観の違いが露になったときが理解のチャンスなんですよね。
さて、Kさんだけでなく皆さんにお聞きしたいんです。
「それだけのエネルギーをかけてまでお互いを大事にしたいですか?」
それは「それくらい彼を愛せますか?」という問いとイコールなのですが。
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