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夫婦関係は案外、育った家庭の関係性に似るものでして、それはその頃のトラウマが今に引き継がれ、それを癒すことが求められていることを表しています。
だからまずは自分が子ども時代に得た寂しさや痛みを解消することです。
両親からの愛情を受け取ることで今の夫婦関係に大きな変化を与えることができるのです。
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幼少期、両親は共働きで忙しく、早く帰ってきてくれないかな、とずっと寂しい思いをしていました。それに加えて姉は反抗期が酷く、両親は姉にかなり手を焼いていました。
それでも、特に父親は姉のことを特別に愛して、存在自体を認めていた感じがあり、わたしは父親にもっと見てよ!わたしをもっと愛してよ!という思いを持っていた、ということを今は理解しています。
それと同じようなことが今の夫婦関係でも起きており、夫は非常に多忙、わたしには無関心で、もっと一緒にいてよ、もっと愛してよ、もっと分かってよ、と望んでも叶えられることはなく、仕事、自分のこと、友達、娘ときて、わたしのことは圏外です。
また存在しているだけでは愛されない、寂しい私となるような、同じような境遇を、自ら作ってしまったのでしょうか。どこか勝手知ったる我が家で安心している自分がいるのでしょうか。
私の顕在意識はもちろん今の環境は嫌だ、愛のある関係性を作りたい(今の夫とでも、夫とでなくてもいい)と思っていますが、もう結婚して子どももいる以上、どうしたらいいのでしょう、、?
この境遇から離れるには離婚するしかないのでしょうか?何がやれることがあれば教えていただきたいです。
(Aさん)
昨日のお話にも通じるのですが「パターン」というのは繰り返し起こるできごとで、配役を変えて人生に何度も起こる現象です。
その目的のひとつは「癒し」です。
その関係性で傷ついたならば、似たような関係性を再現して、その心の傷を癒そう、という試みです。
例えば「父のことが大好きだったのに全然愛してくれへんかったー!」という思いから、父と同じ立場の「年上で既婚の男性」を好きになり、同じ状況を再現し、父からもらえなかった愛情をその彼からもらうことで心の傷を癒そうとするのです。
また、「助けたい」という思いがパターン化することもあります。
例えば、母が深く傷ついた人だったがゆえに問題児だったので、子どもの頃から母を助けようとしたけど、残念ながらその思いは果たせなかった、とするならば、同じように傷ついた人を助けようとするのです。
ということで、「今の夫婦の状態が、幼少期の状態に似ていることに気づきました。」という発見はものすごく大きなものでして、Aさんのプロセスを一気に進ませるだけのものになるでしょう。素晴らしい!
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一般的にも自分の夫婦関係が幼少期の家庭環境に似ているということはよくあることでして、カウンセラーとしてもその関係性を紐解くように話を伺っていくものです。
Aさんの場合は「父-姉-Aさん」の関係性が「夫-仕事-Aさん」という形で再現していると読むことができますね。
だから、子ども時代に感じていた「寂しさ」を残念なことに今も感じてしまっているのです。
でも、この「寂しさ」、結婚前にはなかったのでしょうか?
もしかするとずーっと寂しい思いを抱いて来られたのかもしれません。
例えば、学校や職場での人間関係で、また、かつての恋愛において、なんかいつも寂しいポジションにいるなあ、いつも「姉」を投影する目の上のタンコブがいるなあ、などと感じたことはありませんか?
兄弟姉妹の問題ってけっこう複雑で(親が絡むものですから)、いつも親が姉に手を焼いているとなると、妹は「しっかり者」「手のかからない子」になりやすいものです。
それは「これ以上、親の負担を増やさないように」という愛情が根拠になっているものです。
しかし、そうしたパターンはほかの人間関係にもよくあらわれるものです。
友達同士でもいつも自分より目立つ子が傍にいたり、恋愛では「なぜか自分は選ばれない」「トンビに油揚げをさらわれた」という現象が起きたり、仕事でも「頑張って成果を挙げてるのに自分は認められない!」なんてことになったり。
そうしていつも同じ感情・・・寂しさとか無力感とか疎外感とか分離感とか悔しさとか惨めさなどを感じている・・・というところがパターンになるんですね。
参考)「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)
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さて、そうして今の夫婦関係が家族との関係に基づいていることに気づいたら、まず目を向けるのは家族との関係の方、つまり、父、母、姉との関係です。
根っこに注目して、そっちを変えましょう、なんなら土壌改良をしちゃいましょう!というプロセスをお勧めしたいわけです。
>幼少期、両親は共働きで忙しく、早く帰ってきてくれないかな、とずっと寂しい思いをしていました。それに加えて姉は反抗期が酷く、両親は姉にかなり手を焼いていました。
寂しいのには慣れているはずのAさんが今も寂しいってことはものすごく寂しさを抱えているんだと思います。
が、違う見方をすると「そこにAさんの才能があるんだろうな」という風に感じます。
「居場所を作る人」であったり、「人が安らげる場を提供する人」であったり。
俗に「オアシス女」というジェンダー問題に思い切り引っかかりそうな呼び名があるのですが、砂漠を放浪してきた旅人が一息つき、元気になる場を提供する女性のことを指します。
だから、軽はずみに「スナックとかカフェとか地元密着型居酒屋とかやったらええんちゃうかなあ?」などと言ってしまうわけです。
「問題の陰に才能あり」と言いまして、それだけの寂しさを抱えるってことは「人と人とをつなげる」とか「人が安らげる場を作る」という才能を表していると考えられるのです。
もちろん、スナックのママにならずとも、家庭をそういう空間にすることでも全然OKですし、たぶんですけど、今までも無意識にその才能を発揮して今の家庭を作ってるんじゃないかなあ?と思うのです。
しかし、それが才能としてちゃんと活かすためにはその問題が作る傷をある程度癒しておいた方がスムーズな場合もあります。
そのヴィジョンに向かって進むのにハードルになるなら少しでも低くしときましょう!というわけです。
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ということで、両親と姉のことをもう少し見ていくことにしましょう。
ひとつの目標としては「お父さんからの愛を受け取る」というところにありまして、「父は姉を特別に愛していて、自分のことはあまり愛してくれてない」というような思いを払拭することは大切なことかと思います。
「父も父なりにあたしのことを愛してくれていた」ということを感じられるようになれたらいいですね。
「姉の方が愛されてる」という思い込みはパートナーと向き合えなくなる現実を作っちゃうものですから、今後夫氏とどうするかどうかは別として何とかしておきたいところかな、と思うわけです。
ということで、改めて父との関係を振り返っていきましょう。
お父さんって仕事人間だったぽいのですが、キャラ的にはどんな人でしょうか?
姉を特別扱いしていたのはなぜだと思いますか?
Aさんと父との関係ってどうだったんでしょうか?
ここから一歩踏み込んで次のことを考えてみましょう。
父はどんな風に人を愛する人なのだろう?何で愛を示す人なのだろう?
父は自分のことをどういう風に思っていたのだろう?
父が姉だけでなく自分のこともちゃんと愛してくれていた事実はないのだろうか?
となると母の存在も浮上するものでして、一般的に次のような心理傾向があります。(きょうだいの心理学)
1)第一子が生まれると、両親とも第一子に注目する。が、子育ての主力はやはり母のため、母と第一子が心理的にも近くなる。
2)第二子が生まれると、第一子は両親を取られたようなハートブレイクに陥る。
3)第二子は小さくて手がかかるので母は第一子よりも第二子に手を取られるようになる。
4)第二子はそこで父の方に寄っていくことがある。
5)その結果、第一子は父が、第二子は母との距離が近くなる。
ちなみにその状態で第三子が生まれると、母が第三子に向かうので、第二子は浮いた状態になり「中間子問題」が生まれることになります。(真ん中の子は浮いている、自立心が早く育つ、他のきょうだいと異なる行動を取る、居場所が感じられない、等)
必ずしもすべてのきょうだいがこのプロセスを通るわけではなく、一般論なんですけれど、Aさんの父が姉を特別にかわいがっていると聞けば、上記のような流れがあったことも想定できるのかな?と思いました。
そこでAさんと母との関係もやっぱり気になるなあ、と思うわけです。
共働きで母もまた忙しかったのかもしれませんが、Aさんとの距離感や関係性はどうだったんでしょうか?
母からの愛情は感じられていたのでしょうか?
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そこで、成長して姉が反抗期に問題児になったことが影響してくるのです。
だから、姉の反抗期前と後でだいぶ家族の関係(距離感)が変わったように思うのですが、その前後の違いって何か覚えていることってありますか?
姉との年齢差もけっこう影響するわけですが、両親が姉に手を取られている間はAさんはだいぶ寂しかったと思うんですよね。
そのときAさんはどうしていたのでしょうか?
一般的には「いい子」になって親の手を煩わせないようにするものですが、Aさんもそうだったのでしょうか?
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その上で、姉のことをAさんはどう感じていたのかの変遷をたどってみませんか?
小さい頃の姉との関係、反抗期に入った姉との関係、反抗期を終えた頃の姉との関係、さらに、Aさんの反抗期の頃の姉との関係にも着目しましょう。
(Aさんに反抗期があったかどうかもポイントですが)
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そういう風に自分の気持ち(感情)の変遷を時代と共に振り返ることはいろいろな気づきをもたらしてくれるものです。
もうここまではご自身でやってこられたとしたら、どんな気づきが得られたかまとめておくといいと思います。
特に「思春期(反抗期)」の前後って記憶が書き換えられていることが多いものですし、インパクトの強いできごとによって、それ以前の記憶が飛んでしまってることもあります。
そうするとそこに何かしらの影響があったんじゃないか?と思えるわけです。
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そうして、じゃあ、その寂しさを解放していきましょう!とか、家族のつながりをもう一度感じてみましょう!とか、さらにその向こう側にあるヴィジョンを受け取ってみましょう!というのがリトリートセミナーでやってるセッションです。
(イメージワークでもできるんですけど、人がいたほうがより感じやすくなるプロセスです)
ということで、宿題風にやるならば上記の「?」にお答えいただいた上で、
・父、母それぞれからの愛情を100個以上見つけて書き出してみよう。
・父、母に改めて感謝の手紙を書いてみよう。
ということをやってみられるといいかな、と思います。
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さて、そうして両親からの愛を感じられたり、寂しかったけどそれが無駄じゃなかったとう感覚を得られたりすることをまずは目指したいですね。
そのプロセスを進めつつ、まずは夫と向き合っていきましょう。
このプロセスを経ることで夫に対する意識が今とは変わって行くかもしれません。
夫に父を投影していたとするならば、夫なりの愛情を受け取れるようになっているはずですし、「愛のある関係性を作りたい」というAさんの思いがより具体化していると思われます。
さらに、その寂しさを癒す才能を使うことを意識することはライフワークをデザインすることにつながるものですから、そのライフワークやヴィジョンがまた夫氏への思いを変えていく可能性もあります。
その上で離婚って選択肢もあれば、今の家族でやっていく覚悟ができたりもするし、先のことは分かんないですけどね。
つまり、夫氏との今後を考えるのであれば、まずは実家族との関係を見つめなおし、そのパターンを手放してからの方がいいんじゃないかなあ、と思う次第です。
◎両親との関係を見つめなおしてパターンを変える。
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