「母に依存している」のと、「母を頼っている」の境目はどこなのでしょうか?



依存には選択肢がなく、また、自己喪失している状態です。
頼ってるは選択肢があり、また、自分の意志で選択できる状態です。
母子関係ともなりますと、それらが複雑に入り組んでいるものですから、より大人として成熟していくために、感謝ワークなどはいかがでしょう?

根本先生

こんにちは。先生のブログや本をたくさん読ませていただいております、Tと申します。
先日結婚したのですが、実家から出ることができません。理由は「楽だから」です。
スーパーおかんの母が家事を全てやってくれ、ダラダラしていても何も言われません。
夫も一人の方が気楽らしく、別居婚を受け入れてくれています。

ただ、私は完璧主義でプライドが高いと言う自覚があり…自分らしいキャリアやビジョンが見つからない、とずっと悩んでいます。
そういう部分が、母に甘えていることと関係があるのかと気になっています。夫からも「キャリアでチャレンジしたいんなら実家という逃げ場を捨てろ」と言われています。

確かに、我が家には父親が幼い頃に出て行ったため、幼い頃から母と一心同体のような生活をしていました。
でも、母から「こうしなさい」と支配されている感覚はなく、顔色を窺うこともありません。
母にも「好きに生きろ」と言われます。が、結婚後も実家を離れられず、家事も任せてしまっていることに罪悪感や情けなさを覚えています。

先生のお弟子さんのカウンセリングを受け、「Tさんは人に助けてもらえる才能がある。その最初の一人がお母さんなんですよ」と言われ、気が楽になりました。
でも、夫や友人はみんな自立している人ばかりなので、ふと「私はやっぱり母に依存・癒着しているのでは?」と不安になります。

「母に依存している」のと、「母を(いい意味で)頼っている」の境目はどこなのでしょうか?もし先生のご意見を伺えたら嬉しいです。

お忙しいところ恐れ入りますが、ご一読いただけますと幸いです。
(Tさん)

人間ってそない強い生き物ではないですから「楽だから」という状況を抜け出すことってなかなか難しいんですよね。

今の生活が楽ならば、今の生活を少しでも変えたら楽じゃなくなる(可能性)じゃないですか。

だとしたら頭でなんぼ「動けー動けー動けー」と呪いをかけたって動けないのは無理もないと思います。

夫氏も別居婚を受け入れてくれてるわけですし、今の生活を変える根拠ってあんまり見つからないと思いませんか?

また、キャリアやヴィジョンが見つからないことについても、見つけなくても困らない状況だと思いません?

なので、今の生活が楽だとしたら「現状維持」を望むのが人の心だと思うのですよね。

「キャリアでチャレンジするために実家という逃げ場を捨てる」のと「今の楽な生活を続ける」とで比べてみたら思考はともかく感情的には後者が圧勝だと思うのですね。

もし動くタイミングがあるとすれば、望む望まないにかかわらず何らかの事件が起きたときかもしれません。

そういう状態を私は「事件待ち」なんて不吉な呼び方をしているのですけれど、頭でなんぼ考えたって体はそうは簡単に動かない!ものですから。

ということで、どうしたいのでしょうね?

どういう人生が望みなのでしょうね?

というところに舞い戻ってしまうと思います。

人は様々なパターンを持っておりまして、「好きになる人はいつも既婚者」とか「転職先はいつもブラック企業」とか「あと一歩のところでダメになる」みたいなことでブログでもおなじみですね。

でも、そんなネガティブなパターンばかりなのかといえばもちろんそんなことはなく、ポジティブなパターンも私たちはたくさん持っています。

「あたしは運がいい」「もうだめだ!と思ったところで救いが来る」「いい人たちに囲まれている」「なんだかんだなんとかなる」みたいに。

その中でも「人に守られるパターン」(助けられるパターン)というのもあるんです。

子どもの頃から親きょうだいに守られてきて、学校でも先生や先輩に守られ、社会人になっても上司や同僚に守られ、もちろん、彼氏や夫氏にも守られ、、、というパターンです。

その場合、誰からも守られる、というパターンの人もいれば、年上の男性には守られる、というパターンもあります。

このパターンを持つ人はどこに行っても守られるのですけれど、だからと言って幸せかどうかはその人次第なんです。

特に大人になって自立してくると「守られるだけじゃだめだ!自立して自分が誰かを守れるようにならなきゃ!」と思い立ち、いつも人に守られてばかりで頼りない自分を否定しちゃうこともあるんですよね。

そして、自分には何もない!周りの人はすごいけどあたしはすごくない!という自己嫌悪を抱え、自己肯定感を低く保ってしまうものです。

そのことを自立系な周りの人に相談しても「あんたはそのままでいいんだよ」とあっさり返されて「むぐぐぐぐぐぐ・・・」となり、「そういうところもかわいいじゃん」なんて言われて、ああ、やっぱりあたしはダメだー!って思っちゃったりするものです。

そして、さらにそういう方がカウンセリングやコーチングを受けても「あなたはそのままでいいんですよ。守られるのが才能ですから」みたいなことを言われ、再び「うーうーうーうーうー」となるわけです。

そういうパターンをお持ちであれば、仮にお母さんの元を離れたとしても、彼や彼の周りの人たちがTさんを守ってくれることになるでしょう。

だからそれが自分の才能なんだ!と受け入れることがまずはお勧めなんですけど、、、、抵抗ありますよね?

そういえば、一時期うちのブログで散々議論のネタになった「姫の才能」ということなのかもしれませんね。

最近も「あたしは姫ですか?姫になれますか?」という質問をいただくんですけど(たいていそういう質問をしてくる方は筋金入りの武闘派女子であることが多いのですけど)、「姫は姫でたいへんなんだよ?」と諭すことが私の仕事になってます。

そうした「守られる」「姫」といった「受身系の才能」ってなかなか受け入れるのが難しいですね。

また、「ハブ(人と人とをつなげる)の才能」というのも受身とは限らないですが、「自分は何もできない」という自己嫌悪に陥りがちです。

そうした才能ってほんとうにありがたく、素晴らしいものですし、「守られる」ということは、相手からすれば自分の能力をTさんのために発揮できるわけで、実はwin-winの関係なんですよね。

だから、Tさんにおかれましては「あたしは自立した人たちに守られる存在なんだ」ということを受け入れられると良いと思うわけですが、どう?抵抗ある?難しい?やだ?笑

ということで改めて「守られる人」が周りの人たちに与えるポジティブな影響について考えてみてください。

すでにお伝えしていること以外にもたくさんあると思いますよー!

それを受け入れたら、その罪悪感はなくなるし、情けなくなくなると思います。

ということでここからは心理学講座の開幕です。

>「母に依存している」のと、「母を(いい意味で)頼っている」の境目はどこなのでしょうか?

「依存」というのは相手におんぶにだっこされてる状態を言います。

自分はできないから全部やってー!!という奴です。

自分を下に、相手を上に見ており、無力感、無価値感、罪悪感、不安、怖れなどに支配されている状態です。(こうした感情はたいてい麻痺しています。)

その状態では自分の意志で動くことはできません。

相手に従うほかなく、ただ自分は何もできないと思っているものです。

つまり「選択肢がない」「自分の意志で選択できない」という状態です。

一方、「頼っている」というのは「お願い」と「感謝」が付いてきます。

「自分でもできるけど相手にお願いした方がいいからお任せする」
「自分ができない(苦手なこと)を相手にお願いする」

そして、相手がしてくれたことに対して「感謝」が出てくるばかりか、その相手の存在そのものに「感謝」できるんです。

つまり、お互い自立同士で、相手にお願いするか自分でやるかの選択肢を持っている状態です。

だから、相手との関係性は「対等」になります。

そのため、相手に頼っている場合は、自分も何かを相手に与えているものです。

それは感謝の気持ち以外にも、その対価をお支払いしたり、別の部分で貢献したりしているのですね。

例えば、ちょっと仕事量がかさんで手が回らなくなってきたときに、同僚や後輩に「ごめん!ちょっと手伝って!」とお願いするとしましょう。

それで同僚が「しょうがねえなあ」とか言いながら「どれをやればいいんだい?」と手を差し伸べてくれたら「ありがとう!めっちゃ助かる!」という気分になるでしょう。

そして、お手伝いしてもらった後には「感謝の気持ちとして晩飯おごらせてくれ!」という風に思うかもしれませんし、「今度何かあったら手伝うから遠慮なく言ってな!」と伝えるかもしれません。

これって対等な関係性ですよね?

一方、「してもらって当たり前」になるとそれは対等ではありませんから、感謝の気持ちも出てこないし、なんなら「してくれない」ときには文句まで言っちゃいます。

これが依存の状態だと思っていいでしょう。

となれば、Tさんにお勧めしたいことは「そんなお母さんに感謝しまくる」ということではないでしょうか。

お母さんがしてくれていることが決して当たり前ではなく、とてもありがたいことであるならば、「ありがとう!」って言葉を連呼してみることをお勧めしたいのです。

「罪悪感を覚える暇があったら感謝を伝えなはれ!」ということです。

また、母子家庭で自分をここまで育ててくれた母に対し、本気で感謝できることを300個くらい見つけてみましょう。

子どもの頃から今までの歴史を振り返りながら大量の感謝を想起するんですね。

それがTさんがいい感じに母を手放し、対等性を持ち、自立するきっかけになるかもしれません。

心の中では大量の感謝があると思うのですが、ぜひともそれを母に伝え、ノートに記してみてください。

ちなみに、このやり方は「守られてる才能」をより活かすことにもなります。

【飯道さくら】【受付中】【講座】4/23自己肯定感爆上げ「感謝ワークのコツを教えます」講座

また、同時に「逆」も考えてみましょう。

「自分の存在が母に与えたものは何か?」
「自分が母に与えているものは何か?」

これは「夫」に置き換えてみるのも大事ですね。

もらうばかりで何も与えていないとは考えられないものですからね。

さらに拡大して、母・夫以外の人たちに自分が与えているものは何かについても考察してみましょう。

「何もない」とは思わずに「何かあるはず」という意識で向き合うことが大事です。

ここに注目してみるのもとても有効な手立てだと思うのです。

あと具体的に「親孝行」「夫孝行」をしてみてもいいですね。

マッサージをしてあげる、でもいいですし、お誕生日に花束を送ってもいいでしょう。
「今の自分ができること」の中から取り組むのがお勧めです。

癒着を切るとか自立するというプロセスも考えられなくはないですけれど、なんせ今が「楽」なものですから、しんどいことなど手に付けられないと思うのです。

だとしたら、ポジティブなライン(感謝や与えてること)から入った方が面白いんじゃないかと思いまして。

そうすることでTさんらしさがより際立ってくると思うので、これからの人生についても前向きに考えられるようになり、何なら行動にも移せるようになると思います。

◎長年抱えているパターンを才能に置き換えるとどうなるでしょう?

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