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子どもの頃に子どもができないと、優しい恋人に対して子どもになってしまうものなんです。
ずっと抑え込んでいた気持ちが恋人に向かって流れ出すんです。
ただ、そうするといろんな意味で関係性を破壊してしまうので、“節度”は必要なんですよね。
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私はこれまで寂しさを感じずむしろ「寂しいって何?」と思っていました。
しかし27歳の今初めてできた恋人に対してのみ、会えないことに関して異常に寂しさを感じ涙が出ます。
彼はほぼ週1で泊まりに来てくれて毎日たくさん連絡をくれているし、可能な日は電話してくれます。
なのに「この日会えるかも」「今日帰ったらいるかも」という期待が裏切られたときとても悲しく泣いてしまいます。
そのため恋人の予定に敏感で、特に恋人の母親や異性と出かける予定に異常に敏感です。
こんなに泣くなんて異常だと思い困っています。
私は誰からもしっかりしてると言われますが、恋人に対してだけは娘のように甘えてわがままを言えるので恋人に父を投影してるのではないか、と考えています。
父は自営業でモラハラDV気味です。
休みの日は家におらず家族にあまり時間を割いてくれず、機嫌が良いとき以外はあまり構ってもらえませんでした。
7年前からまともに口を利いておらず、家を出てからは一度も会うことなく連絡先もブロックしています。
今恋人に対して思っている「一番大事にしてほしい、お金や時間を一番私に使ってほしい」といった気持ちはそんな父に5歳の頃抱いていた気持ちではないか、と思います。
父を大嫌いだと思っていましたが、根本さんのブログを読んで「結婚したらバージンロードを一緒に歩いてほしい、結婚を喜んでほしい」と思っていることに気づきました。
恋人は貧乏家庭育ちで両親仲が悪く、彼の母がノイローゼのようになったので彼と姉で引き離し彼両親は現在別居中、母親を恋人が養う予定です。
私に時間もお金もかけてくれていますが、お母さんと出かけたり、多額の生活費を援助しようとしたり、死亡保険を将来妻でなく母を受取人にと考えたりすることに「私を一番大事にしてほしいのに」と考えてしまいます。
お母さんが彼を男として頼りにしているのもとても嫌です。
大切にしてもらっているのに寂しくて涙が出ることに困っています。
ご助言いただければ幸いです。
(Mさん)
涙が出てくるのは自然現象ですし、たぶんその涙の何割かは子どもの頃から溜めてきたものなんじゃねえかと思った方がよいかもです。
だから、「今は彼のお陰(?)で、子どもの頃からの寂しさを癒しているんだー、この涙でまたひとつあたしは癒されるんだー」という風に受け止めて自分をよしよししてあげるのが良いと思うのです。
さて、どこから話を進めていきましょうか。
すでに書くことが面倒になるほどいくつかのポイントがありまして、それを忘れないようにしなきゃと思っているところです。
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「彼氏と彼氏母が仲が良くて嫉妬する」という話はまさに現代のネタだなあ、と思っていて、ここ5年、10年くらいでよく耳にする現象のような気がします。
それだけ「母と息子」が大人になっても仲良しでいられるのでしょう。
「彼女」にとっては「彼の母」というのは最大のライバルであることは昔から変わらず、それゆえ、エディプス/エレクトラ・コンプレックスなんて名前が付いているほどです。
でも、そこまで気になってしまうのはやっぱり「一番大事にしてほしい」という気持ちが強いからでしょう。
この手のお話でよくあるのは「あたしよりも母を優先しているように見える」「あたしよりもお母さんの方が大事なんでしょ?」という嫉妬心でして、それを彼にぶつけても「母を大事にするのは当たり前のことでしょ?彼女と母親は別ものに決まってるじゃん」とあしらわれて余計な惨めになるものです。
そして、なぜかそういう母は「精神的に弱く、彼をとても頼りにしている」なんてタイプが多いので、何となく彼女としては同列に並べられているような気がしてますますライバルとして見てしまうわけです。
「あたしはあたし、彼は彼、彼の母は彼の母」という風にきちんと線引きしてとらえることが大切ですね。
とはいえ、これは「一番にしてほしい」というニーズが強いうちはどうしたって付きまとうものですから、なかなか消えるものじゃありません。
むきーっとしながら「あたしはあたし」と唱えることでなんとか凌ぐのがお勧めです。
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ただ、余談なのですが、ここでMさんが気を付けなきゃいけないことは「彼の母をライバル視するあまり、彼の母のような振る舞いをしてしまうこと」です。
なぜかそういうことが起こるんですよ。
そんなわけないと思うのだけど、気が付けばそうなっちゃったりするんですよー。
結果「ヒステリックな母を持つ彼氏は、ヒステリックな彼女を持つことになったのであった」みたいになっちゃうんですよー。
だから、ここはひとつ、伝家の宝刀「自分軸」を持ち出していただいて、「あたしはあたし」ときちんと線引きすることをお勧めしたいと思います。
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で、じゃあ、なんでそこまで強く「一番大事にしてほしい」と思ってしまうかというと、Mさんもお気づきの通り「父」の存在が大きいのでしょうね。
連絡を全然とってないし、ブロックだってしているのに、バージンロードを一緒に歩きたいと思うのですから、だいぶMさんにとってお父ちゃんというのは大きな存在なのでしょう。
モラハラDV父で怖い思いをいっぱいしたかもしれないし、でも、やっぱり好きな気持ちがあったのかな。だから、家にあまりいてくれなくて寂しい思いもいっぱいしたのでしょう。
すべてとはいわないですけど「彼=父」になってしまっているなら、父が満たしてくれなかった思いを彼で満たしたくなるのは当然っちゃ当然で、だからこそ、彼の前では子どもに戻っちゃうのかもしれません。
逆に見ればそれだけ外で大人をやってるってことですよね。
ふだん相当なしっかり者をやってるんでしょう?
だとしたら彼に甘えて泣いてばかりの自分にびっくりしてしまうわけですけれど、やっぱりそれは子どもの頃からずっと抑えてきた自分なのでしょう。
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彼氏が優しくて愛情を示してくれるほど、彼への依存心って強くなりませんか?
もっともっとって求めてしまったり、ちょっとしたことで悲しくなったり、怒りや嫉妬が出てきたり、でも、彼に会えるとものすごくうれしくなったり、感情のアップダウンに自分が戸惑ってしまうかもしれません。
ずーっと我慢していた気持ちが彼の愛情で溶けて流れ出てしまっているような状態なんですね。
だから、しんどいことのようにも見えますけれど、カウンセラーから見るといい感じに癒しが進んでるとも言えるんですね。
そういうわけであながち悪い状態だとも言えないのですけれど、そのあたりって程度の問題がありますもんねー。
やりすぎたら彼が引いてしまうし、それを押さえてしまえばまた自分が苦しいし。
なのでこういうときは彼ときちんとコミュニケーションを取ることが大事なんですよね。
感謝や愛情をきちんと伝えることは当然として、自分の生い立ちとか父への気持ちを彼の許す範囲で話をしたり、一方で、彼自身の話を聴いてあげたり。
大切にしてもらっているって分かっているのに甘えん坊や泣き虫が出てきてゴメン!とちゃんと謝ることも大事です。
そうするとさらにお互いの理解が深まって、絆も強くなりますからメリットもデカいのです。
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ということで、カウンセリングなどではまた違う角度からこの問題を見ることにするものです。
とりあえず「父」から。
・父に自分が求めていたものは何なのか?
・父に対して我慢していたことは何なのか?
・父にしてあげたいことは何だったのか?
・もし父を助けてあげたいと思っていたとするならどんなところなのか?
・父なりの愛情表現って何だったのだろう?
また、「母」に対しても同じように考えてみるといいでしょう。
そうして、親に対する気持ちを整理していくわけですね。
ここからはもう少しお話を伺ってみないと分からないのですけれど、家族との距離感についても気になるところです。
父が「モラハラDV気味」だとすると、父以外の家族の団結力が高まることが一般によくあります。
母と子どもたちの心理的距離がぐっと縮まるんですね。
そのとき母の振舞い方によって子どもたちのスタンスも変わりまして、“筋金入り”と言われる武闘派女子のみなさまは、「弱い母を守るため父と戦う」という道を選択することが多いものです。
また、母もそれなりに強い場合は「父と母の間の調整役」を務める子どもが出てくるものです。
それがその後の人生に大きな影響を与えるのですが、ここで「母やきょうだいとの心理的距離が近すぎる」なんて状態になりますと、パートナーシップにあまりよろしくない影響を与えることになります。
つまり、家族に引っ張られてパートナーシップを優先できなくなる問題が生まれるんですよね。
そして、多くの場合、これは無意識的なものなので自分ではなかなか気づけません。
知らんうちに彼を寂しくさせてるってことです。
「え?それは彼氏のほうであたしは関係ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんけど、もしかすると自分では気づかないところで起きてるかもしれないってことです。
例えば、彼氏に「自分の家のルール」を押し付けてることがあります。
「うちはこういうときこうするものだから」というルールて各家庭にあるものですが、それを彼に強要してしまいます。
また、仕事のことで悩んでいるときに彼氏の意見よりも、自分の母親の意見を優先しちゃったりします。
それから、結婚したらこういう家庭を持ちたいという思いが自分本位になり、自分の育った家がこうだったらいいな?というのを彼に押し付けてしまいます。
ひとつひとつは細かいことでも積みあがると心離れに結び付きやすいものですから、この家族との距離感を知っておくことはとても大切なものだと思います。
今、Mさんは逆の立場も経験してますからその気持ちはよく分かると思います。
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そして、もう一つ気を付けなければいけないのはセックスの問題ですね。
彼氏の前で子ども返りが始まってしまうとセックスを遠ざけようとしてしまいますし、レスにならずともあまり身の入らないプレイになりやすいものです。
エッチするよりも甘える方が大事!というわけですね。
逆に言えば、ふだんは子どもっぽく甘えたとしても、いざプレイ開始となれば大人の女になることができればバランスが取れますよね。
だからMさんにとっては子ども時代に溜め込んだ思いを解消し、親子関係・家族関係を見つめ直すと同時に、「大人女子」をテーマにしてみるといいんです。
それはセクシャリティについて向き合うだけでなく、ライフワークにつながる生き方を創造していくことにもつながります。
つまり、Mさんにとってどういう生き方をこれからしていきたいのか?自分らしい幸せな生き方とはどんなものなのか?に向き合ってみるんですね。
父親のことや甘えん坊な自分が出てくるとどうしても意識は「過去」に向かいますね。
でも、その一方で、Mさんと彼氏は「未来」に向かっているわけです。
となると未来に意識を向ける時間も大事になってきます。
これもまた「バランス」をとるために重要なポイントです。
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ということで、彼氏と一緒に過ごす時間は好きにしていいんですけれど、彼と会えないときに
・家族と向き合う
・セクシャリティと向き合う
・ライフワークを考える
という3つのテーマに取り組んでみると良いんじゃねえかと思うわけです。
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