パワーストラグル（主導権争い）にある夫婦が関係を再構築するための心がけと方法について。

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お互いがお互いを傷つけあう状態になってしまうとやがて疲弊を招いて関係性が崩れていくものです。
共倒れの危険がありますから、一旦相手のことは放っておいて、自分自身のことに目を向けます。
なかなか難しい試みなのでセミナーやカウンセリングを使ってみると良いでしょう。

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夫婦の価値観の違いを乗り越える記事、大変刺さりました。

夫はあまり話をしないタイプで雑談もあまりしないのですが、嫌だと言いながらも仕事に毎日行きますし私の嫌いなお風呂掃除をしてくれます。

言葉がなくても、それが夫なりの愛だと思っています。

そんな夫ですが、１年に１度くらいに機嫌が悪い期間があります。
きっかけは何かは解りませんが、明らかに私に不満があるのは解ります。
家のせまい廊下をあからさまに私を避けたり、部屋に閉じこもって出てこなかったり、ご飯をたべなかったりして抗議をしてきます。
始めは知らんぷりするのですが、結局、何が言いたいの？と聞いてしまします。

答えはいつも決まって「君は文句しか言わない」

しかし、毎日普通に過ごして変化していない私はあなたの受け取り方が変わっただけじゃない？
だって、すれ違って話をする時間もセックスをする時間もなかったのに、文句なんて言う時なかったじゃない。とこちらも負けずに抗議してしまいます、

話を聞くだけに留められず、結局抗議してしまいます。

今回は、息子が一人いるのですが、息子が巣立ったら一緒にはいたくない。それまではビジネスと思ってやる。との事。

それに対しても、そんな夫婦の形は私は嫌だと抗議して、平行線です。

気持ちを溜め込み溜め込みすぎると、決まって私を避ける夫にどうしたらいいのか解りません。

そして、あまりに冷たいとなんで私はそれでも離婚しないほうがいいと思ってるんだろう？と思います。

いつもこのパターンから抜け出せず、夫の不満が溜まることの理由もわからず、お恨み帳にも、なんなの？なんで言わないの？赤ちゃんみたいな男だ。など書いてるとホントに好きかも分からなくなります。

パターンを抜け出すには、どうしたらいいのでしょうか？
私なりに考えて、話をあまりしない夫がよく話すのはセックスの時なので、誘おうと思って居るときに仲が悪くなり結局誘えず何も変化を起こせないでいます。
（Ｙさん）

とりあえず赤ちゃんみたいな男だという点においてはなんら間違いはないと思われます。はい。

ちょっと意外な方向に話が進むかもしれませんが、まあ、一つの見方だと思って読んでくだせぇ。

ある意味、頂いたメッセージは「夫への文句」ですよね？
そして、ここに書いてくださった以上に言いたいことっていっぱいありますよね？

そんな気配がバレて「君は文句しか言わない」と言われるのかもしれません。

また、最近はそうであったとしても、過去にそういう時期があった場合、「僕の妻は文句しか言わない人だ」と思い込んでしまったのかもしれません。

Ｙさんや皆さんもある特定の人物に対して「あの人はこういう人だ」と決め付けちゃったままの人っていませんか？
あるいは逆に「あなたはこういう人だ」と決め付けられちゃったままの人も。

一度染みついたイメージってなかなか拭うことは難しいですよね。

で、

＞話を聞くだけに留められず、結局抗議してしまいます。

＞そんな夫婦の形は私は嫌だと抗議して、平行線です。

という風に「抗議」されてるわけですが、これが「文句」と受け取られているところはないでしょうか？

そんな風に自分の言動を客観的に見つめ直してみると「あっ！」と思うところや、いわゆる「見解の違い」というのが色々と出てくるのかもしれません。

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特に夫婦関係であるあるなのは「相手のせいにしている」というところでして、「あたしも悪いところがあるのかもしれないけれど、夫はもっとひどいんです」というお話をされる奥様はとても多いです。もちろん、旦那様がいらっしゃったときには同様の理屈を展開されるものですけれど。

いわゆる自分を棚に上げて相手を否定するということが“お互いに”癖になってしまい、何か話をしようにも喧嘩になるだけで、全然進展がないのですね。

そして、そもそも「話をする」「話し合いをする」というのも基本、自分の思うやり方でやりたいと思うものです。

まあ、無理もありません。
誰でも自分の土俵で戦いたいものですから。

よく「話し合いができない」という奥様からのタレコミもいただくのですが、そもそも話し合いがしたいのか、自分の思いを主張して相手をコントロールしたいのかの区別がついてない方も多いんです。

自分の思っていることを全部夫に話したい。聞いてほしい。
それで謝罪するなり反省するなりして態度を改めて欲しい。
あたしが嫌だと思うことはしないでほしいし、きちんと謝罪してほしい。

それは「話し合い」ではありませんよね。

そもそも「夫に対してたいへんお怒りである奥様」ですから、当然夫の話を受け入れる隙間もないわけで、そんな状態では話し合いはできません。

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こういう状態を心理学では「パワーストラグル（主導権争い）」と言います。

ここでは主に次のような現象が起こるものです。

○他人軸（夫軸・妻軸）

一見、自分軸にいるように見えて、相手に対して怒りや不満を持ち、相手をコントロールしたい状態になっているわけで、立派な他人軸。
常に相手のことを“否定的に”考える状態になり、怒りがどんどん溢れてくる状態。

○正しさの争い

自分は正しくて相手が間違っているという主張を繰り出す状態。

○善悪の争い

自分は良くて、相手が悪い、という主張をお互いにしている状態。

○コントロール（支配）

「正しい」「良い人」を盾に相手を自分の思い通りにしようとしている状態。
上記２つの主張がベースとなり、「あなたが間違ったことをしているのだから治すべきだ」「自分は正しいのだからお前が心を入れ替えるべきだ」「そんな態度をとるのはおかしい。きちんとすべきだ」等々の主張をしている。

○交戦状態（競争）

自分の方が上である、優位である、ということを主張している状態。
なにかと相手の言動を否定してしまう。
仮に相手が正しいことを言っていても素直に受け入れられず、否定する状態。

○黙秘権の行使

何も言わない状態。
多くの場合「言っても分かってもらえない。言っても無駄。喧嘩になるだけ。」と諦めに入っている。
ただ、怒りを溜め込んでいる状態なので何かをきっかけに爆発することもある。

○癒着／共依存

お互いが他人軸であり、お互いの頭の中には相手を否定する感情で埋め尽くされていくので、心理的にはお互いがお互いに依存している状態であり、ゆえに癒着してしまい、共依存関係に陥っていることが多い。ＤＶやモラハラもこの段階で起こる。

また、パワーストラグルの段階を経るとこの「諦め」が強く出てくるので見た目には平和になるが、心の中ではお互いがお互いを攻撃し合う「冷戦」状態になる。
この状態を「デッドゾーン」と呼ぶ。

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この状態になってしまうとはっきり言って２人で解決できないと捉えるのが賢明です。
お互いがお互いを傷つけあう状態であり、仮にお子さんがいる場合は、お子さんの心も傷つけ続けますので、家族みんなが疲弊していきます。

また、そんなときに「一緒にカウンセリングに行こう」という提案を一方がしたとしても、他方は相手の土俵では戦いたくないので否定されることが多いものです。

まず問題を何とかしたいと思う奥様がいらっしゃるのが早いものです。

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という風に形式的な話を最初にさせていただきましたが、お二人の状態がそんな状態にあることにお気づき頂きたいものです。

つまり、こうした話を講座風にできるくらい「あるある中のあるある」ということでもあるんですね。

ただ、多くの夫婦は主導権争いを繰り広げた結果、疲れ果てて「もうええわ」となり、「旦那元気で留守がいい」という状態になるか、他に男を作るか、離婚を決断するかという方向に進むことが多くなります。

いわゆる「諦め」の状態ですね。

もちろん、このパワーストラグルはお互いの心を深く傷つけます。
もうすでにお腹いっぱい！というくらい、Ｙさんもご主人も傷ついているのかもしれません。

だから今のままでは離婚にならずとも「和解」「仲直り」「円満」という状態にはよほどのことがない限り起こらないものです。

そこでは自分自身の意識を大きく変える必要があります。

１つ目はこの問題は自分自身が創作していること。
２つ目は自分自身を変えること。

夫のせいにしているうちは自分を変えることはできません。

まずは「夫のせいにする」ということをやめることが、自分自身を変える一歩目になるでしょう。

例えば「自分軸」を意識することがとても効果的です。

「あたしはあたし、夫は夫」と強く意識するようにします。

私のイメージでは、夫に向いている意識を自分自身に向け、そして、まずは自分自身を元気にしていくことです。

自分を知り、自分の本質とつながり、自分らしく生きられる状態に持っていくんです。

だからこの辺りを扱うセッションですと「まあ、お気持ちは分かりますが、とりあえず夫のことは横に置いときましょう。」とよく話します。

まずは自分のこと。
だって、夫との関係に手を出せるような状態じゃないんですもの。

★自分軸を取り戻すための本と動画

＊セミナー動画：ワークショップ「自分軸とは何？なぜ自分軸が大切なのか？どうしたら自分軸が確立できるのか？」
＊文庫版『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』 (だいわ文庫)
＊新書版『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか？』（フォレスト出版）

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＞言葉がなくても、それが夫なりの愛だと思っています。

こういう意識を持てることはとても素晴らしいです！そして、

＞それに対しても、そんな夫婦の形は私は嫌だと抗議して、平行線です。

＞そして、あまりに冷たいとなんで私はそれでも離婚しないほうがいいと思ってるんだろう？と思います。

＞私なりに考えて、話をあまりしない夫がよく話すのはセックスの時なので、誘おうと思って居るときに仲が悪くなり結局誘えず何も変化を起こせないでいます。

などの文面を拝見すると、Ｙさんの本音としては

・そんな夫でもまだ好きな気持ち、愛したい気持ちがある。
・だから仲良くしたいし、いちゃいちゃもしたい。

という気持ちが見えてきますね。

だけど、その気持ちに素直になれないほど「ひどいこと」をされているわけですし、夫の冷たい態度に傷ついているわけですし、もちろん、お怒りでもあります。

とりあえず「あたしはご乱心中でござる」と思っておいてください。

でも、なんでそんなにムカついちゃうかというと「あたしはこんなにもあなたのことを愛していて、いい関係を築きたいと思っているのに、なんでそんな態度をとるの？悲しいじゃない！悔しいじゃない！惨めじゃない！何よりも寂しいじゃない！もしかしてそれってあたしのせい？あたしが悪いの？」みたいな思いを抱えているからだと思います。

その寂しさ、悲しみ、惨めさ、悔しさ、そんな気持ちを「怒り」がコーティングしているような感じです。

だから、御恨み帳を書かれるのならば、そうした怒りの奥にある寂しさなどの気持ちを出されると良いでしょう。

さびしいって１０回２０回と書き出してみてください。
愛を受け取ってもらえなくて悔しい、と何度も書いてみてください。

怒りを覚えたら、「あたしは寂しいのかな？悲しいのかな？惨めなのかな？」って自分に聞いてみてください。

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こんな状況、こんな関係性であっても人って笑えるんです。楽しめるんです。

だから、そこを目指していきます。

セッション中はそうした理論的な話に加えて、「Ｙさんってほんとうはこんな人じゃない？」「こんな部分を押し殺してきたんじゃない？」という風にＹさん自身の人生にフォーカスしていきます。

そして、Ｙさん本来の魅力を掘り出していくようなイメージですね。

そうして自分を見つめながら、自分の生き方を変えていくことをしていくのです。

そうすると夫との関係が変わらずともなぜか気持ちが軽く、楽に、そして元気になってきます。

この辺まで来ると夫の態度に振り回されることなく、自分は自分で楽しくなってくるし、夫の態度も変わり始めるので「あら、不思議」です。