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彼が忘れられない、とか心が過去の住人になってしまって前向きになれないこともよくあることなんですが、そこでは「今感じている自分の気持ち」を何よりも大事にすることがお勧めです。
その自分をついついいじめちゃうこと、ありませんか。
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もしよろしければネタにしていただけると嬉しいです。
私には大好きな人がいました。
この人に会うために生きてきたんだと思えたし、相手もそう思っていたようでした。
彼も私もそれまであまり幸せになるのが得意なタイプではなかったので、お互いに「こんな幸福な出会いが訪れるなんて、もしかして夢の中にいるんじゃないか」とよく半分本気で笑い合っていました。
感覚が似ていて、私の抱えている問題を一緒にいる理由に変えてくれる、かけがえのない人でした。
でも、私は彼のことを大切にしきれませんでした。
彼が心地良く人生を送ることと、私の不幸が一致してしまう課題があり、乗り越えられなくて離れるしかありませんでした。
課題の火種は当初から懸念されたんですが、正直に話し合えて、一緒に解決していこうと、一生懸命向き合って、行動から変えようとしてくれる人でした。
しかし、私の欲が大きすぎたこと、彼の想定以上に問題が深刻だったこと、お互いの弱さを自分の強さに変えたいと思いすぎたことによる共依存…
頑張ってもどんどん悪い方向に向かいました。
私の方が弱くて卑怯なので、彼を傷つける言葉や態度ばかりになってしまいました。
それでも「僕が悪いから」と向き合い、解決策を一緒に考えてくれる人だったのに。
私はロケットランチャーで粉々にしてしまいました。
「終わる」とほぼ確信をもって粉々にしました。
別れて1年ほど経ち、その間に私は持病を回復させて、理想の仕事につきました。
頑張ったなぁと思うけど、大変なときも、楽しいときも、いつも心の中で彼に話しかける日々です。
手放しワークも何度もしましたが、呼吸困難になるほど泣いた後に、また彼を思い出します。
彼は今、自分の人生を、心地よく生きていると思います。
彼が幸せならいいじゃない、と言い聞かせても、どうしようもなく懐かしく、苦しくなります。
私はこれから、どうやって自分を幸せにしていけばいいか、わかりません。
「好きにしなはれ」と言われそうですが、もう人生で叶えたかったきらめきは彼との時間で全て経験してしまったので、途方にくれています。
こんなどうしようもない自武女に、何かアドバイスいただけると幸いです。
(Yさん)
病気が回復されたこと、良かったですー。
けっこう大変だったんですよね。
その病気や治療の苦しみと今のしんどさと比べるとどうでしょうか。
同じくらい?
それとも今の方が辛い?
そんな彼なら再アタックしてもいいと思うんだけどダメなんでしょうか。
もしくは、そんなワガママはダメだと決め付けちゃっているのでしょうか。
そんなに忘れるのがしんどいなら、今更だけどまた連絡してみてもいいと思うんだけどなあ・・・。
・・・たぶん、カウンセリングだったらそんな話をすると思います。
もちろん、そこにはいろんな事情がありますから連絡できないとか、「あたしのロケットランチャーの威力ってすごいのよ!」という話になったりするかもしれませんけど。
しんどいけど“敢えて”振られてくる、という手もあるんです。
気持ちに区切りをつけるために。
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で、それだけの恋をしたなら尾を引いてしまうのも無理はありませんし、そう簡単に立ち直れるもんじゃないですよね。
なので、どうせ引きずってしまうなら武闘派らしく「とことん引きずってやるぜ!」と覚悟を決めるのもアリかと思います。
何がしんどいかっていうと、彼のことを好きだったり、求めたりしてしまう気持ちを「ダメだぞ!もう忘れろよ!」とコントロールしようとしてるからです。
好きなもんを忘れるなんて困難ですよね。
しかも、思い出付きなわけですから。
だから無理して忘れようとか、何とかしようとか、次に行こうと思わずに「そのまま」にしておくことをまずはおススメしたいなあ、と。
病気された方にこんなことを言うのもなんですけど、「その失恋、もし病気やケガに例えたらどんな症状だと思います?」ってお聞きするんです。
みんな心のことってけっこう軽視しがちで、全身複雑骨折みたいな「よう生きてるなあ」という症状でも「毎日仕事行ってます!」とか「早く立ち直って次に行きたいです!」とか思うんですよね。
それがケガなら全身包帯でぐるぐる巻きにされて半年間は絶対安静じゃない?と。
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さて、そんなYさんの話ですけど、「今の私」と「病気してた頃の私」って別の人間だってことをまずは自覚した方が良いかもしれません。
だから「今の私が思うこと」と「当時の私が思うこと」って別なんですよ。
当時の「不幸」だったときの自分がしたことって、たぶん今のYさんならしないことかもしれないけど、別の人間だったら無理はないことです。
例えば「今の私なら彼ともっとうまくやれたはず」とか「今の自分だったらあんなことは言わなかった」みたいな“後悔”をよく耳にするんですけど、そりゃあ、今の自分だったらそんなことはしないかもしれないけど、当時の私は「そうするしかなかった」んじゃない?と思うんです。
Yさんも病気やら不幸やらがあって苦しんでいた頃から、快癒して理想の仕事に就くまでに精神的にもだいぶ成長したと思うんですよね。
そして、病気が治って理想の仕事に就けた時点で気分もずいぶん変わったかと思うのです。
つまり、大げさに言えば「生まれ変わった」わけですよね。
だとしたら、やっぱり今のYさんと、1年前のYさんは別人なわけで、当時の自分がやっちまったことを今の自分が責めるのはお門違いだと思うわけです。
でも、記憶は連続していますし、あまりその成長を自分では実感できていないものですから、まるで「今の自分が彼にロケットランチャーをぶっ放った」ように感じてしまってるみたいです。
そりゃあ、元気になって仕事も面白い今ならそんな武器は取り出さないでしょう。
そこまでしなくても、鼻息一発で彼を吹き飛ばせるはずですし。笑
だから、「そのときの私」と「今の私」は別人だという風に捉えたほうが現実的なんですな。
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そうやって過去のできごとに対して罪悪感を覚えたり、後悔したりすることって誰でもあると思うんですけど、そういう風に思えること自体が自分自身が成長したり、変化した証なのですよね。
以前の自分とは見方が違うからそういう風に感じられるわけです。
だから、同じような状況にある方も「そっか、あたし、成長したんか。そうか、そうか」とまずは独り言をつぶやいてほしいところです。
「罪悪感を覚えられるくらい成長したんやなあ」と。
例えば、あるクライアントさんは10代の頃にかなりヤンチャをしていてたくさんの人に迷惑をかけてました。でも、当時はそんなこと全然考えていなくて、大人になった今、罪悪感を大いに感じるようになった、と言います。
また、ある人は若い頃に援交(今でいうパパ活)してて、いいお小遣い稼ぎをしていたのですが、25歳を過ぎたら「あたし、とんでもないことしてた」と後悔するようになったと言います。
また、別の人は20代の頃はけっこうハチャメチャな恋愛をしていて、2股どころか、3人、4人の男の人と同時並行で付き合っていたけど、30代になって振り返ってみれば、なんだかすごく申し訳ないことをしたし、バカなことをしてたと気づいたと言います。
分かりやすい例として挙げたんですけど、そういう風に思えるようになったということは「成長の証」でもあるんです。
もちろん、やっちまった事実は消せないけれど、今の自分と当時の自分が違う人間だから違う見方ができたと思えるんですね。
でも、そうやって「ああ、自分は成長したんだ。別人になったんだ。」と気づくことができれば、その解釈を変えることができます。
「家がめちゃくちゃで気持ちの持って行き場がなく、そんなことしていた」とか、そうせざるを得なかった理由も“今なら”理解できるようになります。
罪悪感を覚える方向に見るだけでなく、“理解”をすることもできるんです。
そうすると「当時の自分はそうせざるを得なくてそうしていた。今の自分ならそんなことはしないけど、それはその経験も含めていろんな出来事が自分を成長させてくれたからだ」なんて解釈ができるようになります。
そうすると「自分を責める」という悪行を止めることができます。
これは罪悪感の癒し方の一つですね。
*「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
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また、そうして「過去の私」と「今の私」を分けて捉えられるようになることが実は「執着を手放す」ということについてものすごく重要かつ役立つんです。
執着や後悔に苦しむときって、自分の中の意識が「過去」と「現在」を繋げて捉えているからなんですね。
だから、過去を過去としてきちんと捉えることがすごく重要なのです。
「彼を手放せない」とか「あのときのことを忘れられずに今も責めてしまう」とかいう場合、ほとんどが「過去と現在がつながっている」状態で、もっと言えば「過去に生きていて、今に生きていない」という状態なんですね。
思い出に引っ張られて過去の住人になってしまってるわけです。
でも、過去は変えられないし、過去に戻ることもできませんから、「どうしようもできないことで悩む」という“今”が生まれます。
そして、今の自分にはどうしようもできないことだからこそ、ずーっと悩むことができます。だから、エンドレスになっちゃうわけです。
だから「それは過去のこと」ときちんと自分に意識を向けることをしていきます。
それで「病気をしていた頃のYさん」と「病気から回復して理想の仕事に就いた今のYさん」は別人だという表現をしています。
そう思うことで「過去は過去」と認識できるようになるんです。
これを「過去のパッケージ化」なんて呼んだりします。
★この辺の話はこの本に詳しいですし、その実践編がセミナー動画です。
*「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナーDVD『本気の手放しワーク』
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さて華麗なるステマを2発キメたところですが、Yさんは今何をすればいいか、だいたい分かってきました?
とはいえ彼とのことを「過去」にしたくない自分もいると思うんですよね。
まだまだ思い出に浸っていたい、心の中で彼に語り掛けていたい、まだまだ彼を忘れたくない、あの時代のあの幸せを大事に抱えていたい、と。
「手放し」って「卒業」を意味します。
3年間過ごして楽しかった高校生活も、3年生の3月になれば強制的に終了となり、みんなそれを過去のものとして思い出化(パッケージ化)します。
学生はそうやってシステム的に卒業させてくれるわけですけど、恋愛って文科省が仕切ってくれるもんじゃないので卒業の時期は自分で決めなきゃいけないわけですね。
でも、それはいつでも良いわけです。
だから、気が済むまで引きずってもいいし、思い出に浸ってもいいでしょう。
「時間薬」という言葉があるように、Yさんにとっては理想の仕事に就けたことがとても大きくて、その仕事を楽しんでいるうちに徐々に彼への思いが薄れていくことも期待できますね。
だから、別に急いで卒業しなくても良いとも思うのですね。
高校を卒業したくないから敢えて単位を落として留年することも恋愛の世界では案外受け入れられるものです。
特に病気の問題は体だけでなく、精神的にも深いダメージを残しますから、体が回復したからって心まで一緒に回復するとは限りません。
けれど、そうして今の仕事や今の日常を自分なりに過ごしていくと、だんだん心が回復していってやがて“気が済む”という状態がやってきます。
だから「そのまま」にしておくのがいいんです。
そこで、早く忘れなきゃ、次に行かなきゃとか思って頑張ると、それがかえって自分の心を傷つけ、回復を遅らせてしまうことがあります。
リハビリもゆっくりやらないと余計傷口を悪化させるでしょ?
心も同じなんです。
で、思い出して辛いときはノートにそれを書いたり、カウンセラーに話したり、友達に泣きついたりして少しずつ進んでいけばよいと思うわけです。
だから、焦らずにそのまんま“今”の自分の気持ちを大事にしてあげることをまずは優先してみることをお勧めしたいです。
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『執着が手放せないのはまだそれが「過去」になっていないから。』
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