「好き」だからだけでなく「嫌い」や「憎い」という気持ちもまた「執着」である~思考的に立ち直るのは逆効果!?~



元カレへの未練というと「まだ好きで忘れられない」というのが一般的に思われますが、「彼のことが憎い!」という思いもまた未練であり、執着のひとつです。
それと同時に、早く立ち直ろうとして思考的に気持ちを切り替えようとすると、感情がそれに付いて来なくて執着がより強まることもあるのです。

自力では答えが出せなかったので、この場を借りて質問させてもらいます。

「本気の手放しワーク」での発言について、1つ懺悔させてください。
手放しの対象を1人ずつ発表したとき、私は格好つけて「元彼」と言いましたが、本当は元彼ですらない男です。私のことを浮気相手としか思ってなかった男です。話を盛ってごめんなさい。

彼とは最終的にひどいトラブルになり、大嫌いになって縁を切りました。その後彼は彼女と結婚し遠くへ引っ越しました。もう会うことも連絡をとることも2度とありません。
そんななり行きなので、もはや未練などないはずなのです。
セミナーのなかで「今目の前に相手がいたら何を伝えたいですか?」というイメージワークがありましたが、「言いたいことなど何もない。2度と私にそのツラ見せるな」と思う有様です。
ですが、相手と一緒にいた時に感じた気持ちに今もとらわれています。

彼と仲良くしていた時、元彼女の話を聞いたことがありました。大好きで結婚しようと思っていたそうですが、2年付き合った末に「他に好きな人ができた」とふられ、1年後に相手は結婚したそうです。彼は2年ひきずり、その後、今の彼女と付き合ったそうです。
元彼女のことが1番好きだった、もう未練はないけれど、もし元彼女にバッタリ出会うことがあったらまた好きになってしまうんじゃないかと思うと怖い、と彼は言いました。
私はその気持ちを想像し「元彼女のことが本当に好きだったんだなぁ、今でももし叶うならその人との結婚を選ぶんだろうな」と思い、絶対に叶わないことを望み続けてしまうことに対する強い絶望感を感じました。
私は過去に失恋しても、何かと理由をつけて「あの人のこういう点は私と合ってなかった、他にもっと合う人がいるはずだ」と気持ちを切り替えることで立ち直ってきており、相手に未練が残ることは一切なかったのでより衝撃でした。
そしてその時感じた絶望感は、彼と縁を切って半年経った今も私の心の中に残り続けています。毎日薄暗く窮屈な気持ちです。
新しい恋愛にも前向きな気持ちになれず、ほとほと困っています。

私は「絶望感」に執着しているのでしょうか?
それともそれも含めて彼に執着しているのでしょうか?
はたまた私が感じている絶望感、執着心は彼のもので、私は他人の感情を自分の心の中に持ち続けているのでしょうか?

そしてこの絶望感から抜け出すには、やはり手放しワークを地道に続けることが効果的でしょうか?

根本先生はどう思われるか、お話聞かせてもらえたら嬉しいです。

彼との一件に対してはどれだけ辛くてもなぜか涙が出ないのですが、セミナーで根本先生にサイン入りメッセージをいただいたとき、「自由になっていいんだよ」と言われた気がしてうるっと来ました。
彼との関係が辛くなりはじめた頃に偶然Twitterで根本先生のブログ記事にたどり着き、今では毎日拝読して心の支えにしています。根本先生に出会えていなかったらと思うと怖いくらいです。
いつもありがとうございます。根本先生のお仕事を陰ながら応援しています。
(Nさん)

ありがとうございます。ええーっと・・・「陰ならば」じゃなくてもいいですよ!!堂々と、表立って、応援してくださってもいいっすよ!!!Twitterとかで拡散してくださったり、友達に本を紹介してくださったり、もいいですしねー。
また、セミナーに参加してくださったり、新刊を100冊単位で購入していただいたり、というのもお勧めですよ!!笑

さて、Nさんのメッセージを読みながら「その男、あたしが成敗したる!住所教えろ!」という武闘派女子がおそらく3万人くらいいらっしゃるかと思うのですが、それくらい共感を招きつつ、かつ、皆様の脳裏にも「あの男め!」が浮かぶのではないかと想像されます。

日本の平和が今後とも続くことを願ってやみません。。。

さて、本題に入る前に「なんで彼女の前で、未練たらたらな昔の女の話をするわけ?」という多くの女子たちの疑問に軽くお答えしておきたいと思います。(筆者も昔、似たようなことをしてしまったことがあり、当時の彼女からマイナス36度の視線を浴びたことがあります。あ、もちろん、昔話です。紀元前の話です。ので、お怒りにならぬようお願い申し上げます。)

男性心理のひとつに「コレクション心理」というのがあります。
フィギュアを無駄に集めたり、酒の瓶を出窓に並べたり、時計を何個も集めたり、車のパーツをいくつも買い集めたり、ランタンを何個も揃えて悦に浸っていたりするアレです。
ちなみに9歳のうちの息子は飛行機の模型をずらっと並べて喜んでいらっしゃいます。(そのパパはスーツやハットを定期的に購入して集めております。)

女子からすると「なんでそんな同じものをいくつも持ってるわけ?なんか意味あるの?ひとつでいいじゃん?」と思うんですが、男子のコレクター心理と比して、女子は「一点豪華主義」の傾向があるので、なかなか理解に苦しむものです。

ここまで読まれた聡い女子は「え?じゃ、女もコレクションアイテムってこと?ふざけんな!」と手元の日本刀に手をかけそうになるかと思いますが、ちょっと待って!早まらないで!!

でも、まあ、そういうことなんですね。

恋の話で「女子は上書き保存、男子は名前を付けて保存」と言われるように、男性は過去の彼女も大切にフォルダの中に保存しておき、時々思い出しては「あの子、いまだに俺に未練があるんだろうなあ。また誘われたらどうしようかなあ」などと妄想にふけっております。
もちろん、多くの女子はその頃はその男のことなどとっくに上書き保存済みで「え?誰それ?そんな奴いたっけ?」と忘却の彼方に置かれてるわけですが、男子はそんなことを露とも思わず、思わずニヤニヤしてしまうのです。

しかも、そんな経緯で振られた彼女であれば、未練もたらたらでございますので、つい「こんな彼女がいてなー。めっちゃ可愛くてなー。未だに道で出会ったらどうなるか分からへんねん」とか言ってしまい、彼女の地雷を思い切り踏みつけることになるんですね。

そこで「おい、ちょっと今、なに言うた?表出て話つけよか?」と躊躇なく胸倉をつかめる女子もうちの読者にはたいへん多数いらっしゃるのですが、「そうするのもアリだけど、とりあえずもう少し様子を見てやろうか。後々責めるネタになるしな」と心の中でしっかりメモを取りながら黙って聴いている女子もいれば、うちの読者には少数派かと思いますが「もしそんなことを言って彼に嫌われるのはイヤだから、胸くそ悪いけどとりあえず黙って聴いとくか」という女子もいらっしゃるかと思います。

似たような話で、男はすぐに自慢話をし、そして、過去の栄光をいつまでも語りたがる、という傾向もありまして(それは男性の無価値感の強さに由来します)、ゆえに、女子としては聞きたくもない元カノの話を聞かされることになるのです。

だから、その話はかなり盛られておりますので、その話を10倍に希釈して聴かれるのが良いかと思います。

さて、ここからが本題なのですが、みなさん、ハラワタは煮えくり返っていないでしょうか?まだスマホはご存命でしょうか?

で、私たちの心理には「好きでつながれないなら、嫌いでつながる」というものがあります。
似たようなものに「いい子をして注目されないなら、悪い子になって注目される」というのもあります。(優等生だった子が非行に走るようになるのはその典型)

少し長くなりますが、Nさんの文章を引用させてもらいます。

>彼とは最終的にひどいトラブルになり、大嫌いになって縁を切りました。その後彼は彼女と結婚し遠くへ引っ越しました。もう会うことも連絡をとることも2度とありません。
>そんななり行きなので、もはや未練などないはずなのです。
>セミナーのなかで「今目の前に相手がいたら何を伝えたいですか?」というイメージワークがありましたが、「言いたいことなど何もない。2度と私にそのツラ見せるな」と思う有様です。
>ですが、相手と一緒にいた時に感じた気持ちに今もとらわれています。

要するにNさんは「今も彼のことが忘れられない」ということですよね。
彼に対する怒りも相当溜まっていらっしゃいますよねー。

何があったかは分からないですが、それくらいムカつくことをされたんだと思います。

ここで言う「未練」というのは、「彼のことがまだ大好きで、何だったらヨリを戻したい」ほどの意味を指すと思うんですが(彼が元カノに対してそうだったように)、その「未練」には「怒り」だって当然含まれるんです。

「あいつ、めっちゃムカつくわ。今度あったら八つ裂きにしてやる!」という怒りや恨み辛みや憎しみの感情を持ち続けることで、彼のことを忘れずに済みますよね?

よく「好きの反対は嫌いじゃなくて無関心」と言いますが、Nさんにとってその彼は上書き保存されることなく、「殺すリスト」と名付けられたフォルダの中でしっかり存在感を放っているわけです。

つまり、それも「執着」のひとつです。

「手放し」ができると、その彼に対しては「感謝」こそすれ、恨み辛みなどの感情はなくなります。「ああ、勝手に幸せになってくれたらそれでいいですわー」という軽い感覚でとらえられます。

例えば、なんにせよ「元カレが忘れられない」というテーマでカウンセリングを始められた方が、始めは60分のうち60分を彼の話に終始するのですが、そのうち彼の話が30分になり、10分になり、やがて、「例の彼のことはもういいの?」とこちらが話を振るまでその話題にならなくなります。

先日も「あ、なんか忘れてました。時々思い出すことはあるんですけど・・・」とおっしゃる彼女がいました。

つまり「手放し」ってのは「忘却」でもあるんですね。

だから、「あの男、めっちゃムカつくねん」という思いが残っているのであれば、まだまだ執着していると言えるんですね。

Nさんの場合は、

>私は過去に失恋しても、何かと理由をつけて「あの人のこういう点は私と合ってなかった、他にもっと合う人がいるはずだ」と気持ちを切り替えることで立ち直ってきており、相手に未練が残ることは一切なかったのでより衝撃でした。

という方法でかつては未練を断ち切って来られたわけですが、そのやり方では気持ちを切り替えられないくらいひどいことをした彼がいるんだろうな、と思う一方で、若干、そのやり方には無理があるなあ、と思ってしまう私もいます。

何かと理由を付けて気持ちを切り替える、というのは、いわば、思考的なやり方なので、感情がそれに付いてくるかは分かりません。むしろ、無理やり感情を抑え込んでしまうケースだってあるので、実は「前の彼への感情が未消化なまま、次の恋を始めてしまい、新しい彼に前の彼への感情をぶつけてしまう!」ということも起こりえます。

ちょっと分かりにくいので、例を挙げて説明したいと思います。

ある武闘派女子が元カレが突如連絡が取れなくなる気まぐれな奴だったため、いつも浮気されてるんじゃないか?自分のことなんてどうでもいいんじゃないか?という不安や無価値感を抱えていたとします。
そして「もう、こんな奴とは一緒にいられへんわ!」と関係を斬って、次なる獲物を探しにマーケットに復帰し、めでたく次なる男をゲットしたとします。

その時、新しい彼には元カレへの感情が残っている分だけ「急に連絡が取れなくなったりするのはイヤだ。何かあるならちゃんと言って」と要求するはずです。

でも、新しい彼はちゃんとマメに連絡を取ってくれる人で、「ああ、この人は信頼できるわー」と思っていたとします(そう思う時点で元カレへの感情がまだ断ち切れていないことが分かるかと思います)。

そんなとき、彼からの連絡が突然途絶えたとします。
実際、彼はその頃、急激な腹痛に襲われて駅のトイレに駆け込んでおり、九死に一生を得て便座の上で恍惚な表情を浮かべているのですが、彼女としては「お前もあたしをそんな目に遭わすんか!」と激怒してしまうのです。

その気持ち、みなさんなら想像できますよね?

つまり、今の彼に、元カレを投影しちゃっているんです。

元カレへの感情が未消化なまま、次の恋を始めてしまうと、新しい彼は元カレの残債も一緒に背負わされる運命にあるのです。

なので、カウンセリングの中でも「それって彼に対する怒りだけ?もしかして、元カレたちへの怒りも乗っかってない?今の彼がしたことに対する怒りだけで、そこまで激怒するとは思えないんだけど?」なんて話もよくするんですね。

で、もちろん、元カレへの思いを完全に断ち切って次の男に行くってことはまあ難しいことですし、当然、彼氏側にもそうした事情があるわけで、いわば、パートナーとの喧嘩というのは、元カレ・元カノたちの「代理戦争」みたいな様相を呈することも珍しくはありません。

特にNさんのように思考的に気持ちを切り替えて次に行く場合、自分ではそうとは気づかない、未消化だった感情が出てきていることもあり、したがって、Nさんをカウンセリングする場合は、過去の恋愛について改めて掘り起こしをするだろうと思われます。

ちなみに、そうして未消化になっている感情をたどれば、やがてはラスボスを呼ばれる「母」や「父」、そして、「きょうだい」との関係性にたどり着くことも珍しくありません。

※ちなみにこうした現象を私は「EXILEのチューチュートレイン現象」と名付けておりますが、動画でもない限り説明できないので、機会があれば恋愛講座に顔を出していただけるとすごく分かりやすいと思います。(宣伝)

元カレに対する「絶望感」もまた「未消化な感情」の一つですから、怒りと一緒にその感情も込みで元カレに絶賛執着中なんだろうと思われます。

ちなみに、その絶望感というのも掘り下げてみればいろんなものが出てくるかもしれないなあ、と思いつつ、ここではお聞きできないので先に話を進めたいと思います。

ということで、Nさんが元カレを引きずっている理由についてはある程度ご理解いただけたと思うのですが、「何かと理由をつけて気持ちを切り替える」ってこと、ほかでもけっこうやってらっしゃいませんか??

元カレに対してのみでなく、ほかでもあるんじゃないかと思い、それってけっこう感情溜め込みやすいよねー。いっぱいいっぱいになりやすいよねー、と思うのです。

そういうわけで、元カレに対してのみならず、その前の彼氏たちについても積み残した感情が出てきている可能性がありますから、一網打尽に処理しちまうのがお勧めです。

そこで「元カレたちの棚卸し作業」をやってみるのも効果的です。
一人一人思い出しながら、今どんな気持ちになっているか?を感じてみて、先ほどの手放した後のような気持ちになるのであればOKとし、恨み辛みなり、嫌悪感なりが残っているなら「まだまだ未消化」だよね、ということで、御恨み帳をガンガン書きましょう。

そうでなくてもとりあえず元カレに対しては「本気の手放しワーク」の中でも重要なポジションを閉めている「御恨み帳」ですね。

思考的に気持ちを切り替えることが得意な人ほど、御恨み帳に感情を吐き出すことって苦手に感じる人が多いので、そこは繰り返しチャレンジすることが大事です。はい。

例えばNさんがセミナー中に感じた、

>「言いたいことなど何もない。2度と私にそのツラ見せるな」

というのも怒りの表現の一つですから、それを何度も書き続けてみるのも効果的でしょう。
そうしていろんな感情を吐き出して心を軽くしていくことが第一段ですね。

・・・ってことで、御恨み帳を中心とした「手放しワーク」全般をじっくりやってみて、かつ、それをかつての恋人たちに対してもやってみることをしてみてはいかがでしょうか?

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