セックスレスの代表的な要因と、話し合いのポイント、そして、とっても大切な「共犯意識」について。



レスのご相談はやはりとっても多いわけですが、今までお話してきたその原因の代表的なものをいくつか解説しつつ、その話し合いの際の注意点についてお伝えします。
また、この問題に限らずパートナーシップの問題を解決するためには「共犯意識」がとても大切なんです。つまり、相手のせいにすんなよ!ってことですね。

根本先生こんにちは!
いつもブログを楽しく読ませていただいています。
先生のいうロックマンに近い彼を好きになりました。
でも彼に浮気疑惑が出て1度別れました。それは風俗の検索履歴だったし、本人に聞いたら検索しただけ、そしてなにより私が彼は嘘をつく人ではない、と思ったので、よりを戻しました。
その事があって、自分の彼に対する気持ちの大きさもわかったし、よかったと思います。膝枕をしてよしよーし、あー幸せってこんな感じなのかなーと恍惚としてました。
すると、次の問題が出てきたのです。セックスレスです。彼に家族としてしか見れない、たたないんだからしょうがねーだろ!とエッチを拒否されるようになりました。キスやハグはもういい!ってくらいあるのに、なぜ?

すかさず根本先生のセックスレスのブログを読み、セクシーな下着をつけてみたり、旅行に行ったり、もちろん彼にも私にとってエッチは愛情表現だからエッチしたいと伝えました。
そしたら、その発言にムカつくと言われました。彼はEDの気があるのか、鍛練のために毎朝、毎晩オナニーしていました。
たとえば、彼が年齢的にエッチが厳しいというのであれば、彼からの愛情はものすごく感じていたし、エッチがなくても満足していたかもしれません。
ただ私とのエッチは拒否するのに、毎晩おっぱいの大きいいろんな女優さんを探しながらオナニーする彼のことは、愛情と性欲は別なんだと言われても悲しい気持ちが抑えられなかったです。
それでいよいよ私も自分の感情でいっぱいになり、彼とのコミュニケーションが難しくなると、彼が話し合いの場を開いてくれました。もっとこのセックスレスについて向き合ってほしい、やれることはたくさんあるはずだからと伝えました。
彼は無理だと思うと言いました。よく聞くと、これまでの彼女ともセックスレスで別れてきたようで、いろいろ試して失敗してきたようです。彼の部屋には元カノを思わせる品がいくつもあることを思いだし、彼にとってはそれだけつらい過去なのに未だに問題に向き合えないんだなと思って別れました。
ただこんなに私のことを大事にしてくれた人はいなかったし、こんなに気が合う人も初めてだったので、保母さんのような慈悲深い愛情で彼を包んであげればよかったのかと後悔しています。
ネタにしていただけると嬉しいです。
(Tさん)

まあ、それは十分頑張ったんじゃないでしょうか。
お別れしたことも悪いことじゃなく、むしろ、Tさんにとっては良かったことなのかな、などとも思います。

ざっくり言ってしまえば「価値観の違い」ということでしょうか。
お互いに大事にしたいものやその表現方法がすれ違っているような感じ。

今回はセックスに対する意識の違いですが、それがお金の使い方だったり、合う頻度の問題だったり、自分が大切にしたいものの違いだったり。

レスのご相談で言えば「それ以外は完璧で、すごくうまく行っている」というお話をよく伺います。とても多いっすね。

でも、それくらい自分にとってセックスが大切ならば、仮にほかのことがうまく行っていても幸福度はぐっと下がってしまいますよね。

寂しいし、悲しいし、つまんないし、嫉妬もするし、自分は女として魅力がないんかなあ、とか思ってしまうし。

だから、それが理由になることはほんとうによくありますし、離婚の要件としても認められるくらい重要なことでもあります。

「すっごく自分を大事にしてくれて、気も合ったけれど、惜しかったなあー。あとちょっとだったなー」なんて風に思っておくのがいいんじゃないでしょうか。

自分を責める必要もないし、今の自分にできることは全部やったし、そのうえで「ああ、無理だなあ」と思って別れを選んだわけで、Tさんはなんも悪くないと思います。
むしろ、「自分なりにできることはやったぞ!」と胸を張っていいと思います。

そりゃあ、保母さんのような慈悲深い愛情で彼を包んであげればよかったのかもしれないけれど、「いやいや、あたしはあんたの保母さんじゃねーし、女だしー」ってことで、それは無理だったわけです。

できないこと、やりたくないことをやったって幸せにはなれませんよね。

で、そんなTさんに何をお伝えしようかなあ、と思いながらこの文章を書いています。
もう別れちまったしなー、後学のためにあれこれお話ししても後悔しちまうよなー、とか思いますし、また、レスの話題だったけれど、彼をちゃんと手放して、さらなる高みを目指して次の男を漁りに行く提案もありだしなあ・・・と。

カウンセリングであれば「何をお聞きしたいですか?」とかお聞きしちゃうかもしれません(笑)

でも、とりあえず振り返りを込めてレスのこと、話し合いのことについてまとめてみましょうか。

スキンシップはあるけれどセックスがない、彼に拒否されている、という場合は、主に次のような原因があります。

〇お互いの距離が近すぎる問題。

心理的にお互いの距離が近づきすぎると「家族」になってしまいます。でも、正確に言うと距離が近いからレスになるのではなく、近い距離で固定されてしまうことがほんとうの原因です。

時には離れ、時には近づき、という動きがないと人は「この人はこういう存在だ」と決めてしまうので、レスになりやすくなります。

ふつう人は安定を望みます。けれど、その安定というのはこの距離感の固定を意味することが多く、レスの大きな原因となります。

心理的距離を動かす、という意識が大事ですね。
恋人だったら、しばらく会わなければいとおしさも増しますよね。

〇セックスにおけるタブーと罪悪感の問題

セックスって秘められたもの、よくないもの、隠れてするものみたいなマイナスなイメージが付きまといます。また、特に男性はセックスに対して潜在的な罪悪感を持ちます。
それ故に、結婚して家族になったり、子どもが生まれたり、あるいは、お互いの距離が近づいて家族みたいになったりすると、「大切な人と悪いことはしたくない」わけで、レスになりやすくなります。

また、こうした罪悪感があると「セックスしてくれないのはなぜ?」「レスってよくないんじゃない?」などの言葉は男性からすると「責められている」としか感じられない(罪悪感を刺激しちゃう)ので、レスが加速してしまいます。

「セックスを拒否するあなたが間違ってる/おかしい/ひどい」という思いを持つと、どうしたって相手を責めたくなりますから(そりゃあ不満も溜まってるから無理もないですけど)、その分、心が離れてしまいますね。

それなら何の文句も言わないAVや風俗のお姉さんの方が気を許せるわけです。

〇オナニーのし過ぎとセックスへの固定観念の問題

これは男性に限りますが(女性はむしろ逆)、オナニーをしすぎると感度が落ちる上に、手間がかかるセックスよりもお手軽なオナニーの方が楽なので、レスになりやすくなります。

また、セックスでは女性を満足させなければならない、などの観念がセックスに対して多く含まれるので、それがまたセックスを「めんどうなもの」になりやすくなります。

性欲という「欲」をもとにセックスをすると、その欲が萎えてくる30代以降はとかくレスになりやすいわけで、また仕事や他のことにエネルギーを取られるとセックスに回すエネルギーが残っていない(もう頑張りたくない)という思いも出てきます。

「次に私と会うまでオナニーしちゃダメよ」というのは右京みさほさんが私との交換書簡の中で話してくださったことですけれど、そういう意識を持つこともすっごく大事ですね。

また、自分にとってセックスってどのようなものなのか?愛し合うという意味でのセックスってどのようなものなのか?をお互いにコミュニケーションすることもすごく大事かな、と思います。

また、女性にとってみると「セックスは求められるもの」と思っていたり、あるいは、「女が求めてるのだから彼は応じるべき」などと考えていたりもまた固定観念と考えられます。

どうしたら彼はその気になるのだろう?
どういう態度でいたら彼は私を女として見てくれるのだろう?
どうしたら彼は私をもっと愛したくなるのだろう?

そういう「創造性」はやっぱり重要です。セクシーな下着を着けるのはそうした疑問の回答の一つで、Tバックを履いたら彼がその気になるってルールがあるわけではないのです。

〇セックスに対する自信のなさ

最近は20代の男子でも途中でダメになっちゃう話を耳にするようになりました。
自分のセックスは相手を満足させているのか?という点で自信がなくなる男性は非常に多いです。

大事な人を悲しませたくないし、また、そんな人の前で恥をかきたくないし、喜ばせてあげたいのに喜ばせられないのは悔しいし申し訳ないし、などの思いからセックスを遠ざけちゃう人も少なくないものです。

勃起しないというのは男性にとっては男の尊厳にかかわるものと捉えてしまう人も少なくなく、当然ながらこうした話は恥ずかしくて彼女の前ではなかなかできません。

それで上手にセックスを回避しようとしてしまうわけですが、さて、そんな彼にあなたはどんなサポートをしてあげられるでしょうか?(え?即座にゴミ箱にポイですか?涙)

セックスというのはちゃんと最後までできなきゃいけない、という固定観念を持っている人も多いわけですが、例えば、裸になって抱き合うだけでも幸せだとか、自分がもっとしてあげたい気持ちを持っている、とか、そうした「二人のセックス」を常に創造していくことが求められているのですよね。

特に30代以降の彼をお持ちの方は女性が男性をリードする意識で、「二人のセックス」を創造していくことを頭に入れておいた方がいいかもしれませんねー。

パッと思い付く主な原因をあげさせていただきました。
皆さんはもうご存知だと思いますが、セックスというのは肉体的なもののように見えて、非常に内面的な要素が強いもので、それゆえセックスがあることで愛情、安心、つながりなどを感じられたり、より相手への愛情を高められたりするものです。

いわば「感情的コミュニケーション」のひとつにセックスがあるわけですね。

そうしたコミュニケーションは男性にとっては苦手なものですし、特にレスについては「私を抱いてくれなくて悲しい、寂しい」から「どうして私を抱いてくれないの?」という不満に発展し、「あなたはおかしい、間違ってる、私を侮辱している」という攻撃的マインドや、「私はかわいそう、女として扱われないなんてひどい」みたいな被害者マインドが生まれてきやすいものです。

そうすると「セックスについての話し合いの場」は往々にして「取調室」あるいは「裁判所」のような空気感を醸し出してしまいますね。

話を聞いてあげることが大事って分かっていても、そうした攻撃性や被害者心理が出てしまうと、彼の罪悪感を直撃することはあっても、彼の心をほぐしてあげることはできません。

ましてやレスの前科がある彼ならなおさらっすね。

まあ、そこでテクニックに走るならば、甘えてみる、とか、色気で誘う、とか、しなだれかけてみる、とかまあ、ほんとにたくさんあるわけですけれど、大事なことは「共犯意識」かな、と思います。

「彼がしてくれない、彼が悪い」のではなく、「私がさせてない、私も悪い」というという当事者意識をもって、セックスレスという問題は二人が起こしている問題だ、という認識がすごく大事なんですね。

だから、「彼に拒否されてるんですー」というレスのご相談をいただいても、

「なんで、あなたはしたくないの?」

なんて無慈悲な質問を投げかけちゃったりします。もちろん、それは被害者意識や彼のせいにしてしまう思いを取り除く目的もあります。

そもそも誰かのせいにしてしまえば、その人が変わらなきゃ問題は解決しないわけで、その間、あなたは待つしかありません。
自分を正当化して待ち続けているのもまた退屈なので、不満ばかりが募って、どんどん相手を責めてばかりになってしまうでしょう。

もしかすると私もまた女であることをどこかで拒否しているのかもしれないし、
自分の中にセックスに対する何らかのブロックを抱えているかもしれないし、
自分がセックスに対して自信を持てていないのかもしれないし、
あるいは、彼との親密感を築くことへの怖れを持っているかもしれないのです。

だから、レスの問題はまずは「私の問題」としてみていくことが多いのです。

そして、その「私の問題」をひとつずつクリアにしていく過程で、彼との関係もよりよい方向に導いていこうとデザインしていくのです。

ここでもやっぱり「相手は変えられない、変えるのは自分自身」ということは基本になるかと思います。

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パートナーシップの問題はすべて共犯だとして考える。
 

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