夫の不倫相手になぜか後ろめたいような気持ちを感じるのはなぜ?



ひとつは女としてなんか負けたような気持になること。
もう一つは被害者であることに罪悪感を持つ、ということ。
そんな心理を解説します。

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2年前、主人が共通の知人とダブル不倫しました。直ぐに相手の女性の夫にばれたようで、身体の関係は2-3度だったようですが、メールや電話での連絡に加え、ランチデートや誕生日にデートしたりは今年の春頃まで続けていました。

私達の結婚生活は、この不倫に私が気づき、修復の努力を始めるまでは仮面夫婦状態でした。カウンセリングを受けた私自身が変わった事により、お互いの長い間の気持ちを伝えあう事ができました。一旦は離婚するつもりでいた夫も修復を望むようになり、今では失った時間を埋めるがごとく、ラブラブな毎日を過ごしています。

ところが、夫の不倫相手だった女性の子供と私の子供は、学校と習い事が同じである為、ごくたまに顔を合わせる事になります。そうした時は、お互い気づかぬフリをしますが、私の心中は乱れます。

何より、自分でも不思議に思うのですが、彼女を見かけた時の私自身の感情は、「隠れたい。」なのです。嫌な感情を思い出したくないので、極力避けていますが、本来なら隠れたり逃げたりするべきは、相手なのでは?と思うのです。私は堂々とし、相手を睨みつけたって良さそうなものなのに、全く逆に後ろめたい様な、何とも言えない気持ちになります。これは一体何なのでしょうか?
(Aさん)
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分かります、分かります。
そして、似たお話、よく伺います。

「不倫される」というのはAさんが「被害者」のはずなので、むしろ堂々としていていいはずなんですけど、でも、なぜか後ろめたい感じがするんですよね。

その理由の一つは「女として私の方が劣っている、ということ?????」という思い。
よく夫の浮気問題で出てくるのが相手は誰であれ「女として全否定された私」なんですよね。
そして、「浮気相手>私」という、なんか負けたような心理状態が作られます。

三角関係で、選ばれなかった私・・・
あの女に彼を奪われた私・・・

という思いなんです。

こういう心理って「結婚」とか「妻」という立場で見るとややこしいんですけど、人と人とのことですから、「男と女」と恋愛的に見るとまだ分かりやすいのです。

何となく、「選ばれた相手」「奪った相手」の方が“格が上”のような感覚しません?
ドラマとかでも、浮気相手の方が強気でいたりしますよね?

そんな風に女という側面で見ると分かりやすいと思います。

さらにもう一つの側面がそこに関わります。

加害者と被害者の心理なんです。

これはなかなか複雑な心理なのですが、ふつう被害者の方が堂々としてるもの、と思いがちなのですが、1つは「傷つけられた痛みが疼いて怖い」という心理、もう一つは「被害者であることの罪悪感」という心理によって加害者側の奥さんになぜか“後ろめたさ”を感じるようになります。

後ろめたい=罪悪感、ですよね。

被害者になるのって気持ちが良くないですね。
特に子どもを通じてつながりがあるのならばいい関係を築きたいと思いますね。
ところが、こういう関係になるとぎくしゃくしてしまいますし、加害者・被害者という関係になってしまうのはとても居心地が悪いんです。

Aさんがいい人、優しい人っていう点も大きいです。

被害者になって相手を責めていること、あるいは、加害者・被害者の関係になってしまうこと、に実は「罪悪感」が芽生えてくるのです。

この感覚、皆さん、分かります?

加害者と被害者は同じってよく言うんですけど(被害者は被害者であることを盾に加害者を責めて加害者になる)、そこに罪悪感が出てくるんです。

例えば、交通事故に遭ったとき、加害者の人がお詫びに来ました。
そのとき、なんか相手の人に頭を下げさせて申し訳ないような気がする、という思いもあるんです。
「私も悪いのに」みたいな。

旦那さんが不倫をした、その不倫相手が目の前にいる、、、となったときに、なんとなく「その原因を作った一因は私でもあるし、悪いのはこの人だけじゃなくて私もだ」と思えたり、その相手を責めてる自分もまた悪いように感じたりするのです。

「許し」のゴールは「自分自身」です。

今、Aさん、ご主人とラブラブなんですよね?
そのラブラブもこうしたトラブルがあったから・・・ではありませんか?
また、この不倫問題を機に、Aさん自身が学び、成長したこと、いっぱいありますよね。

そうして、まずは自分自身を許し、受け入れ、理解していきましょう。
そして、今回の出来事で大きく自分が成長した、変わった、ということが意識できるようになるとだんだんその人に対する感じ方も変わっていくでしょう。

「なんか後ろめたい気がする」というのは「もっともっと自分を許しましょう」というサイン、そんな風に受け止めてみてはいかがでしょうか。

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