なぜ、彼と別れてこんなにボロボロになってしまったのだろう?



彼のことが大好きだから、なのはもちろんですが、それだけではありません。
彼より前の恋愛、そして、子ども時代からある思いが今、溢れてきているのです。
だから、少し意識を過去に向けてみると心が軽くなって行くのです。

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初めまして

ひと月ほど前から読ませて頂いています。
根本さんの文章を読むと、いつも少し元気になれます。私の悩みも少し聞いて頂きたくてメールしました。

家庭がある人と2年間お付き合いしていましたが、4ヶ月ほど前にお別れしました。別れを告げられた原因は、私がこんな関係性を続けていることに耐えられなくなり、辛くて何度も何度も、これからの将来をどう考えているのか聞いたり、彼の煮え切らない態度を責めたりしたことが彼にとり大きな負担になっていたからだと思います。

別れることになってから、私は外出するのもやっと、カーテンも閉めきったまま、食事も食べられなくなり、3ヶ月ほど心療内科に通いました。病院に通っても、精神的に辛すぎて、本当に毎日死んでしまいたいと考えるばかりでした。

精神的にとても持たないと思った私は、彼と連絡を断つことが何よりの苦痛だったので、彼にお願いして、私がもう少し落ち着くまで、夜、寝る前にはメールをし、1、2週間に1回は食事をするようにしてもらいました。

こんなことをお願いしないといけない自分も情けないし、とても虚しいと思いながらも、やめることができません。今33歳で、ずっと結婚を考えながら付き合っていただけに、ショックが大きいです。

もう4ヶ月経つのに、毎日辛く、彼のことばかり考えてしまいます。結婚せずに、このままずっと今の状態を続けていきたいのか、でも、結婚したいと思っても、他の人を好きになれるような状態では全くありません。こうしている間に、結婚もせず、子どももいない人生を送ることになるのかな、と考えていますが、本当にそれでいいのか、後で後悔するのではないかとそんなことばかり考える毎日です。

心身共に辛くて、どうしたら楽になれるのか、根本さんの文章を読んで考えていますが、まだ模索中です。何かアドバイス頂けたらうれしいです。

このblogを見つけて、根本さんのカウンセリングを受けたいと思いましたが、広島なのでなかなかチャンスがありません。でも今年は広島に来られるそうなので、受けることができたらいいなと思っています。
(Tさん)
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広島へは来月伺いしますよ。でも、セミナーのみですけれど。もし、ご都合よければ会いに来てくださいね~!!

さて、一番重要なことはお伝えしたので後は流していきますね~!(笑)

Tさんがご飯も食べられず、家からも出られず、精神的に相当きつい状態にあって、じゃあ、それを今どうしていこうか?というと、実は私にはそれほどアイデアはありません。
彼と連絡を取り続けることで落ち着くのであれば、それもまた必要なこと、としか思いませんし、薬を飲んで楽になるのであればそれも悪くないと思っちゃうんです。

私は今起きてること(現状)は「結果」であって「必然であり、正しいこと」だという見方をします。

Tさんは今、彼のことで苦しむ必要があって、こんなにもしんどい状況にいらっしゃるわけです。
信じられないとは思いますし、早く抜け出したいと思ってらっしゃるとは思うんですけどね。

それは何故なのでしょう?というのが私の関心ごとなのです。

つまり、どうして彼じゃなきゃダメだったのでしょう?
どうして彼との間で、こんなにボロボロになってしまったのでしょう?
そうならなきゃいけない理由って何だろう?

ってところに目が行くんです。

付き合っている間も苦しかったんですよね?今よりマシだとしても。
それでようやく別れたのに、もっと苦しくなってしまった・・・のは、どんな背景があるのかな、と思うのです。

そして、お馴染みの過去の話へと広がって行くのです。

過去、というのはTさんがかつてどんな恋愛をされてきたのかな?という点、そして、どんな家庭で育ってこられたのかな?という点です。

例えば、こんなケースがあります。
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幼い頃から家の中でずっといい子をして、我慢して、優等生をしてきた女の子がいます。
弟や妹の面倒をよく見る、いいお姉ちゃんで、「あなたは手がかからなくてほんとうに楽だった」ってお母さんが言います。

でも、ほんとうはそんなんじゃなかったんですね。
自分が愛されるためには、自分がこの家に居場所を持つには、そうするしかなかった、というのが現実でした。

甘えたいときも我慢し、寂しいときも歯を食いしばって我慢し、甘える妹に嫉妬しながらもいいお姉ちゃんを演じ、困らせる弟に手を焼きながらも羨ましいと思い、ずっと「いい子」を演じて来たんです。

心のどこかで私もあんな風に甘えたい、わがままを言いたい、と思って、でも、それができないままに大人になりました。
恋をしても、ついついお姉ちゃんで頼られ役が多くなり、また、仕事でも後輩はもちろん、先輩からも当てにされることが増えました。
それは喜びでもあったのですが・・・心の中にはずっと満たされないモヤモヤがずっとあるのです。

既婚者の彼と出会った時、初めて愚痴を言えました。わがままを言いました。「私のこと、どうするつもりなの?」って詰め寄りました。
そんなことを自分が言うなんて初めてで、でも、そんな風にしか甘えられない自分が情けなくも思いました。

そして、ずっと何十年も我慢してきた私が表に出て来るんです。
素直じゃなかったけど甘えさせてもらいました。
我がまま言って、困らせて、怒らせて、でも、それが妙に嬉しかったり、安心したり。
必要とされること、求められることが嬉しくて、将来を夢見るようになったり。
今まで、誰にも見せられなかった自分を出しながら、気が付けばずいぶんと依存するようになっていました。

でも、やはりこの関係は苦しいと、どんどん辛くなっていくのでした・・・。
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父親とはずっと距離がありました。仕事や趣味で家にいないことも多く、家族を省みない父親でした。
母親は父の悪口をずっと言ってました。母はヒステリックな上にネガティブで、父のみならず、おばあちゃんや近所のおばちゃんの悪口や愚痴をずっと垂れ流していたのでした。
私はひそかに父のことが好きだったので、悪口を聞くのはほんとは辛かったのですが、もちろん、母にはそんな姿は見せないようにしました。

ずっと寂しかったんです。
一人ぼっちでした。
友達もいたし、大きくなってからは恋人もできましたが、でも、その孤独感は埋まりませんでした。
自分でもそれが当たり前になっている時に、まるで理想のお父さんみたいな彼と出会いました。
もちろん、始めはそれに気付きませんでしたが、だんだん彼といると、小さい女の子に戻れるような錯覚に陥るようになりました。
甘えることもできたし、わがままも言えました。
ずっと一緒にいたいと思いました。
でも、その一方で、ずっと一緒にいてはいけないとも思っていました。

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この2つのお話はよくあるケースで、Tさんとは関係ないお話かもしれませんが、こんな風に「こうなるには、こうなるだけの理由(背景)がある」という例として受け止めてもらえればな、と思うのです。

起きたことは結果、必然。
ということは、今の状況は「こうなるしかなかったこと」なんです。

その理由を理解し、そして、受け止めていくことで、これからどうしていけばいいのか?今、何をすればいいのかも見えてきます。

「じゃあ、お父さんを手放しましょう」
「ずっと寂しかった内なる女の子を愛してあげましょう」
「お母さんに対して言いたかったことを今、言ってみましょう」

そういう風に自分を見つめ直してみることです。
彼とのことは「結果」だから、それをどうこうするのは難しいんですよね。

そして、実はほんとうに苦しいのは「彼」とのことに見えて、「彼」とのことではないのです。

えっ!?意外でしょう?

「彼」の向こう側にある、歴代の思いが溢れて今、こんなに辛いんです。

「今感じているしんどさは、彼とのことじゃなくて、元彼や子ども時代の思いも出てきているんですよ」

そんな表現をします。
だから、彼との関係から始まったカウンセリングを、子ども時代の思いを解消していくことで気持ちが不思議なくらい楽になるんです。

一度、そんな風に「背景」に注目して見られたらどうかな、と思いました。

ではまたね!

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