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「なぜ、変わりたくないのだろう?」という視点で掘り下げていくと、その奥にある目的に気付くことができます。それは潜在意識からの意味のある、そして、愛に満ちたメッセージでもあるのです。
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「カウンセリングに通ってもなかなか問題が変わらない」という場合、「変わらないことに何か意味があるのでは?」という見方をしてみるといいかもしれません。
先日、カウンセリングも受けたことがあるし、色々なセラピーやヒーリングを受けたのだけど変化が見られなくて失望?絶望?しているという方をカウンセリングしました。
まだカウンセリングに希望を持ってくださってありがたかったのですが、この「変わらないことの意味」を掘り下げていくことで新たな発見がいくつもありました。
ずっと優等生かついい子で育って来た彼女。しっかりものの長女をしていました。
親からも「あなたは手のかからない子だったわ」と笑顔で言われてました。
だから、彼女は必然的に「誰かのために頑張ること」が当たり前になり、職場でも自然とリーダーとなってたんですね。
でも、恋愛がずっとうまく行かず、不倫をしたり、浮気されて別れたり、なかなか辛い恋が多い上に、仕事の重圧も重なって心の健康も乱してしまい、カウンセリング、ヒーリングを受ける日々が始まったのです。
優等生な私としてはそうした方法でサクッと成果を挙げて、素敵な彼と結婚し、体調も元気に戻ることを理想として、本もブログも一生懸命読んで学んでくれてたんですね。
でも、なかなか変わらないのは何故なんだろう?→変わりたくないのは何故なんだろう?というと・・・
「デキの悪い自分を許して欲しい」
「こんな弱い、ダメな自分を愛して欲しい」
誰に?
みんなに?
それもあるけど・・・お母さんに・・・。
という思いが出て来ました。
弟はとても手のかかる子だったそうです。
だから、いつもお母さんは弟に気を取られていました。
しっかりもののお姉ちゃんには「この子は大丈夫」とずっと思われて来ました。
彼女にも辛いとき、しんどいとき、悲しいとき、寂しいときもあったと思います。でも、「お母さんに迷惑をかけてはいけない」グッと我慢してきたんです。
だから、うまく行かなくてけっこうボロボロで傷ついてる自分を「お母さんに」許して欲しいし、助けてほしいし、愛して欲しい、と思っていたのです。
逆に言えば、お母さんに助けてもらうには、ここまでボロボロになる必要があったんですね。
だから、この週末は実家に帰ってお母さんに「何も言わずにただ抱きしめてもらう」という宿題を出してみました。そして、その後はきちんと何があったかを報告してね、と。
変わらない時には変わらないなりの目的があります。
もちろん、問題が起こるには問題が起こるだけの意味、目的があります。
それは私たちの潜在意識からのメッセージであり、恩恵なんですね。
その声を聞くことで、私たちは「なぜ、今、こうなのか?」が理解できます。
引き続き、そんな話にお付き合いください。
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こういうケース、耳にしたことありません?
働き盛りのお父さん。仕事ばかりしてしんどそうだけど、俺がやらなければ、と一生懸命会社に行きます。しかし、ある時倒れてしまい入院。気が付けばベッドの上。「会社に行かなければ!」降りようとするとお医者さんが「1,2週間は入院して静養が必要です」と絶望的な宣告をする・・・。「俺が行かなきゃ会社はどうなるんだ!」と思うんだけど、会社は会社でその間ちゃんと回ってる、という話。
働き過ぎで心身を駆使してるので、ちゃんと休む必要があったんですね。
でも、ちょっとお腹を下したり、熱を出したり、「勤続20年につき10日間の休暇を与える」とやったり、奥さんや娘さんに「パパ、少しは体のこと考えて」と忠告させても全然休みません。
それでも何とかこのお父さんを休ませようと、潜在意識はあれやこれやと知恵を絞ります。
その結果、
「この仕事人間を止めるにはどないしたらええんや?何度か警告を出してみてんけど、やっぱり無視しよるな。しゃあないな。ここは一発、軽めの病気を作って入院さしたろか。せやないとこいつ休まへんしな」
という結論に達し、ある日突然倒れることになるのです。
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さて、そんな「お父さんの潜在意識の声」を、先のしっかりものの長女さんのケースにも当てはめてみましょう。
きっと潜在意識くんはこう思ったんです。
「あんたな、ずっと子どもの頃から頑張って来たやろ?ほんまはお母ちゃんに甘えたいのに、弟ばかりに譲ってぐっと堪えて来たやんな。お母ちゃんだけやない。先輩にも先生にも上司にも『私は大丈夫です』ってずっと言うてきたやろ?だから、ずっと寂しかったやないか?ずっと一人で頑張ってきたやないか?笑顔作ってな。でも、もう限界やろ?そろそろダメな自分出さな、爆発してまうで(って爆発させるのも俺の仕事やけどな)。」
でも、彼女は自分で解決しようとカウンセリングやらヒーリングやらを受けるんです。
潜在意識くんとしては「やばっ」と思うんだけど、そこはパワフルなエネルギーを駆使して効果を消します。
「危ない、危ない。このカウンセラーさん、けっこういい腕持っとるな。しかし、ここで癒されてしもうたら、ほんまの目的のとこまでは行かれへん。だから、ここはカウンセラーさんには悪いけど、効果は打消しさせてもらいますわ。ま、とりあえず2,3日はいい気分で過ごしたるさかい、カウンセラーさんにも迷惑はかからへんやろ。」
そんなことが起きてたりしますし、さらに奥では
「せや、とりあえずカウンセラーさんの潜在意識さんにも了解取っとかな。どうも~、えらいすんませんな。ちょっとうちの子、頑固モードで対応しますさかい、あまり効果ないようなこと後から言いますけど、あまり気にせんといてくださいな。今、ちょっとここで癒されてしもたら意味あらしませんのや。」
「お、そうでっか?ま、そういう事情ならしゃあないですわな。ま、こっちの人はそない気にする人やおまへんから大丈夫でっせ。しかし、あんたも苦労しまんな(笑)」
「ま、この子、今までめっちゃ頑張ってきたさかい、ここら辺で、息抜きさせたらな、あとがしんどいからな。」
「せやな。今大事なときでんな。しかし、浮気性の男とか、全然働かへん男とか、見つけてくるのはなかなかしんどかったん違うか?」
「せやで、めっちゃ苦労したで。この子の周り、ほんまええ子しかいてないからな。ほんま必死に探しましたで(笑)」
なんて会話が交わされているのです。
これ、フィクションだと思うでしょ?でもね、心理学の世界ではノンフィクションなんですよ。
ま、潜在意識がなんでベタな関西弁なのかは分かりませんけど。