相手の問題を必要以上に背負い込むのは癒着ですか?



親子関係などに癒着のパターンがあると、それを仕事や友人関係にも波及してつい自分ではどうしようもない相手の問題を背負い込むことがあります。
自分は自分、とすることと、好きなことを楽しむこと、が抜け出すきっかけになります。

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癒着について、一つ質問があります。

癒着というと、家族や恋人など近しい人との間で起こると思っていたのですが、付き合いの浅い友人や仕事関係の人たちとの間でも起こるのでしょうか?

私は以前から、相手の問題を必要以上に背負い込むところがあります。

たとえば、今営業の仕事をしているのですが、お客様にせっかく買ってもらったのに何の効果も出なかった時、自分のせいだと責めてしまいます。(実際に私のせいだと責めるお客様もいるのですが)相手をだましているみたいで、後味が悪いです。

また、友人と行くお店を選ぶのにもものすごく時間がかかります。
行ってみていまいちな店だったら悪いな、私のせいだな、と思うと、なかなか選べません。
友人に、「ここいまいちだったねー」なんて言われたら、「そうだねー」と笑いながらも、かなり傷つきます(笑)

だから、自分の好きなものやお気に入りのものを自信を持って人に勧められません。否定されるのが怖いから。

最近は、“自分は自分。相手は相手。相手がどう感じるかは私にはどうにもできないこと。”と意識することを心がけていて、お気に入りの旅行先に友人何人かを誘って行くことができました!
自分的には大きな進歩だと思っています。
(気に入ってくれるかなー、お金をかけてこんなとこまで来なければよかったと思ってないかなー、とビビりながらですが)

こういうのは癒着とは違うのでしょうか?
(Aさん)
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「自分は自分、相手は相手」と思えるようになったことはとても素晴らしいことですね~。
赤飯炊きましょう(^^)
シャンパン開けちゃいましょう(^^)
それくらい価値のあるすごいことだと思います。

> 私は以前から、相手の問題を必要以上に背負い込むところがあります。

という切り口だと確かに「癒着」と言えなくもありませんね。
仕事でも、友達付き合いでも、そこまで背負ってしまうのはしんどいですよね。

そもそも「癒着」とは何かと言うと、相手との境界線が見えなくなってしまい、相手の感情を自分自身が背負うことを言います。
相手の気持ちはどうにもならないもののはずなのに、自分のことのように背負ってしまうことを指すんですね。

で、こうした関係はAさんも書いてくださってるように親子関係やパートナーシップでよく起こりやすいのですが、その親子間で生まれた癖が、友達関係に波及する、ということはよくあることなんです。

つまりは癒着癖、パターンになってしまうんですね。

元々お母さんと癒着があった人というのは、お母さんとの心理的な距離がとても近いために、ついそれ以外の人も近くに置きやすくなります。
そうするとお母さんではないけれど、まるで対お母さんみたいな関係性をその友達との間に気付いてしまったりするんです。

この問題はバウンダリー(境界線)の問題とも言われます。人と適切な距離が取れなかったりする問題です。

お客さまに買っていただいた商品が効果なければ責任を感じてしまうのはそれだけAさんが責任感がある、ということです。
しかし、それで自分を責めすぎてしまうとなると背負いすぎと言えますね。

仕事との癒着、が疑われます。

そういう時は、先ほど書いてくださってた“呪文”(自分は自分。相手は相手。相手がどう感じるかは私にはどうにもできないこと。)を唱えられるといいでしょう。

そうして、その場その場で「線を引く」ことができると、自然と相手との距離感を取れるようになります。

友達のこともそう。
相手を喜ばせてあげたい気持ちを持つことは素敵なことなんですが、あまりに背負いすぎるとかえって相手も楽しめません。
そこでは例の呪文と同時に、自分自身が楽しむことを第一に考えてるといいですよ。

癒着気質の方は、相手の態度や気持ちがすごく気になって、自分がそこにいなくなって幽体離脱してしまうんです。

普段から「自分が楽しいことをする」「自分が好きなことを大切にする」等々の意識を持ってみてください。

もちろん、その癒着の元になる関係性を癒していくことことも大切ですね。
まずは自分にできることから始めていきましょう。
参考になりましたら幸いです。

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