分かってくれない、と不満を言う人は、相手を分かろうとしないので、分かってもらえない法則。



自分が望むことをまずは与えましょう、という耳だこな話を改めてしています。
関係が良くなることを望むのか、それとも自分の欲求を満たしたいだけなのか。
運命の分かれ道ですね。

(1)あなたはパートナーに「なんで私のことを分かってくれないの?」と不満を抱えていたとします。

(2)相手が自分のことを分かってくれないわけですから、当然、あなたはパートナーのことを分かろうとはしません。
そんなの悔しいし、屈辱的だし、惨めに感じます。

(3)でも、彼の立場に立てば、自分のことを分かろうとしてくれない人を分かろうとはしませんから、彼もまたあなたのことを分かろうとはしてくれません。

(1)に戻る・・・。

これで無限ループの完成です。


「分かってくれない」だけでなく「必要としてくれない」「愛してくれない」「信頼してくれない」等々、私たちの人生にはそんな不満がたくさん出てきます。

そんな風に「~してくれない」という受け身でいると、やはり「~してくれる」ようにはなかなかならないんですよね。

とすれば、「自分がまず相手のことを分かろうとする」ということが大切になってきます。

でも、そんなことして自分は分かってあげてるのに相手が分かってくれようとしなければ悔しい・・・
自分ばっかり頑張ってるようで損な気がする・・・。
彼ばっかり分かってもらえてズルい・・・。

そう思いますか?

そう、競争があるから、そんな思いになってしまうんですね。
どちらかの優劣を気にしたり、どっちが上の下のと考えてしまったり、犠牲だったり、我慢だったりを繰り返したり。
自分に自信がなかったり、価値がないと思っていると、「分かろうとする」ことはなかなか難しく感じられてしまいます。

また、相手がしてくれるならしてあげる、という考え方を「取引」と言います。
当然、愛ではありませんし、不信感のみが残ります。

でも、相手を知ること、分かることってすごく楽しいこと、ワクワクすることではないでしょうか?

「へえ、こんな風な考え方をするんだ」
「そうか。彼はこんな風に理解するんだ」
「彼はこんな愛情表現をするんだ」

「分かってあげる」などの「~してあげる」ことを「与える」と言います。
与えることの素晴らしさは、それだけでワクワク楽しくなってくることなんです。
新しい世界が広がっていきますし、相手のことをすごく親密に感じるようになります。
(分かってもらえるだけでは安心するとしても、親密感は感じにくいのです)

そういうわけで、して欲しいことはまずは与えて見よ、というよく耳にするお話でした。

じゃあ、どうしたら与える喜びを感じられるようになるでしょうか?

大人である皆さんは今もすでに誰かに対して与えてるはずなんですね。
自分ではそういう気持ちではないにしても。

日常生活の中で探してみませんか?

「相手が喜ぶことをしてあげて、(相手の反応に関わらず)自分が嬉しいこと」

甥っ子と遊ぶときってそんな感じではないですか?
友達にサプライズでプレゼントするときってそんな感じではないですか?
こうしたら意図が伝わりやすいんじゃないかな?と思って資料作っていませんか?
このメニューなら子どもたちも旦那も喜んでくれるって晩御飯作ったことありませんか?
電車で誰かに席を譲ったことありませんか?

「与えられない」というのは思い込みなのかもしれないですね。
だから、「なーんだ、できてるじゃん」と気付くことができれば、自分に「与える能力」があることを信頼できるようになります。

そうして「分かってもらえない!!」と不満を感じたら、「あっ!」とモードを切り替えて「分かってあげよう」としてみてください。

いい関係になりたいの?
それとも、自分の欲求を満たしたいだけ?

そんな問いかけをしてみてもいいかもしれませんね。

きっと見方が変わるかと思います。
そして、その方が関係性はグッと良くなります。

ちなみにこのレッスン、親子・夫婦・恋人などのとても近い距離でやるとニーズや不満が積み重なってる場合が多いのでうまく行きません。
まずは、職場、友人などから始めてみるとうまく行くと思います。

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