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自分が苦手なことを頑張って直そうとすることは時に長所を消してしまうもの。
それならば、自分の得意なことに注力するためにも、苦手なことは誰かに任せてしまってはいかがでしょうか。
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先日の1DAYワークショップで頂いたご相談のひとつ。
皆さんにも役に立ちそうな内容だったので、ご本人に許可を頂いて掲載させて頂きました。
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仕事をこのままやっていいのか悩んでいる。まず、集団作りがうまく行かない。自分が甘えられる雰囲気を持っているようで子どもに甘えられる。また、真剣に叱るのが難しい。自分の指導に自信が持てない。
スタッフの中でも自分を表現できない。
ただし、やりがいを感じることはあり、悩んでいる子と1対1で話を聴いたり、自然体で振舞ってるところがいいところだよね、と言っていただいたときはありのままの自分でもいいのだ、と思える。(Yさん、教育関係の職場にお勤め)
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私たちは、何か一つ問題を直そうとすると長所が消えてしまうことがあります。
Yさんのように1対1で話を聴くのが上手な人は、一般的に集団を扱うことは苦手に感じやすいものです。
だから、集団作りの方に意識を向けることによって、Yさんが大切にしたい1対1の関係性を希薄にしてしまうこともあるんですね。
また、子どもに甘えられる、ということは、もしかしたら「舐められてる」というネガティブな要素を持つ一方で、子どもが気を許す、分かってくれる存在という長所でもあります。
もしYさんが、叱れるようになろうとすればするほど、その「子どもの気持ちを分かってくれる」長所は無くなってしまうかもしれないのです。
また、そうして、自分の苦手なことを頑張ろうとするとどうしてもぎこちなくなってしまいますから、その自然体の良さも失ってしまうかもしれません。
もちろん、集団作りが上手にできたり、ちゃんと叱れることは大事です。
しかし、そのプライオリティってそんなに高いものなのでしょうか?
むしろ、今、できていること、自分が好きなこと、得意なことをもっと認めてあげること、そして、そこにもっと価値を見ることがまずはお勧めしたいことなんですね。
そして、苦手なことは思い切って人に任せてしまいましょう。
集団作りが得意な方は近くにいませんか?
上手な叱り方ができる人は近くにいませんか?
その方に協力を求めたり、代わりにやって頂いたり、そういうことで、お互いに「好きなこと、得意なこと」に注力できると思うのですが、いかがでしょうか。
人に任せるのはなかなか苦手な場合も多いですが、そこでストレスを抱え、本来の輝きを失ってしまうことの方がずっとしんどいと思うのです。
「誰に、お願いしようか?頼もうか?」
「どのように、お願いしようか?}
そこを考えてみてはいかがでしょうか?
また、そういう方にお任せして、その近くでその方のやり方を見ていると、その人ほどではないにしても、自分もある程度できるようになります。
見て盗む、ということですね。
苦手なことを自分で悪戦苦闘するよりも、うまい人から学ぶ方が効率いいと思いません?
そういう意味でも、お任せしてみてはいかがでしょうか。