忙しさに救われる



「忙しい」って「りっしんべんに亡」=「心を亡くす」と書きます。
だから、本来「忙しい」ってネガティブな意味で、マイナスの波動を持ちます。

でも、ビジネス的には仕事があるってことで「お陰様で忙しくさせていただいています」「忙しいのはありがたいこと」なんて表現も使います。
私も使いますね。

私もスケジュールはいっぱいで忙しくさせてもらっている身なのですが(早速使ってみた(笑))、本当はもっと時間があって、フットワークを軽くしたいと思っているんです。


友人の誘いも断らなければならないことも多いですから、向こうが気を使って「大丈夫な日、いつ?」なんて聞かれてたりします。
「あいつはいつでも暇だから」って思われて、「なあ、今日、飲みに行かへん?」「ええよー」って会話したいですね、本当は。「お、面白そうなセミナーだー。申し込んじゃえ~」てスケジュールを確認せずとも予定を入れたいですねー。

ま、個人的なことはさておき、カウンセリングではふつう「それだけ余裕なく走り回っていたら、ほんと精神的に追い詰められますから休みを取った方がいいですよ」とアドバイスすることが多いです。かなり多いです。ほぼ毎日言ってます!

カウンセリングで初めてお会いする際は、具体的な問題解決のアプローチとして「自分を休ませること」「好きなことを一つでもいいから自分のためにすること」を提案することも多いんですよね。

まずは心に余裕を作るところから、というわけで。

ところが、見方を変えると「逆に忙しくて良かったですね」なんて言うこともあるんです。

仕事で大きなトラブルに見舞われた。でも、他の仕事も山積みで、それだけに関わっているわけには行かない。通常の業務もこなしながらトラブル対応に当たるという大変な半年間だった。でも、よくよく思えば、通常業務が忙しいからこそ、トラブルへの対処に感情的になり過ぎずにきちんとできたのかもしれない。もし、そちらに集中していたら、精神的な落ち込みも相当のものだったかもしれない。

離婚って相当ダメージが大きいと思っていた。でも、正直仕事に救われたと思う。落ち込み気味の気持ちを引きずりながら出社しても、否応なく顧客からはメールや電話が来るし、ミーティングの時間も待ってはくれない。気が付けば1日が終わっている、という感じ。忙しくしているうちに、いつしか離婚のショックから立ち直っていた。

ここでカウンセラーとしては「本当に乗り越えたの?忙しさで蓋をしただけで、本当の感情とは向き合えていないんじゃないの?」なんて穿った見方もできるんですけどね。
最近の私はもっぱら「うん。良かったですねー!仕事に救われましたね!!」と絶賛することにしています。

そして、今、そのトラブルに対してはどう感じていますか?そこから学んだことって何ですか?離婚してしばらく経って今は何を感じていますか?今、前の奥さん(旦那さん)にはどんな思いを持っていますか?って「今」を聞いていきます。

仕事でトラブルが起こり、別の仕事を抱えながらの対応だったとしたら、相当大変だったと思うのですね。離婚後の精神的なダメージを抱えつつの仕事も同様に。
だからこそ、その期間は彼らにとっての“修行”の時期だったと思うんです。
すなわち、ものすごい成長期だったと。

だから、その嵐が過ぎ去った時、「何を学び、どう成長したと思います?」って質問ができるのです。

心を亡くすくらい自分を求められることってある意味幸せですし、救いでもあります。
ずーっとそれではダメだけど、人生の一時期だとしたら問題ないと思うんですね。
むしろ、心を鍛え、成長させてくれる時期として見直してもいいと思うのです。

でもやっぱり、そのあとは必ずこういうお話をします。

一度、自分のための慰労会を開いてやってください。できれば、旅先で。日常を離れたところで。
そして、この半年、1年を振り返り、自分に「偉かったな!すごかったでお前!」って杯を捧げてください。
そして、非日常空間の中で、この問題があなたにもたらしてくれた恩恵について、じっくり考えてみてください。

と。

もし、そこで過去に取りこぼした感情があるとしたら、そこから向き合っていきましょう。

「忙しさ」も時には救いになるのです!

心理学ミニ講座

あわせて読みたい