ネガティブな感情がもたらしてくれる恩恵とは?(福岡・心理学講座より)



福岡・心理学入門講座福岡で「ネガティブな感情の癒し方」というテーマで4時間の心理学講座を開催しました。
ネガティブな感情というのは「感じたくない感情」であり、「できれば避けて通りたい感情」のことを指しています。
でも、そういうネガティブな感情にだってちゃんと「目的」や「意味」があります。

たとえば“怖れ”という感情。
何かを始めるときに出てきたり、人や物事など過去に傷ついた対象に対して出てくるお馴染みの感情ですね。
できれば感じたくないものだけれど、それがあるから私たちは慎重になったり、きちんと物事を考えたり、丁寧に扱ったりしようとするのでしょう。また、どこに危険が潜んでいるかをキャッチしたり、それを回避したりすることもできます。
怖れがないって危ないですよね。暴走してしまいますし、無謀な行動を繰り返すでしょう。
我が家の1歳児。恐れがないものですから、道路に飛び出したり、ベランダを乗り越えたがったり、お風呂にダイブしたりしています(笑)
そういう意味で恐れは「ブレーキ」の役割を果たしてくれているとも言えます。
もちろん、ブレーキが効きすぎてしまうと身動きができなくなってしまいますから、そのバランスは大事ですし、そこがうまくいかなくて人生が止まってしまう方もいらっしゃるでしょう。必要に応じて、その怖れの素を癒していくことも大切です。


さて、そのネガティブな感情を癒して行ったら何が手に入るでしょうか?
感情はネガティブなものとポジティブなものが表裏一体である、という見方もあります。
怖れという感情を裏側から見れば(癒してみれば)別の感情と出会うのです。
たとえば、生命力、強さ、勇気、自信、わくわく感、楽しみ、熱さ、至福感等々が挙げられるでしょうか。ほかにもたくさんあると思います。
怖れを抑圧してしまえば、その裏にあるポジティブな感情だって感じられなくなるのです。

そして、光が強いところに影は濃くなります。
ネガティブな感情を強く感じる方は、同時にポジティブな感情も強く感じることができます。すなわち、情熱の男・女です。
そもそも「感情」は「感情」であって、それをネガだのポジだのって決めているのは他ならぬ自分自身なんですね。
だから、ポジは強く感じたいけど、ネガは感じたくないというのは、ずっと昼で夜になって欲しくないと言ってるのと同じような意味になります。
だから、ネガティブな感情を「嫌な奴」として遠ざけるのではなく、気長に付き合える“友人”になれたらいいよね、と思うんです。

長くなりましたが、今回の講座はそういう考えに基づいて行いました。

具体的にはこんな感じで進めました。

・ネガティブな感情をみんなでリストアップしていきます。今回は25個挙がりました。
・ここからは5人ずつのグループで実習です。まず、それぞれのグループに配分されたネガティブな感情の存在意義(その感情があるお陰でできること)を探します。
・その存在意義を参考にしながら、その感情が癒されたらどんなポジティブな感情になるかを見つけていきます。
・25個の感情それぞれについて、グループで発表します。この発表も少し工夫して楽しめるようにしました。

そうして「ネガティブな感情を楽しく、面白く遊びながらポジティブな感情に変えていこう」というわけです。

この実習の後はもう少し掘り下げた実習もしていきましたが、今回はみんなで考えた、「ネガティブな感情を癒すとこんないいものに出会えます!!」をご紹介したいと思います。

※グループで見つけたもののほかに私が追記したものもあります。

* * *

ネガティブな感情 → その感情がもたらすポジティブな恩恵

怖れ → 愛情、勇気、自信、原動力、思慮深さ、生命力、強さ、わくわく感
怒り → コミュニケーション、やる気、情熱、前向きな力、パワー
嫉妬 → 魅力、輝き、褒め上手、情熱、愛情深さ、親密感、無邪気さ
恨み → 信頼、愛情、許し、自由
喪失感 → 大切さに気付く、充実感、感謝、安心
悲しみ → 喜び、愛情、ぬくもり、共感、感謝
無力感 → 達成感、感謝、向上心、成長、存在意義
罪悪感 → 許し、自由、自己実現、愛、親密感
不安 → 安心感、信頼、つながり、優しさ
寂しさ → 親密感、優しさ、安心感、つながり
劣等感 → 向上心、自信、ユーモア、リーダーシップ、協調性
焦り → 余裕、成功、自信、安心感
痛み → 優しさ、癒し、思いやり、目が覚める
優越感 → 素直さ、自然体、楽さ、自由
諦め → 希望、開放感、やる気、向上心、決断力
依存心 → 自立心、自由、選択、積極性、与えること
惨めさ → 自信、やる気、ユニークさ、楽さ、自由
失敗感 → 成功、達成感、チャレンジ、成長力
無価値感 → 受け取り上手、自信、与え上手、魅力的、優しさ
嫌悪感 → 自由、幅が広がる、楽しみ、共感、愛情
執着心 → 自由、選択、受け取り上手、臨機応変、手放し
絶望 → 信頼、自信、チャンス、ヴィジョン、愛情、喜び
恥ずかしさ → 積極性、自信、オープンさ、親密感、セクシャリティ、勇気
苦しみ → 開放感、達成感、優しさ、愛情、安心感、平和
孤独感 → つながり、優しさ、愛情、安心、喜び

(使い方の例)
気分転換や気持ちを切り替えるときに役立つと思います。
ネガティブな感情がやってきたとき、その感情と向き合いながら、その右側のポジティブなものをイメージすると抜け出せる(ことがある)。

ただし、とても強い感情についてはきちんと向き合ってあげる必要がありますので、その場合は専門家に委ねてください。


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