夫婦になりきれない夫婦。
あるいは、結婚したけど結婚しきれてない夫婦。
そんな呼び方をすることがあります。
例えば、一緒に暮らしているけれど、心は実家にあって、週に何度も帰っていて、何となく新居に行くのが億劫に感じる状態。
いつも話題は実家の家族の話になってしまう状態。
仲はいいんだけど友だち、特に学生同士のような感覚で一緒にいる状態。
夫婦なんだけれど、遠慮していて言いたいことが言えず、我慢してしまう状態。
パートナーが「○○へ行きたい」と言うと、「自分も行ってもいいの?」と思ってしまう状態。これは遠慮、ですね。
あるいは、いつでも別れられるように、貯金などの個人資産をパートナーに隠している状態。
相手を尊重している、という名目のために、お互いの心の領域に入り込まない状態。例えば、パートナーの自室には立ち入らないようにしているように。
個人と個人が一緒になる結婚。
特に、自立的な人生を歩んできた二人が一緒になると、それだけで息苦しくなって、一人の空間を確保したくなることもあります。
夫婦の形はいろいろで、お互いにいい状態ならば全然問題ありません。
仮に上のような状態であったとしても、何の問題もなく幸せに生きているのであれば、それをいけないというわけではありません。
でも、例えば、
・何か虚しさや寂しさが常にある。
・これって結婚してるってことなのかなあ?と疑問に思うことがある。
・相手に遠慮して、我慢してしまって苦しい。
・セックスレス、あるいはセックスが少なくて、愛されてるのか自信が持てない。
・相手への愛情があるのかどうか分からなくなってしまった。
・これでいいのだろうか?という疑問が次々湧いてくるがどうしていいのか分からない。
・いけないとは思うんだけど、どうしようもない。
そういう気持ちになるとしたら、やはり問題なのです。
だから、できるだけ早く解決したいものですね。
カウンセリングやセラピーではよくこういう表現を使います。
誤解を招き易い表現なので、あくまでニュアンスとして捉えて欲しいのですが、
「まだパートナーがあなたのものになってないんですよね。だから、自分のもの、と認識できるくらいまで心の距離を縮めてみましょう」と。
これは一般論ではなく、夫婦になりきれてない方に「それくらいのつもりの方がいいんですよ」という意味で伝えているメッセージです。
それくらい相手の中に入り込んでいいんです。
いや、むしろ、それくらい入り込まないと、繋がりを作ることって難しいと思うんですよね。
ケンカできますか?
そんな質問をすることがあります。
遠慮してたり、我慢してたり、気を使っていたり、“尊重”してたりすると、できません。
でも、違う環境で育ったもの同士、違うのもぶつかるのも当たり前だと思いませんか?
「ケンカができるくらい仲良くなりたいね・・・」
うちの奥さんが昔、言ってました。
家族になり過ぎるのも問題ですが、他人でい過ぎるのも問題。
その絶妙なバランスを取り合うのが夫婦、パートナーシップの難しさであり、楽しみだったり、面白さだったりするんです。
もしかしてそうかな・・・と感じた方。
一歩踏み込むレッスンをしてみましょう。
普段言いたいけれど言えないことを探してみてください。
それをまずは一人で口ずさんでみてください。
小さなメモ帳に書いてみてください。
それを渡すか、あるいは、直接読んで伝えてみてください。
相手が逃げる?
逃げても追いかけていいんです。夫婦なんだから。
※普段から追い掛け回してる方はしないでください(笑)追いかけるのが苦手な方がチャレンジしてみてください。
そう、夫婦なんだから。
この言葉を心に抱いてください。
正式な定義なんてなく、二人の「夫婦」を創っていくために。