「自己攻撃、自己嫌悪から抜け出したいとき(2)」



*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

先週は自己嫌悪の悪循環から抜け出すには「覚悟が必要」というお話をさせていただきました。

今日はその続きをお話します。

それは「顔を上げる」ということ。

抽象的ですね。

すいません。分かりにくくて。


自己嫌悪してしまっているとき、私達はどんな表情をしているでしょうか?
決して笑ってはいないし、楽しそうではありません。
泣いてることもあまりないかな・・・
無表情だったり、苦渋に満ちた顔をしていることの方が多いかも。

そして、圧倒的に俯いてしまっているのです。

態度はもちろん、心の中では顔を上げられなくなっています。

だから、ここを抜け出すとき、覚悟を決めて、顔を上げることが大事なのです。
それは周りの人を見るということ。

意識を自分の内側から、外側に向けるということ。

これは難しいです。
怖いし、恥ずかしいし、そもそも無理と思っちゃったり。

でも、ここが運命の分かれ道。

難しい課題に望むのではなく、

自分を受け入れてくれそうな人、
自分に優しくしてくれる人、
自分を温かく見守ってくれる人、
自分を愛してくれた人、

そういう人を探してみるんです。
もちろん、すぐに思い当たれば、こんなに苦しんだりしません。

でも、カウンセリングやセラピーの中で一緒に探していくと、意外に見つかります。

ずっと嫌われていたと思っていた人に、本当は愛されていたんだ・・・と気付いたり、ずっと自分は一人ぼっちだと思っていたけれど、守られていたんだ・・・と思い当たったり。

その瞬間はとても感動的で、かつ、鳥肌ものなのです。

でも、その直後に、でも、でも、でも、でも、でも、と否定したい自分が現れます。

その「でも」に対して「でも」と返す、その勇気が大切なのです。

それは厳しくではなく、優しい声が効きます。
「でも、愛されてると言ったって、散々酷い事されたじゃないか!」
と傷ついたあなたの心は叫ぶわけです。
それに対して
「でも、あなたはちゃんと愛されてたじゃないか」
と優しく諭す、向き合い、伝える。

これがあなたの内なる大人の声(インナー・アダルト)です。

ある人は「それはまるで、金魚すくいのような感じなんですね」とおっしゃいました。
そう、あの破れそうな紙で、自分の心をすくうんです。

これを続けます。
1回では無理だと思います。はっきり断言してもいいくらい。
何度も何度も、必要です。

覚悟が必要と言ったのは、このため。

誰かからの愛情、優しさを受け取ること。
自分に対して優しい言葉をかけること。

そのどちらも自分にとっては難しいところだから。

心の処方箋


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