*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*
先週は自己嫌悪の悪循環から抜け出すには「覚悟が必要」というお話をさせていただきました。
今日はその続きをお話します。
それは「顔を上げる」ということ。
抽象的ですね。
すいません。分かりにくくて。
自己嫌悪してしまっているとき、私達はどんな表情をしているでしょうか?
決して笑ってはいないし、楽しそうではありません。
泣いてることもあまりないかな・・・
無表情だったり、苦渋に満ちた顔をしていることの方が多いかも。
そして、圧倒的に俯いてしまっているのです。
態度はもちろん、心の中では顔を上げられなくなっています。
だから、ここを抜け出すとき、覚悟を決めて、顔を上げることが大事なのです。
それは周りの人を見るということ。
意識を自分の内側から、外側に向けるということ。
これは難しいです。
怖いし、恥ずかしいし、そもそも無理と思っちゃったり。
でも、ここが運命の分かれ道。
難しい課題に望むのではなく、
自分を受け入れてくれそうな人、
自分に優しくしてくれる人、
自分を温かく見守ってくれる人、
自分を愛してくれた人、
そういう人を探してみるんです。
もちろん、すぐに思い当たれば、こんなに苦しんだりしません。
でも、カウンセリングやセラピーの中で一緒に探していくと、意外に見つかります。
ずっと嫌われていたと思っていた人に、本当は愛されていたんだ・・・と気付いたり、ずっと自分は一人ぼっちだと思っていたけれど、守られていたんだ・・・と思い当たったり。
その瞬間はとても感動的で、かつ、鳥肌ものなのです。
でも、その直後に、でも、でも、でも、でも、でも、と否定したい自分が現れます。
その「でも」に対して「でも」と返す、その勇気が大切なのです。
それは厳しくではなく、優しい声が効きます。
「でも、愛されてると言ったって、散々酷い事されたじゃないか!」
と傷ついたあなたの心は叫ぶわけです。
それに対して
「でも、あなたはちゃんと愛されてたじゃないか」
と優しく諭す、向き合い、伝える。
これがあなたの内なる大人の声(インナー・アダルト)です。
ある人は「それはまるで、金魚すくいのような感じなんですね」とおっしゃいました。
そう、あの破れそうな紙で、自分の心をすくうんです。
これを続けます。
1回では無理だと思います。はっきり断言してもいいくらい。
何度も何度も、必要です。
覚悟が必要と言ったのは、このため。
誰かからの愛情、優しさを受け取ること。
自分に対して優しい言葉をかけること。
そのどちらも自分にとっては難しいところだから。