「信頼できないと思ったとき」



*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

パートナーシップや対人関係で、裏切られたり、傷つけられたり、約束を破られたり、ショックな経験が度重なると、その人、もしくは、人そのものを信じられなくなってしまいます。
その結果、人に対する壁が取れなくて息苦しくなり、仕事や恋愛・結婚生活などにも大きく影響が出てしまうものです。


私達はそうした経験で心が傷つくと「もうこの人のことは信じない」と、自分がされたように、相手を心の中で全否定してしまうようになります。
いわば、心の扉をがっちり閉めて、誰も入れないようにしてしまうわけです。
もちろん、それくらい痛い思いをしたからなのですが、でも、扉の中には私一人きりなわけで、寂しく、孤独で、退屈な日々が続いたりするのです。

だから、痛みが酷いうちは、その扉の内で集中治療することも効果的なのですが、ある程度時間が経ち、痛みが引いてきたら、そこからまた少しずつ外の世界に出て行くことができるようになります。

でも、それはとても怖いこと。
もう傷つきたくない自分は、警戒心いっぱいで相手を見てしまうだろうし、「もう騙されないぞ」と必要以上の猜疑心を持ってしまうかもしれません。

また、夫婦だったり、仕事上の付き合いが深かったりすると、そんな自分をじっくり癒す前に相手と関わらなければいけない場面も出てくるわけです。

そういう時にどうしたらいいか・・・。

私達は「相手を信頼する」というと、100%信頼しなければいけないような気持ちになってしまうようです。
すなわち、オール・オア・ナッシング。
全否定か全肯定か、になってしまうようです。

大切なのは、相手の中に、信頼できるところを探すということ。
例えば「あいつは嘘は付くけど、約束は守る」とか、
「お金のことはだらしないけど、人を大事にする」とか、
「彼は女にはだらしないけれど、仕事はきっちりやっている」とか、
「あの子はフラフラしてて危なっかしいけれど、本当はすごく優しい」とか。

その相手の中にある“信頼できる部分”を探し出して行くのです。
そして、その部分を見続けてあげます。
つまり、全肯定しなくてもいいんです。一部でも信頼できるところを見つけさえすれば。

私達は「自分を信頼してくれる人のことを信頼する」という癖(?)があります。
逆に、否定されると、自分も相手を否定したくなるのです。

だから、相手の態度の中で信頼できるところを見つけ出して、自分から信頼してあげることは、相手からの信頼を得る大切なアプローチなのです。

自分が相手から信頼されていると感じたら、その人を裏切りたいとは思いません。
自虐的になることはあっても、相手を傷つけたいとは思いません。

信頼とは愛の一つの表現。
特に近い人との関係ではとても大切なもの。
どんな酷い相手だって、一つくらいは信頼できるものがあるはず。
それを見つけ出す事はお互いの関係性をより良くする秘訣なのです。

心の処方箋
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