10/14 大阪・心理学WSのフォローアップ(2)



その1の続きです!


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Q.対人関係で近付いて来られすぎると重たくなってバッサリ関係を切ってしまいます。あと好意をもたれると相手のことが気持ち悪くなってしまってこれもバッサリ関係を切ってしまいます。どうしたらもっと適度な関係を作れますか?

A.必要以上に近付かれたり、不意に好意を示されたりすると、引いてしまうのが人の心だと思います。
だから、その近付き方、好意の表され方にもよると思うんですよね。
あなたの経験の中にも「そりゃあ、仕方ないよ」というところが意外にあるのかもしれません。

ただ、こういうところから自分の心を知る手がかりを得る事もできます。
ちょっと痛いかもしれませんが、最後まで読んでくださると嬉しいです。

好意をもたれると相手のことが気持ち悪くなる・・・というのは、大きく自己嫌悪が影響していることが少なくないんです。
例えば、あなたがドリアンが嫌いだったとします。「あんな死ぬほど臭いもの、最悪やわ」なんて思ってるわけです。
ところが、あなたの友達が「あたし、ドリアン、めっちゃ好きやねん」とか言い出します。
そうすると、その友達のことを今までは普通だと思ってたのに、その言葉を聞いただけで、急に変な気持ちになったり、相手を気持ち悪く思うことがあるんですね。

つまり、自分が嫌いなものを好きだという人に対して、私達はその人に対しても嫌悪感を持ちやすいのです。
・・・ということは、自分のことが嫌いだと、そんな自分を好きだという人に対しては嫌悪感を感じてしまうこともあり得るわけです。

ということは、今の私に与えられているテーマは、自分自身をドリアンのように扱うのではなく、メロンのように扱いなさい、ということですね。(メロンが大好物だとして)

Q.対人関係において苦手と思ったタイプの人とは完全に壁を作ってしまいます。そんな自分が嫌で何とかその性格を克服したいのですが、どうしたら苦手な人とも適切な距離を持って付き合えるようになるのでしょうか?

A.人間誰しも苦手な人というものはいるものでして、生理的な嫌悪感を覚えることも少なくありません。
まずはそれ自体がとても自然なことであることをもっと受け入れてもいいのかもしれません。
壁を作るのは重たいし、しんどいし、嫌悪するものですが、それが致し方ないケースもあるよ、と自分をまずは許してあげるんですね。
無理に頑張って距離を縮めたりすると、時にはその人をもっと嫌いになってしまう場合だってあるものです。
やっぱりあかん!となった時に必要以上に自分を責めてしまったりするものです。

その上で、次にその人の価値や魅力を見てあげましょう。
ワークショップでは、よくこの実習をします。
それは相手の価値や魅力を見てあげることこそが、一番距離を縮め、適切な関係を作る秘訣だからなんですね。

特に苦手な人に対しては嫌悪感が先にたってしまって、いいところなんてなかなか見られないものです。
だから、一呼吸おいて、肩の力を抜いて、その人の中にある素敵な部分、価値を探してあげるんです。
そうすることで、その人の存在を許すこともできるようになっていくと思います。

Q.私は近い存在の人、大切な人ほど距離を置いてしまいます。どうしたら近付いていけるのでしょうか?

A.まずは、そう感じているのが「私」一人ではない、ということに気づいて見ましょう。
自分のことを嫌っていたり、毒のように思っていたり、罪悪感が強かったり、自信が無かったり、嫌われるのが怖かったり、傷つけるのが怖かったり・・・そんな数々の理由から、私達は大切な人ほど距離を置いてしまうことが少なくありません。

だから、まずはそのことで自分を責めないで下さいね。
当たり前のこと、と思ってもいいんです。

そして、少し自己攻撃がやむと、その人に近付きやすくなります。
私達が緊張したり、恥ずかしかったり、怖かったりするとき、実は自意識が強くなり、自分を責めてしまっている状態と言えるんですね。
だから、自己嫌悪がましになると緊張感も減るんです。不思議なものですけどね。

そして、その人に近付くには次のような心がけ、思いを抱くと効果的です。

1.その人の中にある魅力や価値を見続けること。こういう点には目を瞑りがちなのですが、むしろ、その人を承認しながら近づく方が安全かつ確実なのです。

2.その人に感謝の気持ちを持ちながら近付く。感謝の気持ちはお互いの関係性に道を切り開いてくれる呪文のようなものです。

3.怖れや不安に素直になる。できれば、それをコミュニケーションできるとぐっと近付きます。自分の中にあるネガティブな感情も承認してあげると緊張感、不安が減るんです。

でも、一番は「近付きたい」という気持ち(モチベーション)こそが大切なものなんです。

ぜひ、活用してみてください。

Q.近付く実習のところで、男の人が近付いてくると無意識に避けてしまうのですが、これはやはり父親のことなどが関係しているんでしょうか?

A.そうですね・・・。その可能性は高いと思いますよ。
一概には言えないのですが、我々にとって「男性」のシンボルは「父親」が担うことが多いです。
男性にとっても、女性にとっても。

だから、男の人が近付いてくると恐怖心を感じるのならば、一度お父さんに対してどんな気持ちを抱いているのか?小さい頃はどうだったのか?など、自分の歴史を掘り下げてみるといいかもしれませんね。

あと、印象に残っている異性の影響も大きいと思いますから、ついでに見つめなおしてみましょう。

Q.人見知りをしてしまいます。誰とでも気さくに話をしたいと思っているのになかなか心を開く事が出来ません。どうしたらいいのでしょうか?

A.人に心をもっと開きたいなあ・・・という心がけがとても大切なんです。
その気持ちがあれば、やがてはできるようになります。
後は変化を受け取ることが大事です。
こういう問題は自分では進んでいる(解決して行っている)実感がないことが少なくないんです。

さて、具体的には新しい関係を築く方がやりやすい場合と、今の人間関係を深める方がやりやすい場合と両方あります。
新しい人には昔の自分を知られてないので思い切ってチャレンジしやすいのですが、加減を間違えると頑張りすぎて後で疲れたりします。
今の人間関係で心を開こうとすると、勝手知ったる仲間なので安心感はありますが、逆にプレッシャーになったり、流れに押されて変化を出しにくいものです。

どちらでもやりやすいのがいいのですが、いきなり皆に・・・ではなく、あなたが「話しやすいな」と感じた人に対してスタートするのがいいんですね。
そして、一人、二人、と増やしていくわけです。

そういう意味ではまずは誰に心を開いてみようか・・・と選択の実習から始めてみましょう!

【ご意見・ご感想・根本へのメッセージなど】

○いつもHPの心理学講座をよく読ませていただいていますが、実践する機会はなかなか無いのでためになりました。ありがとうございました。

○根本さん、よく左右に揺れて話をされるので、たまに酔いそうになります(笑)空調の音もあって時々声が聞き取りづらかったです。

○自分以外の人の意見が自分にはない考え方だった。たくさん為になる話を聴けた。少し元気が出た。

○初めて聴く考え方がたくさんあって新鮮でした。

○面白かった。好きな人にちょっと近づけそうな気がします。

○距離感の図を書いてみて「あー、そうなんだ」と実感できました。グループのみんなと色々話せたのも良かったです。

○昼の部はヒーリングワークみたいで癒しが大きかったと思います。メンバーの方とのつながりも深かったです。

○以前にロールプレイ(人に近付くワーク)をしたときに、怖くて人に近づけませんでしたが、今日実習をしてみると恐怖感なしに自分から近づけました。

○実践して分かる自分の心に気付くことができてとてもよかった。何気ない日常を改めて見直すことが面白いです。

以上です。ありがとうございました!

ワークショップのフォローアップ&テキスト集

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