「相手を信じられないとき(2)」



*「こんなとき、どうしたらいいの?」にお答えする心の処方箋シリーズ*

前回に引き続きのテーマでお送りしますね。
今回は「じゃあ、どうやって信じていけばいいの?」というお話をさせていただきますね。

いきなりですが、まずは
「あなたが相手のことを信じるかどうか?」
この選択がとても大切です。
「信じたい」ではなく「信じる」というところがポイント。


あなたもすぐには相手を信じられない状況ですし、同時に相手もすぐには信じさせてくれません。
もう一回信じてみよう!と思った矢先にまた裏切られるということだってよくあります。

つまり「今、相手を信じられない」ということをあなたがどう受け止めるのか?受け入れるのか?がすごく大事なんです。

相手を信じられなくなったときは、また再び傷つけられる、裏切られる、そういう覚悟も必要です。
(そして、その覚悟ができたとしたら、以前ならば傷ついていた行為に必ずしも傷つかないことに気がつくものです)

というのも、私達の心を覗いてみると、こんな事実が浮かび上がって来ることもよくあるんですね。
それは「もう一回あなたを信じてみる」という選択は、私達にとって「もう二度と私を傷つけないで」という意味であることが少なくないということ。

つまり「あなたが裏切らなければ自分が傷つく事はない。だから、あなたが裏切らないでね」という依存的な心理が隠れてる場合です。
こういう場合、自分では前向きな選択だと思っていても、実際は依存心が招く「防衛」になってしまっているので、本当に相手を「信じる」というよりも、自分がもっと傷つかないように「信じよう」としてしまうのです。
そうすると相手にとって「私」は重たい存在になってしまうので、思わしくない結果を招くことが少なくありません。
(そもそも依存の立場では「選択」はできないんですけどね)

ですから、相手には相手の意志があり、選択権がある、という“対等性”を受け入れてからでないと、もう一度相手を信じようとしても、心の痛みが大きすぎてうまく行きません。
むしろ、傷を引きずって立ち向かおうとする姿は痛々しく、切ない感覚を与えてしまうことも多いんですね。
それが相手の罪悪感を強めてしまって逆効果になってしまうのです。

だから、被害者でも加害者でもなく、お互いが対等である、という認識を持つことが相手をもう一度信頼するためには必要不可欠なことと言えると思います。
相手を信じられない状況に陥ったと言う事は、あなたが被害者か加害者のどちらかの立場にあることが多いと思います。
でも、そのどちらかに偏った姿勢では、もう一度信じてみよう!と決意してもどこかに不安や怖れを抱えてしまいます。
そうした不安や怖れから相手をコントロールしたり、補償行為や犠牲を生み出してしまうのです。

相手を信じられるために、もう一度対等な目線で向き合ってみることを心がけてはいかがでしょう?

特に痛みが強い時には、つい言い訳をしたり、怖くなってしまったりして、目をそむけてしまうことも多いので要注意です。
そういう場合は、まずはその痛みに目を向けてみましょう。
結果を焦らずに、あなたの傷を誰かに話してみるのも悪い事ではないのです。

心の処方箋


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