12/10 福岡・心理学WSのフォローアップ



ご参加くださった皆さんありがとうございました。
お待たせしましたが、アンケートにて頂きましたご質問に回答させていただきます。
参加されていない方にもできるだけ分かりやすいようにさせて頂いているつもりですので、どうぞお時間のある時にお楽しみ下さい。

*心理学ワークショップ(福岡)*
2005/12/10(土) 13:00~17:00『1回完結!カウンセリング講座』
天神・重松ビル7F貸会議室


【質問・疑問】

Q.自分のことでいっぱいいっぱいで、その人に興味を持つ(質問する)ことがうまくできなかった。場数を踏むというか、回数をこなさないとうまくできるようにならないんですよねえ・・・?

A.そうですねー。経験は何にも勝る糧になると思いますよ。百聞は一見に如かず、ですね。
ただ、その経験を積むためにはまずはいっぱいいっぱいな自分を何とかするところから始めてみると良いのではないでしょうか?

僕がコミュニケーション、対人関係でお勧めしているのはいっぱいいっぱいになってることを伝えてしまうということなんですね。
その時の、自分の気持ちを伝える、ということで。

「ちょっといっぱいいっぱいで余裕ないんですよ、今」とか。
そうするとお互いにホッとした空気が流れることが多いんじゃないでしょうか?

僕も初めての場で講演会をさせてもらうときや何かのイベントで挨拶させてもらうときって緊張することもあるんですね。
そういう時は、最初に「なんか、めっちゃ緊張してます」って話してしまいます。
そうすると場の空気が和むというか、少々堅い場でもみんなの表情が緩むのが感じられたりします。

正直にいっぱいいっぱいな自分を出してしまうと、否定的な空気は流れないものだと思います。

だから、いっぱいいっぱいな時に無理に相手を見ようとしても苦しくなるだけですね。
まずはいっぱいいっぱいな自分を認めてあげましょう。
それも立派な経験になりますね。

Q.ほめられても、自分はそんな人ではないからと、自分自身を否定する気持ちが大きくてなかなか受け取れません。素直に喜べたら楽なのにな、と思うのですが、どうしたら自信がもてますか?

A.自己嫌悪があると否定的な気持ちが出てきてしまってなかなか受け取れませんよね。
受け取ればいいのに・・・って頭では分かるのに、心が頑固に否定してることも少なくありませんね。
そうするとますます自分を責めてしまって苦しくなってしまいます。

まず見つめてみたいのは「どうして素直でいられなくなったんだろう?」という点です。
例えば、無邪気な子ども時代。素直で自由にしていたら、お母さんから「もっと静かにしなさいっ!」って怒られた経験があるとしましょう。(誰でも少なからずあるはずですが)
そうすると、子ども心には場をわきまえずに騒いでたことで怒られたのではなく、自分がした行動そのものを否定されたように思います。
(つまり、騒ぐことだけじゃなくて、自分自身を否定されたように感じます)
そこで、お母さんが後から「ここはね、静かにするところなの。騒ぐのは後にしようね」とフォローしてくれたらまだ良いのですが、叱られっぱなしだとその自己否定が後々に残ってしまうんです。
もちろん、そうした経験が1回だけならばそれほど後引くことはないのですが、何度も繰り返されればその分自分を否定されたような気持ちも強くなるでしょう。

そんな風に子ども時代の親子関係を見つめなおしてみるのも一つのアプローチです。

それから、思春期に入ると周りの人との比較・競争も出てきます。
「○○ちゃんは××ちゃんよりかわいい」なんて風に。
そうすると、自分の悪いところと人の良いところを比べたり、周りの目を気にして自分の行動を制約してしまったりしてなかなか自由に物事を捉えられなくなります。
恥ずかしさ、というのもこの時期から強く出てきますね。
そういう点から見れば、自分の思春期がどうだったのか?ってのを思い出してみるのも良いかもしれませんね。

他にも恋愛や対人関係の中で自分を否定したり、誰かを否定した経験があると、なかなか素直に自分の価値や魅力を受け取れなくなります。

大人になればなるほど褒められる回数は減っていくのが常ですから、なおさらですよね。
また、謙虚にならなければ・・・と自分を低く見積もることが美徳のように感じてしまう方も少なくないでしょう。

そんな風に素直に受け取れない要因だけでも相当ありますから、「自分はどうしてなんだろうな?」ってじっくり自分を見つめてみてはいかがでしょうか?

なかなか自分の価値を受け取るのは難しいものです。
でも、価値を知りたい、受け取りたい、と真摯に思えば、少しずつ心が開かれていきます。
受け取りにくいということはすぐに忘れてしまうということでもありますから、聞いたらメモしようと思えるかもしれません。
そういう場の一つ一つをできるだけ丁寧に、大切に扱えると自信も付いていきますね。

今できることから焦らずに始めてみましょう。

Q.「その人のファンになる」というお話があり、興味をもって話を聞くという実習がありましたが、その中で感じたことです。話している方がどのような方なのか、興味をもって質問をしようと思うのですが、質問がなかなか思いつかないのです。

A.そうした経験を積み重ねてみてはいかがでしょうか?
最初から質問上手になれるわけではないと思うんです。
例えば、新聞や雑誌の記者は何年も経験を積んでインタビューを取れるようになっていきます。
駆け出しの頃は何を聞けば記事になるのか?すら分からない状態らしいんですね。
でも、そこで悪戦苦闘を重ねていくと徐々に的を得た質問ができるようになっていくんですね。

私達カウンセラーもカウンセリングの中で色んな質問をさせていただくんですけど、カウンセラーとしてデビューした当時は本当に何をどう聞いたらいいのか、訳が分からないものです。
そんな中で、ああでもない、こうでもないと試行錯誤していくうちに徐々に質問が思いつき、話を膨らませることができるようになっていきます。

もちろん、僕も現在も勉強中でして、我ながら「これはいい質問だ!」と思うときもあれば、「うわー、どうしよう・・・」って何もお聞きすることが思い浮かばないときもあります。

でも、興味を持って聞こうとすると、少しずつですが、湧き水が染み出すように質問が浮かび上がってくるようになるものです。
「もっと知りたい」とか「分かりたい」という気持ちになれると、早いかもしれません。
でも、もちろん、そればかりを考えると疲れて気が滅入ってしまいますから、普段の生活の中で一日5分くらい何か質問を考える習慣を付けてみるといいかもしれません。

直接人に伝えられなくても構いませんし、テレビにツッコミを入れることも話を膨らませたり、質問するいいトレーニングになるかもしれません。
(傍目には怪しいですけど・・・笑)

今できることも何かしらあると思いますから、できるところから始めてみましょうね。

Q.普段でも、話を広げることができず、1対1で話をすることが苦手です。単に知識不足のせいもあるかと思いますが…。話し手の方から上手に話を引き出すような質問の仕方があるなら、教えていただきたいと思いました。

A.上手に話を引き出そうとすると、自分も相手も構えてしまうことは少なくありませんか?
話がスムーズに進むときって、特に意識しなくても自然と言葉が口を突いて出てくるものですし、相手の言葉も躊躇無く心に響いてきます。
でも、そこで何とか言葉を継ごうとしたり、うまくやろうとしたりすると、途端にその場の空気も淀みだし、会話が流れなくなります。

話を引き出すような質問ができることは素晴らしい事ですが、例えば、相手の話に合わせて相槌を打つこともうまくやろうとすれば難しいことなんですよね。
グループの実習などを通じて気付かれた方もいらっしゃるかと思うんですが、ニコニコしながら聞いてる方もいれば、仏頂面の方もいますし、真剣にじーっと相手を見てる方もいれば、きょろきょろしながら、でも、調子よく話を繋ぐ方もいます。

あなたの周りで聴き上手な方はいらっしゃいませんか?
同じ会社でも、近所付き合いでも構いません。
身の回りに一人くらいはそういう方がいらっしゃると思いますから、その人をよく観察してみてください。
で、どうしてその人は聴き上手なのかを見つけてみるのは良いレッスンになると思います。
スポーツや芸術などと同じで、上手だな、と思う人を見て学ぶことは少なくないと思います。

そして、話を膨らませるコツは知識よりも、どれくらい熱心に話を聴くか?にかかってくると思うんですね。
知識が無ければ、その人に質問して教えてもらうこともできます。
でも、相手が話してることが自分にとって面白くもなんともなければ知識があっても会話に参加したくなくなるかもしれません。

相手に興味を持ってあげる、ということはここでもやはり重要なキーワードですね。

その上で質問を考えるんですが、「質問をする」ということを「与える」という目で見てみると、「相手が喜ぶような質問をしてあげる」とか「相手が話しやすい質問をしてあげる」ということが上げられるかと思います。

相手が喜ぶような・・・ということは、相手の喜ぶツボを心得る必要がありますね。
話しやすい質問・・・ということは、話しやすい空気、環境を作ってあげる必要がありますね。

ということは、相手のことをもっと良く知ること、自分なりに相手が話しやすい場を作ろうとすることが上手に質問するための秘訣の一つかもしれません。

コミュニケーションってその場の呼吸(雰囲気、空気)で交わされるものですので、こうすれば必ずうまく行く!という方法はあり得ません。
ですから、できるだけ色んな人と話をする機会を作ってみてくださいね。

そんな練習(?)として、僕がお勧めしているのはボランティアのカウンセリングを受けてみることなんですね。
しかも、色んなカウンセラーと。
(ボランティアカウンセリングについてはこちらのページを参照下さい)

そこでカウンセラーから色々と質問してもらうことで、自分自身の質問の幅を広げ、スキルを上げることができますし、また、そこでコミュニケーションのいい練習の場にもなろうかと思うんです。

色んな個性のカウンセラーがいますから、その中で話しやすいタイプを見つけるところから始めてみてはいかがでしょうか?
そして、できれば定期的にお話してみることでコミュニケーションの自信をつけていくこともできるんじゃないかと思います。

(「何をカウンセリングで聞けばいいの?」って良く聞かるのですが、ここで質問してくださったことをそのままお話してみればOKです!)

(ボランティアカウンセリングは電話代のみで何度同じカウンセラーと話しても無料で使えますので、リスクも少ないと思うんです。もちろん、プロカウンセラーによる電話セットコースでもOKですよ)

Q.もっと楽しくいろいろな方とお話をしたいと思っていますが、なかなかうまくいきません。人と話をするときに疲れない方法はありますか?

A.疲れてしまうのはどうしてなんでしょうね?
気を使いすぎたり、うまくやろうとし過ぎたり、どこか力が余計に入ってしまってるところはありませんか?

楽しく話をするには、自分をいかに楽しませてあげるか?に着目してあげると良いのではないでしょうか?。
改めて「自分はどんなときに楽しいんだろう?」って考えてみてください。
(こういうことって普段は敢えて考えないと思いますので、意外に新鮮なテーマかもしれません)

自分が楽しいと感じることと、人との会話との接点がまずは楽しめる場になると思います。
分かりやすいのが自分の好きな趣味について、仲間同士で話をするときです。
例えば、あなたが旅行好きだとすれば、旅行の話を見聞きするのは楽しいはずです。
そこから自然と「あれはどう?これはどう?」と話を膨らませることもしやすいでしょう。
そういう場ではあまり疲れないと思うんですね。

でも、逆に興味のない話を聞かされたり、会議などに参加させられたりすると、ほんの30分でも疲れてしまうでしょう。

だから、この疲れというのは自分の心の状態や場の空気によるものが大きいと思うんですね。
疲れが溜まっているのならば、楽しむよりも疲れを癒す方が先決かもしれません。

むしろ人と会話してても楽しくない、面白くないと感じるときには、自分の心に余裕が無く、疲れているときが多いと思うんです。

まずは自分自身の人との付き合い方をそういう角度から再チェックされてみてはいかがでしょうか?

Q.カウンセラーによって価値観が違う為に、そのアドバイスが違ってくるとのことでしたが、それで、問題は解決するのでしょうか?

A.問題の解決方法というのはそれこそ無数にありますし、そのタイミングによっても変わると思っています。
また、問題そのものも角度を変えれば色んな見方がありますね。
例えば「彼氏とケンカばっかりするんです」という相談を頂いたときにも、
・言いたい事をお互いに言えてないのかな?
という見方もできますし、
・相性が合わなくいのかな?
という考えもアリだと思うんですね。

それをどう解釈して捉えていくかで方向性はまったく変わって来るわけです。
前者の解釈をしたとすれば、
・本当に言いたい事って何だろう?
・彼が本当に分かって欲しいことって何だろう?
って方向性で見ていく事ができます。

また後者の解釈をしたとすれば、
・どうしてそういう彼とお付き合いすることになったんだろう?
・本当に求めてるのは何だろう?
なんて見方もできますね。

基本的に「あなたはどうしたいですか?ラブラブになりたい?別れたい?それともどうしていいのか分からないの?」なんてお客さまの気持ちに合わせて進めていきますが、その時々の解釈はカウンセラーやその場の雰囲気に委ねられるんです。

うちのカウンセラーはそれを自分の感覚、考えに基づいてカウンセリングをしていますから、「その価値観が違うためにアドバイスが変わってくる」という紹介をさせていただきました。
いわば、どの意見や考え、見方を選ぶのか?というのはお客さま自身に委ねてるんですね。

#ただ、ベースとなる心理学は同じものを学んでいますので、カウンセラーが異なってもどこか通じる部分はあろうかと思います。カウンセラーによって着眼点が異なる、という風に解釈していただいても良いかもしれませんね。

初回無料の電話カウンセリングなどを通じて「自分に合ったカウンセラーを探してくださいね!」というポリシーはそういうところから出てきます。

 ※参考:カウンセラーの選び方

【ご意見・ご感想】

◎良かったです。また参加します。

◎最近いろんな人をお話するのが楽しいのでよかったです。ただ、自分の魅力を素直に受け取れない自信のない自分をすごく感じてしまい、ちょっと悲しくせつなくなったかなぁ?自分に自信を持ちたいです。

◎根本さんがあまりにもカジュアルな服装でいらしたのが、少し驚きでもありました。こういう講座の講師の方って、何か硬い感じのイメージがありました。それで、少し気持ちが楽になりました。

 ⇒講演会などでお呼ばれするときはスーツを着ますが、普段のワークショップは講師とバレないように(???)普通の格好をしてます。

◎私にとっては、人それぞれ価値観が違うというところで、何となくそうな
のかな~と思っていた部分が、そうなんだ!と実感しました。これまで、自分自身の
価値観を押し付けて話をしていたことがあったかもしれないと・・・反省しまし
た。

◎グループでの実践では、何度も話を聞いたり自分に対してコメントをもらうことで、とても親近感を覚え、ずっと昔からの知人のような感じがしました。とっても、楽しくうれしく思えたひとときでした。ありがとうございました。また、皆さんとお会いしたいです。

◎実習で、他の方の見方や考え方を聞けたのがよかったと思いました。自分の思いを話すことがなかなかできなくて、困りました。「好きなこと」というのが思いつかずに…

◎聴き手が主導権を握っているという言葉には驚きましたが、よくよく考えてみたらそうかもしれないと思いました。

◎すぐにしゃべりたくなって、だまって人の話を聞くのが大変でした。分析的に人の話を聞いている自分に気づきました。

◎今回は、詳細にわたるテキストをもらい、喜んでいます。大切に保管します。毎回ですが、詳しく説明されるので、新たな発見もあり、理解しやすく頷く事が多々あります。講座でありながら、学問という域に達しているようで、受講後は、何か得をしたような気持ちになります。

◎インターネットを検索しているうちに知り、参加してみました。自分を見つめなおすきっかけになった事、徐々に自分自身気持ちの上で楽になってきているというか、物事の考え方も変わってきているような気がします。(以前は、人の事はもちろんですが、自分自身がどうしたいか、何を思っているかもわからないような状態でした)

以上です。
皆さん、ありがとうございました!!

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