「自分を許す」って?(その2)



感情についてもそうなんですが、僕が自分を許すという言葉を使うとき、それは
「自分の中のインスピレーションを受け入れてあげましょう」
という意味で使うことも多いんです。

自分の発想。
周りの人の目を気にしたり、自分は普通じゃないと感じている人ほど、自分のインスピレーションを否定してしまいます。


人にはそれぞれ個性があり、他の人とは違った視点や価値観を持つのが“普通”です。
でも、それを否定されたり、受け入れてもらえなかったり、あるいは、それを想定して自分で押さえてしまうようになると、気が付いたときには「自分の思いは全て間違ってる」という幻想に捉われるようになっています。

そうすると自分の気持ちやインスピレーションよりも、
「他の人はどうするんだろう?」
「普通はどう考えるんだろう?」
と周りの視線を気にしてしまうようになります。

その時、「他の人と私は違う」と分離感を感じ、そして、周りの人に合わそうとします。
でも、それは自分本来の姿からは遠く離れてしまうことが多くなり、心は圧迫され、「何か違う」という違和感や、本当はしたくないことをしている犠牲的な気持ちばかりを感じるようになります。

それは自分らしさを失わせ、自信を無くさせる悪循環を作り出すんです。

楽しむことや嬉しいことよりも、目立たなくて、変な目で見られなくてホッとする方を選んでしまったりします。

「あたし、変なんですよ・・・」
とおっしゃる方がいます。
その様子は胸を張って・・・というよりも、落ち込んで、苦しんでる言い方です。

現実はみんな“変”なんですね。

さて、全てが許されるとしたら、今、あなたは何をするでしょう?

そこで浮かぶ自分の声を、どれくらい受け入れてあげられますか?

現実にそれを実行に移す必要もなければ、すぐには無理なイマジネーションも浮かぶでしょう。

でも、その「何」をあなたはいくつ思い浮かべる事ができるでしょうか?
そして、思い浮かべたとき、どんな“反応”が心や頭に起こるでしょうか?
嬉しい気持ち、やったー!というわくわくする感覚がやってくるでしょうか。
それとも、ダメ、無理、と否定的な気持ちが湧き上がるでしょうか。
それとも、まったく何も浮かばなくて、早速自己嫌悪に陥るでしょうか。

それがあなたのパターンかもしれないし、より充実した、満足した生活を送るヒントを教えてくれるかもしれません。

まずは、そこで起きた自分の“反応”をただ受け入れ、許してあげましょう。
まずは、それだけで十分なのです。

そして、その反応を許せたら、次にこう考えてみましょう。
「じゃあ、あなたはどうしたいですか?」

自分を許した後、そこで目標が設定されるのです。
わくわくドキドキするアイデアが浮かべば、それをどうした現実にできるかを考えてみます。
自己嫌悪に陥ってしまったら、それを許し、「自分をもっと愛せるようになりたいな」と目標を立てることができるかもしれません。

何も思いつかなければ、「もっと発想を自由に持ってみよう」という心がけを持つことができるかもしれません。

でも、これらはその自分の内に起こる反応を受け入れた後にできるもの。
先にこうした思考や目標を持つのではありません。
まずは、今の自分を許すこと、これが最初のプロセスなのです。

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