良かれと思ってやってあげたんだけどだんだん感謝など見返りが欲しくなる心理~「愛する(与える)」が「犠牲」に変わるとき~



相手のことを愛しているから気付くし、そしたら、良かれと思ってしてあげたくなるんです。そこは愛です。
でも、何か引っかかりがあって、はじめは「与える」だったものが、だんだん「犠牲」に変わってきてしんどくなってしまうことってありませんか?
その裏側の心理と、どうすればいいのか?を考えてみたいと思います。

「つい気が付いちゃうから良かれと思ってやってあげちゃうんですよね。そうした方が相手も喜んでくれるかな?と思うし、自分も相手のことが好きだからしてあげたいな、と思うし。けど、それが犠牲になっちゃってるんでしょうね。途中からしんどくなるし、これだけやってあげてるんだから感謝くらいしてよ!って思っちゃうし。自分で勝手にやってるんですけどね。でも、相手の態度にムカついちゃうんですよね」

分かる~!!!!って方、その場で手を挙げてください!

最近、グループセッションとか個人セッションとか飲み屋の雑談とかでそんな話がけっこう耳にするので、これは神様がネタにせよ!ということだな、と思って取り上げてみました。まあ、私にとってもたいへん分かりみのある話ですし。

そこで「ありがとう!めちゃくちゃ助かったよ。ほんとありがとう!」ってぎゅっとしてくれたら満足しますか?
それとも感謝は当然として、自分がしたのと同じくらい何らかのサービスを求めてしまうでしょうか?そしたら、相手からの愛情も感じられるし。

こういうシーンって「いい人」が巻き起こす犠牲のパターンなんです。

パートナーシップでもよくあるでしょう?
親や家族に対してもそう思うことってありませんか?
もちろん、職場でもそんなことばっかり!って思いませんか?
それで「名もなき仕事の担当者」になっちゃったり。
主婦のみなさまにとっては「家事なんてほとんど全部それ!!」と絶叫したくなるかもしれません。

「気づいちゃうから」
「良かれと思って」
「相手に喜んでほしくて」
「相手を楽にしてあげたくて」
「好きだから」

という理由でしてあげてるので、それは「与える」ということなのです。
「愛する」という行動の一種で、間違いのない「愛情表現」なのです。

別に見返りを求めて始めた行動じゃないですよね?
始めは純粋な気持ちで「相手を喜ばせたい!」と思ったはずです。

だから、それは「愛」で、その行為は「与える」ということです。

でも、そこでだんだんしんどくなる、苦しくなる、ムカついてくる、嫌な気持ちになる、さらには、感謝を求めたくなる、同等のことをしてほしくなる、見返りがほしくなる、ということは、途中から「犠牲」に変わっちゃったみたいです。

こういうことが繰り返されると自分がイヤになってきませんか?

「気づかなきゃよかったのに!」
「気づいてもやらなきゃいいのに!」
「適当にやればいいのに!」
「しんどくなったら途中でやめればいいのに!」
「いつもこんなことばっかりしてる!」
「はじめっから嫌って言えばいいのに!」

でも、じゃあ、それをしなきゃいいか?と言えば、うーん、、、、と考えちゃいませんか?

「やってあげないと申し訳ない気がしちゃう」

「気が付いたのにやらないと、余計に気になっちゃう」

そんな気持ちがするから、やっぱり次の機会もやってしまうのかもしれません。
悩ましいですよね・・・。

また、中には無価値感や自信のなさを爆発させて、

「途中でやめたらがっかりされる」
「やらなかったら嫌われる」
「それくらいしか自分にできることはないし」

なんて思っちゃうかもしれません。

こうした現象を

「愛から始まった行動が、犠牲に変わる」
「はじめは与えていたのに、だんだん犠牲になっている」

そんな風に表します。

「良かれと思ってやったのに・・・はぁ・・・」とため息が出ちゃうパターンです。

このパターンをお持ちの方はとても「いい人」で、「とても優しい人」です。
そして、「よく気が付く人」だし「よく気が利く人」です。

それだけだったらいいのですが、どこか次の兆候をお持ちのようです。

・意外と自分に自信がない(自己肯定感が高くない)。
・そのままの自分には価値がないと思ってる(無価値感)。
・抱え込み症候群の傾向が大いにある。
・なぜか「嫌われる怖れ」を持っている。
・責任感は強い方だと思う。
・やり始めたことを途中で投げ出すのは武士の恥だ!と思ってる。
・そもそも愛情表現が苦手。
・甘えたり、頼ったりするくらいならば腹を切る。
・やはり頑張り屋である。
・その相手との関係では他人軸になってしまう。
・期待されるとやってしまう癖がある。

いかがでしょうか?いくつか当てはまるでしょうか?

だから、意外と「しっかり者」とか「ちゃんとしてる」と言われてる人に多い傾向なのです。一般的に長男・長女に多い傾向ですね。

さて、そういう風に「与える、が、犠牲、に変わる」というパターンは何も自分ひとりで収まる問題ではありません。

始めは喜んでやっていたことが、だんだん犠牲に変わってイヤイヤやるようになったり、見返りを求めたくなったりすると、それが相手にも伝わってしまうんですよね。

始めは「軽い」だったものが、だんだん「重い」に変わる感じ。
この「重い」はニーズ(欲求)の重さです。

だから、相手もなんか嫌な気持ちになるわけです。

「やってくれるのはうれしいけどさ、別にこっちからお願いしたことじゃないでしょう?良かれと思ってやってくれたんでしょ?嫌ならやらなくてもいいよ、別に」

とか言われちゃうんです。

もうこれはムキーーーーーっ!案件ですよね?笑

犠牲してイヤイヤやってるとしたら、仮に顔は笑顔でも、相手にはなんか嫌な感じが伝わります。
「はじめの方は気持ちよかったけど、今は気持ちよくない」みたいに受け取り方が変わっちゃうんです。

つまり、「はじめはただ受け取るだけでよかったんだけど、だんだん何かお返しをしなきゃいけない気分になる」みたいな感じになるんです。
「それだったらやらなくていいよ」と思うのです。

つまりは「犠牲は人のためにはならないぞ!」ということなのです。

気が付けば、オレンジ色(与える)が紺色(犠牲)に変わって行くので、その変わりっぱなに「ストップ!!」とできたらいいんです。

頭ではわかる。
けど、行うは難し。

だから、少し腰を据えてこの問題と向き合うことをお勧めしたいのです。

実はこの「与える」と「犠牲」は「自分軸」と「他人軸」に置き換えてもまんま成立します。

そうするとここで自分に問いかけることができるようになります。

「今は自分軸でやってる?それとも他人軸になっちゃった?」

「やりたくてやっているのか、そうでないのか」ということでもあります。

そして、「あ、他人軸だ!」と気付いたら、「ここまでやるけどあとはお願い!」という感じで“手放す”んです。

「え、そんな途中で投げ出すようなことしていいの?」と思うかもしれませんが、「いやいや、そこまでが自分の担当分野だと思ってください!」と思ってよいです。

友達の相談を聞いてるとき、はじめは「聞いてあげたい」と思って聞いてたけど、徐々に聞くのがしんどくなってきたら、「今日はここまでにしない?ごめん、集中力が切れてきた」みたいな感じでストップをかけます。

良かれと思って仕事を手伝ってあげてなら、「今日はここまででおしまい!あとは頑張って!応援してる!」とサクッと席を立ちましょう。

彼氏のためにご飯を作ってあげてたなら「ああ、今日はここまでだわー。やっぱ外食でもいい?」って投げ出すのも大事。

そこからの、彼女のためにいつもはご飯をおごってたけど、今月はピンチだ!ってなってきたら「今日は割り勘でもいい?」ってお願いするのも大事。

すぐには難しいと思うのですが、「ああ、今が手放し時なんだろうなあ」って気づくことが第一歩です。

気付くってすごく大きいです。
すぐに止められなくて自己嫌悪しちゃうかもしれないけれど、はじめは気づくだけでいいんです。

「近い距離」になってくると「相手のことが心配で」みたいな要素が出てくることがあります。
「やってあげなくちゃ!」と思うわけです。

でも、やっぱりそれも同じことです。

犠牲は人のためにはなりません。

自分が心地よく、気持ちよく、与えられる状態が最適です。

どうしてもやらなきゃいけないってなったなら「一旦、休憩」ではどうでしょうか。

それから「与える」は別に見返りを求めないのですが、「犠牲」になると見返りがほしくなるわけです。

でも、なかなか望み通りの見返りは来ないものですし、なんなら「ありがとう」って言ってくれても「いやいやそれではご不満ですぞ!」となることもありますよね。

実はここにひとつ盲点がありまして、「それだけやってる自分をもっと褒めたたえなさい」ってことを忘れちゃうんですね。

自己肯定感をあげる方法のひとつです。

「ここまでやってあげてる自分ってすごい!」って自分で自分を褒めたたえるのです。

完全に他人軸で、犠牲モードになってたら難しいですが、「犠牲になりかけの頃」であれば、「わー、ここまでやってあげてるのってすごくない?」って自分で自分に言ってあげることで、少し気分が和らぐと同時に、与える気持ちが蘇ってきたり、手放しがスムーズにできたりするのです。

他者承認を求めたくなるときは、自己承認が足りてないとき、でもあるんです。
だから、いっぱい自分を承認してあげることも大事なことです。

また、見方を変えれば「犠牲になっちゃってるのは間違いないけど、与えたい気持ちに嘘はないわけでしょう?それくらいあなたは相手のことを愛しているのよ?」という肝心な点も見逃しやすいですね。

そうだ、自分は相手のことを愛しているんだ!ということを改めて意識することもまた、与える気持ちを復活させることにつながります。

つまり、相手への愛情に立ち返ることが犠牲モードへの流れを止めてくれるのです。

長期的に見れば、無価値感や劣等感、嫌われる不安など、犠牲そのものを作り出す感情を癒していくのが望ましいです。
自己肯定感をあげ、自分に自信が持てるようになることを目指すのも大事です。

そうして、そのパターンそのものを手放すことを目標にしてみてはいかがでしょうか?

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