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過干渉だったり、ヒステリックに支配してきたりする母を持つクライアントさんには「母の生霊が付いてますね」とおどろおどろしいことを言ったりします。
つまりは、母に支配されてきて自分を見失っているよね、といことで“除霊しましょう”とこれまた怪しいことを言うんです。ま、つまりは「手放し」なのですが。
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グループセッションや個人セッションで、そっとクライアントさんの斜め後ろに立つんです。
それで腕を組んで監視するような目で見るわけですね。
「うわぁ、すごくいやな感じ!」
すごくイヤそうな顔をしながらこちらを見ます。
それで次のようなセリフを口にするわけです。
「あんた、何してんねん。ほんまにそれでええと思ってんの?」
「またあんた、そんな服選んで。あんたにゃ似合わんて」
「もっとしっかりせぇよ。そんなんやから男の人も逃げていくねん」
「ほんま母ちゃん情けないわ。なんであんたはそんなだらしないねん」
ときには父ちゃんも参加することがあります。
「おいおい、何やっとんねん!もっとシャキッとせんかい!」
「ほんまにその男でええんか?お前、ほんま男見る目ないなー!」
もちろん、リアルな父ちゃん母ちゃんは遠方にいらっしゃるわけで、セッションルームに親子連れでいらっしゃったわけではありません。
これは“生霊”の話。
物理的には離れていても、心の中には常に父ちゃん母ちゃんがいて、あなたの一挙手一投足を監視しているようです。
何かをするにも母の目を気にし、母にどう思われるかを考え、母が嫌がるようなことは選ばない、ということをしてしまいます。
一人暮らしで、経済的にも自立しており、両親と会うのは盆暮れくらいで、そんな頻繁に連絡を取るわけではないのに、なぜか「自由」を制限されてしまっているような感じなのです。
そういうとき「ああ、お母さんの生霊が付いてるんやね」などと言い、おもむろに彼女の後ろに立つわけです。
「いつもこんな感じじゃない?でも、もう慣れ切っちゃって何とも思わないかもしれないけれど」
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「わたしは比較的自由にさせてもらってきました」という方もいらっしゃるのですけれど、そう思ってはいても「お母さんが嫌がる選択はしないようにする」「お母さんが喜びそうなモノの中から選ぶ」ということが癖になってることがあります。
「大学もほんとうは関東に出たかったんですけど、親がお金のことを気にしていたし、家から通えるところにもあったから、地元の大学に進みました。両親はそれを喜んでくれましたが、自分としてはちょっと残念な気持ちがありました。」
「可愛い服を見つけると未だに『これ着てたらお母さんなんて言うだろうか?』って思ってしまうんです。『また派手なの選んで!色気づいたもんだね?』なんて嫌味を言われるのがイヤで、つい大人しめのものを選んじゃいます。」
「無意識に母が気に入りそうな人とばかり付き合ってきたんです。母は優しそうでマジメそうで、浮気なんて絶対にしなさそうな男の人を望んでるので、その期待に応えようとしちゃってて。でも、そういう人と付き合っても幸せじゃないんです。」
「子どもの頃から『お堅い仕事』を親から勧められて来ました。だから、公務員を選んだのですが、ほんとうにそれでよかったのかどんどん疑問が湧いてきて。海外にも行ってみたいし、ベンチャー企業で何かチャレンジしたいと思うのですが、それはわがままなんでしょうか?」
お母さんが言ってることは意地悪でも何でもなく、愛情なことは分かっています。
娘である自分の幸せを願ってのことだとは重々承知です。
そして、過去の経験上、お母さんの言うことを聞いてたら間違いない!という成功体験もたくさんあります。
反発してお母さんの言いつけを守らなかったら大変なことになってしまって「ほら、お母さんの言ったとおりでしょ?あんたはまだ子どもだから分かんないの!」と言われてきたので、自分の選択に自信が持てなくなってもいます。
また、言うとおりにしないとめちゃくちゃ怒られるし、妹がそんな母に反発してたから、いつもすごい喧嘩をしていたし、そのあとにふとお母さんが悲しそうな顔をしたのも見ちゃってもいます。
だから、怒られるのも嫌だし、お母さんの悲しい顔を見るのも嫌だから、お母さんの言う通りにして「いい子」になるわけです。
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そうして「自分の意志」よりも「母の意志」を優先させるようになるのですが、その「母の意志」が強烈な分だけ、「癒着」とも言える状態になるものです。
思い通りにならないとキレまくる母。
感情的に相手を支配しようとする母。
ヒステリックに叫んで言うことをきかせようとする母。
そうすると、そんな母は「怖い」ですよね。
だから、子どもは母の顔色を伺うようになり、母を怒らせないようにその意志をくみ取ることになるのです。
もちろん、思春期には「自分の意志」vs「母の意志」という葛藤が起こります。
そこで「自分の意志」を貫くことができればいいのですが、自分を生んだ母は強いものでヒステリックに叫び出したり、自分をかわいそうな悲劇のヒロインに仕立て上げたり、兵糧攻めを行ったり、顔を見るたび叫ぶようになったりするものですから、「母の意志」に従わざるを得ないのですね。
その結果、「自分の意志」は抑えなければならないものです。
もちろん、そこには「母への大いなる怒り」が伴いますから、実家を離れて以来、一度も帰ったことない、帰りたくもない、という状態になる方も珍しくありません。
しかし、その一方で、「母の意志」がなくなれば、当然、物事を決められなくなります。
「自分の意志」をどこかに隠してしまったわけですから、今さら自分で決めようとしてもできないのです。
そして、そのときに母の“生霊”が召喚されるのです。
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「母の意志」に従おうが、抗おうが、それが基準になっていることは間違いありません。
「きっと母なら赤を選ぶだろう」というシーンで青を選んだとしても、それは自分の意志というより、母への反抗心です。
ほんとうは赤が良かったとしても、それを選んだら屈辱的な気分になりますから、意地でも青に固執しちゃうこともあります。
それで何かと頑固になったりね。
だから、物事を決める際も全然意識はしてないけれど「母の意志」が反映されてることが多くなります。
「母ならきっとこう言うだろう」ということが分かるから、それに従う派になるか、それに抗う派になるかの違いってことですね。
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「なんで生きにくいのだろう?と思ったら、母に支配された人生だからだった」
「いつも人目を気にし、自分に自信がないのは、(同上)」
「いい成果を残してきたのに満足できないのは、(同上)」
「何かから逃げてるような罪悪感がいつもあるのは、(同上)」
「いつまでも自分は自由になれないのは、(同上)」
「やりたいことが全然見つからないのは、(同上)」
「ヴィジョンが見えない、ライフワークが分からないのは、(同上)」
となれば、自分自身を取り戻していくことが今のテーマとなりますね。
人生の主導権を母から取り戻すのです!
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それで私は“除霊しましょう”と怪しいことを言うわけです。
とはいえ、ほんとの除霊方法は知らないので信じないでね?笑
要するに「母を手放す」だったり「母との癒着を切る」ということをするんです。
* * *
「母」があなたのすぐ後ろにいて、あの調子であれやこれやと言ってるのを想像してみてください。
まとわりつくような気持ち悪さがあり、そこから逃れようともがいてきましたが、なかなかそれができませんでした。
全然自由じゃない。
自由なはずなのに不自由。
そんな葛藤を感じてみてください。
そして、「もう母を手放そう、母から自由になろう」と宣言してみてください。(心に決めてみてください。)
そして、一歩、母から離れます。母の視線を感じながら。
そのとき、どんな感じがするでしょう?どんな気持ちがするでしょう?
怖れが来ますか?
何か申し訳ない気がしますか?
怒られそうですか?
母がかわいそうに思っちゃいますか?
そして、また一歩、前に出ます。母からはちょっと距離が空きました。
どんな気持ちがするでしょう?
不安になりませんか?
罪悪感が出て来ませんか?
軽くなった感じはしますか?
母が不憫になりませんか?
そして、また一歩、また一歩、とそのときの気持ちをしっかり感じながら前に進んでいきます。
そうして「母の視線」が届かなくなるまで距離を空けていきます。
そのときどのような気持ちになるでしょうか?
*
これはライトでシンプルなイメージワークですが、この形を基準にリトリートではロールプレイを、個人セッションやグループセッションではイメージワークと組み合わせたセッションをやることが多いです。
何なら母の視線を切るために扉から出て行っていただくこともあります。
これ一回で“除霊”ができるかというとケースバイケースなのですが、この母から離れていくプロセスで様々な感情が出てくるものです。
母が追いかけて来そうな気がして怖いし、先に進めない。
あとでひどい目に遭いそうな気がして、走り去りたい気持ちになる。
なぜか母に対してすごくひどいことをしているような気がする。
ひとりぼっちになった母がかわいそうって思ってしまう。
「癒着」の裏にある心理がそこに出てくるのです。
そうするとなぜ自分が母に支配されてきたかも体感的に理解できそうです。
こうした意識をもって日々を過ごすと「自由になった感覚」が心の中に留まりますから、いろいろと行動が変わります。
自然とね。
そうするとだんだんとヴィジョンなりやりたいことなりが見えてくるんです。
自分の意志を取り戻してきた証拠ですね。
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