身体に刷り込まれたトラウマ(癒着)を乗り越えて一歩先に進むために何をしたらいいのか?



トラウマになるほどのできごとがあれば、そこで立ち止まってしまい、また、同じパターンを繰り返してしまうのも無理はないことでしょう。
そうするとエネルギーが行き場を失って悶々としたり、鬱々としちゃったりすることもありますし、いざ動き出そうとしても恐れが出てきて前に進めなくなるものなのです。

根本先生こんにちは!先日は個人セッションありがとうございました。
先生に自分のことを危険物と認識せよと言われた矢先、その日の夜中にものすごい怒りのエネルギーに襲われて突然飛び起き、慌ててお恨み帳を開いたのですが、気づいたら身体からリアルに熱が放出され目の前でノートがビリビリになっていて恐怖を覚えました笑

早速すぎるリクエストなのですが。。。
個人セッションの際に、身体からのアプローチで自分のエネルギーを出す、調整する?のが良い(カラオケ、キックボクシングなど)とアドバイスをいただきましたが、自分の中で何となく身体を動かす=気持ちの抑圧につながっていて、傷が疼く図式があり、重たい腰が上げづらくご相談したいです。
思い当たるところとして、高校生の頃、酷い大失恋をしてメンタルがズッタズタになったことがあったのですが、当時学校中から軍隊と恐れられる全国入賞常連の激しいダンススポーツの部活に所属していて休むことができず、毎日沸る涙を蒸発させながら這いつくばって練習に参加していました。
そのスポーツは大学、社会人と続けたのですが、競技自体が好きというよりは、そこから得られる激しい刺激に依存していた(辞めると言う選択肢が無かった)自覚があり、それは高校時代に受けたその強い痛みを始め色々な傷を見ないようにするためだったんじゃないかと今になって思います。
そしてこれって、ワーカホリックや、色々な依存症にも繋がる心理状態なんじゃないかとも、、
自分のエネルギーをうまく扱うためにも、体を動かすことを前向きに再開したいのですが、そう言った身体に刷り込まれた刺激依存?トラウマのようなパターン?を乗り越えていくために何かアドバイスなどいただくことはできますでしょうか??もしネタになったら嬉しいです。
(Mさん)

まず、本題に入る前に「火事にならなくてよかったですね。特に空気が乾燥している季節ですのでお気を付けください。」とお伝えさせてくださいませ。

「怒ること」に許可が下りたんだろうと思います。

「寝ているとき」に今まで抑圧してきたエネルギーが突然解放されるってご報告をいただくことがあります。

睡眠って意識レベルが下がるので潜在意識の活動時間です。
それが「夢」を見ることにもつながるのですが、抑圧しているエネルギーが強ければ強いほど、夢での処理能力をオーバーしてかのように目が覚めてしまうことが多いのです。

そうすると半分夢の中ですのでけっこう怪しいことが起こることもありまして、ここで紹介するのは憚られるのでまた機会があれば聞いてくださいませ。

Mさんの場合は「猛烈な怒りのエネルギー」が封印されていたわけで、それが解放されたんだろうと思うんですよね。

その1回ですべてが解放されるってことはないと思うのですが、その後の気分はいかがでしたでしょうか?
また、似たようなことはその後もありましたか?

さて、「体からのアプローチ」というのは私のカウンセリングやグループセッション等でよくお勧めする宿題です。

「心の問題、体から」と言われるんですけど、頭をフル回転させて考えすぎになっていたり、気分が鬱々とした状態が続いたり、感情を溜め込んでしまってなかなか解放できない場合などは、体からアプローチした方が効果が出やすいんですよね。

あれこれ考え過ぎるんだったら家の近所でダッシュ10本やったほうが何も考えられなくなっていいっすよ、というわけですし、抑圧しちまってる感情を解放するならカラオケで歌いまくった方がすっきりしまっせ、というわけです。

もちろん無理はあきませんけど。

そもそも宿題として出すものは「ひとりでできること」ですから、「考え過ぎないようにすること」ってのは宿題になりません。それができないからカウンセリングに来てるわけで。

でも、近所の坂道10本ダッシュってのは逆にカウンセリング中にはできないわけですし、ひとりでできることですよね?(その気になればね)

それこそ、抑圧している感情を解放する、なんてのは御恨み帳はまだ良いとして、より深いところにアプローチしようと思ったらやはりカウンセリングの場の方が安全なんですよね。

ということで、体からのアプローチですが、「できる範囲で」というのが必須なので、できないことを無理やりやろうとすることは当然ながらあまりお勧めできません。

だから、Mさんの場合もそのトラウマ(後述)があって体を動かすことに抵抗があるなら、できることを探してやってみるのが良いと思います。

カラオケならイケそう!ってことなら6時間くらい歌いまくればよいですし、陸上は無理っぽいってことならプールに行って泳ぐのもありですし、まあ、普通に散歩するだけでも構いません。

「できることを探してやる」ということをまずはやってみてください。

ただ、ガチな体育会系の方の場合、なんせ基準を高く設定しすぎるものですから要注意ですね。

「軽くランニング」のつもりが「やはり1km3分台じゃなきゃ走った気にならねえ」とか思っちゃうと逆効果です。

「気持ちいいくらい」のペースをキープしてください。

ということで本番、あ、いや本題です。

>身体に刷り込まれた刺激依存?トラウマのようなパターン?を乗り越えていくために何かアドバイスなどいただくことはできますでしょうか??

それこそ、それだけハードなトラウマであればひとりで扱うのは危険だと思うんですよねー。

そして、

>競技自体が好きというよりは、そこから得られる激しい刺激に依存していた(辞めると言う選択肢が無かった)自覚があり

ということであれば、例の彼との泥沼な関係や仕事についても理解できますね。

しんどい、辛い、嫌だ、と思ってもそこから「逃げる」って選択肢がなかったってことですもんね。

でも、案外、この傾向って「頑張り屋さん」「我慢しぃ」な方々にとっては共通するところだと思うのです。

この「激しい刺激に依存する」というのは、ワーカホリックやアルコールやギャンブル、セックスへの依存などにも共通するところですね。

依存症的な状態になると「苦しい」「嫌だ」「もう辞めたい」と思ってもやめられません。

苦しいのに酒を飲んでしまうし、辞めたいのにパチンコ台から離れられないし、強迫観念に駆られて仕事をするし、セックスしてないと生きてることを実感できないって状態になるわけです。

だから、Mさんもそんなにきついのに社会人になってもやめられなかったんだろうと思います。

こうしたトラウマってのはほかにも影響を及ぼしますね。

先ほど触れたように、恋愛や仕事にも波及して、しんどいのに離れられない、ずっと我慢してしまう、自分が悪いと思い込む、もっと頑張らねばと鞭を入れてしまう、などのパターンを作ってしまいます。

要するに「癒着」という状態を作っちゃうんですよね。

この「癒着」というのを何かしらで体験すると「癒着体質」になって、それを手放してもまた違うものに癒着しようとしたり、また、心理的なダメージもとっても大きくてトラウマになることもよくあるものですね。

だから、Mさんもダンスから距離を置けるようになった今も「体を動かす」と思うと、その頃の感覚が蘇ってきて「やだー」と思ってしまうのです。

それでエネルギー的な話をするならば、そもそもダンスにものすごいエネルギーを割いていたわけですが、それがトラウマになってしまってるとすると、自分のエネルギーを使うこと自体に抵抗を覚えるようになってしまうかもしれません。

で、どういう風にそのトラウマを解消していけばいいか?という話をするのですけれど、やっぱポイントは「感情」なんですよね。

その当時感じていた感情。

辛い、苦しい、嫌だ、というだけでなく、怒りや不安、怖れ、焦り、競争心、劣等感、無力感、失敗感、あらゆるネガティブな感情が満載していると思います。

だから、その感情とまずは向き合っていきましょう、というのがスタンダードです。

ただ、繰り返しになりますけど、これを一人でやるのはヤバいですので、ちゃんとそういう場を選んでくださいませ。

それで、セッションルームでは「彼への思いを全部ぶちまけてみましょう!」といって、思いを叫んでもらうこともありますし、呼吸法を使って、心の中に溜まっている感情を吐き出すこともしています。

他にもいろんなやり方があってボディワークを使うこともあれば、イメージワークを多用することもしています。

そうして体に溜まってしまったネガティブな思いを解消していくわけです。

もちろん、世の中には様々な方法がありますから、自分に合った方法を探してみるといいでしょう。

「手放し本」などを参考にしていただくといいんですけど、そのトラウマによって先に進めないってときは、それがまだ「過去」になっておらず、「現在進行形」であると解釈した方が都合が良いものです。

つまり、Mさんは未だに激しいダンスをプレッシャーを受けながら日々踊り続けていると思ってもいいかもしれません。

だから、ダンスの代わりが「仕事」だったり「男」だったりするだけで、パターンは今に生き続けていると言ってもいいんです。

いやでしょ?(苦笑)

なので、そのしんどかった時代をちゃんと「過去」にしてあげるんです。

そういう意味では自分自身に「あれはもう済んだこと。過去のこと。」という風に語りかけてあげることも大事です。

もちろん「よう頑張った、ほんまによう耐えた。えらい!」と自分を承認してあげることも効果的。

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナー動画:本気の手放しワーク 2024
*セミナー動画:『本気の手放しワーク』

また、こういうアプローチを取ることもあります。

Mさんはそもそも非常に強いエネルギーを持っているわけですが、それがゆえにと言いますか、今までは使い方がよく分からなくて結果的にトラウマを作ることになってしまったと思うんです。

その結果、その強烈なエネルギーが出口をふさがれて停滞してしまっているのが今の状態かもしれません。

そもそもエネルギーが強い人がそれを封印してしまったら鬱々とした日々を過ごすようになるものです。

とはいえ、トラウマ付ですから、そのエネルギーをうまく平和利用したいと思ってもなかなかできないわけですが、それをイメージや身体の感覚を使いながら「もし、自らがそのエネルギーを思い切り解放したらどうなる?」という想像することは可能だと思うのです。

みなさまも自らのエネルギーを思う存分、解放したらどうなるかを想像してみてください。

琵琶湖の水をすべて蒸発させる・・・
富士山を片手で割る・・・
東京から大阪まで3分で移動する・・・
スカイツリーを引っこ抜いてバトントワリングをする・・・

まあ、そんな感じでしょうか?
そりゃあ、ゴジラも逃げ出すはずですね!

そして、根本先生から「危険物認定」を見事受け取ることになりますね!

セッションでそんなイメージは危険すぎてできないので、例えば、「大好きな人を本気で愛する」みたいなテーマに設定することが多いものです。

イメージの中ですからつい誤って彼を燃やしてしまったとしても大丈夫ですよね?

「本気のセックス」をイメージしてもらって「本気のオナニー」を宿題にすることもあります。(これ、以前、いただいた感想を紹介させてもらいましたね)

トラウマを吹き飛ばした先の世界に想像を広げていくのです。

そうした「体験」をすることで、そのトラウマが結果的に気にならなくなるってこともあるものです。

マニアックなアプローチであれば、あえて、ネガティブなイメージを作ることもあるものです。

怒りを解放するために、目の前の原野を焼き払ってもらう、みたいな。

罪悪感を解放するために、一旦、自分にひどい罰を与えてみる、みたいな。

心の中にずっととどまっている寂しさや孤独感を解消するために、自分を一度、氷の世界に置いてみる、みたいな。

そこから出発してハッピーエンドの方向にイメージを作っていくと、不思議なことにトラウマが気にならなくなることだってあるんです。

トラウマに引っかかるとその先のヴィジョンが見なくなってしまうものですね。

だから、敢えてトラウマを乗り越えたテイにしてその先の世界をイメージしてみると、様々な気づきが得られるかもしれません。

一歩目を踏み出すのはなかなか勇気のいることですし、怖いかもしれませんが、トラウマに目をやりつつも、まずは「今、できること」から始めてみませんか。

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