「仕事はつらいものだと思っていると、つらい仕事や環境を無意識に選んでしまう」という説はほんとうなのか?



物事にはいろいろな解釈がありますし、私たちは信じたいように物事を見るものですから、「これが正解!」なんてものはありません。
自分にフィットした見方を選べばよいのです。
ちなみにこの考え方もそのひとつですが、カウンセリング界隈ではよく使われるので説明を加えてみました。

根本さんこんばんは。
お弟子さんによくお世話になっています。

よく根本さんもお弟子さんも「仕事はつらいものだと思っていると、つらい仕事や環境を無意識に選んでしまう」という話をされていて、それに関してちょっと腑に落ちないところがあるので質問させていただきました。
確かにその考えもよく分かるのですが、私はいろんな仕事や職場を経験しているのですが、大変な仕事もあれば楽な仕事、やりやすい職場もあったし、人間関係が良好な職場もあれば、職員同士の仲が悪かったり、理不尽に怒鳴ってくる上司がいる職場もありました。
だから「たまたま大変な仕事や職場に当たることもあるんじゃないの?」という見解もあるのですが、それでも本人の思い込みや観念の問題なのでしょうか?

あと世の中には3Kと言われるような仕事や、激務で慢性的な人手不足の仕事もありますよね。
そういう仕事の人はみんな毎日汗水流して働いてるし、大変なのが当たり前の世界なので、その人たちはみんなその観念があるってこと?と疑問に感じました。
そのあたりもう少し詳しく説明してもらえると助かります。

なぜこんなことを聞くのかというと、うちの旦那は物流の仕事をしていて、それこそ激務だし人手不足の業界で毎日大変そうだけど、生活のためにがんばってくれています。
つい観念のほうにひっぱられて「大変な仕事を選んでいる旦那に問題がある」と感じて無価値観のようなしんどさを感じてしまうからです。
私の捉え方にも偏りはあると思いますが、よければお答えいただけたら嬉しいです。
(Kさん)

いわゆる「引き寄せの法則」的なお話だと思うのですが、主観と客観の問題とも解釈できるテーマかと思うのですな。

つまり、客観的にしんどい仕事が主観的にもしんどいのか?ということでして、その辺はもう本人次第ってところになります。

例えば、うちのクライアント様に「長距離トラックを乗り回している元ヤンの武闘派女子」がいらっしゃるのですが、長時間労働な上に肉体労働ですから明らかに「3K」と言われる仕事なんですよね。

しかし、彼女は「ひとりで過ごせるし、ドライバー仲間も市場の人間もさっぱりしていい人が多いからこの仕事がすごく好き」とおっしゃってます。

彼女にとっては天職なわけですね。

一方、とある武闘派看護師は激務ゆえに体調を崩し、クリニックに転じて仕事自体はとても楽になったのですが、体が元気になるにつれて「なんかつまらん。刺激がない。救急で走り回っていた頃が懐かしい」と言い出すようになりまして、その後大病院に舞い戻って行かれました。

また、あるシンママのお姉さまはふつうの事務職を辞めてデリヘルに転じられまして「これがあたしの天職だと思うんだけど、それっていいのかなあ?」と疑問を感じながらも仕事を楽しんでいるようです。

つまり、その人次第ってことなので、

>そういう仕事の人はみんな毎日汗水流して働いてるし、大変なのが当たり前の世界なので、その人たちはみんなその観念があるってこと?と疑問に感じました。

こういう客観的な見方だけでは何とも言えねえってことなんです。

そもそもお弟子が話してた

>「仕事はつらいものだと思っていると、つらい仕事や環境を無意識に選んでしまう」

という話も主観ですよね。

3Kの仕事をつらいと思うこともあれば、ホワイト企業で働くことを辛いと思うこともあるし、その逆もあるってことです。

だからKさんの夫氏が物流の現場で家族のために頑張って働いてくれている状況をご本人がどう捉えていらっしゃるか?ということじゃないかなあ、と思うんです。

なので「大変な仕事を選んでいる旦那に問題がある」というのはKさんの思い込みである可能性が高いのかもしれません。

それが「問題」なのかはご本人が感じることですので。
それを問題だと捉えれば問題だし、「そんなもんじゃねえの?」と本人が納得してるなら問題じゃないんです。

さて、

>「仕事はつらいものだと思っていると、つらい仕事や環境を無意識に選んでしまう」

という見方ですが、これも数多ある物事の理解のひとつでしてそれを信じるかどうかは本人次第だと思ってます。

確かにその通りだ!と思っている人からすれば、それは真実になり、そういう風に見えてくるものです。

一方、え?そんなことないんじゃないの?と思っている人からすれば、それは真実ではないので、そういう風には見えません。

これもまた主観的な解釈によるところが大きいのです。

そういう話を聴いて「なるほどそうなのか。確かにそうだよな。」と思った方はたぶんその解釈を採り入れて、「仕事はつらいものだという思い込みを変えたい」と思えるってことです。

心理学ってのはつまるところ確率論ですし、たいへん感覚的なものがありますから、「そういう風に解釈すれば確かにそうだよね」というところがたくさんあります。

1+1=2のような数式で説明できることがほとんどなく、よく耳にするエビデンスもあいまいなものですし、心理学でもカウンセリングで用いられるものは主観論ですから「あの人に当てはまるからと言って自分に当てはまるとは限らない」というのが基本線です。

それゆえ個別論といって「あなたの場合はこういう風にした方が良い」という提案をすることになり、ある人には「元カレをさっさと手放した方がいいよ」と伝え、別の人には「もう一回元カレにアタックしてみたら?」と伝えることになるんです。

そういうわけで心理学ってのは別名「ああ言えばこう言う学」と言われるわけです。

なので好き嫌い、向き不向きはあるんだろうと思っております。

さて、

>「仕事はつらいものだと思っていると、つらい仕事や環境を無意識に選んでしまう」

という話を掘り下げようと思いつつ話が逸れているのですけれど、ざっくりとした説明なら「引き寄せの法則です!」で済ませられますが、最近は脳科学でも説明されてるようですし(知らんけど)、心理学的にも感情の仕組みから説明することができます。

「仕事はつらいもの」という思い込みがあると、つらい仕事を無意識に選んでしまう、というよりも、どんな仕事に就いてもつらいと思ってしまう、というのが正しいかもしれません。

「仕事」というものに「つらい」という感情をくっつけているので、「仕事」と呼ばれるものに接すると「つらい」という感情が想起される、ということです。

なかなか分かりにくいので、読者の多くの方々が嫌悪する「G」という虫を例えにお話をしましょう。

私のクライアントさんにも道民の方がいらっしゃるのですが、その北の大地には「G」は生息してないそうなんですね。(沖縄のみなさん、羨ましいでしょう?沖縄には20種類ほどのGがいらっしゃるようですし)(ただ最近は札幌のすすきのあたりでは目撃されてるそうです)

それゆえ「G」がキモイ、怖い、汚いって観念を道民は持ち合わせておらず、それゆえ、内地に住むようになって初めてGを見たときに「あら、かわいい」と思う人もいるそうです。

中には「これがカブトムシか!」なんて誤解をして虫かごで飼っていたツワモノもいらっしゃったようです。

この辺ですでに気分が悪くなっていらっしゃる方も少なくないと思うのですが、要するにGがキモいかそうでないかも「思い込み」なのですな。

すなわち、「G=キモい、怖い、汚い、○ね!!」という図式を持っている人はキッチンでGを見た瞬間、背筋が凍ってきゃーってことになるのです。

これが「感情の仕組み」です。

似たような話で「出産は辛いもの」というのも思い込みという説がありまして、インディアンの間では「出産は最高に気持ちいい」という思い込みがあるので全然痛みを伴わないという話を聞いたことがあるのですが、これを経産婦にお話しても誰も信じてくれないのであまりしないように心がけております。(配慮)

そうすると「男ってみんな浮気するんだよね」という思い込みを持っている人は浮気男ばかりと付き合うことになるわけです。

え?話が飛躍した?笑

まあ、過去にいろんなことがあってそういう思い込みを持つようになったわけですが、そうすると男性と出会った際にも「ああ、この人もきっと浮気するんだろうなー」と思うんですよね。

そうするとそれまで浮気をしたことがない男性であっても、彼女から常に「あんたもどうせ浮気するんでしょ?」と見られ、何かとそんな発言を耳にし、怪しいことがあれば疑われる日々を送っているうちに「浮気したくなっちゃう」のですね。

これは「思い込みが現実を作る」という例としてよく使っているものです。

とはいえ、これだけではすべてのケースを説明することはできなくて、例外もやはり存在するというか、例外もたくさん存在します。

そこでまた違う見方が登場しまして「私たちの潜在意識は現状維持を好む(変化を好まない)」というものがあります。

つまり、その思い込みを正しいものとして維持したい欲求を持つんです。

もし「男はみんな浮気する」という思い込みを持っているのに、付き合った男が浮気しなかったら自分が間違ってることになるじゃないですか。そして、考え方を改めなきゃいけないわけじゃないですか。

そうするとその思い込みをキープするために「浮気しそうな男を選ぶ」ということをするんです。

自分の思い込みの正しさを証明するために。

ただそれはもちろん意識していることではなく「浮気しそうな男を好きになる」という感情的な説明の方がピンとくるかもしれません。

だって浮気できるってことはそれだけ魅力的な男性ってことでしょう?

これに関してはある調査がありまして、かつて私はランチ会などで「10人男を並べるでしょう?その中にひとりダメンズを混ぜておくんだけど、それを一発で見抜く自信ある?」と質問していました。

その場にいたダメンズ愛好家のみなさまは食い気味に「そりゃ簡単っス!」と即答されておりました。

仕組みは簡単で10人男を並べたうち、一番惹かれる男性がダメンズだからです。

ダメンズ愛好家のみなさまはダメンズが好きなので、自分が好きになる男は天然・養殖関わらずダメンズなのですね。

なのでこれを言い換えれば「男はみんなダメンズだと思っていると無意識にダメンズを選んでしまう」ということになるわけです。

ただ、この2つの説を用いてもすべてを説明しきることはできないのですが、とりあえずここを押さえておけば理解には相当役立つかと思います。

最後は「信じる?信じない?」というところになりまして、「おかしい」と思ってみればおかしくなりますし、「正しい」と思ってみればそう見えるってことになるのですよね。

だから、自分にフィットした価値観、考え方を選ぶことが大切で、これだけ説明しましたけど、あくまでこれらは解釈のひとつだと捉えてくださいませ。

そういうわけなので、クライアントさんから「いやー、今の職場がブラックなんですわー」とお聞きすれば、とりあえず「今回が初っすか?それともいつも真っ黒黒なんすか?」と質問するようにしています。

たまたまそういう職場に当たってしまったのか、それともそれがパターンになっているかを確かめためです。

それで「なんだかんだいつもブラックっす」ということであれば、なんでわざわざブラックな職場を選んでしまうのか?罪悪感とか強いの?という話をしていきます。

一方、「初めてっス」ってことなら「さっさと逃げましょう」ということになるのですけれど、なんか前の会社であった?とか、なんかメンタル落ちてるときに今の職場決めたの?とかもう少しツッコむことも多いです。

人との出会いと同じで、自分の状態が落ちているとやはり精神的にダメージを受けやすい場を無意識に選んでしまうものですから。

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