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両親からそんなひどい目に遭ったにもかかわらず、両親に尽くしてしまう、両親を助けに行ってしまう、というのは、意識的には「義務感」だったり、「放っておけない」だったりするかもしれませんが、潜在的には「癒着」という心理状態で、それ以外の選択肢を持たないケースも少なくありません。
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50代自営業。
女の子が要らないという考えを持つ家長女に生まれ、祖父から虐待を受け両親の愛に飢え、親戚の力を借りて育ちました。
二十歳で結婚し2人の子供に恵まれましたが、夫のモラハラに耐えかねて離婚。
子供2人を育てながら起業し再婚するも夫の度重なる浮気に耐えかねて離婚。
2回目の離婚を機に過去を振り返り、自分を癒し自分を愛することに専念しました。
お恨み帳もたくさん書きました。
両親、祖父母、元夫たち…
すべてを許せるまでは無理でも、それぞれに対して何かしらの感謝ができるようにはなりました。
3度目の結婚を望んでいるわけではありませんが、愛する男性と健全なパートナーシップを築いてみたいという願いがあります。
2度目の結婚生活の途中で、家を捨てて出て行った弟の代わりに生活に困窮した両親の暮らす地に戻って援助しはじめました。
早々とリタイアした自分勝手でわがまま放題の父と、いつも私に対して上から目線で物を言う母にうんざりしながらも頑張ってきましたが、私が離婚をしてすぐ父が病に倒れ入退院を繰り返し最終的に自宅で看取りをしました。
その間、弟はほとんど顔も見せず妹だけが手伝いに来てくれました。
父は妹が来ると喜んでパート帰りの妹に「仕事帰りか。お疲れ様。えらかったな。」と、頭を撫でたりしていました。
毎晩、母が入浴する時間は苦しんだり意識が朦朧とする父のそばに私がついていましたが、手を握ると振り解かれ…頭を撫でてもらうなんてことは一度もありませんでした。
そしていよいよ死期が迫ったある夜、夢と現実が混ざったりしている様子の父が私の顔を見ながら嘲るように笑いながら「あほや」と言いました。
父は私に対して言ったものでなかったのかもしれませんが、あのときの感情はどう表現していいのかわかりません。
恐怖のような憎悪のような…
いま思い出すのも苦しい出来事です。
男性への恨みや憎しみを手放せるようになってきていた私に新たな呪いをかけられたような気分です。
この傷を癒す方法があれば教えていただきたいです。
(Tさん)
細かい状況は違っていても似たような話を扱うことって意外とよくありまして、具体的には、
・女の子はいらないという家庭(男尊女卑)
・長女のことを我がモノのような、召使のような扱いをする
・その長女が防波堤になり弟妹に対しては「孫」に対するような扱いをする(つまりはとても甘い)
・長女に対してのみ厳しい(長女は県内の大学のみ許し、弟妹は県外もOKという)
・その長女もなぜか両親に尽くすし、助ける
というものです。
とても現代の話とは思えませんが、確かに幼少期は昭和であり平成であったので、確かにそういうこともあったな、というところです。
色々と学びもあればツッコミどころもあるネタを頂いたので、ひとつひとつ分析しつつ、どう恨みを晴らしていけばいいのか?について考えていきたいと思います。
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「女の子は要らない」という家庭に育てば、まず「女である罪悪感」というものを持つようになります。
その罪悪感から来る「奴隷マインド」を持ち、健気に両親に仕える召使になることもあれば、思春期には反発して早くに自立していくこともあります。
その女である罪悪感を払拭するために「男」として生きていくケースも少なくないわけで、そうした方が筋金入りの武闘派女子と呼ばれることになるわけです。
ただ、この「女の子は要らない」という価値観は今でこそ否定されるものですし、そんなことを考える親はほとんどいないとは思いますが、かつてはそれが当たり前にまかり通っていた時代もあります。
そうした時代に生まれ育った方はそれが当たり前だと思っていますから、何の疑問も持ちません。
人種差別もそうですし、セクハラやパワハラの問題もそうです。虐待やDVにしてもそう。
何かしら本人に精神的な問題があったとしても、それが当たり前という価値観で育てば自分の行動に何ら疑問を持ちません。
そういう環境であるからこそ、女である罪悪感を強く持つようになるのです。
Tさんのご両親がどれくらい時代の流れに適応できたかどうかは分かりませんが、最期まで男尊女卑の考え方を持ち続けていた可能性もありますね。
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この「罪悪感」というのはよく「癒着」を作り出すものです。
両親からそんなひどい目に遭ったにもかかわらず、両親に尽くしてしまう、両親を助けに行ってしまう、というのは、意識的には「義務感」だったり、「放っておけない」だったりするかもしれませんが、潜在的には「癒着」という心理状態で、それ以外の選択肢を持たないケースも少なくありません。
「ああ、やっぱりそこで両親の元に帰ってしまうよねー。それであれこれ面倒見ちゃうんだよね。すごくイヤなのに離れられないんだよね。」
表面的と言いますか、依存心から見て見れば、そうして親の愛を得たい、親から認められたい、という風に読むことができますが、私はあまりそういう見方をしません。
むしろ、親の面倒を見ることを子どもの頃から植え付けられてきたからこそ、そこで親を無下にできないと見ます。つまりは、自立側の見方ですね。
罪悪感が作る癒着関係というのは、とにかく主従関係を作り、まるで奴隷のように扱われるし、奴隷のように扱われることを当然と思う心理も作ります。
表面的にはイヤなのだけど、親から頼まれたことを断れない自分がいるわけです。
そうして、自らの罪を償おうとするんです。
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両親からの愛に飢えるのはごくごく当然かと思いますが、それに加えて祖父からの虐待もあったということは、Tさんにとって「男」というものは憎んでも憎しみ切れぬ敵であり、決して女である自分を愛してくれる存在ではない、という思いが心の中に根付くと思うのです。
そうした強い怒りを持ちつつも、その相手からの愛を求める、という一見矛盾した感情を持って成長していくことになるんです。
ただ、潜在的に男は「敵」ですし、憎しみを持った相手ですからね、パートナーシップ、特に結婚生活がハードモードになるのもまた自然なことかもしれません。
それがモラハラ夫や浮気夫という形になるのだろうと思うのです。
男性と距離が近づけば近づくほど、怒りや憎しみ、そして不信感、さらには罪悪感が浮かび上がってきて問題が勃発するのです。
つまり、男性に対して恨みを抱き、復讐心を持つ一方で、その男性から愛されたい、大切にされたいという思いを持ち、さらには女である罪悪感から男性を上に見てしまい、まるで奴隷のように振る舞ってしまうパターンが出てくるのですから、とても複雑ですよね。
そこで
>2回目の離婚を機に過去を振り返り、自分を癒し自分を愛することに専念しました。
それはたいへん素晴らしいことですし、むちゃくちゃ偉大なことだと思います。
どうでしょう?
「自分が自分で良かった」
「女に生まれてよかった」
という意識を持つに至りましたでしょうか?
自分の偉大さを受け取れるようになったでしょうか?
自立系武闘派女子を専門にカウンセリングさせていただいている私としましては、当然ながらその自立心に注目するのであり、そうした環境に育ち、そうした心理状態であるがゆえに、ビジネスでは成功しやすいと考えています。いかがでしょうか?
Tさんも経営者でいらっしゃいますが、業績もそうですが、対外的な評価もなかなか高く、周りから信頼されるしゃちょーさんをやってらっしゃるのでは?と推測致します。
ただ、右腕とも言えるような信頼できる側近は得られましたか?
また、従業員たちとの関係はいかがでしょうか?
親密になればなるほど問題が出てくる可能性がありまして、それが出てるかどうか気になりました。
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さて、こうした武闘派中の武闘派女子のお話を伺っていくとTさんは振れられていないけど、カウンセリングの中ではお聞きしていくであろうポイントが他にもあります。
ひとつめは2人のお子さんとの関係について。
まっすぐいい子に育っていられると思うのですが、愛情深く何でも母の味方という頼もしい子なのか、何でも話せるオープンで対等な関係なのか、自分の顔色をうかがう子に育ったのか、さっさと自立してTさんの元を離れたのか、気になるところでして。
それによってTさんの価値や魅力がわんさかと掘り出せるものですし、それが今後のTさんの生き方を象徴すると見ることもできます。
「老いては子に従え」と言いますものね。笑
もうひとつはセックスについて。
女である罪悪感を抱えていると、自分が女であることを思い知らされるセックスに対して葛藤を持ったり、のめり込んだりするものです。
女であることを拒否していれば、まるで男性のようなセックスをするか、セックスそのものを遠ざけようとするでしょう。
しかし、実は女であることを感じたい思いがあれば優しく丁寧な愛撫を求め、女として大切に扱われることを求めるものです。
また、罪悪感が強く作用すれば自分を傷つけるセックスを選びがちですし、また、依存症とまではいかずともセックスに強く執着している自分が出てきたりします。
時代によって移り変わりもあるかと思いますが、セックスを通じて女であることをどう受け止めているのかを知ることができますし、またそこからTさんの本質を垣間見ることができるものです。
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さて、
。そしていよいよ死期が迫ったある夜、夢と現実が混ざったりしている様子の父が私の顔を見ながら嘲るように笑いながら「あほや」と言いました。
という経験が新たな傷を心に刻んでしまったことは間違いないのですが、この意識が混濁している状態で発せられた言葉は何を意味するのでしょう?
男尊女卑の価値観を強く持ち、格下・手下・召使のようにTさんを扱ってきたのであれば、その言葉はTさんが感じたように嘲りであるのかもしれません。
お父さんの人生がどのようなものであったかは分かりませんが、身近な者に対して感謝の言葉を知らぬ生き方をされてきたのかもしれません。
実際、孫がくれたお手紙には感涙して感謝の言葉を述べる父が、子どもがしてくれた行為に対しては感謝の言葉を言えない父というのも案外多いものです。
最期まで威厳を保っておきたいプライドなのでしょうか。
すなわち、怖れ、競争、正しさ、そして罪悪感の中で生きて来られたのであれば、最も自分に尽くしてくれた相手に「ありがとう」などとは言えないでしょう。
そうすると父は最後までTさんを下に見ていたのかもしれませんが、実は、これ、Tさんへの依存心の表れなのです。
身近な人への暴言暴力というのは罪悪感と依存心から来るものでして、暴言を吐くことで甘える、相手を否定することによって依存する、ということをよくやるものです。
晩年の両親はTさんにかなり依存されていたと思います。
癒着と言えるほどに。まあ、それはおそらく子ども時代からずっとだと思いますけど。
だとするとその「あほや」という言葉はTさんに向けた言葉であって、実は自分自身に向けた言葉であろうと推測もできます。
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また、優しいカウンセラーであれば、その言葉は感謝の言葉を知らないお父さんが発した「ありがとう」の意味だと受け止めてくれるかもしれません。
その嘲笑は自分自身に向けたものであり、罪悪感であり、Tさんを愛せなかった後悔であり、もちろん「あほや」という言葉も自分に向けたものである、と。
Tさんは嘲笑に見えたかもしれませんが、実際は自虐的な笑いであった可能性もありますし、Tさんの人生を不憫に思ったゆえの行動かもしれません。
もしTさんが父に恨みを持っているのであれば、父の言葉も表情もネガティブに捉えやすくなるものです。
こうした点はお父さんの性格を知ることで読み解けるのではないかと思っています。
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さて、そうした前提でどうしたらその傷が癒えるのか?両親への恨みが晴らせるのか?という点について考えてみたいと思います。
「手放しワーク」は何度も何度も繰り返し行うのが良いものです。
もう大丈夫と思ってもちょくちょく繰り返し行うのが望ましいです。
というのも、子ども時代からの両親との関係は根深いものですし、その影響も大きいモノですから。
◎オンライン:6/22(土)14:00-17:00 本気の手放しワーク・オンライン
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/52830
*「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナー動画『本気の手放しワーク』
その中で私が一番重要視するのは「恩恵」についてです。
そういう育ちをしたからこそ、そういう両親の元に生まれ育ったからこそ得られた価値は何なのか?という見方です。
先ほど触れたビジネス的な成功もその一つですが、他にもたくさんあると思うのです。
そういう父であったからこそ、得られたものってなんでしょうか?
「いやー、うちの父、めちゃくちゃややこしい人だったので、仕事で出会う人なんてほんとみんないい人に見えちゃうんですよー。周りの人がややこしいって思う人もあたしからすれば父より全然マシですからうまく付き合えちゃうんです」
そんな価値が得られることもあるのです。
そうした恩恵は「父のお陰」なわけですから、それを受け取り続けることで感謝の方が恨みよりも大きくなっていくでしょう。
父がこういう人だったからこそ、得られたもの。
これを探してみてくださいませ。
そうして「両親との心理的癒着を斬る」ということを目指してまた自分と向き合い続けていただければと思うのです。
◎オンライン:6/22(土)14:00-17:00 本気の手放しワーク・オンライン
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/52830
◎オンライン:6/2(日)11:00-13:00 特別心理学講座「どうしたらもっと自分の魅力や価値を受け取れるようになるのだろう?~他者評価と自己評価と潜在意識評価~」
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/52773
◎根本のカウンセリングスキルを伝授する根本式アクティベーション・カウンセリング講座
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/52425
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