「すべての男を振り向かせたい」という心理について



一般的には「無価値感」がその背景として浮かび上がってくるのですが、そんな話は単純ではないようです。
子どもの頃から「父」のめんどうを見てきたのであれば、それを社会に投影してそういうマインドを作り出しますし、きょうだい間の競争から力の証明としてそういう思いを募らせることもあるのです。

いつもありがとうございます。今年はパートナーシップに向き合いたいのでまたご相談させて下さい。めっちゃ怖いんですが。

【すべての男を振り向かせたい問題】についてです。多分、一番振り向かせたいのはお父さんでお父さんの愛をなんちゃらとかになるのかなとか思うのですが、

私はグループの中に男性がいると私に気があるかどうかがとても気になります。

その男性に全く興味もなければ魅力も感じていないし好きでもないし、付き合いたいとも思わないのですが、私に気があるのかどうか態度から観察しますし、気がなさそうなら振り向かせたいとも思います。好きになられたら断らないといけない私の負担が増えるだろー!と思う反面、私を素敵だなと思っている素振りが見えないと嫌なようです。

他の女性に気があるのを見ると、少し腹も立ちます。好きでもないのしタイプでもないし見下してすらいる相手でもです。一番可愛い素敵と思っていて欲しいのです。姉妹でお父さんの取り合いをしているのでしょうか?

私は兄、姉、私の三人兄弟で、お父さんにはキャバ嬢のようにあげて褒めて尽くして接してきました。

20年近く前になりますがキャバ嬢やってた時もあります。心理学を学び始めてからあれはお父さんの様な人を助けていたんだなと思いました。

愛情表現はできるタイプで大好きだよーやハグは家族全員に対していつもしています。

おせっかいな父を傷つけるのが嫌でお父さんが大好きなんでしょうね、ノーが言えない人間となりましたが、(今はかなり言えるようになりました)タイプでもない好きでもないのに男に私に気はもってもらいたいというか一番可愛いと思っていてもらいたいと思うのは、ほんとはお父さんを手に入れたいって事なんでしょうか?ただの女性として自信がないから支配欲ですか?

私は母子癒着が酷かったのですが、今はかなり母との関係は取り組んできたので対等な大人になれたと思っています。

でもまだ、私が母と2人でランチに行ったり楽しく過ごしている時にお父さん可哀想と思ってしまいます。家族は仲良いですが、お父さんからお母さんをとっちゃったって感覚です。私が夫婦の邪魔をしちゃってる気になるのです。両親が話している時に私が部屋に入って父が出ていくと、私はあっ邪魔しちゃったって感じた事があります。

パートナーは絶対欲しい!…はず!だけど1人が楽に走りがちで、どこかからご縁が結ばれるだろうとも気楽に考えていたり、自分を見せる事が怖いので婚活をしても上辺ばかりニコニコしてダメでした。

根本さんの過去メルマガを読み漁って、私も私の中の依存心や大人になりきれていない私がいるのかなと思っていますが、一度何に取り組めばいいのかなぜ男には気を持たせたいのか自分を知りたいと思いました。

ネタになれば嬉しいです。よろしくお願いします。
(Fさん)

ふつうカウンセラーというのはこういう言葉を吐いてはいけないと思うのですが、時々つい思いが余りましてごくごく丁重に「タチの悪い女やなあ」とぼそっと感想を漏らすことがあります。

そもそも常日頃から自立系武闘派女子と向き合わざるを得ない男子たちのことを不憫に感じており、これ以上いたいけな男子諸君がFさんや同志たちにもてあそばれぬことを祈るばかりです。(合掌)

さて、このところ「自分の欲にもっと素直になれ!」という話をよくしている身からすれば、【すべての男を振り向かせたい】というFさんの素直な告白にはただただ拍手でございます。

これをお読みの方の中にも「実は・・・あたしも・・・そう思ってる・・・」という方も少なくないと思います。

ちなみに学生時代に「アイドルになりたい」と思っていたり、現在でもときどき我がブログに登場する「姫」に憧れたりする方はもれなく同様の思いを持っていると断言してもいいでしょう。

それくらい注目を浴びたいわけですし、チヤホヤされたいわけですし、「あたしだけを見て!」としたいわけですが、別にそれは悪いことでもあたおかなことでもなく、ごく自然な欲求なんです。

子どもってみんな自分に注目してほしいんです。

「きょうだい」というライバルがいればなおさらその欲求は高まると思いますし、生徒の多い学校に行っていたり、ご近所付き合いや親戚付き合いが盛んな環境だったりしてもその欲求が強くなるものです。

かわいい服を着たり、メイクをばっちりキメたり、ピエロをやったりするのもそうですね。

もちろん自己顕示欲でもあるのですが、とっても大切なものですからやっぱり悪いものではありません。

さて、Fさんの【すべての男を振り向かせたい】という心理についてはひとつ、きょうだいの関係がクローズアップされてくると思います。

兄、姉、あたしの末っ子次女ですから生まれたときにはすでに兄、姉という強力なライバルがいたんですよね。

となれば彼らのキャラや年齢差なども気になるところですが、なんとか上2人を出し抜いて目立たないと誰も注目してくれない環境にあるのです。

一般的に第一子というのは親にとって初めての子ですし、他にライバルもいませんから、そもそも注目を集めて育ちます。

しかし、第二子が生まれた途端、親の目がそっちに行ってしまったように感じてハートブレイクしますから、何とかその親の目をこっちに取り戻そうと奮闘します。

それで「いい子」になるのが一般的なのですが、中には第二子以上に手のかかる子になって親の目を引こうとする戦略に出る子もいます。

また、末っ子、それも3人目となれば、親にとっても3回目の子育てでもあり、少々「孫」も入ってきますので、たいへん可愛がられることが多いものです。

従って何もせんでも親さらには兄・姉から注目される立場になることが多いのですが、逆に上2人がいろんな意味でやんちゃだと自分の存在をアピールするために活発に動き回ることになります。

埋もれぬよう、小さいながらも頑張りますから末っ子というのは基本的に根性が座ってることが多いのです。

そうなると3人きょうだいの場合、中間子というのが一番浮きやすいものでして、そこで自分に注目を向けるために問題児になったり、激しい競争心を燃やして頑張ったりする一方で、早々に戦線を離脱して独自路線を生きるパターンもあります。

これらは一般論でして、そうした原則があった上で実際どうだったかは個別聴取しないと分からないのですが、Fさんの【すべての男を振り向かせたい】という思いはきょうだい間の競争に端を発しているのでは?と推測するのです。

だから、きょうだいの関係、中でも姉との関係が気になるところですね。

「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)

Youtube:
「兄弟姉妹の心理学~きょうだいそれぞれの言い分を聞いてみようじゃないか!~」
兄弟姉妹の心理学~長女の主張~

で、子どもたちは自分のポジションを家族内に確立するために様々な手法を身に着けていくものでして、「いい子」「優等生」になる場合もあれば、問題児になることもあります。また、ピエロ(チャーマー)になって潤滑油になる子もいれば、うちのブログでもたびたび登場する「親の親役」を引き受けるケースもあります。

この家族内でのポジショニングが将来のあらゆる人間関係に影響するのは自明でして、Fさんの

>お父さんにはキャバ嬢のようにあげて褒めて尽くして接してきました。

というところを見る限り、幼少期より天然のキャバ嬢としてすくすくと育って来られたのだろうと思います。

キャバ嬢だったらタイプじゃない男にも気のあるふりをして太客にしようとするでしょうし、自分じゃなくて他の子を指名するような男を見たら何とか自分の存在をアピールして奪い取ろうとするでしょう。

それがもしかすると幼稚園・保育園時代から発動し、以後もまっすぐ天然キャバ嬢としてすくすくと育って来られたのかもしれません。

お母さんとの癒着がどんな感じだったのかは分からないのですが、何となく家庭内で浮いていたお父さんの存在が気になっていたのかもしれませんよね。

つまり、母と心理的に近い距離にありながらもお父さんをチラ見しつつ、必要な場面ではキャバ嬢になってたような感じですかね?

となると改めて家族内でのFさんのポジションが気になるところでして、

・母はFさんと一番べったりだったのか?
・他のきょうだいと母とはどんな関係だったのか?
・きょうだいの中でFさんはどんなポジションだったのか?
・父は家庭内でどのような存在だったのか?
・父と一番近いのは誰だったのか?
・兄とFさん、姉とFさんの関係はどうだったのか?
・兄と姉の関係はどうだったのか?

この辺まで手広く観察していきますと、今のFさんの動向もだいぶ理解できるんじゃないかと思います。

さて、お父さんにキャバ嬢のように接して育ったFさんはそのスキルを大人になってからもいかんなく発揮されるわけですよね。

ここで大事なことは、「ってことは、お父さん始め、他の方々に対してもそのキャバ嬢作戦は成功したってことっすね?」です。

つまり、男の目を引く、ということを幼少期から訓練してきた結果、それが見事にハマり、今もその作戦を使い続けられているんです。

つまりは「成功者」ということになりますよね。

キャバ嬢みたいになって男の関心を引く、ということがFさんにとっては成功法則になっているわけですし、そこでチヤホヤされる喜び、他の女よりも自分が注目されている快感などを得てきているのだろうと思います。

だから、今もついそういう意識で男たちを見てしまうのだろうと思うんです。

それがFさんにとっての人間関係構築方法ですもの。

とはいえ、気になったのはこの箇所でして、

>でもまだ、私が母と2人でランチに行ったり楽しく過ごしている時にお父さん可哀想と思ってしまいます。家族は仲良いですが、お父さんからお母さんをとっちゃったって感覚です。私が夫婦の邪魔をしちゃってる気になるのです。両親が話している時に私が部屋に入って父が出ていくと、私はあっ邪魔しちゃったって感じた事があります。

つまり、Fさんは【すべての男を振り向かせたい】のであって、【すべての男を手に入れたい】のではないってことなのです。

振り向かせることが目的なので、その先は知らん、というか、一歩引いてしまうのだろうと思います。

・・・ほんとにタチの悪い女だと思います!(直立不動で)

お父さんからお母さんを取ってしまって「いえーい!」ではないんですよね。
「あ、ごめん!すまぬ!」なんですよね?

そこに罪悪感が付いてくるということは、お父さんのことが好きなことはもちろんなんだけど、どこか自分が邪魔者である思いがあるのかもしれません。

「相手の気を引きたい。振り向かせたい。けど、自分のモノにするのは遠慮しちゃう。申し訳ない。」

という葛藤があるのかもしれません。

そうすると一人の人をパートナーにするってのはなかなか難しいものかもしれませんねー。

よくきょうだいの中には「家族の潤滑油」として、家族をつなげる役割を担う子がいて、その子は自分の思いとは別に家族が仲良くなるように心を砕くのですが、もしかするとFさんはそんな役回りをされていたのかもしれません。

だからどちらかというとそういう「調整役」みたいなところが今もあるのかもしれません。

だから、この罪悪感というのはけっこう影響をしているように思います。

一般論で見れば【すべての男を振り向かせたい】という欲求は「無価値感」が想定されます。

自分の価値・魅力に自信がないから、男を振り向かせることで自分の魅力を再確認しようとする作戦です。

Fさんももしかしたらそんな「自信のなさ」のようなものがあるのかもしれませんが、ややこしいのは、その一方で「キャバ嬢モードになれば無双状態」という成功体験をお持ちのところです。

つまり、「女として自信がないけど自信がある」という日本語的にはおかしな心理状態にあるのかもしれません。

どっちつかず、と言いますか、中途半端、と言いますか、「お前は何がしたいねん!」というツッコミが入る、と言いますか。

そう、Fさんにとって目指すところはどこなのでしょうか?
それが分からないのでしたら、これが最大の問題かもしれません。

また、アイデンティティにおいても天然のキャバ嬢ではあるわけですが、じゃあ、真実のFさんがどんな姿をしているのかはもしかするとご本人にも分からないのかもしれません。

女性としての魅力は当然ながら強いし、男ウケする外見ならびにコミュ力をお持ちのはずですが、あまりそこに価値を見ていないのかもしれないですしね。

だから、その曖昧でよく分かんない「女としての自分」にスポットライトを当てるのがまずは最初かもしれません。

カウンセリングなどであれば親きょうだいの関係に踏み込んで行ってそのあたりを明らかにしていくと思いますが、ご自身で手を付けようと思ったら、女としての魅力をもっと受け取るように意識した方がいいのかもしれません。

そして、自分を大人の女として扱うことで、子どもっぽさも抜けるでしょうし(父がターゲットだったら大人の女子になっちゃダメでしょ?娘でいなきゃダメですものね)、大人の成熟した魅力が身に付くと思うのです。

それと同時に「あたしは何がしたいんじゃ?」と自分に問いかけ続けたいですね。

どういう未来を創造したいのか?

まあ、女性性が豊かな人はこれが苦手なわけですけれど、決められなくてもいいので、こんな生き方がしたい!という部分には意識を向けていただきたいと思います。

ということで、結局はこれをテーマにカウンセリングを受けたほうがいいんじゃね?という提案になるのはお約束なのですけれど、まあ、無意識にやっちまってることですから、やはりひとりでは扱い切れないと観念した方が良いようですぞ。

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