一度ひどく傷ついているのになぜ未だに母に話を聴いてほしいというニーズを持ち続けてしまうのか?



傷ついているのにまだニーズが手放せないということは、まだまだ期待している部分、求めている部分が大きいわけですが、もう少し掘り下げればそれくらい「嫌いになれない」というか「好き」な自分がいるのです。
母への感情を「傷ついた」だけでなく、別角度から探ってみるのが良いかもしれません。

こんにちは。いつもブログや書籍等拝読しております。
気合と根性で母の望む道を進んできたリボンの騎士です。働いていた数年間で複数回の休職、転職先でのハラスメント被害を経験し今年の春遂に動けなくなり現在無職です。
小学生の頃母に悩み相談をしたら返り討ちに遭い、その日から超自立で生きてきました。まだまだロックウーマンですが少しずつ自分の人生を取り戻せてきています。
本題ですが、手放し中の母に対して話を聞いて欲しいというニーズが残り続けるのです。母は私が話している途中でも被せて話してくるか、最後まで話を聞いていたとしても反応が無いことがあります。(恐らくアスペ?)
お恨み帳を書いても「話を聞いて」という言葉がよく出てきます。頭では望めないと分かっていても無意識に期待して、話を聞いてもらえなかったことに母に対しても自分に対しても苛立ってしまいます。
一度ひどく傷ついているのに何故未だにこのニーズが残り続けるのか不思議です。
私のあり方を変えることが大切だと思い、気づいた時にはそうだよね話を聞いて欲しいんだよねと自分で自分の話を聞くようにしているのですが、続けていればこのニーズも手放せるのでしょうか?
(Yさん)

「母に話を聞いてほしい。理解してほしい。」という欲求は人間なら誰でも持ち続けるものでして、なんなら大人になってすっかり母と距離が空いていても、結婚して家庭を持っていても、何なら当人が鬼籍に入っていようが関係なく、「お母ちゃんに受け入れてもらいたい」という欲求はあり続けるものです。

じゃあ、それがYさんのように未だに強く残っている人とそうでない人の差は何かといえば、これまた理由はいくつも考えられるものです。

Yさんのようにお母さんに拒絶され“続けてきた”人。
1回じゃないんです。
何度も何度も、です。

Yさんの記憶にあるのは「小学生の頃」のお話ですが、たぶん、それ以外にも幾度もあったはずです。その中のインパクトが強いできごとがその記憶になって残っているんだと思います。

それで「十分もらえてないからもっと欲しい」となります。

それで言えば、拒絶されなくとも拒絶するような雰囲気を醸し出していた近づきがたいお母さんに対してもそうだし、馬車馬のように忙しくて話をするヒマがなかったお母さん、そして、自分よりも父や他のきょうだいばかりに目をやっていたお母さん、ご自身の心身の調子がよろしくなく寝込みがちだったお母さん、等々、様々なシーンが想定されるものです。

また、逆にたくさん母が話を聴いてくれた人もそうなったりします。
この場合は「癒着」も疑われるのですが、お母さんが話を聴いて受け入れてくれるので、大人になってもその習慣が続いちゃッていたり、何かとお母さんに甘える・頼ることが癖になってしまったりしてるケース。

おそらくこの記事をお読みの方はお母さんのお腹の中から生まれて来られたと思うのですが、要するに世におぎゃーと生まれ出る前からの付き合いをしているわけですし、幼少期は一番近い距離で関わった人だと思いますから、お母さんというのはものすごく特別な存在なんですよね。

だから、「話を聴いてもらえなかった」という経験を持つ子どもはそれが強烈なニーズとして心の中にとどまっており、「話を聴いてもらえるかどうか」で付き合う人を選別したり、「話を聴いてくれない!}と彼氏にキレたりするようになり、その一方で、誰かの話を一生懸命聴いてあげる子になったりするものです。

さて、ここで心理学的な解説をゴリゴリとしていくのですが、そもそも「自立」というのは「依存」を抑圧して成り立つものです。

>小学生の頃母に悩み相談をしたら返り討ちに遭い、その日から超自立で生きてきました。

というYさんはそのできごとを機会に心に誓うわけです。

「もう母に話を聴いてもらいたいなんて思わねえ」と。

ある種の決別宣言ですね。

で、ちょっと想像していただきたいのですが、その頃の女の子がその誓いを立てるのってどれくらいの決意が必要で、またどれくらい寂しく、悲しい誓いであったのでしょう?

もし、今度小学生くらいの女子を見かけましたら「この子が母と決別することを覚悟するのってどれだけエネルギーを使うんだろう?」と想像してみてください。

ただ、あまりにじーっと見つめていると「不審者」として地域に連絡メールが配信されることになりますのでご注意くださいませ。

たぶん、大人が想像するよりも遥かに壮絶な決意だったかと思います。

自立系武闘派女子のみなさまに分かりやすく表現するならば、まさに「ハラキリ」をするような覚悟ではないかと想像するのですがいかがっすか?

もしYさんがそのニーズと向き合っていこうと思われるのであれば、かつて自分自身が行った壮絶な決意について思いを馳せてみる必要があるでしょう。

で、そうした不退転の決意の元、超自立で生きることを決意したYさんですが、裏を返せば「超自立にならなければならんほど話を聴いてもらいたいニーズが強かった」と言えちゃうのですね。

まあ、無理もないっす。

この間も常連様から「彼氏と全然会話が噛み合わん。つらい。別れたろうかと思う。ムカつく。話を聴いてもらってる感じがせん。もうやだ。」というシンプルなご相談を頂いたのですが、やはり「話を聴いてもらう=あたしを受け入れてもらう=あたしの存在が許されている=あたしは愛されている」という図式がふつうに成り立つものですから、話を聴いてもらえない=存在価値がない、くらいに思い込む場合もあるのです。

だから、「母に話を聴いてもらいたい」というニーズはほんとうに根強く残るものなんです。

ちなみに「話を聴いてもらえない」と感じたとき、Yさんはそこでどんな気持ちになるのでしょうか?

悲しい、寂しい、つらい、惨め、悔しい、という気持ちもあるかと思いますが、存在を否定されたような、お前なんていらん存在やねんと言われたような、そんな思いも連なっているのでしょうか。

そして、その後、母に話を聴いてもらうことは期待しないようになったかと思いますが(つまり自立されたと思いますが)、その後の人生でどうでしょうか?友達、彼氏、きょうだい、同僚等々にも「話を聴いてほしい」というニーズを隠し続けてきたのでしょうか?
それとも彼氏に対しては立て板に水の如くめちゃくちゃ話をしてこられましたか?

ふつうはそうして「母から欲しかったけど、母が与えられない人だったので、他の人からもらうことで何とか辻褄を合わせてきた」となることが多いのですが、Yさんの場合はいかがだったのでしょうか?

もう誰にも話を聴いてほしいなんて思わぬ!と決意を貫き通したのでしょうか?

つまり、超自立するくらいニーズが強かったわけですから、何かの折にそのニーズが出て来ちゃうことも想定されるわけです。

すっごく欲しいものを我慢するわけですけど、納得して我慢してるわけではないですから、油断すると「欲しい」と思っちゃうのは無理もありません。

例えば、コメもパスタもパンもウドンも大好きで、食後のケーキは欠かさない生活を送ってきた皆さんが、お腹の肉をつねりながら「さすがにこれはヤバい」と思って「糖質ダイエット」なるものを始めたとするじゃないですか。

それは好物のすべてを我慢する生活を意味するわけで、「このままでは嫁に行けぬ。決死の覚悟で腹の肉を落とすべし」と気合を入れてトレーニングなんかも始めちゃうわけです。

さて、そんな修行僧のような生活を始めて数日が過ぎた頃、あなたの目には何が飛び込んでくると思いますか?

今まで気づかなかったところにケーキ屋さんがあることを発見する。
今まではあまり食指を動かさなかった和菓子屋さんに吸い込まれそうになる。
スーパーで買い物をしようもんなら気が付けば炭水化物の棚の前にいる。
同僚がお菓子をばくばく食ってる姿を見て殺意を覚える。
彼氏が「今度のデートはおしゃれなイタリアンに行こうぜ!」とLINEを送ってきたらスマホを思わず握りつぶしてしまう。

自立系武闘派女子のみなさまですから気合と根性によって糖質オフな生活を「楽しもう」とされると思いますが、炭水化物大好き!甘いモノ大好き!な自分にとっては「苦行」そのものになることは想像に難くないと思います。

そんな生活を数週間続けた頃、あなたはどうなっていると思われるでしょうか?

何かと糖質が目に付くようになるのが想像できるでしょうか?

そして、根本先生に相談するわけです。

「糖質オフな生活を送っているのですが、どうしても糖質がたっぷり入った食べ物ばかりに目が行くのです。御恨み帳を書いても、甘いものが食いてぇ、お米を腹いっぱい食いてぇ、という気持ちばかり出てくるのです。どうしてでしょうか?」

そして、偉大なるスーパーカウンセラーであり、カリスマである根本先生は威厳をもってこう伝えるでしょう。

「そらそうなるんちゃう?」

つまり、Yさんにとって「母に話を聴いてほしい」と思うのは、糖質大好き女子の糖質オフダイエットみたいなもんなんです。

気付きました?

それくらいお母ちゃんのことが大好きな、マザコンと言ってもいいほどお母ちゃんのことが大好きな自分がいるってこと。

だから今年の春に強制終了になるほど「気合と根性で母の望む道を進んできた」んですよね?

ふつう「話を聴いてくれん母などいらん!」と母の存在そのものを拒絶し、すなわち、反抗し、母の望む道など無視して「我が道」を進もうとするもんなんです。

それを怖かったのか厳しかったのか分かりませんが、結果的に母の望む道を気合と根性で進んできたということは、それくらい母に愛されたかった自分がいるわけだし、母に認めてもらいたい自分もいたわけだし、母の期待に応えてあげたかった自分がいるわけです。

つまり、なかなかのマザコンだということが分かりますよね?

だから「話を聴いてほしい」だけじゃないと思うのです。母に求めてるものって。

まあ、強い力で抑圧しようとしても、頑張って切ろうとしても、それくらい大好きなお母さんだったら「切るに切れない気持ち」が心の中に残るものです。

だから、ぬぐってもぬぐっても「どうしても欲しいモノだから」なくならないんだと思うんです。

ひどく傷ついてもなくならないのは、そりゃあ大好きな人に拒絶されたって好きなもんは好きだからですね。

よくうちのブログでも果敢にロックマン氏を我がものにせんと何度も突撃を繰り返されている武闘派の話が載りますけれど、それとも似たようなものかもしれません。

ということでそろそろ「あたしはマザコンなのか・・・」ということが分かって来られたかと思います。

>一度ひどく傷ついているのに何故未だにこのニーズが残り続けるのか不思議です。

要するに「何度振られても彼のことを諦められないのはなぜなのか?」というテーマと似てると見れば何とか分かってくるんじゃないでしょうか。

確かにトラウマも大きく、もう母に期待しない!求めない!と思っていらっしゃると思いますが、いまだにそのニーズが残り続けるのは「好き」だし「愛してる」からなのかもしれないわけです。

勇猛果敢な武闘派女子は恋愛や夫婦関係においてのみならず、母との関係にもその性質を大いに発揮されるのでしょう。

「ひどいめに遭ったからもう嫌い!期待しない!」という形で関係を切ることもできますけれど、ほんとうの手放しは「ほんまは好きやねん」という気持ちに立ち返った上で「卒業」という形を取るものです。

とりあえず、次の質問に答えてみてください。
即レスするのではなく、しばらく時間をかけてひとつひとつの質問に取り組んでみていただければと思います。

○自分が母のために頑張ったこと
○母から欲しかったもの
○自分が母を愛していた証拠
○母はなぜそんな厳しい態度を取ったのか?

そして、これらの質問を一通り回答できましたら次のテーマもあります。

○母はどんな風に人を、子どもたちを愛する人なのか?
○母が自分を愛してくれた証拠
○母が母だったからこそ得られた恩恵は?

なかなか難しい文言が並んでいるかと思いますが、ひとつひとつクリアしていきますと気持ちもだいぶすっきりしてくるんじゃないかと思われます。

ただ繰り返しになりますけどこれらの質問は時間をかけること(少なくとも2,3か月)を意識してみてくださいませ。

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