弟に劣等感や無価値感を持つことで男女関係が問題ばかりになる姉のお話。



きょうだいってのは親以上に根深い問題になることがあり、弟に親の愛を奪われた(と感じている)姉は男女関係を大いにこじらせてしまうことも珍しくないのです。
そうした「弟のいる姉」の心理を深掘りしながら、姉の幸せについて考えていきたいと思います。

ブログや本を読んだり、セミナーに参加したりしながらいつもお世話になっております。前より自分のことが、好きになっています。ありがとうございます!

ただ、やっぱり男性関係となると手強くて、すぐに私の感情が暴れ回ってしまい、疲れます。
何人かの男性にときめいたり、ハマったりしていて、年齢も年上、年下、彼女持ちなどです。
落ち着きたいのに、なんでこんなに気が多くてフラフラしてしまうんだろう、彼女持ちだったりするような難かしめな人をいいなーって思ってしまうこともなんでなんだろうって感じなのですが、今でもラインでつながったり、会ったりしちゃいます。
一喜一憂して、感情が乱高下して、自己嫌悪や自己否定が始まって疲れます、
特に年下の男性に対して、自分が取り乱すのが恥ずかしいし、お姉さんでいたいし、かっこつけたい気持ちで、逃げ出したいです。
また、実際に浮気された経験があるわけではなく、両親が不仲だったり不倫していたわけではないのに、男の人に遊ばれたくないという対抗心?恐怖心?が強いです。遊ばれるくらいなら、逆に遊んで相手を嫉妬させたいくらいで、優位に立ちたいという思いがあります。
私の気持ちが盛り上がってきたところで、違うわって相手が離れていくくらいなら、近づかないでほしい。
私は長女で、弟に対して劣等感や私は1番には愛されないんだという気持ちをずっと持っているので、そこが関係しているのでしょうか。
よくあるネタかもしれませんが、何か教えていただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
(Yさん)

弟のいる長女ってのはときに「え?弟?あ、あの奴隷?下僕?」というマインドを持ちやすい一方で、長男を優先する古い家庭などでは「あたしより弟の方が大切にされてる」という痛みを抱えやすくなって劣等感はもちろん、無価値感や競争心などが大きくなりがちでもあるもんです。

「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)

だから、Yさんの揚げ足を取ってみれば、

>年下の男性に対して、自分が取り乱すのが恥ずかしいし、お姉さんでいたいし、かっこつけたい気持ち

>男の人に遊ばれたくないという対抗心?恐怖心?が強い

>逆に遊んで相手を嫉妬させたいくらいで、優位に立ちたい

などの点に「弟」の存在が見えてきます。

「私は1番には愛されないんだ」という思いがあったからこそ、取り乱したくないし、お姉さんでいたいし、かっこつけたいわけですし、対抗心があって自分が優位に立ちたいわけですな。

これらの気持ちはすべて「弟」に通じるものがあると思います。

弟さんとは年が近いんでしょうか?

そして、やはり両親や親族もYさんよりも弟に目が行っていたように感じるのでしょうか?

一般論ではありますけれど、母親から見ると息子ってのは特別に可愛いらしいんですね。
うちの妻も、クライアント諸氏も、周りの友人や知り合いなんかでも「男の子は特別!」という思いを持ちやすいようです。

もちろん、すべての母がそうじゃないですけどね。

ちなみに筆者の母もそう言ってました。

一方、娘ってのは良くも悪くもライバルになり、対立することもあれど、「良き友人」「仲間」的な関係になっていくこともあります。

つまり、母から見れば娘というのは自分と同等・対等な関係に感じられるものです。

そうすると「姉・弟」という組み合わせの場合、弟は第二子(末っ子)でもあり、男の子でもあるのでなおさら母は弟に目が行きやすく、弟の方をかわいがってしまうものです。

また、弟も少なくとも幼少期は「母親の理想のパートナー」のような言動を繰り返すこともあり、母のハートをわしづかみにする傾向もあります。

その結果、娘としてはまだまだ子どもなのに母から友人・仲間扱いされ、時には頼られたりしながら育って行きますから、母を助け、弟の面倒を見るしっかり者になる一方で、子どもとして甘えたい、愛されたい、チヤホヤされたい、という思いは叶わなくなることも多いんです。

もちろん、そこには憎き弟の存在があるわけでして、それで弟に何かと意地悪をする姉も珍しくないですし、その嫉妬心から母親を怨むことだってありますし、そんな家に居心地の悪さを覚えてさっさと自立(独立)していく姉もメジャーな存在です。

Yさん、そして、同志のみなさまの家ではどうだったのでしょうか?

ただ、ここで忘れちゃいけないのは愛情の形、示し方が違うだけってことでして、親は姉も弟も可愛いんです。

だから、弟の立場から見れば「姉ちゃんはいつも母ちゃんから頼られてていいなー。俺なんていつまで経っても子ども扱いだよ」という思いを抱き、大人としての自信が持てなくなることも多いのです。

そして、そうした家庭内での関係をベースに人間関係を築いていくのが私たちですから、その影響は学生、社会人になっても残っていくものです。

例えば、弟と何かと比較され、やはり弟の方が可愛がられたというクライアントさんは「常に誰かと自分を比べて自分を落としてしまうし、どうせ自分は選ばれないという思いから恋愛がうまくいかない」という問題をお持ちでした。

いつも「誰か」の存在があり、職場でも自分の後輩の方が会社から大切にされてるように感じたり、彼氏ができても他の女や元カノたちが気になって勝手に凹んだり、趣味の習い事でも何かと劣等感を覚えやすいようです。

そして、周りからは「ちゃんとしてる」「しっかりしてる」とアテにされるし、仕事もデキるんですけど、それが全然自信につながらず、むしろ「そういう風に言われるとイヤな気持ちになる」だったりするんですね。

なので恋愛だってあまり彼氏という存在ができず、2番手だったり、確率の低い相手にBETしてしまったりして、女の自分を持て余しちゃったりするんです。

それどころか、近年では「よりによって弟に先を越された事件」というのも多発しているようで、「弟はいつの間にか家庭を築いているのに、あたしにゃ、その相手もいないんだよ」という愚痴を聞くことも珍しくないんです。

それくらい家庭の影響、弟の影響は大きいと言わざるをえず、そのクライアントさんはもちろん、Yさんにも「まあ、あんたはブラコンやからなあ」という宣告をさせてもらいたいと思うのです。

兄弟姉妹の問題ってのは本にも書きましたけど、ときに両親との関係よりもややこしく、複雑化することがあるものです。

そもそも両親ってのは自分を産み育ててくれた存在であり、大人になって自分が親になればまた両親の苦労も分かりますし、一般的には先に寿命を終えるわけですから、やがて感謝し、愛情を感じられるようになっていくことが多いのですね。

社会的にも「親には感謝したほうがいいよ」なんて風潮がありますから、それに抵抗を覚えて反発していたとしても、それを知識ではずっと持っているわけです。

しかし、きょうだいってのは横並びのライバルであり、一般的には「同世代」と言えますし、「きょうだいに感謝の気持ちを持った方がいいよ」なんて声もあまり大きくありませんから、隠れた問題になりやすいんですね。

カウンセリングでも親子関係はよく扱われますが、きょうだいの関係まで踏み込むカウンセラーって意外と少ないようで、「いろんな人にカウンセリングを受けたけど、ラスボスが弟だとは今まで気づかなかった!」という方も実際ちょくちょくいらっしゃいました。

つまり、ある程度心理学に触れてる本人でもなかなか気付きにくいのかもしれません。

ということで、ブラコンであるYさんは素直に弟への愛情を感じ、示すことができるでしょうか?

意外とこれが「大人」か「子ども」かの分岐点でして、「まあ、ムカついて嫌いになったこともあるけど、なんだかんだ言うて可愛いし、今も頑張ってるし、尊敬できる」と思えるのか、「うーん・・・・まあ、尊敬したいと思うけど、素直にそうは思えん」なのかはポイントです。

前者であればある程度、弟のことは受け入れられており、自分軸が確立されてると言えます。つまり、弟の影響を受けることは少ないと思われます。

後者であればまだまだ「子どもの自分」がいて、親からの愛情を求めている状態で、弟に対しても自分軸が築けていない「弟軸」になっており、その存在が今もまだ目の上のタンコブになっています。

Yさんの様子を伺えば、おそらく後者に近いだろうということが言えるわけですが、裏を返せば、それくらいYさんは子ども時代の自立が早かったということでしょう。

つまり、子ども時代に親からの愛情を「諦め」、いい子、しっかりした子、手のかからない子として依存心を抑圧し、さっさと自立したことが伺えるんです。

だから、社会的にはあまり問題がなかったとしても「愛情」に関する部分では何かと問題を抱えやすく、それが「男女関係はうまくいかんのじゃ」という風に表面化するんですね。

このケースに限らず、早くに自立した方は「仕事は問題ないんやけど、恋愛となる重たい、イヤな女が出現してもうてややこしい」と嘆かれることが多いのは、子ども時代に満たされない思いを今も抱えていたからで、そこに蓋をして自立してきたからこその問題なのですね。

「大人の自分と子どもの自分が同居している」ってわけです。

だから、再びYさんの揚げ足を取るのであれば、

>男性関係となると手強くて、すぐに私の感情が暴れ回ってしまい、疲れます。

>落ち着きたいのに、なんでこんなに気が多くてフラフラしてしまうんだろう、彼女持ちだったりするような難かしめな人をいいなーって思ってしまうこともなんでなんだろうって感じ

>一喜一憂して、感情が乱高下して、自己嫌悪や自己否定が始まって疲れます、

などのところに「子どものYさん」が見え隠れするわけですね。

あ、別にそれが悪いとか思わないでくださいね。

「いい歳なのにまだ子どもなんて情けない」とか自分を責める道具に使わんといてくださいね。

で、もう少し詳しく解説しますと「感情が暴れまわる」とか「感情が乱高下する」とかは、子ども時代、親と弟の関係においてYさんが感じていた気持ちの動きを表してると思われます。

けど、「姉」としてしっかり者になるためにはその激しい感情に蓋をしなければならないわけですね。それが男女関係となり、心理的距離が近づくと、その蓋をついうっかり開けてしまうので(というか、愛されたいし、満たされたいから蓋を開けたい願望はずっとある)、感情が暴れまわってしまうんです。

その暴れまわっている自分の声を言語化してみたら「うわっ。めっちゃ子ども!」とか「うわぁ、めんどくせー」とか分かってくると思います。

ちなみに根本先生にカウンセリングを受けるとブラコン扱いされるばかりでなく、「まあ、あんたはめんどくさい女やからな」とか「お子ちゃまのYちゃん」とかイジられますのでプライドが傷つく可能性があり、ご利用は自己責任でお願いいたします。笑

で、気が多くてふらふらしてしまったり、難易度高めの男にばかり目が行ったりするのにはもう少し解説が必要でして、ひとつは「姉としてのプライド」が邪魔してると言えます。

みなさんも競馬場やWINSに行かれた際、最終レースでその日の負けを取り戻そうとより気合を入れられることがあると思います。

メインの11レースまでに10万負けていたならば、最終レースで何とか10万以上取ってプラスで帰りたいと思いますよね。

そうするとパドックを見るとか、新聞の馬柱を見るとか、展開を予想するよりも、まずオッズを見てしまうじゃないですか。

それで、手元の金をありったけぶちこんで負けを取り返せるだけの配当を得られるオッズを探してしまうわけです。

手元に5万あれば2倍の手堅い馬券を買えますからまだ良いです。
しかし、手元に5000円しか残っていなければ20倍以上の配当が付く馬券しか買えないですよね?
でも、つい欲がでると5000円の軍資金で30倍以上の配当がつく組み合わせを探しちゃうんですよね。
当たれば一気に5万プラスで帰れる!これで駅前の焼鳥屋で一杯やってもお釣りが来るぜ!と思っちゃいますよねー。

・・・・え?例が全く分からない?え?共感できん?なんで?笑

それにしてもみんなが大金を入れるメインレースのあとに平場の最終レースを設定するJRAは賢いと思いますね。メインで負けた方々がそれを取り戻すために必死になるし、勝った人はさらに利益を上乗せしようとその勝ち分を放り込むので最終レースの売上って他の同条件のレースよりはるかに多いんですよね。

・・・え?まったくもって共感できない?え?

で、お子ちゃまのYちゃんのお話。プライドとか劣等感とかいろいろあって「弟に負けた分を取り返したい!」という最終レースの競馬場のおっさんのような心理がずっとあるんです。

つまり「弟以上に愛されなきゃ損だ!」みたいな思いがあるわけでして、もちろんそれは弟の競争心なわけですけれど、それゆえ、配当が高くつく、すなわち、確率の低い馬券に望みを託しやすいんです。

これがまず一つ目の理由。「JRAへの対抗心」ならぬ、「弟への対抗心」からふらふらしてしまうし、目移りするし、確率の低いところに行きやすい理由です。

ふたつめ。弟に対する劣等感というよりも、親から1番に見てもらえなかった痛みです。

「どうせあたしが選ばれるはずがない」
「あたしなんてどうでもいいんでしょ?」
「別にあたしじゃなくてもいいんでしょ?」

そんな思いを抱いたことはないでしょうか?

そうすると「ひとりに決める自信」なんてなくなると思いません?
どうせ選ばれないんだったら選んでもらいにくい相手を選んだ方がいいと思いません?

みっつめ。弟から親の愛を奪い返したかった思いを成し遂げるため、です。

弟から一番の座を奪い返したい!という思いは自覚したことありますか?

そもそも弟が生まれるまではYさんは1番だったわけですから「奪い返す」が正しい表現です。

でも、難易度高かったですよね?
子どもなりにあの手、この手を使ってもなお難攻不落でしたよね?

じゃあ、男も同じですね。

彼女持ち、既婚者を始め、ロックマン氏、生粋の野良猫男子、ダメンズ等々、難攻不落な男たちを落としてこそ、弟への敗北感、劣等感も癒されると思うわけです。

ふらふら目移りしてしまうのも「自分が1番」であることを証明するためには必要ですよね。

「ほら!あたしが一番じゃん!あんたの目がおかしいんだよ!」と親に復讐してるようなマインドもあるかもしれません。

だから逆にもしYさんが「お前が俺の1番」になってしまったらたいへん居心地が悪くなる可能性もあります。

「いや、そんなはずない」と疑いまくったり、自ら2番手に落ちるように画策してしまったり、何なら自分を1番にしてくれる男から逃げて自分を2番手にしてくれる男の元に走っちゃったりするんです。

こういうマインドがあったら「もうそろそろ落ち着きたいのに全然落ち着けない」って風になってしまうのも理解できると思います。

ということで弟の存在というのがYさんや同志のみなさまにとって「慢性的な問題」になっています。

弟を投影する男たちに対して、嫉妬心、劣等感、無価値感、敗北感、競争心等々の感情を燃え上がらせてしまうんです。

だからブラコンを卒業すべく、時間をかけてでも弟と向き合う必要があります(心の中で、ね)。

例えば、こんなアプローチがあります。

弟に対して「あたしの負けです!」と白旗を振る、ということ。

そして、弟のすばらしさをどんどん語っていくこと。
たぶん、これは全然できると思います。
けど、心からすばらしさを表現するってのはどうでしょうか?

また、弟に対してだけでなく、親に対しても「自分軸」を改めて確立していきます。

「私は私、弟は弟、親は親」ときちんと線引きしていくんです。

さらに、「もう幸せになっていい!」と宣言してみることです。

つまり「あたしはもう幸せになっていい!」と10回声に出して言ってみてください。

案外、ここが引っ掛かる方も多いです。というのも潜在的な罪悪感が強いからです。

そして、こうした問題で重要な鍵を握るのが「セクシャリティ」。
これは自分を大人の女として再確認することでもあり、弟や親との間にきっちり線引きをするための手段です。

だからこのセクシャリティが傷ついていたり、封印されていたりするケースがとっても多いので、重要なテーマとなり得ます。

それから伝統的な技としてインナーチャイルドをケアしていく方法もいいですね。
親からの愛を改めて受け取り直すわけですが、ここでは幼児退行しちゃう可能性もある(子どもに戻ったまま大人に戻れなくなる)ので、注意深く行う必要があります。

ということで、今日も長文になってしまったわけですが、パターン化して慢性化しているこうした問題は根っこが深いわけですから、ぜひともじっくり取り組む意識を持ってみるといいと思うのです。

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