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これらがヤバいのはそのもの自体も辛いことなのですが、それ以上に自分が相手の言ってることを受け入れてしまい、それがセルフイメージにまでなってしまうことです。
それを防いだり、解消したりするには少し骨の折れる作業ですが、きちんと自分の感情に向き合い、自分軸を確立していくことが早道です。
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職場の人間関係トラブルで悩んでいます。「できない奴」「君の感性はおかしい」と毎日のように言われ辛いです。もう辛いので辞めたいです。
もう限界なので2週間での退職を申し出たのですが、職場に退職の旨を話したところ「何が不満なんだ」「どうしたら納得するのか」「無責任だね」と言われ、確かに無責任だな自分はと自分を責めました。
気持ちは今すぐ退職したいです。ですがここで逃げたらまた同じ壁にぶち当たるので、耐えて勤務すべきでしょうか。
君はおかしいから精神科に通院しながら働けばいいと言われました。仕事のパフォーマンスは落ちてるし、確かに私がおかしい面もあるなと感じてます。
一方、その意見に納得できない自分もいます。何かスッキリ腑に落ちません。
知り合いに相談したり、ネットで調べたりすると様々な意見があり、みんな違う角度から意見してくるのでどれを参考にすればいいのか分かりません。しかし私の意見は何なのか、いずれは決めないといけません。でないと毎日地獄です。
このような時根本先生はどのように決断するでしょうか。
(Cさん)
>君はおかしいから精神科に通院しながら働けばいいと言われました。
こんな風に言われるのは一般的には「パワハラ」とか「モラハラ」と呼ばれるものでして、そういう場所にいるのはデメリットしかないので、さっさと辞める方がいいと思うんですけどね。やっぱついつい戦いたくなっちゃいますか?武闘派らしく。
そういう発言は何かと録音しておくとよくて、場合によっては労基署に通告することもできますし、弁護士に相談してみるのもアリですし、究極はうちの読者で結成された特殊部隊を会社に送り込むのも一興でしょう。おそらく数秒で「ぺんぺん草も生えない」状態にしていただけると思います。こわい。
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こうしたパワハラやモラハラの恐ろしいところというのは毎日のように否定されることで、相手の言葉をだんだん信じてしまうようになることです。
「「できない奴」「君の感性はおかしい」と毎日のように言われ」ていると、いつしか「自分はできない奴」「自分はおかしい」と思い込むようになってしまいます。
洗脳ってやつですね。
特に「洗脳」ってのは始めは洗脳したい相手に否定させるのが心理的には得でして、「そんなことない」「デキない奴じゃない」「おかしくない」という抵抗を起こし、それでも執拗に数や力や論理で押し込んでいくうちに、否定・抵抗の強さの分だけ、強くそう思い込むようになってしまうのです。
だから、Cさんもそんなことを言われ続けるうちに「もしかしてあたしってほんとうにできない奴なのかも」とか「そう言われてみれば昔から『感性がおかしい』みたいなことを言われてきたかも」と思うようになってしまい、奴隷になってしまうのです。
なので、
>仕事のパフォーマンスは落ちてるし、確かに私がおかしい面もあるなと感じてます。
という一文を見ると、ちょっとヤバいなあ、と感じるわけです。
なので、そういうときは会社の同意とかそんなもんはクソ喰らえで、とっとと逃げ出さないと、その後遺症をそののち何か月、何年にも渡って引きずらなきゃいけなくなります。
だから、そういう状況にある方がカウンセリングにいらっしゃったら「つべこべ言わずにとっとと逃げろ!」と命じるのが私のお仕事になっております。
ちなみにこの話は「職場」だけでなく「家庭」でも「カップル」でも起こり得ることでして、私も何人も洗脳されてしまった方にお会いしてきましたのでCさんにはその轍を踏まないようにお願いしたいところです。
*ギリギリまで我慢してしまうあなたへ『逃げる技術』(徳間書店)
*セミナー動画:逃げる技術~今よりもっと自由で自分らしく生きられるスキルを習得する~
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日本人はマジメで勤勉と言われていますが、マジメで勤勉であることを求められる環境がそこかしこにあるのが現実だと思います。
そして、日本人は優しいと言われますが、それは相手の気持ちを考えたり、空気を読んで行動したり、周りに迷惑をかけないように気を付けたりする点では良い面でもあるのですが、一方で、場を乱したくないがゆえに「我慢する」とか、空気を読んで「犠牲する」ということがまかり通っているのかもしれません。
そして、そうして周りに合わせるときって必ず自己否定を伴いますね。
自分のデキが悪いからだ、自分に能力がないからだ、ちゃんとしていないからだ、自分の○○というところがダメだからだ、という風に。
その結果、とても「他人軸」になりやすく、自分よりも会社、自分よりも周りの人、自分よりも目の前の人を優先してしまうようになります。
裏を返せば、それくらい自分のことを自ら傷つけ続けているのです。
だから、Cさんにとっては「自分よりも仕事を優先することで自分をいじめてる」ということになりますし、人によっては「旦那と別れないことで自分をいじめてる」「友達でいることと引き換えに自分をいじめてる」「この家に住み続けることで自分をいじめてる」「お金を優先することで自分をいじめてる」なんてことが頻繁に起きているのです。
そして、自分をいじめるために「自分が悪い。自分が間違ってる。自分がおかしい。」と思い込み、やがてそれが「セルフイメージ」になっちまってることもすごく多いのです。
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かつて、大阪の河内(かわち)出身の女性をカウンセリングしていました。
彼女はとても大人しく、蚊の鳴くような声でお話されるため、何度か聴き直ししながら彼女の人生に耳を傾けていました。
その地域では「おもろい奴かおもろくない奴か」という基準で身分制度が成り立っているために、面白いことを言えない彼女は最下層に属していました。
兄からも「お前はおもんない」と言われ続け、学校でも「おもんない奴」と扱われ、いつしか彼女は「自分は面白いことが言えないからしゃべっちゃいけない」と思い込むようになっていたのです。
だから、人間関係に怖れを抱き、話すことにコンプレックスを持つようになり、仕事もあまりうまく行かず、恋愛もいつも我慢と犠牲を繰り返していらっしゃいました。
それで蚊の鳴くような声でカウンセリングでも話をされていたのですが、聞き耳を立てれば立てるほど、彼女の話はおもろいのです。
ユーモアがあり、ちゃんと間をおいてオチを話し、ノリツッコミも習得されており、とても「おもろくない奴」ではないのです。
それを伝えると彼女は「は?お前、何言ってんの?そんなわけねーだろ」という表情をされるのです。
それくらい彼女の育った地域のお笑いレベルが高いということかもしれませんし、大人しく周りの人の話を聞くうちに、そうしたお笑いスキルを高められたのかもしれません。
でも、いやー、あんたおもろいでー、という話をしていくうちにだんだん声が出るようになり、ふつうにツッコミを入れてきたり、ボケてみたりするように変わって行きました。
そこで少し自信を付けたのか職場でも徐々に話ができるようになり、そしたら「あれ?○○ちゃんって実はめっちゃ面白いじゃん。なんで今まで隠してたの?」みたいなことを言われるようになり、自分が井の中の蛙だったことに気付いたのです。
それ以降、カウンセリングではめっちゃおしゃべりになり、やがて「しゃべらんかったらかわいい女の子やのになあ」というツッコミをせざるをえなくなるほどでした。
そのときの彼女は自分のお笑いスキルに自信をもって「あたしはおもろい女やねん」となったわけではなく、「ふつうにしゃべっても大丈夫なんだ!ちゃんとオチを付けなくても人は話を聴いてくれるんだ!好きなようにしゃべってもいいんだ!」ということを20代後半にして学んだのでした。
でもみなさん、だからって大阪がこわいところだとか思わなくてもいいです。
南の方の河内・泉州という地域がこわいところであって、北の方の北摂は全然安全な地域です!もちろん筆者は北摂在住です!
(おそらく、彼の地にお住いの方々からただいま猛烈なツッコミが入っているかと思いますが、一方通行のブログですので言いっ放しで行けますな。ふふふ。)
そういうことで大阪に移住する際はちゃんと地域を選びましょう!(もちろん、南にもいいところはいっぱいありますよ!例えば・・・・・・・・・・・・。水ナス・・・・・・・・。)、、、、てことを伝えたいわけではなく、「けっこう人って間違った思い込みをしてるんだよね」ということです。
そして、それが「いじめ」による洗脳が原因になってることも多いのです。
さらに、先ほどお伝えしたように「お前はおかしい」と言われ続けると、自分でも「自分はおかしい」と思い込むようになって、そうすると仮にその場を離れていじめがなくなっても、「自分はおかしい」という思い込みが続くようになってしまうのです。
だから、学校や職場、家庭でのいじめ、パワハラ、モラハラなどを継続的に受けた結果、その後は自分で自分をいじめるようになってしまうという悲劇が生じます。
みなさんや周りに心当たりはないでしょうか?
「中学のときに『太ってる』と人から言われ、スリムになった今でも『自分は太ってる』という思い込みに縛られている」
「元旦那に散々『お前は気が利かない』と言われていたので、今の彼に対して過剰に気を使ってしまっている」
「前の職場で『お前に務まる仕事なんてないぞ』と言われてきたので、転職してからも自分は全然役立たずだという思いが拭い去れない」
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でも、そんな洗脳ってのはいじめやパワハラなど気づいていないだけで子ども時代から特に親からの発言によって行われてることが多いのですよね。
「お前はかわいくない」「あんたは人に迷惑ばかりかける」「もっと気が利く子だったらよかったのに」「あんたがいなけりゃとっとと離婚できた」「お前が男の子だったらよかったのに」「女が勉強頑張ってどうするんだ」等々、知らず知らずのうちに相手の言葉を受け入れて間違った思い込みを持ってしまってることってすごくよくあると思うのです。
なので、私のお仕事のひとつはそうした洗脳を解くことにありまして「その呪縛を解きましょう」ということをよくやってます。
でも、それは「中学のときは確かに太ってたかもしれないけど、今は全然スリムでスタイルいいじゃん!鏡見なよ!」と言うのも確かに悪くないのですけれど、本質を見るならきちんと感情からのアプローチの方が有効だと思っています。
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Cさん、「お前はおかしい」とか「デキない奴」と言われてどのような感情が出てきますか?
悲しい、辛い、痛い、苦しい、申し訳ない、ムカつく、ひどい、、、等々いろんな感情があると思います。
※ここが無感覚になってしまってる方は要注意で、その場合は感情を取り戻すことから始めます。
そうした感情をただノートに書き出したり、カウンセラーに聴いてもらったりします。
「自分の気持ちを否定しない」ということを徹底します。
そしたら、「そんなこと過去に誰かに言われたことってない?」と過去を遡ります。
恋人、友達、先生、先輩、親、きょうだい、等々を思い浮かべながら似たような経験がないかを探ります。
もしあったら主軸はそちらに移りますし、もし思いつかなければ今の職場の人たちを軸にしておいて問題ありません。
今度は、そんな風に職場で言われている自分を客観的な立場から見てみます。
つまり、職場で「お前はおかしい」と言われている自分を少し離れたところから観察する感じです。
そう言われてる自分はどんな表情をしているのか?
その自分を見てどう感じるのか?
その職場の人たちに対してどう思うのか?
かわいそう、もっと言い返せばいいのに!、なんかムカつく!、何それひどい!等々いろんな気持ちが出てくるでしょう。
それもノートに書き留めたり、カウンセラーに聴いてもらったりします。
ここでも「自分の気持ちを否定しない」は大事です。
この段階までに何かしらの「怒り」が出てきたらOKです。
怒りが出てくるまではこの2つのプロセス(自分の感情を見る、客観的に自分を見る)を繰り返していきます。
たくさん泣いたり、嘆いたり、悔しがったりしながら怒りが出てくるのを待ちます。
「怒り」は「自立」のための大切な感情です。
それと同時に「自分を守ってあげる」という意識を特に客観視しているときに持つようにします。
そんな風に職場で言われてる自分自身を抱きしめて守ってあげるようなイメージです。
さて、そのとき、客観視してる自分は、職場でひどいことを言われてる自分に何て言ってあげたいでしょう?
その自分はどうするのがいいと思いますか?
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こうして自分が自分を否定せずに、自分を守ってあげる意識を養っていくと、自分を傷つける行動ってのは徐々に減っていきます。
そうすると別に退職しなくても周りからの言葉に影響されなくなることもあります。
そう、これは一種の自分軸の確立方法です。
でも、たいていの場合は「とっとと逃げろ!」という風になると思いますが。
そんな風に感情と向き合い、自分が自分で味方であることができると他でもそれがいっぱい役立つ場面が出てくるでしょう。
ぜひお試しください。
とりあえずCさんは被害が広がる前に逃げたほうがいいと思うのは間違いありませんが。
★自分軸を取り戻すための本と動画
*セミナー動画:ワークショップ「自分軸とは何?なぜ自分軸が大切なのか?どうしたら自分軸が確立できるのか?」
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