強力な母の前で子どもに戻ってしまい、その結果「自分はまだまだ子どもだ」という思い込みを持つに至っている問題。



社会的・経済的には大人として自立しているのだけど、強力な母のお陰で精神の一部が子どものまま留まってしまい、「自分はまだ子どもだ」という思いを抱えているケースを最近よく扱います。
ふだんは全然大人なのにパートナーシップとなると子どもが出て来ちゃうみたいな問題として現象化します。

最近、こんな話をよくしてるのでみんなにも当てはまるんじゃない?シリーズ。笑

ちょっと図が見づらくてすいません。
個人セッションで立て続けにこの話をしているので、我々のマインドがそこにフォーカスを当てろってことだと思ってネタにしてみました。

このケースを説明すると

・母の存在が大きい。(過干渉、感情的、行動的、スーパーおかんなど)
・母の元では「娘」(子ども)になってしまっている。
・もちろん本当は大人で、社会性もありバリバリ仕事もしている。
・でも、自分では「まだ大人になり切れていない」という思いもチラつく。
・パートナーシップに関する問題がある。

という状況です。

このパートナーシップの問題というのは、

・なかなか男ができん。
・できてもうまくいかん。
・婚活では外れだられ。
・結婚したけどモラ夫だった。
・レスになっちまった。
・他に男作ったろうかと思ってる。
・実際、男ができちまった。

などのことを指します。

また、「母のポジションに夫がすっぽり収まってるぞ!」とか「優しくて思いやりがある夫だけに、すっかり自分が娘になっちまってる!」というバージョンもあります。

「母」の子どもに与える影響はそもそも甚大なのですが、その「母」が非常にエネルギッシュなタイプの場合、子どもが大人になっても相変わらず子離れできずに子ども扱いしてしまうこともよくあるものです。

そして、母に子ども扱いされてる自分もまた母の期待に応えるように母の前では子ども返りをしてしまっているので、親離れができていません。

もちろん、自分としては子どもに戻ってる感覚はないのですが、「母には口答えできない」「なんだかんだ母の言うことを聞いてる」「母のことがいつも気になってしまう」「子ども時代同様、母の母役をやってしまってる」などの状況があるんです。

長年この習慣がお互い当たり前になっているのでそのこと自体に気付かないのですね。

それでふとカウンセリングなんかを受けてしまい、それを指摘されて「わぉ!」とショックを受けることになるわけです。

で、これがなんでパートナーシップの問題につながるかというと、母の前で子どもでいることがパターンとなり、パートナーと心理的距離が近づくと、彼に母を投影するようになって「彼の前でも子どもになる」という状態になるんです。

特に最近は面倒見がよく、優しくて穏やかで、かつ、家事なんかもバリバリできてしまう彼も多いので、そうなりやすいんですね。

これは理想の母を夫に求めてる図とも言えます。

一方、たいへん感情的な母親の場合、子どもを支配するので、子どもとすれば支配されることに慣れてしまっています。

そうするとやはりパートナーとの心理的距離が縮まると彼に支配されることを無意識に望むようになり、その結果、彼がモラハラ化したり、コントローラーになったりしてしまうわけです。

つまり、人と心理的距離が近づくと「14歳の私」になってしまうということです。
(14歳というのはよくあるケースで、中には8歳、4歳ということもあります。)

14歳の私は結婚なんて未来の話だし、子どもを産むなんて現実的じゃないし、セックスだって夢物語のように感じますから、そこに問題が出てくるようになるんですね。

また、1回でもこういう恋愛を体験してしまうとそれが癖になるので、始めから母役をやってくれるような男性にしか惹かれなくなることも少なくないのです。

で、14歳の女子と大人の女の違いとして何が問題かというと「対等性」という点です。

本来パートナーと自分は対等であるはずなのに、なぜか見上げてしまうような関係を創り出してしまうわけですね。

それで母に思っていたように「夫には敵わない。夫に守ってもらわねばならない。夫に養ってもらわなきゃいけない。」という依存心も出てくるところです。

大人である夫の前で、母の前にいるように子どもになってしまうんです。

ただ、それは精神的な面でして、例えば家事や子育てはちゃんとしていたり、大人のデートができたりしますし、興味思考まで子どもになってるわけではありません。

関係性だけ「大人と子ども」(パパと娘)になっているのでなかなか気付きにくいところがあるでしょう。

それゆえ、ほぼ100%と言っていいのですがセックスの問題が出てくるようになります。

レスもそのひとつなのですが、「受身になってしまう」「素で楽しめない」「感じるけどイクことができない」「恥ずかしくてオープンになれない」みたいなところもあれば「濡れない」「痛い」と言った肉体的な反応として出てくることもあります。

だから、そこで思うわけです。

「他の男性だったらもっと自分を解放できるんじゃないか?セックスが楽しめるんじゃないか?」と。

夫(彼氏)の前では14歳になってしまうのですが、仕事してる自分などは大人の女なわけですね。

だから、他の男性とは大人の関係が築けるんじゃないか?という風に思うのも合点がいくと思います。

けど、結局その男性と付き合っても距離が近くなれば同じ問題が繰り返されるようになるんですが。

ということは、なぜか母の前で子ども返りをしてしまう自分に「いやいやあんたは大人の女なんやで」と教えてあげる必要があるんです。

とはいえ、自分はまだ14歳だと思うことによって「保護される」(甘えられる、責任を負わなくていい、自分で決めなくていい、等)というメリットがあるため、分かっていてもなかなかそれを受け入れられないものです。

そこで、カウンセリングでよくやっているプロセスというのに次のようなものがあります。

1)母との関係をまず対等に持って行く

母との関係を「おばちゃん同士の関係」に変化させていくわけです。
つまりは心理的な距離を取ることをお勧めするわけですが、そのために母から独立する意識を持つ必要があります。

ただここで厄介なのはすでに家庭を持っていたり、一人暮らしをしたりして経済的・社会的には自立しているために、その独立すべき点がつかみにくいところです。

表面的な方法として「母にお小遣いをあげる」「旅行に連れて行ってあげる」「誕生日などのお祝いをしてあげる」等々がありますが、これらをやったとしても心理的には「子どもが親にしてあげること」という状態では効果はあまりありません。

より精神的に母を受け入れるには逆に母を理解する必要があります。

母の人生を客観的に眺めたり、母の言動を観察したり、心理学などを使って母の人生を分析してみたり。

そうすることで母を理解するほどに受容できるようになっていきます。

この「理解」というのが子どもにはなかなかできません。

そうした理解が進むと母に対する態度が自然と変わっていくものです。

そういう意味では母に対して「自分軸」を確立していくのもとても大切なプロセスになります。

「私は私、母は母」ときちんと線引きをする意識を持つわけです。

離れているときは自分軸でも、一緒にいると母軸(他人軸)になっちまう!というプロセスを経ることになると思いますので、ここもまた地道に意識をしていきましょう。

2)大人の女性であることを受け入れる

14歳の子どもにとって「大人の女性」というのも現実味がありません。

とある32歳の女子がカウンセリングを受け、思い切ってTバックを買ってみたそうです。

そして、うわーっと思いながら恐る恐るそれを履いてみたら思わず「あたしにはまだ早い!」と思ってしまったそうです。

その直後、「いやいやそんなはずはない。32だし。早いわけない。」と自分で自分にツッコミを入れたそうなのですが、自分が自分のことをまだ子どもだと思っていることに気付かされたわけです。

案外そういうことってよくあるものですね。

そうすると「じゃあ、大人の女性ってなんやねん?」という話になるんですけど、特に定義があるわけではありませんし、多種多様なものです。

ただイメージしてみましょう。「自分から見て大人の女性ってどんな人なんだろう?」と。

自分の周りで「あの人、大人だなあ」と思う人を探してみます。
芸能人とか有名人で探してみてもいいでしょう。

もしかしたら年下だけど大人だな、と感じる人が見つかるかもしれません。

そしたら、その人を研究して真似てみることがひとつのテーマとなります。

これ、ポイントなのは「実際に子どもなんじゃなくて、セルフイメージの一部が自分を子どもだと思っている」ということなんですね。

だから、「ああ、あたしも大人だよね~」という風に受け入れることができれば大丈夫です。

何をするから大人、何ができないから子ども、ということではないのですから。

そういうわけで「井川遥さんみたいになりたいなあ」と思ったら、井川遥さんを待ち受けにして、その生き方や価値観に触れ、メイクやファッションを真似してみるといいでしょう。

似合う似合わないはこの際思い切り無視してください。笑

またメイクやファッションのプロにアドバイスを請うたり、美容師さんに「大人の女にしてくれ」とリクエストしたりしてみるのもいいと思います。

要するに「自分を大人の女として扱うこと」を日ごろからしていくことで、案外、早く意識は変わるものです。

とはいえ、子どもっぽい部分を否定する必要はありません。そこが難しいところ。

完全なる大人になる必要なんてありませんから、「あたしも大人な部分もあるけど、まだまだ子どもだなあ、と思う部分もありますよ」という風に思えたら、それが大人なんだろうと思います。
(子どもの自分も否定せずに受け入れられてるわけです)

3)セクシャリティを受け入れる

先ほどの話からの続きになるのですが、自分のことを子ども扱いしているとセックスは受け身になると同時に、どうしても「色気」とか「フェロモン」というものを敬遠しがちになるものです。

「あたしは14歳なんだからそんなのはまだ早い」という思い込みがあるようなもんですね。

そして、そこで外見とか雰囲気とかを気にして「いやいやあたしに色気なんて!キャラに合わない!!」と拒否してしまうこともあるものです。

また、女として見られることに嫌悪感があったり、自らの性的欲求を否定しちゃったりするケースもあるでしょう。

逆に、性に対しては解放的なのだけど、親密感への怖れは強い、というケースも少なくないものです。

その色気とかフェロモンについては気合を入れたら出せるものではなく、その人のあり方とか内面的なものから醸し出されるものです。

だから、結局のところ「ライフワークを生き始めると色気もフェロモンも出るんだよね」という話になっちゃうのですが(苦笑)、少なくとも「年相応の魅力」については受け入れてあげたいものだと思います。

「女としての自分の魅力を30個探してみてください。考え方、価値観はもちろん、見た目とか仕草とかも注意深く観察してみてね」という課題があります。

たいへん難易度が高い課題なんですけれど、「女として」という枕詞が付いているのがポイントで、それを探してみるだけで意識が変わることもよくあるものです。

また、ここは「自分なりに」ということになりますが、性に対する抵抗と向き合うことも必須になります。

性的なものに嫌悪感があるならば一度そこと向き合ってみることも大切です。

また、「いやあ、セックスは大好きで、積極的な方なんですけどねー」という方についても「それって男役になってるんじゃない?」「ベッド上の格闘技化してない?」という疑問を持つ場合もあって、ちゃんと愛し、愛されるセックスになっているかどうかはチェックした方が良いと思います。

こうした繊細なテーマについては自分でも封印しがちですし、コンプレックスやトラウマがあると嫌悪感が付き物なのですが、非常に大切なテーマですから腰を据えて向き合ってみるのも大事です。

◎女性性とセクシャリティとサレンダーとコミットメント~実習メインのグループセッション~
https://nemotohiroyuki.jp/event-cat/43397

このグループセッションを1年くらい何度もやっているのですが、ここと向き合うことによって人生が変わり始めた方も少なくないものです。

「恥ずかしい」「怖い」と感じるならばむしろチャンスですね。伸びしろ、可能性がたくさんあるということです。

また、そこに何からの否定が入っているならばやはり一度、そういう機会を作ったほうがいいかと思います。

ちなみにセクシャリティを解放するシンプルなワークは「ちょっと恥ずかしいこと」をしてみることです。

もちろん「女として」ということになります。

ちょっと恥ずかしいな、と感じるメイクをしてみる。
ちょっと恥ずかしいな、と感じる服を着てみる。
ちょっと恥ずかしいな、と感じる下着を着けてみる。

そんな意識を持ってみると少し刺激的でセクシーな感覚を得られると思います。

こうしたプロセスの目標は「子どもの自分を大人に成長させること」になるのですが、それは「子どもの自分」を否定するものではありません。

母に対して娘で居続けることが問題を作るわけで、母と対等な関係でいることもできるし、時には娘に戻ってあげることもできる、と選択できるようになればいいのです。

大人な部分がたくさんある中で出てくる子どもの自分が与えてくれる価値・魅力は膨大なものですから、その自分を成長させてあげる意識を持ってみるのも良いと思います。

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 『社会的には自立した大人なのに親やパートナーの前では子供になってしまう心理
 


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