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なんで自分ばっかり!と思うシーンが日常あちこちにあると思うのですが、その裏にはニーズと期待に埋もれている被害者意識の自分がいるものです。
そんな「自立の依存問題」とそこから抜け出すポイントをお知らせします。
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私は年上の夫がおりまして、先日子供が生まれました。結婚当初から、私が我慢しきれず夫に不満をぶつける・・・という流れでの喧嘩が多かったです。子供が生まれたことでガラッと生活が変わり、より喧嘩も多くなりました。
今後子育てをしていく中で、嫌な気持ちになるのも、夫を嫌な気持ちにさせてしまうのも避けたいと思い、いろいろ考えていたのですが、どうも私の「どうして自分ばかり」という被害者意識が不満を蓄積させる原因になっているのではないかと思い至りました。
冷静に考えれば、夫に我慢させてしまっていることも沢山あるはずなのに、ふとしたことで「私ばかり子供の世話をしている」「私ばかり家事をしている」「私ばかり辛い思いをしている」・・・とどんどん被害者意識が膨らんでいきます。
その都度「いやでも夫だって仕事が忙しいし・・・」などと考え直しても、やはり1度感じた気持ちを抑え込む形になるため、モヤモヤした感情が残ります。
私のどんな部分がこの被害者意識に拍車を掛けてしまっているのか分かりませんが、「どうして自分ばかり」という気持ちを軽く出来れば、もう少し生活しやすいのにな・・・と悩んでおります。
(Hさん)
被害者意識があるってことに気付いたことって祝杯を上げて良いほどの前進なんですよねー。ふつうはそのことに気付かないか、認めたくないもんですから。
だって旦那のせいにしておけば楽じゃないですかー、というわけで。
カウンセリングとかだとそんなHさんに対して被害者の話をする前に、「旦那さんとの相性はどうなの?」とか「なんでそんな旦那と結婚したの?」なんて質問を投げかけることが多いもんです。
というのも「元々自分に自信がなくて誰かに甘えたくて。それで旦那は年上だし、甘えられるかな、と思って」とか「性格が合わないことは分かってたんだけど、他にコレって人もいないし、今後も出てくる保障もないし、プロポーズしてくれたから、ま、いいかな、と思って」とか「独身時代から盲目的に彼のことが大好きで、彼と結婚できるんだったらなんでもいいと思ってた」とか、「結婚するまではすごく優しくていい彼だったのに、結婚したらずいぶんとキャラ変しちゃいまして」とかいろいろと出てくるものなんですよね。
そこにある程度、今の問題解決のヒントが隠れてることも少なくないのです。
だからって「別れたほうがいいよ」とか言うつもりはなくて、そうなっちまった自分を見つめ直し、自分の内側にある問題と向き合っていけば「なるようになるんじゃね?」というスタンスです。
つまり、旦那と仲良く子育てすることができるようにもなるし、きっぱり別れてシンママとして新たな人生を歩むこともできるし、主体的に選択できるようになるってわけです。
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さて、肝心の被害者意識の話になるんですけれど、Hさんもお気づきの通り、そこには「不満」とか「欲求(ニーズ)」とか「期待」とかが隠れており、それが満たされないから「なんで自分ばっかり」という思いが出てくるわけです。
で、そこを突き詰めていくとたくさんあったはずの不満やニーズが数個に集約されることも珍しくないものです。
「結局のところ、あたしはもっと夫に認めて欲しいんだわ。褒められたいんだわ」
「もっとたくさんコミュニケーションを取りたいんだわ。本音をぶつけ合いたいだけなんだわ。」
「あたしにもっと触れて欲しいんだわ。セックスのときだけじゃなくて普段から、もっと」
「自分の気持ちをもっと受け止めて欲しいんだよね。分かって欲しいとは思わないけど、ただ聴いてくれるだけでいいのよね」
「なんだかんだ自分に自信がなくて、自分がほんとうに妻で母でいいのか自信がないのよね。そこを何とかしてほしいと思ってるみたい。」
そういうニーズや期待があって、でも、それは伝えてなくて(1,2回は言ったけど)、でも、そういう気持ちを言わなくても分かってほしいと思ってて・・・という感じで。
なので例によって自己肯定感とか自分軸とかの話になっていくんですけれどね。
少なくても、そのニーズや期待ってのは「自分が勝手に思い込んでいるもの」であり、「常識とか普通とか思ってるから分からないのは夫が悪いと思いたいもの」であり、「完全なる自作自演の世界」であるので、そこは自分で手放していきたいところです。
このニーズや期待を手放すのってけっこう抵抗がありまして、「手放し」ってのは自立してないとできないわけですが、ニーズや期待ってのは依存心のたまものなので、その意識の切り替えが難しいわけです。
なので「分かってはいるんですけどー」という思いが出てきたりします。
だから「自分の感情に責任を持つ」ということを自分に言い聞かせまして、「このニーズや期待は自分が自分で何とかしなきゃいけない」という意識を持つことが第一段階です。
これだけでも被害者意識を抜け出すことができます。
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さて、被害者意識に陥ってるときに見落としがちなことがもう一つありまして「相手に求めることはあっても、自分から与えてることは少ない」という事実です。
これもまた受け入れるのに抵抗があるものでして、「えー、旦那のためにあれこれやってんのよ?それでも与えてないって言うの?」と反発したくなるものです。
そうすると意地悪なカウンセラーは「でも、それって“取引”でしょ?」と切り返して、ぐぅの音も出ねぇ、という状態にさせられるものです。
「取引」ってのは意識してようがしまいが「これやるから、あなたはこれやってね」という心理でして、先ほどお話ししたニーズや期待と深くセットで考えても良いものです。
「子育て頑張ってるんだからその分、家事を手伝ってね」
「一人で家のことやってるんだから、ちゃんと稼いできてね」
「たくさん頑張ってるんだから、たくさん褒めてよね」
「これだけやってるんだから、もっと認めてもらってもいいはずよね」
「夫のためにたくさんサービスしてるんだから、ベッドの中ではあたしを満たしてね」
そんな風に誰もが持つニーズや期待が「取引」を作るんです。
「与える」ってのははっきり言えば見返りを求めません。
それをしていることそのものが喜びなので、むしろ、させてもらえることに感謝すら芽生えるものです。
だから、子育てや家事をしながら夫に与えるってのはよほど大人にならなきゃ難しいもんなんです。
子育てってほんと大変ですからね。
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で、そこからルーツを辿って行けば、その被害者意識を生み出す種ってのは結婚前からずっとあったはずで、例えば親に対してとか、元カレに対してとか、会社に対してとか、なんなら社会そのものに対してとか、元々ニーズや期待をあちこちで抱えやすい環境にあったのかもしれません。
「誰かのせい、何かのせいにする癖」が元々なかったでしょうか?
あるいは、被害者意識の強いおかんの影響を受けてる、という可能性もありますよね。
ということで、Hさんのそうした思いというのもどっから出てきたのかを見つけていくのも効果的なやり方だと思います。
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で、被害者意識というのは基本、受身であり、依存的なマインドの表現ですから、物事に対して主体的に行動しているつもりでも、実は受動的な側面が強く出てるわけです。
先ほどの取引もそうですが、表面的には積極的に動いていても、そのベースに依存心があれば「なんで自分ばっかり」という思いにつながります。
これを「自立の依存」という風にいます。
自立的な人の中に隠れている依存の問題です。
ワンマン社長が言うんです。「俺ばっかり会社のことを考えて働いて!お前らもっと真剣に会社のことを考えろ!」と。
プロジェクトリーダーが言うんです。「いつも矢面に立つのは俺だ。メンバーがもっとしっかり動いてくれたらこんなクレーム受けなくて済んだのに」と。
先生が言うんです。「一生懸命授業をしても誰も真剣に聴いてない!お前らどうなっても知らんぞ!」と。
つまり、自立の依存ってのは言い換えると「リーダーの依存」という風にも捉えられるわけです。
たぶん、Hさんは家事・育児においてはリーダーですよね。
だからこそ、旦那への不平・不満・愚痴・文句が出てくるんだろうと思います。
そんなリーダーに何が必要かと言えば「覚悟」です。
まだ腹を括れてないんですよね。
そして、そのために必要なことが「ヴィジョン」です。
Hさんにとって家族のヴィジョンが必要なんです。
何のためにこんなにも家事・育児を頑張っているのか?
それを「やらされてる感」でするのではなく、もっと「前のめり」で取り組めるようになるためには家族が目指すべき方向性を示すことが必要なのです。
子どもはあと何人欲しいのか?
子どもを含めたどんな家族になりたいのか?
将来、どんな家に住みたいのか?
旦那とはどんな関係を築きたいのか?
そうしたヴィジョンを描いていく必要があるわけです。
そこが見えてくると「今」に意味付けが可能になります。
「将来、白亜の豪邸に住んでお手伝いさんを3人雇ってセレブママになるためには、旦那様に今は仕事を頑張ってもらってぜひとも成功してもらいたい!家のことはあたしが頑張るから、旦那様はどんどん仕事で活躍してひと財産築いてください!」
「いずれ子どもだけじゃなく、でっかい犬も飼って、休日はみんなで近くの公園にピクニックに行って、お庭でバーベキューとかしちゃって、楽しくワイワイと笑いながら過ごせる日々を過ごすぜ!」
「旦那さんと何でも話せる親友みたいな関係になって、週に14回はエッチして、いつもラブラブな夫婦になるんだー!!」
みたいな野望っすね。
自立の依存の状態だと、このヴィジョンを描くことすら誰かに託してしまうので、表面的には自立して頑張ってるのに、心はいつも不満を抱えるようになります。
「白馬に乗った王子様を窓際でずっと待ってるお姫様」になっちゃうんですよね。
自分がワクワクするような未来を描き、それを是が非でも実現させたい!という方向にそのニーズを持って行くわけです。
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で、そうしたヴィジョンを描くと同時にやっておきたいのが「地に足を着ける」ということ。
これは「今を生きる」とか「自分軸」とか表現されるものですけれど、ここで必要なのは実は「男性性」。
ヴィジョンを描いても地に足が着いていないと、それは即座にファンタジーに変わってしまいます。
被害者意識が出てきて「なんで自分ばっかり」とニーズを感じるときって、実は男性性が攻撃的な要素として使われてしまいます。
なので、地に足を着けるべく、意識を「今」「ここ」に向けて行きます。
・自分が今取り組んでいることの意味や意義をしっかり認識すること
・自分が今できることを一生懸命やること
・自分がやっていることをちゃんと自分で評価してあげること
つまり、旦那に求める前に、まずは自分自身に与えなさい、というわけです。
この自分自身に与えるという意識が非常に大切で、めちゃくちゃ重要です。
旦那に褒めてもらおうとするのではなく、まず自分が自分を褒めてあげるわけです。
旦那に分かってもらおうとするのではなく、まず自分が自分の気持ちを抱きしめてあげるわけです。
そうすると被害者意識はするりと抜け出せる上に、今の生活に充実感を感じられるようになっていきます。
そうすると受け取れるようになるし、旦那の頑張りもちゃんと評価してあげられるようになるし、旦那と対等な目線でコミュニケーションが取れるようになっていくわけです。
これはデカいでしょ?
被害者意識を抜け出すには、それなりの覚悟が必要なのですが、こんな未来が待ってるとすればやる価値はあると思いませんか?
まずは今できることからひとつずつ取り組んで行きましょう。
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