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お酒を呑むと理性(思考)が弱くなるのでふだん隠している心が露わになりやすいものです。
ふだん隠してるってことはその部分を出しちゃダメと禁止しているわけで、それはけっこう苦しいですよね。
でも、その自分を出そうとするのではなく、ただ許すということを目標にするのです。
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いつもブログや書籍を楽しく読ませて頂いてます。
最近私は女性性が豊かなんだな~とか、セクシャリティが豊かなんだな~と認識し始めました。根本先生のブログは色んなことが丁寧に書かれていて、自分にも当てはめやすく、自分を分析するためにとても役立っています。本当にありがとうございます。
本題なのですが、私は自分の二面性?に翻弄されています。私はお酒を飲むと人格といってもいいと思いますが人が変わったようになります。
普段は理性的で優等生、気遣い屋、真面目、良い子なのですが、お酒を飲むと明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放になります。近くに好きな男性じゃなくてもキスしたいとか、それ以上のことがしたいと思ってしまいます。
でも、そんなお酒を飲んだ時に変わる自分が嫌いでもないんです。すごく解放感を感じます。
でも、我に帰ってみるととても恥ずかしいことをしたと理性的な自分が戻り、罪悪感を感じます。あれは本当に自分だったのか?とさえ思います。
また、お酒を飲んだ自分のことが怖いとも感じます。自分でどう扱っていいかわからなくなる時があります。
根本先生はこれをどう思われますか?本当の自分とは何なのでしょうか?
(Kさん)
「お酒を呑むと人が変わる」
「ハンドルを握ると違う人になる」
「マイクを持ったら別人格が現れる」
等々、○○で人が変わるってケースはよくありますね。
で、一般的には「酒を呑んで現れた人格がほんとうの自分」なんて風に言われますね。
みなさんはどうでしょうか?
私も酒呑みの一人ですので、いろいろと思うところがあります。
ちなみに「お酒の力を借りないとできないこと」ってのもよく耳にするものです。
かつて何人ものお客様は「シラフではお話しできない内容を相談したいので軽く呑んできました」とカウンセリングに挑まれたことがありますし(それは全然OKっすよ)、「酒を飲まないと言いたいことが言えない」とか「シラフでは恥ずかしすぎてセックスできない」とか様々なケースがあるもんです。
で、けっこうメジャーなテーマなんですけど、ちゃんと取り上げてみるのも面白そうだなあ、と思ってお話しさせていただきます。
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Kさんの場合、
シラフのとき → 理性的で優等生、気遣い屋、真面目、良い子
呑んでるとき → 明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放
という2面性が出てくるというお話で、「じゃあ、呑んでるときのKさんがほんとのKさんなんじゃないの?」という風に解釈されることが多いかと思います。
とはいえ、「仮面」の話をよくしているんですけど(興味ある方はググってくださいな)、「仮面の自分もほんとうの自分」なんですよね。
だから、「どっちがほんとの自分なの?」と聞かれたら即座に「両方っすね~」と申し上げる次第です。
でも、全然違う人格が出てきて「あたしは二重人格者じゃないか?」なんて思われる方もいらっしゃるんですけれど、そもそも私たちはみんな多重人格者でして、それが病気と診断されないのはそれぞれの人格をちゃんと認識しているからです。
ほら、「オフィスにいるとき」「給湯室でしゃべってるとき」「気になる人といるとき」「仕事帰りに同僚と茶をしばいてるとき」「おかんといるとき」で全然人格変わりません???
「Aさんと居るときはけっこう素の自分出せてるけど、Bさんとだとそうはいかない」ってのも別人格を使い分けてると言っていいわけです。
だから、とりあえずは「どっちもほんとの自分なんだ~」と思っていただければよいと思います。
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さて、これを違う見方をすれば、「呑んでるときの自分=アンダーグラウンドの自分」という解釈も可能です。
つまり、シラフのとき=表の私、呑んでるとき=アンダーグラウンドの私、が出てくるってことです。
そういう風に見ると私のブログを通読されてる方は理解が早いかもしれません。
すなわち、Kさんにとってみれば「明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放」という自分は何らかの事情で表に出しちゃいけないと思っているらしいんですよね。
明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放に振舞ったら何がマズいと思っているんでしょう?
男に惚れられやすくなる?
軽い女と見られる?
わがままで手に負えない女だとバレるのが怖い?
そんな自分じゃ日常生活がめちゃくちゃになる?
考えられる要因は大きく2つ。どちらもメジャーなものですが。
一つ目は親にそういう部分を出さないように躾けられてきた。抑圧されてきた。
二つ目は思春期に同級生との間で何かあって出さないようにした。
つまり、何らかの原因があって、「明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放」な自分は出しちゃいけないんだ!と思い込むようになって、心の中にしまっておくようにしたんですよね。
で、その上に「理性的で優等生、気遣い屋、真面目、良い子」の部分をくっつけて(仮面にして)隠すようにしたわけです。
「明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放」だったらヤバいから「理性的で優等生、気遣い屋、真面目、良い子」にする、というわけです。
ところがお酒を飲むと心が緩むんですよね。
思考(理性)が働かなくなって、それまで抑えていた自分が出やすくなるんです。
だから、普段いい人で愚痴とか文句とか言わない人が、酒を飲むとそんな部分を吐き出して「え?この人ってこんな一面あったんだ」ということに気付かされるわけです。
そういうわけでKさんにとっては「理性的で優等生、気遣い屋、真面目、良い子」というのは後天的に身に着けた処世術で、必要なものでもあるんです。
だから、悪いもんでもありませんし、そのお陰で得られたものもたくさんあると思います。
ただ、「明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放」の方を抑圧するのがちょっときついんでしょうね。
とはいえ、その辺をうまく調整して出すってのはなかなか難しいわけです。
「出しちゃダメー!!!」って強く抑え込んでいるがゆえに、出すか出さないかの二者択一になっちゃってるんですよね。
でも、お酒を呑んだら出ちゃうわけで、それで翌日理性を取り戻した後に超恥ずかしくなるのです。
こうした「表と裏の自分を使い分ける」心理は手塚治虫先生の「リボンの騎士」にて上手に
※参考)「セクシャリティや女性性が強すぎる上に器もデカいし、後天的に男性性を育てちまったからそのバランスに苦慮してる女子のための話。~リボンの騎士問題~」
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ちなみにアンダーグラウンドついでにお話しすると、お酒を呑まなくても、付き合っている相手が人に言えないような人だとすると、この抑圧してる部分を出しやすくなります。
その相手が既婚者でいわゆる不倫関係になると、その関係はオープンにできません。
それがゆえに、不倫相手の前では「明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放」な自分を出せるようになります。
事実、こうした問題でカウンセリングを受けられる方は非常に多く、また、表では隠している自分を出せるがゆえに手放し難くなるんです。
なので、Kさんには不倫注意報を発令しておきましょうか。笑
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じゃあ、そうした自分をこれからどうしていくのか?と言えば、女性性もセクシャリティも豊かってことに気付かれたわけで、それを解放しちえくのが第一のテーマです。
こんなグループセッションもちょくちょく行っていきますのでたまにチェックしてみてください。
◎女性性とセクシャリティとサレンダーとコミットメント~実習メインのグループセッション~
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/43397
ということで、恥ずかしがり屋なところもセクシャリティの豊かさを示しているのですが、「もう自分を隠すのはしんどい!もう嫌だ!」とまずは強く思い込んでみましょう。
これは思い込んでいいことですので!皆さんもぜひどうぞ。
そこでもしカウンセリングだったらどういう話をしていくのか?に触れて行きます。
まず、前述したように「なんでそういう自分を隠さなきゃいけないと思ったんだろう?」というところを見ていくわけです。
その原因を取り除いて、「なんだ、出しても大丈夫じゃん」と自分の心に教えてあげるわけです。
それと同時に、隠された自分をちょっと見ていきます。
※場合によっては「そこのコンビニでお酒買ってきて呑んできなはれ」という課題を出すこともあります。笑
明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放な私をアンダーグラウンドではないけど、表の社会とも言い切れないカウンセリングの場で見て行こうというわけです。
これは恥ずかしさと向き合うことにもなるので、その効果も期待できます。
明るくて無邪気なKさんってどんな自分なん?
そのときの自分って楽しくて面白くてけらけら笑ってる感じ?
その気分ってどう?
自由奔放に振舞う自分でどんな感じ?
そのときの気分はどう?
そんな自分を表に出せたらどんないいことがある?
性に奔放な自分はどうなるの?
そんな自分ってどう思う?どう感じる?
そもそも普段はすまして「あたし性欲なんてないから」って振舞っているんでしょうか?
性欲や性的なことに対する抵抗も強いんでしょうか?
じゃあ、とりあえずオナニーは毎日しようね~♪という課題も出すかと思います。
理想のセックスをシラフのときに考えてみて、というのも。
そうして、隠れた自分と向き合っていくことで、そんな自分を「愛する」ということをテーマにしていきます。
「明るくて無邪気、自由奔放、性に奔放」な自分をなぜかダメだと思っている思いを変えていくわけですね。
そうして、自分の中でまずはその要素を「許可」していくんです。
例えば、「酔うとエッチしたくなる」というお話もまたよく頂くわけですが、それってたぶん普段から性欲を押さえがちなんですよね。
それは性欲や、性的なことや、エッチな自分を「ダメなもの」として禁じて嫌ってる自分がいるんです。
だから、そんな自分を愛していきましょう!というわけです。
それでそんな自分を愛したからってふだんの生活が極端に変わることはありません。
内面で許可が下りた分、気分が楽になり、許せることが増えたりするだけです。
同様に、明るくて無邪気な自分って楽しくていいよね、そんな自分で仕事もできたら最高だよね、というイメージを創っていくんです。
その部分に許可が下りたらきっとふだんのKさんの雰囲気も変わります。
「抑圧して隠している部分を出そう!」ではなく「抑圧して隠している部分を許そう!」が目標です。
そうすると心が軽く楽になっていって、そんな自分が出ちゃっても恥ずかしさは軽減され、「ま、それもあたしだから」と開き直れるようになるんです。
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そうした二面性を感じる方って少なくないと思います。
怒りっぽい自分を隠している、情熱的な私を隠してる、何かに夢中になると他のものが目に入らなくなる自分を隠してる、すごく積極的でアクティブな自分を隠してる、、、等々、隠してるものには案外良いモノも多いんです。
っていうか、そもそも良し悪しはないので「怒りっぽい自分を隠してる」と「情熱的な私を隠してる」はほぼ同義です。
それを隠すのではなく、許せるようになると、出し入れ自由になるんですな。
だから、まずはそんな隠してる自分を許すプロセスを始めていきましょう。
とりあえずは「そんな自分と向き合うところ」から。
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『お酒を飲むと人格が変わる理由とその本質的な問題について~隠れた自分はなぜ生まれたのか?~』
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