防衛的コントロールという処世術~自分を守るためにキャラ変した自分の素顔とは?~



親との関係や学校での人間関係で傷ついて、そんな自分を守るために性格を変えて対抗する方法を採ることがあります。
それも処世術のひとつですが、そうすると本来の自分を守るために仮面をかぶって生きることになるので、どこかにほころびが出やすいのも現実なのです。

根本様

いつも、ブログ・メルマガ楽しみに拝読しております!
もちろん書籍も何冊も読んでます!

さて、3年前に同じ職場の年下既婚男性の猛アプローチを受けてあれよあれよとそういう関係になり、それなりに幸せだったんですが、お子さんの誕生(第一子ではないです)をきっかけに、予想通り、いや予想以上に、彼の態度が変わりました。
(初めての赤ちゃんではないです。)
それからはあの手この手を使っても合気道の様にかわされます。

彼とは『家族とは別に、心を開ける間柄』になりたい。
もちろん性も解放したい!(夫とは無理なんです。)
でも、やる事なす事裏目に出てしまい、最近は彼に立ち居振舞いまで否定され、ズタボロです。

自分で言うのはなんですが、見た目は褒めてもらえる事が多いです。ただ小学校時代に受けたイジメに負けじと口を悪くしたのもあって、親からは「性格がブス」「キツイ性格」と言われているので、性格に自信がありません。
同性には「裏表がないから付き合いやすい」と概ね好評なのですが、異性の評判は付き合うまでがピークな気がします。

そしてここに来て『性格ブス』という言葉が何度もリフレインされる様になってしまいました。自己肯定感ゼロです。
これも全て自作自演?なんの為に?
よろしければネタにして頂けると有り難いです!
(Nさん)

「あんたも好きねぇ~」というテーマかと思いきや「性格ブス」の方でしたか!なるほど!!きっと共感される人、多いだろうなあ。

「自分の性格に自信がない。」

そんな言葉をちょくちょく耳にします。
だいたい、見た目を褒められることが多い人って、意外とそういう思いを抱きやすいんです。
見た目ばかり褒められて内面をあまり褒められないので、「ああ、やっぱりあたしは性格悪いんだ」とか思います。

で、「性格悪いんだ」と思い始めると、それを証明する資料がわんさか思いつきません?

けっこうズルいところがあるしなあ、あざとい性格してるしなあ、ウソつくこともあるしなあ、本音をあんまり人に見せないしなあ、男の前では気に入られるように演技するしなあ、(以下、検閲削除)、等々。。。

ちなみに彼のその態度を軽く解説すると、彼が合気道の達人を目指しているかのような交わし方をするのも、立ち居振る舞いまでも否定されるのも、罪悪感が大きく関係してます。
彼の罪悪感がそういう態度を取らせてると思ってもいいでしょうね。

彼の方から熱烈アプローチをしてきたのでしょう?そして、お互いに一時期は熱烈にハマったんですよね?けど、そこで彼が罪悪感を熱烈に感じ始めて、今度は熱烈に距離を置こうとされてるんだろうと思います。

※でも子どもが生まれたことをきっかけに態度が変わるってのはあるあるですね。「こんなことしてたらあかん!」とか思っちゃうんでしょうね。偉い迷惑ですよねえ。

なので、彼の罪悪感がそう言わせてるので、彼から言われることは10分の1くらいに希釈して聴かないとけっこうメンタルやられますね。

でも、それきっかけに「性格ブス問題」に向き合えたんだったら、逆にオイシイかもしれません(そういう発想をするのがカウンセラーという職業のサガなんかも)。

>ただ小学校時代に受けたイジメに負けじと口を悪くしたのもあって、親からは「性格がブス」「キツイ性格」と言われているので、性格に自信がありません。

ってことは、口が悪いのも性格がキツイのも後付けってことですよね?ほんとの自分じゃないってことですよね?

けどねー、やっぱりいじめの影響って無視できなくて、武闘派魂を発揮して対抗していたとしても、そこでは深く傷ついちゃいます。
そして、そこで身に着けた処世術や防御術は後々の人生でも鉄板ネタとして継続してしまうのがまたいじめの辛いところ。

つまり、いじめに対抗して口を悪くして、それがうまく行ったら、そののちの人生はキツイ性格を前面に出して周りの人からの攻撃を防御するようになるんです。

しかも、それを親から指摘されたんだったら、変な話、“お墨付き”をもらったようなもので、「そっか、あたしは性格ブスなんだ。そうか。それがあたしなんだ」というアイデンティティを確立させちゃうわけです。

後付けの自己防衛的な行動を親によって承認されてしまい、それが自分の性格だと思い込んでしまうって流れはなかなかキツイものがありますよね。(この話はまた後で触れます)

>同性には「裏表がないから付き合いやすい」と概ね好評なのですが、異性の評判は付き合うまでがピークな気がします。

だから、案外、素のNさんは「表裏がない」んだろうと思うのです。
それをどう解釈するのか?の違いなのかなあ、と。

口が悪い、というとネガティブに聞こえますが、それが、いつも本音を言ってる人、であればポジティブになりますね。

なので、性格ブスっていう判断についても様々な解釈ができるのかもしれません。

で、この「異性の評判は~」のくだりはなんでなんだろう?とちょっと疑問に感じました。口が悪いから?性格がキツイから?それはまた何かの折にお聞きしたいなあ、と思いました。(ので、ここではこれ以上言及できませーん!すいません!)

さて、「コントロール」という話をよくします。
コントロールを手放そう!と提案します。

日本語に訳すとコントロールは「支配欲」になるのですが、実はこのコントロールも「相手を自分の意のままに動かしたい」という欲求だけでなく、別の意味もあります。

それは「防衛的コントロール」と呼ばれるもので、「また傷つかないように」「これ以上ひどい目に合わないように」と言った、防御を目的としたコントロールです。

「攻撃は最大の防御」と言われますけど、まさにそれを地で行くのがこの「防衛的コントロール」なんですね。

Nさんがいじめやお母さんの言葉によって「キツイ性格、口の悪い言動」を取るようになったのも、この「防衛的コントロール」の一つだと思うのですね。

キツイ性格を前面に出しておけば、そんな自分を誰も攻撃しないだろう、誰も自分をいじめたりしないだろう、というわけです。

そのためいじめなどが原因で「周りの人は油断がならない。むしろ、敵ばかりだ」なんて思いを持つようになると、自分を守るためにキツイ性格を作り上げて、周りからの攻撃をコントロールしようとするわけです。

それと合わせて、Nさんが感じる性格ブスというのもそんな防衛的コントロールに属しているんじゃないかと思うのですね。

つまり、傷つかないように、いじめられないように、バカにされないように、否定されないように、、、、自分で自分を「性格ブス」として最初に否定しておくんです。

自己嫌悪ってのはそうした防衛的な意味もあって「私は自分で自分をこれだけ嫌って責めていじめてますから、皆さんは私を攻撃しないでいいですよ!」ということ。

だから、自己嫌悪や自己否定をいい加減やめたいと思ってもやめられないのは、それが自分の身を守るためのコントロールとして意味があるからなんです。

キツイ性格を作って周りからの攻撃を防御し、同時に、自分を否定する「性格ブス」という言葉を使ってやはり周りからの降べきを防御しようとするのです。

そうするとどうしたって「キツくて口の悪い奴」を演じ続け、「性格ブスだから」と自分を責め続けることが、身を守るためには大事な処世術になってしまうのです。

じゃあ、どうすればいいのか?

とりあえず、外に向けては今のまんまでいいので、内側の自分をケアしていきましょう!というのが一つの手です。

ここまでお話してきたように、口が悪く、性格ブスだと思い込むことに、これだけの意味や目的があって、それはある面で成功してきた、という事実を受け入れましょう。

同時に、それだけ傷ついてきたし、嫌な目に遭ってきたし、「おかんめ!ひどいこと言いやがる!」というわけであし、そんな内なる思いをまずは受け入れていきましょう。

これが自己肯定感って奴ですね。

内側が変われば、外側に発せられる態度が変わるので、同性だけでなく異性からの評価もうなぎ上りになると思います。はい。

そうすると、キツイ性格の裏側にある、素の、ほんとうの自分の姿が見えてくるのではないでしょうか?

ほんとうの自分はこんなだった、という気づきですね。
そしたら、自分のことを性格ブスとか揶揄せずに、「意外と性格ええねんで、あたし」と思えるようになるでしょう。

そして、次に大切なことは「世界は私にとって安全な場所である」という“思い込み”を築いていくことです。

外の世界は危険な場所で、自分はいつどこかで攻撃される可能性がある、という思いがあるからこそ、防衛的なコントロールをしてしまうわけです。

だから、そんな自分に「ここはスラム街じゃなくて、平和で安全な近代都市なんだよ」ということを教えてあげるのです。

どうしたらいいのか?

一つの手は「世界が安全である証拠」を身の回りに探してみることです。
自分に優しくしてくれる人、自分を受け入れてくれる人、自分を応援してくれる人、自分の味方になってくれる人、自分を大切にしてくれる人、自分を思ってくれる人、などを探していくのです。

これは「意識的」かつ「意志の力」を使った作業になります。

世界は怖いところだ、という思い込みがあれば、勝手にそっちの証拠を探してきて、「ほら、やっぱりここはスラム街じゃないか!」なんて思っちゃいます。

だからこそ、「安全な場所」である証拠を意識的に探していき、それを受け入れていくんです。
その証拠をたくさん見つけるほど、安全な感覚がします。

もう一つの手は「人海戦術」ですね。

もう手前味噌な話になっちゃうんですけど、うちのお弟子さんたちでもいいので、とにかくカウンセリングをたくさん受けてみることです。

カウンセリングを受けて、カウンセラーに受け入れられたり、共感されたり、理解されたりする経験を自分自身に与えてあげるんですね。

もちろん、すべてのカウンセラーが自分と相性がいいわけではないですが、数を重ねることで「ああ、ちゃんと安全な場所があるんだ」ということを自分に教えてあげることができます。

そうすると「ここは防御しなくてもいい」という世界ができていって、世界が変わっていくのです。

この2つの方法は潜在意識を数の論理で書き換える方法ですね。

もちろん、ほかにも親子関係を見直したり、いじめの問題と向き合ったりという王道もありますので、興味があればそれをカウンセラーに相談してみるといいと思いますー!

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