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親が十分愛してくれなくて、大人の自分と子どもの自分の両方を心の中に持っているのが今の私たちです。そのままではいつまでたっても親を求め続けてしまうので、ここは一念発起して成熟性を手に入れるまでのプロセスをご紹介します。
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今日は「親を許せない気持ちと男性の優しさ」について伺いたくメールしました。
長年付き合った恋人と別れ、病気を患い、仕事を失いかけた私ですが、この度、入籍することが決まりました!
入籍に伴い、恋人の両親と食事や旅行に行くことが増えたのですが、なぜかモヤモヤが晴れません。
その理由の1つが、彼がご両親と仲良くしていることです。
私と両親の関係は、主従関係に近く、子供の頃から本音で話すことができませんでした。
しかし、学生時代まで母子家庭で育った彼は、いつも母親に対して優しく、思いやりを持った大人の男性として両親と接しているように見えます。
私も彼のように両親を許して、優しく思いやりを持ちたいという気持ちと、どうしても許せない気持ちが葛藤しています。
そもそも自分の両親に対して優しくするなんて気持ち悪いと感じます。
甘えたかった時期に甘えられなかった悲しみと、私が覚えている限りでは優しさや思いやりを与えてくれなかった両親を許せない怒りもあります。
また、彼は私の事より母親を大切にしているような気がして競争心?嫉妬心?がメラメラします。
正直、彼が羨ましいです(笑)
この気持ち、どのように消化したら良いでしょうか?
ご教授頂けると嬉しいです。
(Sさん)
>長年付き合った恋人と別れ、病気を患い、仕事を失いかけた私ですが、この度、入籍することが決まりました!
おめでとうございますー!!!っていうか、展開はやっ!何その電撃!笑
さて、「結婚」と「恋人」の違いは何か?って議論があるんですけど、一番分かりやすいのは「親」の存在が大きくなるってことですね。絡みも増えるし、今まで意識しなかった「家」というものも無視できなくなるし、ついでにきょうだいや親せきまで付いてきますから一気に「家族」「一族」という感じになります。
で、そうすると「自分の親と相手の親を見比べる」とか「お互いの家の待遇を比較する」とか「それぞれの親との関係性が気になる」と言った「比較」という問題がものすごく出てきます。
で、これまたよく出てくる話ですが、夫婦ってのはやっぱり「バランスの法則」というのが効いていて、なぜかお互いの家庭環境が真逆ってケースをよく伺うんです。
「家族ととっても仲良しな家の長男 vs 武闘派を地で行く虎の穴のような家の次女」みたいな対戦が組まれるんですね。
格闘技イベントでメインを張れそうな組み合わせっすよね!笑
相手が親と仲が良ければ嫉妬もするし、惨めになるし、なんか競争しちゃうわけですし、相手が親と仲たがいしていれば気楽な反面、心配するし、それでいいのかな?と思っちゃうし、将来にちょっとした不安を抱いたりするものです。
根本家の場合も、お互いすでに父親がいない家だったんですけど(なので、うちの子たちは祖父という存在を知らない)、女子ばかり3世代で仲良しな妻の実家と、それぞれが我が道を邁進する独立系なうちの実家では、その違いに私も面食らったものです。
なので、Sさんがそのような相手を選ばれたということはまさに心の世界の法則にちゃんとしたがっていらっしゃるってことですねー。それゆえ、大変でしょ??笑
そういう彼ならSさんはさぞかし嫉妬の炎がメラメラと燃えてしまうことでしょう。
「あたしとお母さんとどっちが大事なのよ!」的な。
また、彼のお母さんと自分のお母さん(お父さん)も思い切り比べてしまいますよねー。
「彼のお母さんみたいな人がお母さんだったらよかったのにー」とか「いやいや、彼のお母さんだって、うちの母親みたいに嫌なところがきっとあるはず!」とか、あれこれ思いが巡るわけです。
そうなるとよく分かると思うんです。
「おお!これが噂に聞く嫁姑問題かー!」と。
現代ではあまり聞かれなくなりましたけど、私-夫-夫の母、というのはベテルギウス‐シリウス‐プロキオンの「冬の大三角形」以上にメジャーな三角関係でございまして、まさに、夫婦関係における王道中の王道問題なんですよね。
火のないところにも火を起こせる武闘派女子たるもの、そのような格好の問題を黙って見過ごすことなどできませんから、やや興奮気味に嫁姑問題を燃やしにかかったりもするものです。
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さて、本題は「彼と母親の関係」と「私と両親の関係」に大きなギャップを感じ、羨ましくもあり、また、悔しくもあり、モヤモヤが止まらなくなるのも無理なきものと思います。
例によって心の世界で何が起きてるのか?って話をしていくことにしましょう。
このブログでもたまーにこの話が出てくるので、マニアな方にとっては復讐、あいや、復習ですね。
親が厳しかったり、Sさんのように主従関係を強いられたり、暴言暴力的であったりして、あまり甘えられなかったり、優しくしてもらえなかったり、受け入れてもらえなかったりという経験をすると、マインドの一部はさっさと自立して大人になる一方で、子どものまま成長を止めちゃった部分が出てきます。
外側の顔は大人びていて、しっかりしていて、自立的ですが、内側の一部に子どもっぽさと依存心を残してしまうわけですね。
そうすると、自立的でしっかりしているので(ちなみに武闘派でもある)、社会的(仕事とか習い事とか趣味とか)にはけっこううまくいくケースが多いのですが、相手との距離が近づくパートナーシップなどの関係になると、内側に隠れた依存が出てきてめんどくさい奴になっちまうわけです。
だから、パートナーと出会うまでは「大人な関係」を築けるのですが、好きになったり、体の関係を持ったり、付き合うってことになったりすると、徐々に子ども時代に満たされなかった思いが彼に向かうようになります。
それでパートナーに対していろいろと不満やら依存心やら「めんどうみろよ」「やさしくしてよ」「ちゃんと連絡してよ」「あたしのことなんてどうでもいいんでしょ?」「どうせ体だけが目当てなんでしょ?」みたいな思いが噴火してくるんですね。
つまり、親に満たしてもらえなかった依存心を彼に満たしてもらいたくなるわけです。(もちろん、そんな意識はなく、自然に出てきちまうものなんでしょうがないっす)
で、その一方で、そんなこんなで結婚して、旦那がお母さんと仲良しな様子を見ると、自分の親との比較が始まり、それまで鎮静化していた親への恨み辛みや甘えがたくさん出てくるようになるのです。
「彼に満たしてもらおうと思ってたけど、そもそもお前らかがあたしの面倒をちゃんと見ないかいけねえんだろ?」と怒り心頭にもなるってぇもんです。
で、そうするとSさんが感じてるように、
>自分の両親に対して優しくするなんて気持ち悪い
>甘えたかった時期に甘えられなかった悲しみと、私が覚えている限りでは優しさや思いやりを与えてくれなかった両親を許せない怒りもあります。
という思いが出てくるんですね。
自分でも「いい年こいた大人が中学生みたいなこと言ってる・・・」とか思うでしょ?
「親に優しくするのが気持ち悪いって思春期みたい」とか「優しくしてくれなかった両親を許せないっていつまで子どものつもりなんだろう?」とか思っちゃうでしょう?
それが「成長を止めた心の中にいる子どもの部分」の思いなわけです。
つまり「大人な私」と「子どもでいたい私」が葛藤するわけですね。
でも、「じゃあ、親に今更優しくしてもらってうれしいのか?」とか「親に謝ってもらったら気が済むのか?」というと、多少はいいかもしれないけど、正直「今じゃねえ」わけですから、それもまたモヤモヤします。
だからと言って、彼を親代わりにして「僕は君のお母さんじゃないよ」と言われるのも切ないわけですから、どうすりゃいいのよ!って話になるんですね。
で、このブログでもたまに出てくる話なんですけど「大人な私が、子どもの私を育ててあげる」というプログラムが始動するわけです。
誰かに自分の面倒を見させるのではなく、自分の面倒は自分でちゃんと見ようね!というわけです。
そこで当然ながら子どもの私は「そんなの親がちゃんとしてくれたら、自分でやる必要なんてなかったじゃないか!」と怒るわけですし、それもまあその通りなんですけど、「じゃあ、親にその能力があったのか?」って話です。
ちなみにこの問題は大なり小なり全員持っていまして、母親と仲良しラブラブな彼にしたって少なからずその問題は出てきます。
なぜかって完璧な親なんていないわけですし、完璧な子育ても存在しないからです。
だから、結婚生活を送っていくうちに「なんかこの人、子どもっぽいなあ」と感じるところが出てくるんじゃないかと思います。
そういうわけで「大人な私が子どもの私の面倒を見る」というのは基本線になるわけです。
とはいえ、親への期待や欲求が強かったり、まだまだ子供で居たい自分がいたりすると、このプログラムはすぐに挫折してしまいます。
これは「成熟性への道」と言えるんですけど、それなりの覚悟というか、コミットメントが必要な場面です。
なので、個人セッションとかではこの流れを一通りクライアントさんの話に沿って説明して納得してもらったのち、「で、どうする?」ってお聞きするんです。
成熟性を手にするメリットは計り知れないわけですが、さて、そのために「親や彼に求めているものを、自分自身で満たす」って話になると「少し考えさせてください」みたいになるのも無理はありません。
いわば、ずーっと親に求めてきたものを、自分で自分に与えてあげるという大きな方向転換を求められるんですからね。
ちなみに成熟性を手に入れるメリットにはこんなものがあります。
・親を見上げることがなくなり、対等な関係を築けるようになる。
・親に期待することがなくなり、一人のおっちゃん、おばちゃんとして見ることができ、付き合いが楽になる。
・恨み辛み憎しみ怒りなどの感情が薄れ、親への理解が深まる。
・親軸から自分軸に移行できるので、親の言動に振り回されることがなくなる。
・パートナーと対等な関係性を築きやすくなる。
・大人の女性(男性)らしい魅力があふれてきてフェロモンが醸し出される。
・親密感への怖れが亡くなるので、より深いパートナーシップを構築できる。
・より自分の本質に近いエネルギーが使えるようになるのでパワフルになり、ビジネス等でも成功しやすくなる。
・大人な関係の友人が増え、お互いに刺激を与えあう関係が創れる。
・自由に主体的に自分の人生を決めることができる。
・ライフワークの実現がどんどん加速していく。
自分の心の中に「親を求める子どもの自分」がいると、意識しなくても親が優先順位の1位に君臨するので、そこにエネルギーを取られすぎるんですよね。
そしたら、パートナーシップに向けるエネルギーはその分少なくなってしまいますね。
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そういうわけで、仮に「そのプログラムに参加しまっせ!」という話であれば、まずは「親を手放す」ってところが最初のプロセスになることが多いです。
(手放す=許すと思ってもらってもいいです)
「親のせいで!」とか「親が悪い!」とか長年思っていたら当然癒着しちゃってるわけですから、そこは切り離していきたいところです。
それは同時に「親軸」から「自分軸」への移行を意味します。
私は私、おかんはおかん、おとんはおとん、という意識をちゃんと自分に根付かせていきます。
そしたら、親に対して「ああしてくれなかった、こんなことされた、あんなこと言われた」って欲求(ニーズ)も消えていくでしょう。
それと同時に内観とか自分を見つめるってことをしながら、自分で自分を満たしていくことをします。いわゆる「自己充足」ってことですね。
この辺までやってくるとだいぶ親に向けてるエネルギーは少なくなるので、実感として「だいぶ楽になった」と思えるようになるでしょう。
ってことで、そのプロセスに入るためにはまずは「手放すことを選択する」ってことが大事なわけで、本や動画でもできますし、それはちょっと自信ない、という方はセミナーだったり、カウンセリングだったりを利用してみるのが良いかと思います。
(うちのお弟子さんはたいがい手放しプロセスを扱えるのでよかったら使ってみて)
★今週末はこんなワークショップも。
東京/オンライン:12/12(土)13:00-16:00 本気の手放しワーク2020
【今週末開催!】東京/オンライン:12/12(土)13:00-16:00 本気の手放しワーク2020~今年のもやもやは今年の内に~
★執着を手放すワークが満載の本&セミナー動画
*「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナーDVD『本気の手放しワーク』
*セミナーDVD『手放す愛で夫婦関係に奇跡を起こす~愛で問題を解決するセミナー~』
★うちのお弟子のカウンセリング
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