*
やめられないならやめられないだけの理由があるんだよね~という風に捉えるのがカウンセリング的な見方です。
その原因をちゃんと解消させてあげたほうが無理やり行動を改めるよりも効果的だよね!ということです。
*
今悩んでいることがあります。それは無駄遣いがやめられないことです。
毎回仕事帰りにちょっと高めのコーヒーやアイスクリームだったり、食べたことのないものを買ってしまいます。
それが趣味で楽しければいいんですけど、なんとなく罪悪感があります。パートで働いているので給料は安いですし、給料の割には散財しすぎだよな~と。
毎日なにかしらの刺激が欲しいんでしょうか。それとたまにギャンブル(パチンコ)にも行ってしまいます。
借金したり貯金がマイナスになったりはないんです。自分が困らない範囲内で遊んでるんで問題はないんですけど、そういう自分が嫌いなんです。
やめたいことをやめるにはどうしたら良いのでしょう。何かアドバイスをいただけだら嬉しいです。よろしくお願いします!
(Mさん)
困らない範囲で遊んでるんならしょうがないよね~♪と言ってしまえばもう今日の話は終わっちゃうんですけど、意外とこのテーマ、いろいろ示唆的なのでネタにさせていただきました。
「良くないなあ」と思ってるのに辞めれないこと、皆さんも何かありません?
Mさんの場合はお菓子とかアイスとかパチンコとかですけれど、ほかにも「夜、寝る前につい癖でワイン飲んじゃう」とか「仕事中、デスクの引き出しのお菓子をちょくちょくつまんじゃう」とか「お金貯めようと思うのに、ちょこちょこ買い物しちゃう」とか「仕事帰りにいつも服屋さんに寄っちゃう」とか、とか、とか。
もちろん、もっと大きな話で「週末はついついお酒を飲みに行っちゃう」とか「もう浮気はやめようと思うのにやめらんねー」とか「結婚したいんだけど、望みのない人とずるずる関係続けてる」とかもあるでしょう。
そういうときって「なんで辞めたいのに辞められないんだろう?」って考えると思うんですけど、ちょっと発想を転換してみて「なんでそれが必要なんだろう?」って考えてみるとよいんです。
なんとなく罪悪感を覚えちゃうなら、「なんで罪悪感を感じたいんだろう?」ってところを考えてみるんです。
さらに「やめたい」と思うのは「頭」なのか「心」なのかの見極めも大事なところですが、とりあえずそこは「両方」ってことにしておきましょうか。
「やめたいのにやめられないのは、やめられないだけの理由があるからよね」って風に考えます。
罪悪感を覚えるのって「刺激」なんですね。
だとすると「なんでそんな刺激を欲しがるんだろう?」ってことを考えてみます。
で、たいがいの場合「いやあ、ぶっちゃけ、日々の生活に退屈してるんですわー」という答えが見つかったり、あるいは、「なんかね、ストレスがね、けっこうかかってるんすよ」だったりすることが多いと思います。
仕事帰りに高めなコーヒーやアイスクリーム買うでしょ?
そのとき罪悪感以外にどんな感情感じてますか?
罪悪感があると自虐的な快感が伴うこともありますが、それ以外にもちょっと何を感じてるか見ていきましょう。
解放感があったり、ホッとしたり、なんかドキドキしたり、スッキリしたり、おいしかったり、楽しかったり、面白かったり、ワクワクしたり。
お財布に優しくないなあ、と思ったり、あるいは、体に良くないなあ、と思ったりしてもやめられないってことは、それ以上に何か得られるものがあるからだと捉えてみると、その仕組みが分かってくると思うんです。
*
家と会社の往復ばかりで、しかも仕事もあんまりおもしろくないし、家に帰ってもべつにやりたいことがあるわけではないし、という状況なら、コンビニに入って見たことないお菓子を買ったり、スタバでトッピングをしてフラペチーノあたりをゴクゴク飲んだりすると、ちょっとした「刺激」が得られますよね。
なんか、自分を生きてる、という感じ。
ほんのちょっとしたことのように思えて、退屈な日常の中で「ああ、生きてる」って感じられる瞬間。
変な話ですけれど、「痛み」っていう刺激を与えると「生きてる感」を覚えるのが私たちです。だから、罪悪感を伴うようなことをすると、そこでちくっと痛みを感じられて、それが退屈しのぎになるんです。
となると、Mさんはなんか「生きてる!」って感じを得たいのかもしれません。
それくらい日常に退屈したりしていませんか?
あるいは、ストレスが溜まってるときって、それを解放したいって気持ちになります。
お金を使う、とか、コーヒー買ってテラス席でホッと一息つく、とか、甘かったり、苦かったりする口当たりが同じく刺激となってストレスが解消される気がします。
食べるという行為でお腹が満たされた感覚がすると、やはりストレスが解消されたように感じられますから、そうした行為が止められなくなることも多いものです。
*
「退屈」と「ストレス」て話をしてきましたが、どっちもある!ってケースだってもちろんありますね。
そういう場合ってもっと何か楽しいことを探そうよ!というありきたりな提案もできるんですけど、もうちょっと違う角度も見てみましょう。
「やめたいけど、やめられない」という理由って、深掘りすると他にもあることに気付けたりするんです。
それは「自分をいじめたいから」。
罪悪感がそうさせることも多いんですけど、なんか自分をいじめたい、傷つけたい、そんな衝動に駆られることも生きてりゃあるわけです。
仕事帰りに高いコーヒー飲むと、その瞬間はいいけど、あとからいや~な気分になり、後悔して、自分にダメ出ししたり、自分を罰したりしたくなるのは、それが目的だから、というわけです。
なんで自分をいじめたいんだろうね?と言えば、今の自分が嫌いだから?なんで今の自分が嫌いなの?と話を展開していくこともできます。
クラスメイトのちょっと気に入らない子にちょっとした嫌がらせをしちゃうような心理ですね。
これってけっこうディープな話になることも多く、そういう風に人生を振り返ってみれば、何かと自分を傷つけるような、自分をいじめるような、そんなことをあちこちでしてきたなあ、なんて気付くこともあります。
人付き合いで、仕事で、趣味で、食べ物や着る物で。
なんで、そんなに自分のこと嫌っちゃうんだろうね?という質問はカウンセリングでもよく出てくるんですけど、そこからさらに転じて過去の恋愛とか親子関係にまで話が膨らんでいくこともあります。
*
カウンセリングというか、心理分析というか、私がやってることって表面的に起きてるできごとだけでなく、「それってパターンになってないか?」(繰り返し同じようなことが起きてないか?)という見方をしていくので、けっこう深い話になっていくんです。
仕事帰りにコーヒーを買うことって別に悪いことじゃないじゃないですか?
けど、そこに罪悪感を覚えたり、辞めようと思っても辞められないなら、何らかの意味がそこにあるんじゃねーかな?という風に解釈するわけです。
「退屈」「ストレス」「自分嫌い」。
Mさん、そして、皆さんは何か心当たりのあるキーワードは見つかりましたか?
そこをもう少しじっくり見ていくとなぜそんなことになっちゃうのかが理解できるようになると思います。
もし、Mさんが無理やりそれをやめるとするじゃないですか。
頑張って、我慢して、コンビニやスタバの前を素通りするようにするじゃないですか。
それってやっぱりストレスですよね?
さらに言えば、その原因となるストレス(or 退屈 or 自分嫌い)が解消されていないとするならば、それ以外の何かにそれが出ちゃうんですね。
だから、それを無理に抑えるんじゃなくて、一度、その意味をじっくり探ってみるのも良いかと思うのです。
「え?こんなちょっとした話がそこまで大きな話になるの?」と思われたかもしれませんが、それがアンダーグラウンド的な大きな話に発展しない前に手を打つのもアリですね。
コーヒーを飲みながら「これにもなんか意味があるんだろうなあ」という風に捉えてみて、とりあえず、無理にやめようとしないほうがいいですよ、というのが私からのアドバイスです。
*
因みに「辞めたいことを辞められるようになるにはどうしたらいいのか?」というと、そうした「辞められない理由」にちゃんと目を向けつつ、さらに、辞める意味、辞める目的、辞めた後のヴィジョンをしっかり描いてあげます。
「嫌だからやめる」「ダメだからやめる」というのはモチベーション低めですから、続きません。
やめるとすっごくいいことがあるよ!
この目的のためならやめられるよ!
そんな思いを自分に抱かせてあげるんですね。
ま、ニンジンをぶら下げる、という捉え方でも構いません。
そんな風に捉えてみてはいかがでしょうか?
★やめたいことをやめるためにも参考になるかも。
>ギリギリまで我慢してしまうあなたへ『逃げる技術』(徳間書店)
★お弟子さんたちのカウンセリングはこちらから。
>お弟子さん一覧
>オンラインカウンセリング無料相談「ココロノマルシェ」
>お弟子さんたちのセッション・セミナー予定
★自宅で、カフェで、移動中に、どこでも学べる根本の心理学講座
〇メルマガと動画付きで深い内容を学べるオンラインスクール
〇音声・動画配信サービス
〇セミナーDVD