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許しは幸せになるための一本の道筋に過ぎません。
逆に「許さなきゃ」と思うことがストレスを高めてしまうことだってあるのです。
方法は無限にありますから、そこにこだわらないことをお勧めしています。
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私も彼に対し、不機嫌になったり、近づかないでほしいと思うことがあります。あまり態度には出さないようにしていますが。
私の両親も不仲で、暴言だけでなく暴力がありました。
暴言は昔からでしたが暴力的になったのは数年前です。私は大人になってから、おどされたり髪の毛をつかまれたりつきとばされたりして家を出ました。
あの時の恐怖を思い出すととても許せるとは思えません。その後、男性と付き合っても、いつか豹変するのではないかという気持ちが消えません。
ちなみに私が小学校高学年以降、父親は単身赴任になったため一緒に暮らしていた期間は短めです。子どもの頃はかわいがられた思い出もあります。
許せないと思っていますが、まずは許しが必要なのでしょうか?何か他に方法はありますか?気になったのでリクエストしました。よろしくお願いします。
(Aさん)
文中の記事はこれです。
つづきものではないので、あとから読んでもらっても大丈夫です。
↓
「深い関係になったパートナーに対して不機嫌になってしまうのはなぜでしょう?」
https://nemotohiroyuki.jp/manwoman-psychology/26838
「許し」というのは確かに強力なツールですけれど、私は別にそこにこだわらない方がいいと思ってます。
だって、どんなひどい親だって、自分が幸せになったらあっさり許せてしまう(どうでもよくなってしまう)ケースを散々見てきましたので。
そう、「許し」も幸せになるために無限にある道筋のひとつに過ぎないのです。
Aさんの場合はお父さんに暴力を振るわれてきたわけでしょう?
だとしたら、そう簡単に許せないもんだと思いますし、許さなきゃと思って自分にプレッシャーをかけるくらいならば、許さなくても良いぞ!と自分に許可してあげた方がずっと気持ちは楽だと思います。
しかも、そんな昔ではなく、最近のことですから、なおのことでしょう。
お父さんに暴言・暴力を振るわれることが原因で男性恐怖症になり、親密な関係を築けなくなってしまうわけですが、その恐怖心というのは「自分が自分の身を守るための防衛機能」ですよね?
だから、大切なものなのです。
「いつか豹変するのではないか?」と身構えてしまうのはストレスにもなりますけど、そのお陰で自分の身を守ることにつながっているので、そんなに悪いものだと思わなくてよいと思います。
それだけ怖かったわけですし。
例えば、こういうケースで私がよく提案するのは「許し」じゃなくて「自分を愛すること」です。
その暴力を振るわれて怖くて、嫌悪している私が今もAさんの心の中に生々しく存在しているのです。
その子が、男性に対して不安や疑いを持つのは無理のないことでしょう。
またそんな目に遭うんじゃないか?という怖れや、ほんとイヤ、ムカつく、許せない!という思いはなかなか拭い去れないものだと思います。
だから、その私をもう一人の“大人の私”が抱いてあげます。
「怖かったね」
「痛いよね」
「理不尽だよね」
「ほんとムカつくよね」
「嫌だよね」
「ほんとあんなところにはいたくないよね」
「許せないよね」
そんな風に“私”の気持ちに寄り添ってあげます。
「内なる対話」と私は呼んでいるのですが、そうして「自分の心の中にいる傷ついた私」と対話して、頭を撫で、ギュッと抱き締め、「怖かったよー!こんなところにいるのいやだよー!」と叫ばせてあげるのです。
これは暴力を受けていた頃の私だけでなく、例えば「いじめに遭ったときの私」「彼にこっぴどく振られて落ち込んでる私」「大切な人を失って悲しみのどん底にいる私」などあらゆるシーンに応用できます。
そうして、自分自身と対話していくと、少しずつ心は収まって行きます。
そして、だんだん温かい気持ちが胸に広がっていくのが感じられるでしょう。
もちろん、大人の私がお父さんに対してむかむかむかむかしてくる場合もあります。
そういうときの対処方法は皆さん、もうご存知ですよね?
そのイメージの中で、その子の代わりに怒ってあげてもいいですけど、伝家の宝刀「御恨み帳」にバシバシ怒りを吐き出すのも良いです。
そうして恐怖心を少しずつ安心感に変えていき、怒りを吐き出して心を整えていくと、その私も徐々に笑顔を取り戻します。
そうやって暴力を振るわれたことでの痛みは少しずつ減っていくのです。
もちろん、インパクトが強い出来事ですから何度も何度もその恐怖心が巡ってくるかもしれません。
そのたびに寄り添い、抱きしめ、安心させてあげる、ということを自分で自分にしてあげるんです。
そうすると徐々にその傷が薄くなっていくでしょう。
そして、その分だけ、男性に対する不安や怖れも減っていることに気付くでしょう。
それである時気付くんです。
「あ、あたしも立派な武闘派女子だったわ。もし男が髪を引っ張ろうとしたならば返り討ちにしてやるわ!忘れてた!」と。
そうした辛い経験があるからこそ、強くなった部分もあるのです。
そうして自分を守り、愛し、いつくしむことでちゃんと傷を癒すことができますし、幸せにだってなれます。
なので、まずは自分を受け入れ、愛してあげてくださいね。
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