自分ルールを押し付けてくる上司にどのように向き合えばうまく対処できるのだろうか?



正しさの争いや権威との葛藤などの自分の問題も出てくるし、話を聴く姿勢、みんなが幸せになる目標設定など、人間関係のスキルを磨くのに必要な課題がふんだんに入った、すばらしいチャレンジができる機会なんです。

根本さん、こんにちは。
いつもブログで勉強しています。
会社で、上司が代わった中で気づいた事があるので今日はリクエストします。
それは自分ルールを押し付ける人についてです。新しい上司はグループ会社から出向してきた人で、私が勤務している会社は全く初めての環境のハズなのですが、
これまでのやり方を確認したりする事も、何の断りもなく、突然、自分が良いと思うやり方に変えるのです。
知らない間に、これまでのやり方でなくなっているので部下としては戸惑うばかりです。
一方で上司は、これで良い!と思い込んでいるようですし、その理由は、自分は部長で権限があるから、のようです。

私の母や母方の祖母も似たタイプで、自分のやり方の押し付け、それに家族が従わないと、自分の思うようになってない、とマジギレし、私は親なんだから、とか、口ごたえするな可愛くない!と声を荒げる傾向にあります。

似たような奴キター、って事で、こういう人の心理や上手い対処法を、教えて!根本さん。
(こう書いても、結局は自分の話にされてしまうんだろうな)
(Kさん)

そう、結局は自分の話にされてしまうんですけど(笑)、まあ、そこまでにいくつかのステップを踏んでみたいと思います。

こういうことはよくあるもので、新しい上司が「席替え」をしたり、「自分ルールを発動」したりするものです。

特に「部長」という立場で権限(と責任)を持つと、自分の色を主張したくなるわけですね。

これは要するに「マーキング」だと思うといいんです。
犬が散歩中に電柱におしっこを引っ掛ける奴です。

言い方を変えれば、イキっちゃってる状態で、そんな風に新しいルールを発動して部員をコントロールする姿というのは冷静に見ればイタい状態なのです。

それはその上司の成功体験に基づくものかもしれませんが、人間関係についてはあまり理解されていない方なんだろうと思います。

仕事については自信を持っているのかもしれませんが、人間関係については全然自信がないので、自分のやり方を“良かれと思って”押し付けちゃうんですね。

押し付けられる方はたまったもんじゃないわけですし、混乱も起きるわけですけれど、それに気付かない(=自分の信用を落とす=部下の心離れを引き起こす)ので仕方がないわけです。

で、多くの人は反発します。表面的、もしくは、ゲリラ的に。
その一方で、その上司におもねる奴も出てくるわけで、部内が殺伐としたギスギスとした空気で満ちていくようになります。

もちろん、その状態に気付いた上司は他人のせいにすることは目に見えていて、ますます自分ルールを発動してコントロールしようとする、という悪循環に陥ります。

まあ、よくある話っちゃ、よくある話ですけどね。

そんな時、皆さんはどうするのでしょうか?

「まあ、しょうがねーなー。上司だしなあ」と思って従うでしょうか?
内面的に不満や文句を溜めつつ、それを給湯室やランチタイムに吐き出しつつ、何とか上司に合わせようとするでしょうか?
それとも「おい、ちょっとお前、表出ろや」と刀に手を掛けて争おうとするでしょうか?
あるいは「もうこの職場はダメだな。転職を考えよう」とするでしょうか。
もしくは「おい、みんな団結しようぜ。それで上司に対抗しようぜ」とクーデターを企てるでしょうか?

そこで出てくるパターンが皆さんの権威との付き合い方を象徴するのです。

「権威との葛藤」という奴ですね。

そして、この権威との葛藤は、子ども時代から積み重ねて来たパターンによるので、セッションなんかでは「でさー、あなたの親ってどんな親だったのよ」という話を振ることになるのです。

Kさんは聡い方なので、その辺はよく理解されていて、ゆえに、

>私の母や母方の祖母も似たタイプで、自分のやり方の押し付け、それに家族が従わないと、自分の思うようになってない、とマジギレし、私は親なんだから、とか、口ごたえするな可愛くない!と声を荒げる傾向にあります。

というネタを提供して下さるわけですね。

なので、本質的にはその部長が問題って言うよりも、その部長に投影している「母」「祖母」との関係が問題ということで、そっちとガッツリ向き合ったらどうですかね?という提案をカウンセラーはするわけです。

そうして上司の問題のはずなのに、自分の問題に置き換えられて、うーうーむーむー唸り声を上げざるを得なくなる、というお約束の流れです。

で、その権威との葛藤があると、どうしても「正しさの争い」になります。

上司は上司で自分のやり方が正しいと思っている。
私は私で私のやり方が正しいと思っている。

そこで衝突が起きるわけです。もちろん、双方言い分がありますし、どちらも正しいと思っているので、話し合いをしても平行線です。

そして、当然、そうなるとお互いにとってお互いは敵になりますから、勝ち負けでしか判定できなくなります。
それで部長の上の取締役あたりを引っ張り込んで争うことになるんですけれど、その間、部内の生産性は著しく落ちますから、結果的に誰も得しないことになります。
もちろん、その裁定(これがあるかどうかは別として)によってはどちらかが「負け」になるわけですから、負けた方は面白くありません。
そしたら、会社としては優秀な社員を一人失うことにもなりかねないわけですよね。
それを見越せば「玉虫色の解決」という落としどころを探すことになるわけで、「痛み分け」みたいな結果に落ち着くことも多いと思います。

「正しさを争っても平和も幸せも訪れない」ということは、私のブログの読者であれば耳ダコだと思うんですけど、どうしても黙っちゃいられねえ、というのが自立系武闘派女子ってわけですね。

それで時には「まあ、負けてあげるのもいいよねえ」という話をするんですけど、そればっかりではありません。

とはいえ、この方法はKさん自身が母・祖母から来た権威との葛藤を手放していないと抵抗しか感じないものではあろうと思います。

「自分が正しい」と思って、部長を「敵」とすると、当然、対立しか生みません。

で、そういう時は相手の懐にまずは飛び込んでみましょう、ということになります。

その時の目標は「いい雰囲気の職場を作りたい」「自分らしく仕事がしたい」「いい成果をみんなであげたい」などになります。

ここで「自分の主張を通したい」という考えだと、すぐに正しさの争いになりますから、先ほどお話ししたような流れになります。

また、自分はそんな立場ではない、と謙遜する必要もありません。
いち平社員であったとしても、職場を良くしたい、雰囲気を良くしたい、成果をあげたい、という思いは同じですからね。
その主張をする権利は当然あります。
もちろん、そのためには自己肯定感の高さが求められる部分でもあります。

で、「懐に入る」というのは「懐柔される」というわけではありません。

まずは、その部長の話を聴こうじゃないか、というわけです。

そもそも着任してすぐ自分のやり方を主張する部長というのは、先ほども少し触れたように人間関係には自信がないか、無知なのかどちらかです。
これはマウンティングする人に対しても言えることですね。

だから、すごく身構えている(怖れを感じている)ことはすぐに分かると思います。

怖がってる人に対して、攻撃的な態度を採ったら、当然、相手はもっと態度を硬化させますよね。

だから、「まあ、あたしは上司の味方になりたいんですけどね~」というテイで近づくのが無難ですし、理想を言えば「部長の思いをもっと共有したい」とか「部長の実現したいことに対して協力したい」という姿勢がいいですね。

そこでいろんな話を聴き出します。たぶん、自分のやり方を主張する人は聞いて欲しい話(でも、聞く側には退屈な話(笑))がたくさんあると思うので、色々と語ってくれると思うのです。

そこでは部長の実績や過去の体験、そして、なぜ、そのやり方がいいと思うのか?みたいな話を場合によっては数時間語っていただきます。

まあ、変な話ですけど、部長をカウンセリング/コーチングするつもりで向き合うわけです。

そうして、私の言葉で言えば「情報収集」をたくさんやります。
なぜ、そんなすぐに自分ルールを発動するのか?が理解できるまで話を聴き続けるわけです。

できれば、自分の利害はちょっと脇に置いて、できるだけ中立的な立場で話が聞けるといいですね。

そうしていくと、不思議なことが起きてきます。
部長のことが理解できればできるほど、彼(彼女?)のいいところが見えてきます。
また、職場の雰囲気を良くしたい、実績を上げたい、と言った、自分と共通の目標も見えてきます。

そうすると、あらゆる人間関係に必要な「相手をリスペクトする」ということができるようになるのです。

つまり、部長に対してこちらもハートを開くことができるのです。
そうすると「敵」ではなく「味方」として自分自身も認知できるようになります。

ここまでは「話を聴く」ということがとっても大切なことは言うまでもないんですよね。
自分の価値観で善悪正誤を判断せずに聴く、ということです。

そして、自分が部長を「味方」として認知する頃には、たいてい部長もKさんのことを「味方」として認知できるようになります。

そうすると出てくるんです。

「君はどうしたらいいと思う?」

などの質問が。

信頼関係ができると「質問」が出てきます。
逆に言えば、質問が出るまでは信頼関係ができていない、ということなのです。

信頼関係ができていないときに意見を主張し合うと、それが例え良い主張であっても対立しか生みません。

そのために、相手が質問してくれるようになるために、こちらは質問をし続け、話を聴き続けるわけです。

ここまでのプロセスは「会社を良くしたい」「いい雰囲気を作りたい」「みんなで成果をあげたい」などの目標がしっかりしてないと難しいですよね。耐えられません。
ましてや「自分の主張を通したい」「部長の間違いを直したい」などのコントロールが入っていれば、話を聴いていても否定的にしか聞けませんからなおのこと、相手の防御を解くことはできません。

そうして、質問が出るようになったら、徐々にこちらの意見を伝えていきます。
向こうは心を開いて話を聴いてくれる姿勢になっているわけですから、それを受け入れることも可能になります。

そこでようやく握手できるようになるわけです。

ここまで至る間には自分自身の問題と向き合う必要も当然出てきます。
また、多忙な職場であれば、そんな話し合いの時間を作ることは難しいかもしれません。
だからこそ、「会社を良くしたい」「いい雰囲気を作りたい」「みんなで成果をあげたい」などのみんなの利益、みんなの幸せを考えた目標がとっても大切になってくるのです。

ぜひ、そんな思いでその部長と向き合っていただければな、と思います。

ちなみにそういうときのやり方はこの本の6章に詳しく紹介しています。

「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)

★動画付きでこんなテーマについて深く学べるオンラインスクールやってます。

https://www.mag2.com/m/0001677732.html

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